PS4/Switch "FATAL TWELVE" about theme songs lyrics (The text is written entirely in Japanese)
Added 2021-08-21 19:22:10 +0000 UTCみなさんこんにちは、あけおです。
さてさて、今回は、裏話系の記事です。
タイトルにある通り、『FATAL TWELVE』オープニング曲・エンディング曲に関する話。
今日の記事では、ちょいちょい脱線を挟みつつも、基本的には歌詞の話に絞ります。
制作したのがもう4年ほど前になるので振り返りながらになりますが、書いていこうと思います!
Unveil
まずはオープニング曲の『Unveil』。
この曲は、歌詞を書いたのはあけおではありません。
楽曲制作のLowさんのお知り合いである、TOSHIKIさんにお願いをしました。
『しずくのおと』の時から、制作は歌詞→楽曲という順番でした。
で、Fatal12のオープニング曲もまずは歌詞から書くことに。
オープニング楽曲は、開発の前半、Kickstarter開始の際に公開するPVでも使用することが決まっていました。
なので、物語のプロットは全てできあがっているけど細部は未定なところが多い、シナリオはないのでここぞというシーンで出てくる台詞などの決めフレーズがほとんどない段階で作る必要がありました。
すでに決まっているプロットや設定などから、あけおが歌詞を書き始めてみることに。
オープニング楽曲で表現したいこと自体は、明確に決まっていました。
- 他人の命を踏み台にして生きるべきかという葛藤を表現する
- 苦悩の中でも自分を奮い立たせる曲にする
- 時計や運命など、作品を彷彿とさせるワードを入れる
(+作品を知らなくても意味がわかる歌詞にする)
おおまかにリストアップすると、こんな感じです。
作品のことを一番よくわかっているプロデューサー兼ディレクター兼シナリオライターが書くのだからそれはもういい歌詞になる……そう考えていた時期が僕にもありました。
一稿目……二稿目……と次々没に。
楽曲制作のLowさんからあまりいいとは思えないと言うこともあれば、あけお自身がなんか違うとなることも。
音楽的な作法の問題ではなく、言葉として、ひとつの作品として良くないということだったので、没にする以外どうしようもなく。
細かい調整も入れれば回数がわからないくらい、歌詞の執筆を繰り返していました。
迷走の末、何か歌詞に印象的なフレーズを入れようと思いました。
主人公は獅子座で獅子舞凛火。
デザインにもたてがみを思わせる金髪が入っている。
よし、ライオンという単語を入れよう。
そこで没になった歌詞を見てみると、「崖っぷちライオン」というフレーズ。
……この時崖っぷちにいたのはあけおでした。
Kickstarter開始日と動画制作、そして収録のスケジュールから逆算すると、妥協も選択肢のひとつにはありました。
ただ、納得のいかない物は作りたくないというLowさんの熱い想いと、どこか心の奥で納得のいっていないあけお自身の想いの双方向から、没にすることを決めました。
この時点で、あと数日で歌詞〜曲まですべてを制作しなくてはいけないという当時の我々からすると笑うしかないスケジュールでした。
こんな経緯があって、救世主のごとく現れたのがUnveil歌詞担当のTOSHIKIさんです。
Lowさんのお知り合いで、「この状況でもなんとかしてくれる!」という言葉を信じて依頼することに。
できあがっているシナリオやプロット、設定やイラストなどの資料をお渡しして、さきほど書いたオープニングで表現したいこともお伝えして、作業に入ってもらいました。
資料確認の時間を入れれば本当に本当にタイトなスケジュールで歌詞を書いてくれて、本当に助かりましたし、その結果は皆さんの知る通り。
できあがった歌詞を見て、あけおも安心と満足と感謝の気持ちでした。
自分で書いた歌詞ではないので滅多なことは言えませんが、あけおの中では『Unveil』は凛火の歌です。
あけおが書いた没案の中にあるフレーズの中で、TOSHIKIさんの歌詞と共有するフレーズがあったことが一因です。
それが「生きたい」という言葉。
ティザームービーでのキャッチコピーは「私は、生きたい。生きて、いたい」というものがありましたのでそれを拾ってくださったのかもしれませんが、やはりこのストレートながらも強い言葉が曲の中でもすごく印象的になっていると思います。
(そしてこのムービーの時の松井恵理子さんの演技は初期の初期ながらすごく引き込まれるので、もしご存知ない方は観て聞いてみてください)
作中でも生きたいというのは当然キャラクターたちが思っていることですが、それでも、素直に言葉にして表現した時の凛火の苦悩・葛藤、そして力強さはあけおとしてはすごく印象的です。
聴く人ごとに答えがあることだと思いますので正解があるものではないですが……。
(あるいはダイアナさんの歌という解釈もそれはそれで面白かったりしますしね)
硝子の糸
続きまして、エンディング曲の『硝子の糸』。
個人的に、すごく思い入れのある曲です。
この曲の制作を開始したのは、全体スケジュールの中盤で、完成したのは終盤でした。
シナリオも上がって、収録も全て完了している時期です。
オープニングをTOSHIKIさんにお願いしたのでエンディングはどうしようか、という話をLowさんとしたのですが、やはり物語を締めくくる曲は自分の言葉で紡ぎたいという意志をあけおが示し、お互いに難航覚悟で制作開始。
物作りってあまのじゃくというか、そういう時に限ってうまくいったりします。
(まあ、覚悟していた大変さを一足飛びで超えていく方が多い気はしますが)
初稿として書き上げた歌詞がいい感じということで、そこからの微調整で済みました。
なので『硝子の糸』の歌詞は実質的に一発OKでした。
まず明言してしまうと、あけおにとってこの曲は、海晴、そして海晴から見た凛火を歌った歌です。
聴く人それぞれの解釈があっていいし、それが面白いところではあるのですが、ここではあえてはっきり制作当時の想いを書くことにしました。
(解釈違いだったらすみません!)
『FATAL TWELVE』という物語は「他人を知る」ことが重要な要素であって、相手のことを知ったうえで自分を貫けるか、という問いかけが作中に何度もあります。
≪女神の選定≫というのは、それができる人、生きる意志を貫ける人を選んでいる儀式という側面も。
(魯とチャンのカードを凛火と海晴がそれぞれ入手するというシーンも、ふたりが全てを直視し自分のエゴを貫く覚悟を決めていることを強調するために入れました)
とにかく言いたいのは、歌詞の内容を誰かの想いを歌うことだけに絞りたくありませんでした、ということ。
だから『硝子の糸』はまず、海晴が見た凛火の姿の描写から始まります。
選定前に海晴の運命を大きく変えた瞬間、そして選定後に海晴の運命を大きく変えた瞬間に、それぞれスポットを当てました。
一人称が「ぼく」ではないのにもいくつか理由があります。
あけおは女性ボーカルで一人称が「ぼく」の曲好き好き侍なのですが、(実際、『しずくのおと』の『C*U』では一人称が「ぼく」でした)、まず『硝子の糸』が「ぼく」だと海晴過ぎて解釈の余地がなくなるなーと思っていました。
そして何より、それは海晴の一側面だけを描くことになってしまうな、という想いがありました。
だからこそ海晴の歌でありながら、「わたし」という一人称を使っています。
海晴の曲でありながら「わたし」。
矛盾に見えるところではあるのですが、その矛盾も少し楽しんで考えてもらえたら嬉しいです。
構成も、海晴というキャラクターの気持ちや変化をちゃんと描けるように意識しました。
前半は自己犠牲、後半は並び立って生き残る、というように海晴の想いの変化を感じてもらえるといいな、なんて思って書きました。
自分が生きる覚悟をしたうえで、並び立つ。
そのふたつはあけおの中では決して矛盾してなくて、自分自身がどんな人間かを自覚したうえで、相手のことを知って、お互いに受け入れ合う。
そうしなければ、未来に進めないという想いが、今もなおあります。
未来と言えば、ご存知の通りこの曲はいわゆるグランドエンド、物語の真実が全て明らかになるエンディングで流れます。
エンディングの名前は『FUTURE』。
未来に続いていく曲でなくてはなりません。
本作において、過去・現在・未来は全て繋がっていて、そのことを重視した作品です。
だからこの歌でも、未来に行くために過去・現在をきちんと描かないとという想いがあり、歌詞にこめました。
歌詞の話からは逸れますが、この曲の最初はもっと爽やかなバージョンでした。
ですが本作は、たとえ『FUTURE』でも喪失の物語。
『硝子の糸』は曲作りの方が苦戦した記憶がありましたが、ある時突然、今のバージョンがLowさんに降りてきて、完成しました。
……と、書き始めたらやっぱり長くなりました。
まだまだ語りたいことはあるのですが、だいぶとりとめがなくなってしまったので、今日はこの辺りで。
歌詞を書くのは大変ながらも楽しいので、次の作品でも自分で書きたいなーと思っております。
ただ、自分とは全く違う世界観の人とやってみるのも楽しそうではあります。。。
ではでは、あけおでしたー。