今回、こういったひとつの共通したテーマに沿った題材を取り扱う合同企画をするのは初めてのことだった。
過去に「同人覚書」という本を書いたが、あれには作家とレビュアーが入り混じって登場していたので、当然絵もない部分があった。
今回の悪堕ちダービーには、それはもう多くのイラストが使われている。
この企画のためだけに描き下ろされたイラストも当然あり、ぼく自身かなり描かせてもらったという内容だ。
悪堕ちダービーを考えた際、自分が知っている悪堕ち界隈の方々に、それはもうお願いをして回っていた。
「こんな企画があるんですが、出てくれませんか!?」という具合だ。
当然、中身が伴っていないと門前払いされるので、詳しい納品内容と納期、報酬や追加ボーナスの条件も、すべて最初に明示させて頂いた。
ぼくはてっきり「悪堕ち作家なら、きっとこの企画に出てくれるだろう」と思っていたのだが、実はまるでそうではなかった。
何人に断られたか分からない、それくらい断られたのである。
はっきり断られたならまだいい。読んでいないのかそれとも単純に無視したのか分からない、音信不通になって終了(ツイッターは元気にしている)というのも相次いだ。
彼ら彼女らは、もしかして本当は悪堕ちが好きではないのではないか…?
ものすご~い作家のように見えて、実はまともに文章の対応もできないくらい、絵だけ上手い人なのではないか…?
ただ人気があって儲かるジャンルだから作っているだけで、特にこだわりも信念も無いのではないか…?
そんな不安になっている中、今回手を挙げて頂いた17人の走者たちがいる。
この方々は、『自らの手の内をさらけ出す』という、作家ならば忌避するであろう行為を半年もの間、真摯に向き合ってくださったのだ。
まず、自分が悪堕ちを好きになったルーツ、いわゆる出会いの作品を鮮明に思い出して頂くために、夏コミもあろうということで9月までは自己分析の期間に当ててもらった。中には5月時点で提出してくるという離れ業をやってのけた方もいたのだが、走者の皆さんには本当に長い間付き合って頂いて感謝しかない。
もしかしたらだが、『いちばん最初の企画なのでどういう取り組み方をしていいか分からない』ので今回の参加は見送ったという人もいるかもしれない。
ならば、ぼくたちはそんな不安を払拭するために全力で走らなければならなかったのだ。
そんな想い入り乱れる『悪堕ちダービー』…皆様にもぜひ楽しんで頂きたい。
素晴らしい作家ばかりであるし、きっと買って後悔しない内容になっている。
半年以上調整し続けた結果を、売上として見てみたいものだ。
2022年 11月 11日
サークルPLUTO
不動心