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虐殺の果てに(あらしのよるにif)

⇐前編「吹雪の果てに」へ


長い長い洞穴生活を終えたギロとミイ。


山を降り、二匹が漸く辿り着いたのは、どこまでも緑が広がる草原だった。


その道のりは決して楽ではなかったが、標高が下がるにつれ気温が上がり、ミイが食べられそうな植物も増えてきたので、道中気持ちが折れるようなことはなかった。


断崖のような険しい道や、落石の危険のある斜面、また、山の麓には大きな川もあり、平原に向かうためにはその川を対岸まで泳いで渡る必要があったりなど、乗り越えるべき障害はいくつもあり、結局、洞穴を出てから目的地にたどり着くまでに3日を要した。


しかし、それもこれも二匹で支え合いながらの道中だったので、少し過酷なハネムーン程度の感覚で済んでいる。


「ギロ、夢じゃないよね?本当にあったのね!緑の草原!……見て、こんな広い原っぱ初めてよ!」

ミイは歓喜の声をあげながら、跳ねるように草原へと駆け出す。ギロも笑みを浮かべ、愛おしい伴侶の後を追いかける。

「ああ。お前とならどこへでも行ける気がしていたが……まさか本当にこんな楽園があるとはな」

地平線の先まで広がる平原は解放感があり、気温も丁度よい。大地をびっしりと草が覆っているが、しかし、木がほとんど生えていないということは、どちらかというと雨量の少ないステップ気候に近いのだろう。

乾燥した地域とはいっても近くには山から流れる大きな川もある。少なくとも水に困ることはなさそうだ。


少し気掛かりなことがあると言えば、道中ほとんど小動物の気配がなかったことだ。大きな川があるので魚はいるが、しかし、魚を捕獲する術を彼らは持ち合わせていない。


とはいえ、この温暖な気候とあって、探せば虫くらいはいるだろう。一先ず昆虫食で飢え死にだけは免れそうではある。それで一時凌ぎをしながら、あとは鳥や魚を狩る方法をゆっくり考えればよい。


むしろ、狼と山羊のカップルである彼らにとっては他の哺乳類がいることのほうが余程厄介だ。ミイにとってギロは最強の用心棒ではあるが、しかし、火種になるような動物がいないに越したことはない。


「あはは…ッ!一緒に走るだけでなんか楽しいね、ギロ!」

久々に気持ち良く駆けることができる喜びに溢れ、改めて自由の素晴らしさを噛みしめる二匹。


しばらく二匹は追いかけっこに夢中になっていたが、しかし、それから数分もしないうちにふとギロが周囲の異変に気付く。


いつの間にか足元の緑色は消えており、地面の感触も何か砂利のような霜柱のような今までに踏んだことのない感触に変わっていたのだ。


「ミイ……何かがおかしい。この地面、普通じゃないぞ」

ミイも同じことを感じ、足元に視線を落とした。そして、そこに広がっていた光景に思わず二匹は言葉を失った。


足元には、彼らの脚の指先にも満たないほど小さな箱が無数に並び、地平線の彼方まで果てしなく続いていたのだ。


「え……なにこれ…?これって、何かの巣……?」

ミイはそれが“町”という群れの発展形のようなものであることを知らない。ギロも町を見るのは初めてだったが、しかし何か思い当たる節があるようだ。


「これは……“ヒト”という生物の巣なのかもしれん。」

「ヒト……?虫とは違うの?」

「いや、確か俺たちと同じ哺乳類だったはずだ。昔、先代のリーダーから聞いたことがある。ヒトはかなり知能が高く、高度な巣を築いて何千、何万という群れを成して社会を形成する生物だと」

「……というと、蟻さんの哺乳類版みたいな感じなのかな。」

「うむ、だが、こんな小さな生き物ではなかったはずだが……」

「う~ん……ニンゲンにも色んな種類がいるのかな?…小さいヒトだから“コビト”……とか?」

二匹は話していて、そしてふとあることに気付いた。


自分達と同じ哺乳類であり知能も高く喜怒哀楽もあるであろう命を、今まさに無数に踏み潰してしまっていることに…。


足元では、何百万という小人たちがパニックになりながら逃げ惑い、方々で悲鳴をあげている。小人達の詰まった箱は滅茶苦茶に倒壊し、“動く箱”も小人も何もかもが二匹の足跡の中に消え、既に夥しい犠牲が生まれていた。


しかし、たかが一組の狼と山羊のカップルの襲来で簡単に壊滅してしまうような貧弱な小人達が、なぜこんな大都市を築くことができたのだろうか。



―そこにはこの地域が持つ複数の特異な環境が関係していた。


小人達が繁栄できた理由、その一つは今まさにギロ達が渡ってきた西側の雪山が生物の侵入を拒んでいたこと。標高がとても高く年中吹雪が吹き荒れる氷雪の霊峰は天然の要塞であり、ギロとミイのような奇跡的な出会いがなければ、基本的には山の向こうからの来訪者はこない。


侵入を拒んでいるのは生物だけでなく、風や雨もそうだ。ギロやミイが住んでいた地域では基本的に西から東へと風が吹いており、雲も雪山へと向かって流れていく。結果、高い山に阻まれるようにして、その向こう側ではほとんど雨が降らず、ステップ気候を形成するに至った。


大きな雨粒が降り注ぐだけでも小人達の町には甚大な被害が出るので、そういう意味でもこの環境は都合が良かったと言える。


二つ目は雪山の反対側、東側がぐるりと大きく海で囲まれていること。これによって雪山と併せて陸上生物の侵入が完全に遮断されている。


三つ目は山頂から流れる大きな川。ギロやミイのような大型の哺乳類なら渡ることができるが、これも陸上生物の侵入を防ぐのに一役買っている。特に小動物の類はここで足止めとなる。


これらの特異な地形が幸いして、小人達にとっての脅威はせいぜい空からの来訪者と虫ぐらいだった。とはいえ矮小な彼らにとってみれば、蟻一匹でも相当な脅威であり、鳥ともなるともはや天災級の大怪獣だ。そこは長い長い戦いの歴史の中で、その高い知能を以て撃退する術を身に付けてきたのだろう。でなければとっくに啄まれまくって絶滅しているはずだ。


しかし、残念ながら彼らの築き上げた平和も今日で瓦解することになる。愛の奇跡によって突如現れたギロとミイはもはや小人達の手に負えるようなレベルの生物ではない。鳥が大怪獣なら、彼らは巨神とでも呼べるだろうか。


「どうしよう……私達、なんてことをしてしまったの……?」

足元から無数の悲鳴が聞こえてくる。恐怖に駆られた小人達が必死に逃げ惑う姿を見て、ミイは自分達が取り返しのつかないレベルの被害を齎してしまったことを理解した。


彼女は怯えながらギロを見上げる。

「平和に暮らしていたかもしれないのに私達が滅茶苦茶に……」

小人の目線で考えれば考えるほど罪悪感が膨らんでいき、彼女の身体が俄かに震え出す。


—だがギロの瞳には別の光が宿っていた。彼はミイの耳を食らって以降、何日も満足な食事をしていない。眼下で逃げ回る小人たちが、ギロにとっては格好の餌にしか見えなかったのだ。


彼は大きな舌で口元を舐めると、彼らの目の前で無情にも腹の虫を鳴らした。それを聞いたミイは改めて肉食獣と草食獣が根本的に違うという当たり前の現実を目の当たりにする。


もうこれ以上できる限り被害を出さないようにしようと進言しようとしていたミイだったが、あろうことかその相方はもっと沢山の命を奪おうとしていたのだ。


「何日も食べてないんだ。悪いが食わせてもらうぞ。」

無情にもそう言い放つギロに、彼女は咄嗟に止めようと口を開いたが、しかし、すぐに思いとどまる。ギロにとっては生きるための行動だ。それを止めることなど、ミイには到底できなかった。

(ギロは狼だもの。命を食べないと生きられない……。草食の私が彼の生き方を否定するなんて無責任だわ)


ミイは葛藤しながらも、小さな命が消えていく瞬間をただ呆然と見つめていた。


(ギロにとってはただの一食……でも、たくさんの小人たちの人生が終わるのよね……)

逃げ惑う小人たちの悲鳴と命乞いがミイの耳まで届いてきて、思わず彼女は顔を顰める。


そんな彼女の苦悩に気付いたギロは、一瞬ためらいを見せて口を止め、低い声で彼女に問いかける。

「……このまま本当に喰らったら、お前は俺に幻滅するか?」

ミイは一瞬戸惑いを見せて瞳を潤ませながらも、しかし、ギロの目をしっかり見て答える。

「いいえ……私が何よりも望むのは、あなたが生きてくれることだから……!」

ミイのその言葉に背中を押され、ギロは再び口を大きく開けると、躊躇なく町を飲み込んだ。彼の胃袋に何万という小人の命が一瞬にして消える。


ミイはそれをただ見届けることしかできなかった。愛する者が生きるための大量虐殺を、悲しみと罪悪感を噛み締めながら――。


町を丸ごと飲み込んだギロは満足げに喉を鳴らした後、何とも言えない表情でミイの方を向いた。

「不思議な味だな、この町は。土や岩に混じって、小人たちの暮らしの味がする」

ミイは複雑な表情を浮かべながらも、ギロが元気を取り戻してくれたことに少しだけ安堵する。


そんな時。


ふと、地面から微かな振動が伝わってくる。二匹が足元を見下ろすと、小人たちが必死に何かの兵器を構えて攻撃を仕掛けているのが見えた。


「攻撃してるみたい……? でも、全然痛くないわ」

ミイは困惑しつつ足元を見つめる。小人達の兵器は、精々鳥を追い払う程度の威力しかないようで、巨大な二匹の分厚い毛皮を突破できるような代物ではなかったのだ。


そんなささやかな小人の抵抗を、ギロは鼻で笑った。

「ふん、こんな小さな虫がどれだけ頑張ったところで、俺たちには効く筈もない。虫けらどもめ…身の程を弁えろ。」

そう言って、彼は躊躇なく前方へ歩き出した。彼の巨大な足が振り下ろされる度に何万もの命が跡形もなく潰されていく。二匹を攻撃していた小人達もその何でもないギロの動作で簡単に全滅してしまった。


「ギロ……そんな簡単に踏んじゃダメよ!」

ミイはとっさに叫んだが、ギロは振り返り落ち着いた声で諭した。


「ミイ、考えてみろ。俺たちは今までだって気付かずに無数の虫達を踏み潰してきたはずだ。草を食べる時だって、知らず知らずのうちに葉ダニや虫をたくさん喰い殺している筈だろう?虫は良くて小人は駄目なのか?…生きるということは、他の命を犠牲にすることだ。それが今は少しだけよく見えるというそれだけの話だ」

ミイはハッと息を呑んだ。確かにギロの言う通りだった。ミイは今まで自分が狩られる側―命を奪われる側の存在であると認識していたが、考えて見れば自分もまた殺す側の存在だったのだ。


虫は踏まれて当たり前とまでは思っていなかったが、そもそも殺していることを意識すらしていなかった。今、小人をこうして分かり易く殺戮したことでミイはそのことに改めて気付かされたのだった。


「生きている限り、俺たちはどうしても誰かの命を奪ってしまう。それが定められた運命なのだ。そして、この小人たちは、俺たちにとってはただの生きる糧であり、踏み潰される運命だった、ただそれだけだ。」

ギロの言葉はどこまでも冷静で、それが逆にミイを納得させてしまった。彼女の心にはまだ罪悪感が残っていたが、生きていくためにはこの蹂躙を受け入れるしかないのだ、とそういう気持ちにさせられる。


ずっと命を奪っていることを意識して生きてきた狼と、命を奪っていることすら気付いていなかった自分では、殺しの哲学に大きな差がある。そういう意味ではギロに従ったほうがいいと判断したのだ。


しかし、それはミイの精神の“狼化”を進めることに他ならない。彼女は短期間で急速に狼の伴侶に相応しい女性として変貌を遂げようとしていた。


「私たちが生きるためには……こうするしかないのね」

ギロは頷き、穏やかに彼女を促す。


ミイは静かに息を整えると、そっと足を持ち上げ、小人達が密集する繁華街に向かってその巨大な蹄を振り下ろす。その瞬間、彼女の足元から数万人もの命が消え去り、瓦礫の山だけが残った。初めて明確に命を踏み潰した感覚に、胸が締め付けられるような罪悪感が湧き上がるが、しかし、これも自然の摂理の一環なのだと自分を納得させようとする。


「……そうだ。ここには一生かけても食べ尽くせないほどの食料がある。俺にとっても、お前にとっても、ここは最高の楽園だろう?せっかくの安住の地でいちいち足元を気にしていては生活もままならん」

彼女の隣でギロが容赦なく町を踏み潰し、舌で根こそぎ命を絡めとり、喰らい続けているのを見ていると、地平線の先まで広がる草と地平線の先まで広がる小人の町、どちらも見方を変えれば全く同じものなのだと、実感させられる。


目の前で繰り広げられている大量虐殺は、ギロにとってはただ“生”を全うしているだけのこと。すべては愛する者が命を繋ぐ為に必要な犠牲なのだ。そう考えるとミイの心に募った罪悪感が徐々に和らいでいく。


次第に小人達の悲鳴は次第に遠くに感じられるようになり、ミイの心にも少しずつ余裕が生まれてきた。


「さて、腹ごしらえも済んだところだし、せっかくこうして念願の楽園にたどり着いたんだ。記念にここでSEXしないか?」

「え?……ここで……?!」

白昼堂々、小人の町の上での交尾のお誘い。

こんなたくさんの目のある場所でのエッチなんて集中できない。普通の雌ならそう思うだろう。


しかし…


「…ギロがここでしたいなら…」

ミイは意外にもそれを受け入れた。そう、山羊はその生態上プライバシーが一切守られていない種族だ。排泄もSEXも当たり前のように堂々とみんなの前で行うのが、山羊流だ。なんならオナニーすら互いに見せつけるくらいのものである。


ミイがクリトリスを弄るときなどは、もう周りの雄が彼女を囲うようにしてフル勃起し、彼女をオカズに互いに精子をぶちまけ合う精液掛け合いショーが勃発するほどだった。


種族柄露出狂の気があるミイにとっても、この小人の巣の上での見せつけSEXは、かなり興奮するシチュエーションだったのだ。


ミイは先程までの小人への配慮が吹き飛んだように、積極的にギロのほうにケツを突き出す。肘を付くと同時にドタプンと二房の巨乳メテオが町に降り注ぎ、高層ビル群が纏めてスクラップになった。


しかし、姿勢が低くなり、蹂躙された小人の巣が視界の目の前すぐ近くに広がると、流石にその惨状の凄まじさにミイは戦慄した。


夥しい数の小人の死骸。毛のない猿のような生物が其処ら中で泣き叫び、血を流し、必死に自分達巨神から身を守ろうとお互いに助け合っている。その中には小さな子供もおり、おそらく母親と思われる死体の前でわんわんと泣き喚いていた。


ミイの心がズキズキと痛む。


この子供には何の罪もないのに、自分たちが特に何の意味もなく幸せを引き裂いてしまった。そして、あろうことか今から自分はここでSEXして更に被害を広げようとしている。


ミイは途轍もない背徳感に襲われたが、しかし、彼女のデカケツを前にした相方はもう待ってくれない。


「アッ……!」

ミイの尻に齧り付き大きな舌でまんこからアナルまで纏めて舐め回すギロ。その得も言われぬ気持ち良さに彼女はビクンと身体を震わせ、その振動が小人の町にダイレクトに伝わった。高層ビルがまた数棟横倒しになり、砂煙が上がる。


ふと改めて、目の前を見ると、先程の子供は母親のすぐ隣で瓦礫に潰れ血だまりとなっていた。


(ごめんなさい……私が身体を震わせたばかりに……)

ミイは思わず目を瞑った。しかし、なぜか彼女はそのまま後背位の体勢を崩さなかった。こんな酷いことをしているのに、でもなぜかSEXを止める気にはならないのだ。この期に及んでギロのちんぽが欲しくて欲しくて堪らない。


それはどれだけ可哀想に思っていても、結局は足元の数万の命より、ギロの愛や性的快感、そちらの方が大事だとそう言っているのと同じだった。


ギロの巨体がミイに覆いかぶさる。ズシッと彼の逞しい肉体に触れると、これからが小人にとって本当の地獄なのだとそうミイは予感する。


「ミイ…挿れるぞ……」

「……うん。」


もう止まらない。止められない。目の前にはまだ自分達巨神から必死に逃げようとしている小人達の姿が見える。しかし、彼らもこれから始まるギロの激しい突きに巻き込まれてみんな死んでしまうのだろう。

ズズズズズ……


ギロの爆根がミイの割れ目をゴリゴリと押し広げていく。


ミイは堪える為に地面を握りしめようとしたが、しかし、丁度手の中で若い小人のカップルが互いに抱き合いながら震えているのが見えて躊躇する。


代わりにもう片方の手でギロの指をぎゅっと握った。


「腰振るぞ」

―それは容赦のない大量虐殺宣言。


神々による蹂躙SEXが今、始まる!

ズドオオオオン!!!ズドオオオオン!!!ズドオオオオン!!!


ギロが腰を振った瞬間――砂塵が舞い小人の町を覆った。大地は割れ、高層ビルの窓ガラスが雨のように降り注ぎ、小人や車が宙を舞う。


「きゃああああああああああ!!」

「た、助けて……!!死にたくない!!」

「に、にげろ!!こいつらおっぱじめやがった!!」

「ママ―どこにいるのーッ!?怖いよぉ……」


町中で今までにないくらいの悲鳴と叫び声が飛び交う。しかし、その命の声もギロとミイの腰がぶつかり合う度にどんどん小さくなっていった。


「ギロ、そんなに激しくヤったら、小人の巣が…ッ!小人さんたちがみんな死んじゃうよ…ッ!」

「今更何気にしてんだよ。このでっけぇ乳だけで既に数万人は磨り潰されてるぞ。」

ギロは片手でミイの乳房を鷲掴みにすると、その真下の惨状“巨乳クレーター”が露になる。大きく抉れた大地には粉々になったコンクリート片と細切れの血肉が散乱しており、かろうじてそこに小人達の営みがあったことを感じさせる。ミイの乳がもう少し小振りならここまで酷いことにはならなかったことだろう。この小人の世界ではどうやら自分が巨乳であることすら大罪を生むらしい。


「このまま俺たちの愛の力でここ一帯全部更地にしてしまおうぜ…ッ!!」

ギロはどこまでも容赦しない。今この場では、性的快感こそが何より優先される。そして、それは小人の命を何万人積もうがもう覆ることはない。

パンッ!パンッ!!パンッ!!!


腰と腰がぶつかり合うリズミカルな音と共に急速に進む大量虐殺。目に見える範囲だけでもどんどん小人が瓦礫に巻き込まれて死んでいくのが見える。先程のカップルもギロがミイの子宮を強く突いた時、彼女が思わず手を動かしてしまい掌ですり潰されてしまった。


ミイがまだ山羊の群れにいた時は、みんなエロい目をしてこちらに注目していたが、今は代わりに絶望と畏怖で歪んだ顔で小人達がこちらを見ている。


ミイはこれこそが“強者”が見ている世界なのだな、としみじみと感じていた。この小人達はかつて狼に脅かされていた時の自分と一緒だ。


自分が弱肉強食の強者側に回っているのはなんとも不思議な感覚だ。とても恐ろしいことだが、しかし、生殺与奪の権を握るのは、なんだか少し偉くなった気分にさせられる。何者にも抑圧されないこの解放感がなんとも気持ちが良い。


「ミイ…ッ!ナカに出すぞ…!!」

「あぁ…ッ♡……今度こそ思いっきり私のナカに注いで…ッ!!ギロの赤ちゃんの種…ッ!!」

ビュルルッルルルルルルル!!!


絶頂に伴うひと際大きい二人の脈動が大地震を生み、小人の町にとどめを刺す。

既に小人達の命の声は完全に止んでおり、どぽどぽと接合部から零れ落ちる愛液の音しか聞こえない。


それはこの町の人間達が全滅したことを意味していた。数百万という命がたった一回の交尾の為に巻き添えになってしまったのだ。



「……私たち、本当にエッチで小人さん達を皆殺しにしてしまったのね…」

ミイは周囲に広がる血塗りの瓦礫の山を茫然と見渡す。


「やっぱり心が痛いか?俺は最高に気分が良かったけどな。愛妻の美しい肉体とそして俺たちの愛の大きさを見せつけてやった気分で最高に滾った。……ただ、まぁどうしても集中できないってなら次回からはもう少し配慮するが…」

ギロは自分本位で行為を進めてしまったことに少々申し訳なさを感じていた。

しかし…

「いえ、私も……正直途中から小人さん達を征服しているような不思議な高揚感に包まれてたの。酷いことしてるのはわかってるのに、これが私のギロなんだぞ!強くて逞しい最強の雄なんだぞ!って小人達に自慢してる気分になっちゃった。おかしいよね」

ギロはミイの意外な反応に少し目を丸くした後、首を横に振る。


「ふっ、おかしくなんかないさ。あの狭い洞穴でまるで世界から見放されたような気分でひっそりと抱き合ったのを思えば、今は逆に世界に逆襲しているようなものだ。山羊だ狼だ掟だなんてもう関係ない。俺たちの愛の前ではもう世界のルールは通用しない。今度は俺たちが世界を支配する番だ」

「小人さん達には悪いけど…ちょっとハマっちゃいそう。蹂躙エッチ。」

ミイは頬を紅潮させ、照れたように微笑んだ。ギロはその言葉に思わず声を上げて笑った。


「ははは…!やはり俺が惚れた女だけある。…ほら、地平線の先を見てみろ、どれだけ喰おうが蹂躙しようが、殺し尽くせない程小人がいる!これから毎日小人の巣の上でSEXするぞ!俺たちの愛を小人達の歴史に刻んでやろうぜ!」

野生動物達に司法はない。代わりの掟にも“虫を蹂躙するな”というルールなどなかった。小人の大量虐殺を咎める者はこの世界にはいない。そもそも、今までだって彼らは蟻やダニを何の意味もなく殺してきたのだ。

そう、ミイの罪悪感は杞憂で終わる。彼らがしたのは“殺戮に意味を持たせた”ただそれだけなのだから。



――二匹はこうして、新たな世界で愛を育みながら、圧倒的な力をもって小人たちの世界を蹂躙していった。


ミイは日増しにこの状況を楽しみ始めていることに気付き、戸惑いながらも、しかし、ギロと一緒ならもう何も怖くはなかった。


やがて二匹は、瓦礫の山で覆われた廃墟の中心部を「愛の巣」と呼ぶようになった。築いた死体と瓦礫の山は彼らの愛の証。廃墟が広がれば広がるほど、自分達の愛の大きさを感じ心が満たされる。


―しかしある日のこと。ミイの身体に異変が訪れた。


「ねえ、ギロ。私、なんだか最近変なのよ……」

ミイはこの頃、眠気に襲われることが多くなっていた。初めは気のせいかと思ったが、日を追うごとに明らかに身体が重く感じていた。


沢山の小人を殺した罰で何か病気になったのだろうか。ミイは戸惑いながらお腹の辺りを撫でる。その姿を見たギロは最初こそ怪訝そうな表情を浮かべたが、すぐに目を見開いて、彼女の身体をよく観察する。手足には肉が付いた様子はないが、お腹だけが異様に膨らんできている。


「まさか……お前、妊娠したんじゃないのか?」

ギロの言葉にミイは息をのんだ。確かに最近生理もきていない。しかし、狼と山羊の間に子供ができるなど、ありえない話で、だからこそ妊娠を疑うことなどなかったのだ。


「でも、そんなこと……あるはずないわ」

ミイは困惑した表情を見せる。あったとしても想像妊娠くらいのものだろう。しかし、ギロがミイのお腹に耳を当てると、そこには確かに新しい命の気配が確認できた。


ギロは穏やかな顔で彼女の瞳を見つめ、そっと頷く。

「いや、確かにお前の中に命が宿っている。ミイ、これは……俺たちの愛が起こした奇跡だ!」

ミイも漸くその言葉に促されるようにして、少しずつ新たな命が芽生えたことを実感し始め、目に涙を浮かべて微笑む。

「こんなことが……あなたとの間に子供ができるなんて、本当に夢みたいだわ」

狼と山羊という絶対に交わらないはずの種族が愛を育み、そして新しい命を生み出した。この奇跡に二匹の心は震えていた。ギロとミイは互いに身体を寄せ合い、しばらくそのまま命の誕生を喜びあった。



しかし、彼らは知らない。その「奇跡」の真実を――


――ギロが初日に食い散らかした小人達の町。そこには対巨大生物を目的とした生物兵器研究所が建っていた。その研究所では倫理観の狂った科学者達が、自分達に従順で屈強な肉体を持つキメラを生み出すため、異種間交配を可能にする遺伝子操作薬を作り出していたのだ。


虫や鳥だけではなく、いつか今回のギロとミイのような大災厄が訪れるだろうことを予見していた科学者たちは、あらゆる角度から対抗策を考えていた。キメラ実験もその一環だったのだろう。


しかし、その研究の成果は報われることなく研究所も研究員もすべてギロの腹の中に消えた。


一つだけ何か成果があるとしたら、今回ミイのお腹の中で起きた奇跡に関与したことだろう。ギロに喰われたのは建物と研究員の命だけじゃなかった。彼らの研究成果もまた彼の腹に収まっていたのである。


そう、遺伝子操作薬が微量でありながら一時的にギロの精嚢の中にあった精子を変異させていたのだ。


皮肉なことに対巨大生物を目的としていたその研究こそが、ギロとミイに祝福を授けていたのだ。


だが、そんな真実を二匹が知る事はない。ただただ目の前に訪れた奇跡を受け止め、幸福に満ちた瞳で二匹は互いを見つめ合っていた。


「ねえ、ギロ……どんな子が生まれてくるかな?」

ミイはそっと彼に寄り添いながら囁く。ギロは優しく彼女を抱き寄せた。


「きっと俺たちに似た強い子だろう。何より、お前が母親なんだ。きっと素晴らしい子になる」

彼らの愛の巣の下には、何百万、何千万という小人の“命の跡”と瓦礫の山が広がっている。そんな惨状を横目にミイは幸せそうにお腹を撫でる。


「こんなにも沢山の命を犠牲にして、私たちの子供は生まれてくるのね……」


圧倒的な力と愛によって支配されたこの世界で、新たな命がまもなく生まれようとしている。


沢山の小人の不幸によって成立した彼らの幸せは、一層輝きを増し、その光の分だけ周囲に影を落とそうとしていた。


おわり

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Comments

色々大変だった分、二人には思い切り蹂躙してほしいし、愛を育んでほしいですね… 今回余裕がなくて文章量に対し一枚しかイラスト描けなかったですが、機会があれば肉付けしたいですね

深淵ネコジャラス

この2匹の蹂躙SEX最高すぎますね! 続編や追加イラストに期待したいです!

とまと


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