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ベヌア君の射精場

(まずいな…)


足早に惑星ポータルステーションの構内を駆ける一匹のドラゴン。

股間からぶら下げているソレを人目も憚らずぶるんぶるんと激しく揺らしているが、別に全裸で疾走しているわけではなく、衣服自体はちゃんと身に付けていた。


彼は相当な爆根持ちのようで、性器がズボンに収まらないので、代わりに前掛けのような物を股間に垂らして隠していた。しかし、亀頭の先は前掛けから飛び出しており、横からも丸見えで、こうして走ったりでもすれば、簡単に左右に大暴れして丸出しとなってしまう。


本人も相当恥ずかしい思いをしているだろうが、それ以上に彼は何か焦っていた。


適当に渡航費用の安い行き先を設定し、切符を切ると迷わずポータルをくぐる。


惑星ポータルは、他の惑星へ瞬時に移動することが可能なワームホールのようなもので、科学技術の進んだ彼の惑星では、何百年も前から日常的に利用されている。


「ふぅ、危なかった・・・いつ暴走するかひやひやもんだよ・・・」


彼が焦燥感に駆られていた理由、それは彼自身の能力に関係していた。

ドラゴン族には各々多種多様な特殊能力が備わっているが、彼の場合は自身の肉体を巨大化させることができた。


しかし、彼のこの特殊能力、強力ではあるがコントロールが効かないものだった。

具体的には、発動タイミング自体は制御できるもののサイズの制御ができないのだ。


実際に過去に屋内で超巨大化してしまい家を壊してしまうなど、大失敗を何度かやらかしており、それが彼のトラウマとなっていた。


しかも「発動タイミング自体は制御できる」とは言ったが、これも完璧なものではなく、稀に感情が昂ると勝手に巨大化能力が発動してしまうこともあった。


そして、この欠点は思春期を迎えて以降、とんでもなく厄介なものとなっていた。


というのも、彼は腕の太さ程ある肉棒と、握り拳より一回り大きな睾丸をぶら下げており、性欲もそれに見合うものがあったからだ。

そう、ムラつきが時に巨大化を誘発させてしまう可能性があるのだ。


そういうこともあって、少しでも劣情が頭を過ぎると、こうして迷惑の掛からないように別の星に移動しているわけだ。



ポータルをくぐった先は「地球」という有生物惑星だった。「迷惑の掛からないように」とは言ったがそれはあくまで自分の星での話。時に渡航先の住人にとっては途轍もない大迷惑を御見舞することがある。


そして、それが今日まさに起こった。

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


鳴り響く轟音と地鳴り。地球を訪れるやいなや股間のムラつきがトリガーとなったのか、彼は突如として超強大化した。


彼の広大で逞しい足が地盤を砕き巨大な足跡クレーターを生成する。その大きさは雲を突き抜け、軽く山を跨ぐほどの大きさだった。


巨大化に際し、服はビリビリに破けて飛散し、パンパンにフル勃起したクソデカチンコが堂々と天を衝くように上を向いている。

(まさかここまで巨大化するなんて…星の住人達は大丈夫かな)


勿論、大丈夫ではない。


既に彼の足元の町は巨大化に巻き込まれて瓦礫の山となっており、いったいどれほどの死者が出ているかもわからない。しかし、雲の下の小さな人間の世界など彼の目ではよく見えないし、そもそも自分が虐殺しているかどうかすらあまり気にしていない様子だ。


少なくとも彼はこの状況に慣れているようだった。


「とりあえず抜くか」

徐にその逞しい手の平で、それ以上に逞しい男根をがっしりと握る。


巨大化の有無にかかわらず、どちらにせよここで抜くつもりだったようだ。つまるところ地球は彼の射精場なのだろう。


尿道が圧迫され、ボタボタと我慢汁が垂れたが、足元ではそれだけでも多数の死者に繋がった。そんなふざけたスケールだ。


ここまでで既に200万を超える死傷者が出ているが、しかし、それも“初動”に過ぎない!

ゴシュ!ゴシュ!!ゴシュ!!!


両手を使ってガッツリと性器を扱いていく。その気持ち良さに更に感情が昂ったのか、再び巨大化能力が発動し、彼の背丈は際限なく伸びていった。


巨大化に呑み込まれるように磨り潰されていく町や山。初めこそ彼の一回のピストンが引き起こす地震は震度5程度だったが、気付けば当たり前のように震度7を記録している。


チンコだけで10㎞はあるだろうか。そのチンコを震源に巻き起こる地震は人も物も何もかもを滅茶苦茶に破壊し尽くすだけのエネルギーを孕んでいた。


(あぁ…気持ちいい…!!)


そして人間達に最後に待っているのは破滅的な大噴火だ。

ドビュッルルルッルッルルルウッルルッルル!!!!


それは、富士山の大噴火すら児戯に思えるほどの大天災。濃厚な雄液がある種の大量殺戮兵器として、世界全土を襲ったのだ。



—言わずもがな死者は億単位。


しかし、これは彼にとっては何でもない日常に過ぎない。人間にとってはあまりに凄惨な出来事だが、宇宙規模ではこのような性処理は当たり前のように行われている。


人間がダニの生き死にを気にして生活などしていないように、彼も人間の生き死になど気にせず、ただ都合がいいから地球で射精した、ただそれだけのことなのだ。


おわり

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