「ヒヒヒッ・・・ダイマックスエネルギーを何倍にも濃縮した液体だぁ。コイツを打ったらどうなるかな~?」
地下実験施設。そこではマッドサイエンティスト達が倫理観を外れた実験をしていた。
新種ポケモンの創造、努力値の限界を超えたドーピング、生体コピー…どれも法から逸脱した非人道的実験である。
そして、今まさにここで行われようしているのが“巨大化実験”である。ダイマックスを引き起こす要因と言われる巨大化エネルギーを何倍にも凝縮し、直接ポケモンに打ち込んで永続的な巨大生物を作り出せないかという度し難い実験だ。
(暗い…怖い…早くここを出たい…)
実験台にされたのは一匹の子供のイーブイだった。彼が実験台に選ばれたのはイーブイ族が遺伝子的に不安定なポケモンであらゆる変化に適応しやすいことや、無害で大人しい性格の為、仮に巨大化が成功しても制御し易いことなどがある。
とはいえまだ幼いポケモンを成功するかもわからない実験に使うなどあまりに惨い行いだ。大抵の場合、急激な変化に身体が耐え切れず肉体が崩壊してしまうことを考えると猶更だ。しかし、それでも彼らマッドサイエンティスト達は自身の湧き上がる好奇心を止めることができないのである。
プス
無情にも巨大化エキスを充填した注射がイーブイに打たれた。
・・・しかし、実験は予想外の形で失敗することになる!
巨大化液を注入した瞬間、イーブイの身体はぐんぐんと肥大化し、一見実験は成功したかのように見えた。しかし、問題はその後である。
巨大化が一向に止まる気配がないのだ。
地下施設でありながら巨大化実験用に特別に用意された高さ50mはある大部屋。その空間が一瞬で彼の身体でいっぱいになってしまう。
研究者達はイーブイという種族の特性を甘く見過ぎていた。確かに実験というのは失敗が付き物だ。ほとんどが失敗するからこそ、出来る限り成功の可能性を上げる要素を実験に盛り込むのは当然のことだろう。しかし、彼らは“成功し過ぎた”時のリスクを考えていなかったのだ。
そう、イーブイの“適応力”によって巨大化薬が想定を遥かに超えるほど効き過ぎてしまったのである。
ついには彼は天井を突き破り、念願の空を拝んだ。巨大化は尚留まることなく、地下実験施設と研究者達を滅茶苦茶に磨り潰しながらグングンと成長していく。
(な、何!?僕いったいどうなっちゃうの!?)
気付けば足元には町が広がっていた。必死に何かから逃げようと人間達が慌てふためいている。瓦礫の雨が降り、不運にも押し潰されて死んでいく命は一つや二つではない。
しかし、その眼下に広がる地獄のような光景も徐々に小さくなっていき、やがて凄惨さの解像度も薄れ抽象化されていった。
そして、この地獄を巻き起こしているのが自分自身だということに気付いたのは丁度巨大化が止まった時くらいだった。
巨大な高層ビルですら指先の第一関節ほどもない。既に彼の巨大なお尻のせいで何千いや何万という命が犠牲になっていることであろう。
(ど、どうしよう…ま、町が…!!)
足の踏み場がない。ちょっと足の位置をズラしただけでも村の一つや二つが消えてしまいそうだ。
地面にペトリと着いている彼の巨大な金玉だけでも、村が4つ消滅しており、その死傷者は3万人にも及ぶ。
お尻全体で見るともうどれだけ被害が大きいのか考えるだけでもおかしくなりそうだ。
しかし、ここで更にもう一つとんでもないことが起きていることに気付く。
(なにこれ…ちんちんが凄い腫れてる!!)
フル勃起。過剰ダイマックスの副作用なのか、本能的に自身が世界の支配者になったことを理解し高揚感から勃起しているのか。理由はわからないが、この状況下でなぜか彼は滅茶苦茶に勃起していた。
しかも彼にとっては勃起自体が初めての体験だった。急激な巨大化に伴い今彼の体内でホルモンバランスがどのようになっているのか想像もできないが、少なくとも性成熟を大きく促したようで、睾丸も竿も凄まじく隆起し、まるで巨塔のように堂々と鎮座している。
冗談のようだが彼の性器だけでもこの星のどんな山よりも高い。そんな代物がドクンドクンと脈動しているのだ。もはやこの星の命運は彼のチンコのご機嫌に握られていると言っても過言ではなかった。はじめての勃起に彼がどう向き合うかで全生命の未来が大きく左右されるのだ。
勃起現象が何を意味するかもわからない彼にとって、見たこともないくらい自分のちんちんが膨張している様は恐怖でしかなかった。少なくとも今の状況に驚愕し、また町を蹂躙してしまったことへ罪悪感を感じているだろうことは彼の垂れた耳を見れば良く分かる。
しかし、ちんちんに至っては、萎えて萎縮するどころか、天を衝く程にバキバキに隆起しているのだから生理現象とは不思議なものである。
ただ一つ言えることは、彼も一度は世界を支配してみたいと考えるような無邪気な普通の男の子であり、しかも可愛い顔をしているとはいえイーブイ族自体肉食獣であるということである。
肉食獣には狩りの本能が備わっており、相手を追い、殺すことに興奮を覚えることは遺伝子に刻まれた“癖”でもあるのだ。
もしかしたら無意識のうちに彼もその“狩る者”としての本能が前面に出て、この不可思議な勃起現象に繋がっているのかもしれない。
(触ったら痛いかな…)
恐る恐るちんちんに触れる。しかし、痛いどころか、何か感じたこともないような感覚を覚えた。
耳の中を触られているような、くすぐったいようでそうじゃないような不思議な感覚。今までも何度も自分のちんちんを弄ったことはあったが、全くと言って別物なくらい敏感で、触覚が研ぎ澄まされている。
彼はすぐに勃起ちんこに夢中になった。試しに根元から尿道に沿って指先を滑らせていく。
「あ・・・・ッ」
先っぽに行くほど敏感で思わず感じ入った声が出る。
(なんだろうこれ?なんかすごく気持ちいい…)
流石好奇心旺盛な男の子である。ケツで滅茶苦茶に人間達を虐殺してしまったことすら忘れて、自分のおちんちんのことで頭がいっぱいになる。
今度は少し強く握ってみる。今までのふにゃふにゃのソレとは違いしっかり芯があり実が詰まっているような張りがある。
ぐちゅ…
(あ・・・・何…今の?なんかぐちゅってなって凄く気持ち良かったな)
海綿体と包皮がズレる刺激。そのあまりの気持ちの良さに無意識に彼はペニスの包皮を上下にスライドさせ始める。
…そう、性知識0の彼が独学でオナニーにたどり着いたのである。
「・・・んッ!・・・あ、ああ・・・ッ!」
ほどなく彼は喘ぎ声しか発しなくなった。
(なんか、ちんちんから出そう・・・おしっこかな?早く出したい・・・ッ!!)
未知の快感との遭遇。そのあまりの気持ち良さに抗えなくなってしまったのだ。
徐々にちんこに沿って上下する腕の動きが激しくなっていく。しかし、そこで彼はあることに気付いた。
(・・・地面が揺れている?)
何か地震でも起きたのかと彼は思ったが、ふと足元を見てその原因がわかった。
先ほどまでなかった筈の大きな地割れが自分を中心に無数に広がっている。既に周囲の町はその地割れに巻き込まれており、其処ら中で火の手が上がっていた。
そう、この地震や地割れは自分のせいだった。彼はただペニスを上下に扱いていただけだったが、その振動だけで町が壊滅してしまったのだ。
俄かには信じがたいが、しかし町をまるごと鷲掴みにできそうな巨大な手で10㎞弱ある超根をゴシゴシと扱いたのだ。それは雄大な山脈同士がぶつかり合い擦れ合うのとある意味何も変わらない。
その天変地異の前では地面にかろうじて張り付いてる苔のような人類の集落など簡単に壊滅してしまうのは至極当然である。
(どうしよう…町が…)
流石に彼も青ざめる。巨大化の時点で既に数百万単位の命を奪ってしまっただろう感覚はあったが、今の自分の配慮ない自慰のせいで被害者の桁が一つ増えてしまったのである。
いくら彼がまだ子供で想像力が足りないとは言っても、町全体が火に包まれる地獄のようなこの光景を目の当たりして罪悪感に苛まれないわけがない。
しかし、それでも彼のちんぽは全く萎える気配がなかった。それどころか、彼の右手は無意識のうちにペニスを摩り続けていた。
悪いとわかっていてももう抑えられないのだ。
“出したい”
その欲求が身体を支配し、ちんこの傀儡に成り果てる。
神のようなスケールの彼の性欲の前では、何百、何千万という尊い命よりたった一回の射精が優先されてしまうのだから恐ろしい話である。
(ごめん…みんな…町を滅茶苦茶にしてごめんなさい!!…でも…僕は…あ、あああッ!!)
心では必死に謝っているが、しかし、それに反してペニスを扱く手はみるみるうちに早くなっていく。
地鳴りと共に急速に失われていく命。ところどころで爆発音が鳴り響き、やがて静かになっていく…
そして…
出た。
精通。はじめて放たれたその精液は新鮮で濃厚で白銀に光り輝くようだった。人知を超えた力で勢いよく解き放たれ成層圏を容易く突破した大量の愛液は、地平線のずっと先にある大陸まで広範囲に拡散し、降り注ぎ、地形も環境も変えてしまう程に蹂躙・汚染していった。
荒廃した世界。大量に放出された遺伝子が星全体にどれだけ悪影響を及ぼすか計り切れない。たった一回の射精だったが、それだけで“世界は変わった”と言って差し支えないだろう。
(ごめん。本当にごめん…)
最高に気持ち良い時間も終わり、彼はただ喪失感に苛まれていた。彼なりにとんでもないことをしでかしてしまったことは理解しているのだ。
今の時点でもう既に彼はこの世界の支配者であることは間違いないが、しかし、その目線はまだ人間のスケールのものと同じであり、心は幼いイーブイのままである。山をも越える神のような存在になった彼に“神の目線”が身に付くまではしばらく掛かるだろう。
射精被害は甚大だが少なくともまだかろうじて星は存続できている。今後は彼がどう物事を判断し、星と接していくかにすべてが懸かっているのだろう。彼が完全に闇に堕ち、人の命を軽視しない限りまだ希望はあるのだ。
・・・いや、そう信じたかったのだが‥‥
(どうしよう・・・・ッ!もう我慢できない!!!!)
放尿。今度はおしっこが我慢できなくなり彼は大陸の上で盛大に尿をぶちまけてしまったのだ。
希望はいとも簡単に潰えた。
精液とは比べ物にならないほどの質量。その汚染に星が耐えられる筈もなかった。
こうして世界中の町がアトランティスと化し、結果、億単位の人間達がアンモニア臭に包まれ最悪の死を迎えることになるのだった。
おわり