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巨獣人学の学会の様子

この日、ある巨獣人学者の発表が世界を震撼させた。


“巨獣人の性器は性行為ではなく破壊行為の為に異常発達している”というとんでもない研究成果を明らかにしたのだ。


「皆様、まずはレジュメ末尾の参考資料AおよびBをご覧ください。」


【参考資料A:雌型の巨獣人(Rabbit)による破壊行為 その1】

【参考資料B:雌型の巨獣人(Rabbit)による破壊行為 その2】


「これは皆さまご存知、3年前にD国が壊滅的被害を受けた際に奇跡的に撮影された雌型巨獣人の写真です。」


「我々、巨獣人学者達の間では、彼女のその兎のような外見から“Rabbit” と呼称しております。今まで地球に飛来した巨獣人は10体。そして彼らによる破壊行為は35回確認されております。」


「総被害者数は30億人を数え、誰もが巨獣人に怯えて暮らしているような状況にもかかわらず、鮮明に写真が撮影されたのはこの“Rabbit”が初めてとなります。」


「というのも彼ら巨獣人があまりにも大きい為に、視認できる範囲にあるすべての物は破壊され尽くされ、誰一人生き残ることができないのです。」


「確認できている巨獣人のうち、この“Rabbit”は珍しく気性が穏やかで、D国の破壊行為に関しても、本人が町の存在自体に気付いてなかった様子が見て取れます。」


「その為か、激しく町に攻撃する素振りは見せず、周囲の町々の被害も最小限に済んだため、こうして写真が残ったわけです。」


「さて、この写真を手にしてから3年間、我々、Rabbit研究チームはできうる限りの分析を進めてきました。」


「まず“Rabbit”の身体的特徴ですが、体長は約100Km。ピンク色の体毛で包まれており、尻尾や耳は兎そのものです。体格は人間のものに近く、乳房や女性器も人間と同様の構造であることが確認できます。」


「彼女は今までに3度地球上で確認されています。1度目は世界史上最悪レベルの大災害を引き起こした“終末の抱擁”で知られる、“Rabbit”とそのパートナーと思われる雄型の巨獣人“Wolf”による交尾。終末の抱擁では実に3億の尊い命が失われました。」


「2度目“兎のお散歩”では、“Rabbit”が明らかに町を避けた歩いていたことが足跡から判明しており、被害は50万人程でした。」


「3度目が参考資料にもある“一休み”。“Rabbit”が休憩の為、腰を下ろした際、不幸にもD国が巻き込まれてしまった形ですが、死者は800万人となります。」


「“終末の抱擁”こそ地球史に残る激甚災害でしたが、他2件に関しては、他の巨獣人の襲撃と比べれば、極めて被害が少ないと言えます。」


「しかし、ここからが本題です。確かに他と比較してみれば被害は少なかったのですが、今回、彼女の“ある特徴”がD国の被害を必要以上に大きくしていることに注目しました。改めて参考資料Aをご覧ください。」


【参考資料A:雌型の巨獣人(Rabbit)による破壊行為 その1】

「皆様、最初に目につくのが、臀部だと思います。遠近法の関係でお尻が大きく見えているだけのようにも見えるでしょうが、実際の足跡やお尻によってできたクレーターを調査したところ、やはり“Rabbit”の臀部は不自然に大きいことがわかりました。」


「冒頭で“Rabbit”が人間に近い体型をしていると言いましたが、お尻は人間のそれとは比べ物にならない大きさをしており、人間のスリーサイズでいうとB115cm W52cm H135cmです。」


「W52でわかるように、彼女はどちらかというと痩身体型。それでいてH135はあまりに大きすぎます。もし彼女のお尻が人間の規格内のものであったのなら、D国の被害も300万人で済んだという研究成果もあるくらいです。お尻がデカすぎる為に倍以上の命が余計に失われていることになります。」


「そして、そのうえで改めて参考資料Bのほうもご覧ください。」


【参考資料B:雌型の巨獣人(Rabbit)による破壊行為 その2】

「お尻とスクラップにされたD国のクレーターに目がいってしまいそうですが、乳房をご覧ください。」


「お尻のデカさで陰に隠れていますが、彼女のスリーサイズはB115 W52 H135。バストも115という異常値です。おそらくPカップはあると思われます。また女性器に関しても相対的にかなり大きく、膣部分だけで某テーマパークのシーとランドを合わせた面積の30倍の大きさを誇り、女性器部分だけでも100万人近くの人が亡くなったと推測されます。」


「単純に“Rabbit”だけが異常に胸や尻がデカいだけなのかと言うとそうではなく、写真こそありませんが、クレーター調査から、“Wolf”や他の雄型巨獣人のペニスや、“Rabbit”以外の雌型巨獣人に関しても同じことが言えて、どれもペニスや膣、臀部、乳房が異常発達していることが確認されています。」


「そして、これだけ胸やお尻、ペニスのクレーターが残っているのもあまりに不自然と言わざるを得ません。そして、なにより、知能レベルが人間と同等であり、人間と同じように生活し、SEXし、子を育む生物であるというなら、彼らの局所的な部位の異常発達は、生活の邪魔でしかなく、性行為する上でも生存競争上不利と言えるでしょう。」


「これは性器の異常発達が性行為以外での役割を持つことを示しています。そして実際に我々の星を幾度と性器で蹂躙していることでもわかるように、その役割こそ破壊行為なのでしょう。」


「すなわち性器や臀部が大きく、たくさんの物を破壊できることこそが、地位の高さの象徴となっているのだと考えられます。」


「実際、地球上でもマンドリルなどで、性器の色が明るいほどオスの社会的地位が高くなる現象が確認されています。巨獣人達もこれと同じで、性器や臀部の大きさが、社会的地位の象徴となることで、局所的に部位が大きい個体が生存競争で生き残り、進化してきたのでしょう。」



この発表によって、世界中の人間が落胆してのは言うまでもない。


巨獣人に対抗する術のない人間達の唯一の希望は、彼らとコミュニケーションを取る手段を開発して、奴隷でもなんでもいいからとにかくこれ以上の破壊行為は止めてもらうようにお願いすることだったからだ。


彼らはあまりに大きく共存など到底不可能だが、知的生命体である以上、コンタクトさえとって、自分たちが文明を築いていて、たくさんの命が営んでいることを知ってくれれば、慈悲で生かしてくれるのではないか、という望みがあった。


都合の良い望みだが、それくらいしか希望がなかったのだ。


しかし、巨獣人達はあろうことか、破壊する為に備わった身体的特徴を有するような生き物だったのである。


この発表以降、人類は宇宙開発に全力を投じることになる。


人類が絶滅する前に、宇宙への逃亡は叶うのか・・。種の存続は如何に。


おわり

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