「ニャアアアア!!!」
町に響き渡る獣の怒号。吹き上げる鮮血。耳を塞ぎたくなるような悲鳴、断末魔。
眼に映る「動くもの」すべてが「動かなくなる」のは時間の問題だった。
彼の優れた嗅覚、聴覚からは決して逃れられない。
どんな堅牢な屋内に籠ろうが、地下に逃げ込もうが、そのすべてを打ち破るだけの力を彼は持っていた。
ペルシアンによく似た二足型の巨獣人。ゆうに50mは超える巨体を持ちながら、引き締まった筋肉と柔軟性を併せ持ち、そして人間と同等かそれ以上の知能を持つのだから当然と言えば当然だ。
せめて人間に対し友好的であれば話は違っただろう。
しかし、彼が町に来て開口一番に放った言葉は
「皆殺しニャ~!!」
だった。
足元で蠢く人間達を見た瞬間、彼は本能的な殺意に心が支配されたようだ。
狩りの本能から生まれた抗えない殺意。それは異常でもなんでもなく、野生の肉食動物であれば、当たり前のように備えている性質である。
ただ一つ根本的な違いがあるとすれば、彼がやっているのは食欲を満たす為の狩りではなく、性欲を満たす為の狩りであるという点だ。
その証拠に、彼のペニスは、はち切れんばかりに勃起している。
くっきりとした亀頭に、海綿体に押し出されるようにして裏筋を形成している太い尿道...まさにペニスの模範とも言えるべき彼の巨根は、逞しくも美しく、彼の肉体美のアクセントとして機能している。
そしてこの大虐殺こそ、他でもないこの肉の巨塔の為に行われていた。
逃げ惑う集団を巨大な右手でまとめて鷲掴みにし、そのまま躊躇なくその手で、ちんこを扱いていく。
幾重にも重なった悲鳴と共に、溢れ出す鮮血。その血糊をローション代わりにスムーズにピストン運動が行われる。
血が乾いてきては、ローションを補充、を繰り返し、みるみるうちに彼の男根部は赤黒く変色していった。
勿論、虐殺は右手と性器部でのみ起こっているわけではない。
左手は車や人間を掴んでは握り潰しを繰り返して、その感触を楽しみ、両の足は一歩進むたび、確実に足裏のシミを増やしている。
それどころか、彼の長い尻尾まで、無意識に車を捕えては、中の人間ごと滅茶苦茶に捻り潰していた。
全身を巧みに使って、とにかく人を殺しまくる。それが、彼の虐殺スタイルだ。
一人また一人、人間が死に絶えていく度に彼の興奮は蓄積されていく。そして、彼の興奮が頂点に達したとき、射精を合図に虐殺劇は幕を閉じるのである。
賢い彼は、最高のフィニッシュを迎えられるよう、しっかりと準備をしていた。
無計画に殺しているように見えて、炎に包まれる建物や、なぎ倒されたビル、そして自分の肉体という脅威を駆使して、巧みに避難先を誘導していたのだ。
逃げ惑うすべての人間達は、知らず知らずのうちに避難所として開放されていたスタジアムに集まっていた。
パニックの中にあって、とりあえず、人が多く集まってるだけでも安心するものなのだろう。
巨大生物側からすれば、格好の的でしかないスタジアムは避難してきた人間達でぎゅうぎゅう詰めだ。その数なんと5万にも及ぶ。
そんな、哀れな彼らの真上、スタジアム上方開口部より、ひょっこりとペルシアンは顔を見せた。
ニッタァ・・
その顔は狂気の笑顔で歪んでいた。
「きゃああああああああ!!!!」
阿鼻叫喚。一瞬でスタジアムは騒然となる。
我先にと、スタジアムから脱出しようとして、各部で将棋倒しが発生。転倒した人が他の人に踏みつけられて、命を落とす場面も見られた。
しばらくそのパニックを愉快そうに眺めていた彼だが、次の瞬間足元に転がっていた大型トラックを鷲掴みにすると、スタジアムの入口に頬り投げた。
入口を塞がれ完全に孤立したスタジアム。5万人の「死」が確実になった瞬間だ。
どこもかしこもびっしりと人間の詰まったスタジアムは、まさに「足の踏み場もない」状況だったが、彼にとっては「足の踏み場しかない」状況とも言えた。
無慈悲にもスタジアム内に足を踏み入れるペルシアン。街中での虐殺が些細なものに感じられるくらい、一瞬でたくさんの人間が踏みつぶされた。
彼のスケールからすればわずか1畳ほどしかない狭い空間に、50m級の巨大生物と5万人近くの小さな人間達が同時に存在するという、極めて異質な空間が出来上がった。
そのまま腰を下ろすペルシアン。彼の巨大な尻で、数千人が押し潰されたのは言うまでもない。
歓声の代わりに、スタジアムに鳴り響く悲鳴。ぬくもり一杯の即席クッションの心地よさで、彼は恍惚とした表情を浮かべる。
より一層パンパンに張った男根はスタジアムの中心に打ち立てられた監視塔のようにほぼ直角に天を向いていた。
今からやるぞ、やるんだぞ!という、自身への焦らし。一度でもペニスを握れば、オナニーは、虐殺は、もう止まらないだろう。
すべてが終わってしまう。
そう思うと、少し躊躇が生まれる。しかし、足元や尻の周囲で蠢く人間達の感触が少々くすぐったくもあり、同時に早くヤれよ、と誘ってるようにも感じさせる。
ペルシアンは覚悟を決めた。
鮮血吹き荒れるクライマックスのスタートだ!
彼は両手でまるで駄菓子の束でも引き寄せるように、自分の男根部に人をかき集めた。流石に5万人もいるだけあって、12mもある爆根が隠れるほどの人間の山ができる。
そして、その山ごと、両手でガッツリとペニスを扱き始めた!!!
悲鳴、断末魔、骨が砕ける音、人間が肉壁を前に磨り潰される音、すべてが今までとはレベルが違う!
勿論、その快感、満足感も最上級だ。
「ニャアアアアアアアア!!!」
思わず嬉びの声を上げるペルシアン。両手でかき集めては扱き、大量の死を積み上げていく。
スタジアムはまるで床上浸水でもしたかのように、みるみるうちに血の水位が上がっていった。もはや、手もちんこも下半身全体も血まみれだ。
そして・・ついにその瞬間はやってきた!
一人残らずかき集めてできた最後の一山。今まで以上に両手に力を入れて、性感帯を無数の命の感触で徹底的に愛撫。
最後の一人の断末魔が聞こえたかどうかというその刹那、彼の発達した骨盤底筋が脈動する!
びゅるるるっるるるる!!
5万の命を代償に漸く白日の下に晒された純白の液体。日の光を浴びて輝く精液の美しさに思わず、生命の神秘を感じずにはいられない。
スタジアム内に突如、血と精液とが混じり合ったピンク色の湖ができあがった。
町からはもう悲鳴も聞こえず、シーンと静まり返っている。
(この静けさが好きだ。)
ペルシアンは思った。彼の大きな耳に都会の喧騒は五月蠅すぎるのだ。
しばらくの間、静寂の余韻を楽しむ。あれだけ逞しく聳え立っていた肉棒も今は力なく血だまりに転がっている。
賢者タイムは人間達にとってもささやかな平和を齎した。
しかし、彼はまだ若い雄だ。数刻もすれば、性欲は復活し、すぐにこう思うことだろう。
「明日はどこの町を黙らせてやろうか」と・・・
完