XaiJu
Kara
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『擽妖箱』──予告編──

『擽妖箱』 ──予告編── 人には、開けてはならない箱がある。 彼女はよくそう言っていた。 1955年。夏。 連続失踪事件は、連続誘拐殺人事件へと変貌し、私たちの住む町を震撼させた。 犠牲者は一人。また一人と増えていく。 姿を消すだけだったはずの犠牲者は、その後、無惨な姿となって発見される。 その頃、町では葬儀場から死体が消えるという怪事件も同時に発生していた。 偶然の不幸は必然なのだろうか。 これは、遠い遠い昔の話。それでも私は、あの年のあの夏のことを覚えている。 例年よりもじめついた夏の暑さも。湿ったような地面のにおいも。そして───血肉の海の光景を。 何もかも覚えてる。 血みどろの刃物。 臓物の海。 燃え上がり、夜を駆ける女。 湖の廃屋。 あの事件では、誰も幸せにはなれなかったと私は思う。 それもこれも、あの人が箱を開いてしまったからだ。 誰かが命を落とした事件なんていつだってそう、そこに幸せなんかありはしない。 不幸にまみれている。 この話を聞く覚悟は良い? あの夏の事件の全貌を聞いた時、あなたの中の箱が開かないことを願っておく。 『星降谷連続殺人事件の全貌』 著者: 青風 楓 月刊冥界報2014年7月号掲載分 ーーーーーーー ──またやりたいなぁ。みんなで。"たそがれ心霊探偵団"のみんなでさ。 ───死ぬのが怖いのは、怖い死に方をすると思っているから。笑ったまま死ねば、きっと死だって楽しいはずよ。 ───海へ行こう。 『擽妖箱』第一話 2024年4月13日投稿予定


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