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闘技場支配人の苦悩 1話 【破壊描写有り】

 血に飢えた者が集まり、血を見るのが大好きな者を惹きつける場所。  ――――闘技場である。  あらゆる娯楽を味わい尽くした富者ほど、最後は〝こういった場〟に  行きつくらしく、彼らの落とす金で施設は潤っていた。  だが。 「はぁ… またですか」  闘技場支配人の男『ダグ』は大きなため息を吐いた。 「勘弁してくださいよ『サルメラ』さん」  彼の前には非常に妖艶な女性がひとり。 「ごめんなさぁい♡ 次から気を付けますわ」  淫魔族のサルメラである。  ではなぜ彼女が支配人室に呼び出しを喰らっているのかというと。 「次からは、って… これで何度目ですか。  前にも言いましたよね? 不戦勝では客が満足しないんですよ」  彼女が試合場ではなく控室(ひかえしつ)で  対戦相手を倒してしまったからだ。 「……強そうな相手だったから〝ちょっと搾って〟弱らせようと  思ったのですが、あまりに〝良いモノ〟を持っておりましたので  ついヤリ過ぎてしまいましたの♪ お許しください♡」  「っ…」  ダグが言葉に詰まったのは、その色気があまりに凄まじかったから。  何気なく振り撒かれる色気ですら〝これ〟なのだ。  淫魔の本気を意図的に向けられたら、  心身を鍛え上げた闘技者ですら抗うのは至難だろう。  それはサルメラの戦績が証明している。  本日、彼女の相手はこれまで負け無しのゴブリン族だったのだが、  試合直前になっても一向に姿を見せず、  運営の者が慌てて呼びに行ったら案の定、控室で倒されていたのだ。  生臭い匂いのこもる部屋の中、  緩んだ表情で大の字に倒れ込み、  丸出しの性器を真っ赤に充血させ、  床にドロドロの白濁液を撒き散らしながら。 「と、とにかく、アナタ目当てに来る客も多いんですから、  せめて試合場で倒してください」  この闘技場ではルールというものを設けておらず、  〝男の精〟を吸い取る淫魔族などは、とてもエロティックな技を  使って男性客を色々な意味で沸かせる事も多い。    だからこそサルメラは人気者なのだが、  いくらエロい技を使おうと、客が見ていない場所でやられては  支配人としてたまったものではなかった。 「は~い」  美麗な顔を子供っぽく膨らませると、  話は終わりと言われてないのに出て行ってしまう。 「ふぅ…」  ダグが椅子に深く腰掛け、大きく息を吐くと。  ――――ガチャっ 「!?」  サルメラと入れ替わるように誰かが入ってきた。 「支配人、お疲れ様です」  『ノーラ』という部下の女性だ。 「あ、あぁ…」   ダグが深くかけた腰をさらに引いたのは、  〝膨らみ〟が目立ち始めた来た股間を隠すため。  女性のノーラには関係のない事だが、この部屋にはまだ  サルメラの淫気が残留しており、その淫らな空気を吸っただけで  男の海綿体には血が流れ込んでしまうのだ。  すると。 「失礼」  そう言って換気のために窓を開け始める。  エルフの血が半分流れているせいか、  淫魔の気をするどく感知したようだ。 「す、すまんな」  不自然に股間を隠しつつ言うと、  ノーラが碧く美しい目を向けてくる。 「いえ。 ―――それで、  サルメラ選手は反省してくれましたか?」 「あぁ… 反省、かは分からないが、  次からは気を付ける、だそうだ」 「ソレって前にも言ってましたよね」 「そ、そうだが… ま、大丈夫だろう。たぶん」  ※  次の日 『勝者、サルメラ選手~!!』    タグの忠告が効いたのか、ただの気まぐれか、  サルメラは〝もっとも望まれる勝利〟をおさめる。 「お……おぅ…♡」  筋肉質な大男が幸せそうな顔で倒れ込み、  逆にペニスが勃ち上がっているのは〝搾り取られた証〟    しかも口淫(フェラチオ)でのエナジードレインなので、  露出したペニスには精液ひとつ付いていない。  体格にあった大玉の〝中身〟は全て飲み干されたのだ。  これにはエロいもの見たさで集まった男性たちが沸き立ち、  当然ながら股間も大盛り上がり。 「よかった、どうやら本当に反省してくれたみたいだ」  特別席で観戦していたダグもほっと胸を撫で下ろす。 「……そうみたいですね」  ただ、横に居たノーラは〝まだ安心できない〟という顔をしていた。 「どうしたノーラくん。 何か心配事でも?」 「心配というか… 客が盛り上がるのは結構なのですけど、  彼女の場合は男性を興奮させすぎるようで、  観戦後はトイレで〝自己処理〟する方が続出するんです」  ようはサルメラのエッチな試合を観てムラムラした男たちが、  次々とトイレでオナニーしているということ。 「それで、鼻の利く獣人の女性たちから  〝廊下までアレの臭いが漂ってきてる〟との苦情がありましたので」 「そ、そうか… 何か解決策を考えておこう」  ※    更に3日後    サルメラは反省したのではなく、この前のはただの気まぐれ。  という事が分かってしまう。 『し、勝者、サルメラ選手』  会場は満員。  〝前回のような展開〟を期待して集まった大勢の男たち。  そんな彼らが、声ひとつ上げずにいた。  サルメラの快勝で終わったというのに。 「なッ… なんてことを…」 「……やってくれましたね」  ダグとノーラが手を頭に当てる。  しかし、ダグだけはもう片方の手を股間に置いているのだが、  決して興奮しているわけではなかった。 「あ… ぁぁ…… ぅ」  サルメラの対戦相手――― 彼の〝股間〟が千切れ落ちていたのだ。  これでは男たちが青ざめるのも無理はない。  「ふふ♪」  倒れる男に流し目を向けつつ、細い指に付着する血を舐め取る。  彼女がすれば性的に見える仕草だが、  その程度で興奮できるほど状況は穏やかではなかった。  淫魔の本当の恐ろしさを漂わせていたのだ。 「ごめんあそばせ♡  非力なもので…   〝そこ〟を狙うしか勝ち目がなかったのですわ♪」  相手は自分の4倍はあろうかという〝雪男〟  強固な筋肉は分厚い白毛で覆われ、サルメラどころか  男の闘技者ですら傷をつけるのは難しい体をしてる。  それでも魔法を使えば普通にやり合う事も出来ただろう。  が、性格の悪い彼女はあえて素手で雪男の懐(ふところ)へと飛び込むと、  対戦相手のみならず、自分にスケベな目を向けている男性客にまで  ダメージが波及する凶悪な攻撃をやってのけたのだ。 「……ふむ、なかなか〝いい皮〟ですわね♪  毛皮だけでなく、コレも皮製品として利用できるのでは♪」  サルメラが足元に落ちていた陰嚢(いんのう)の一部を拾い上げ、  血の滴るそれに職人のような目を向けている。  淫魔というよりもはや悪魔。  期待で充血させていた男たちのペニスは、  今や指ほどまでに縮こまっていた。 「……ぁ……ぁっ……」  気絶したのか、死んだのか、雪男のうめき声が途絶えた。  真っ白の体毛の股間だけが鮮血で染まっている。  この闘技場においても非常に凄惨といえる負け姿。  だが、見ている客たちは誰ひとり気付けていない。  この雪男も――― 実は射精していたのだ。 「くす♪」  唯一それを知るサルメラが〝まだ繋がっている〟  であろうペニスの辺りを一瞥する。  試合中、雪男の懐へと猛スピードで飛び込んだサルメラは、  相手の防御より早く〝ある一点〟に手を伸ばした。  いくら男は股間が弱点といっても、これだけの体毛に覆われた中で  急所の玉袋を探し出すのは時間が掛かるものだが、そこは淫魔。  彼女の目には〝男性器の位置〟がしっかりと視えていたのだ。  そして―――― 掴んだのは〝竿の方〟  雪男の動きがピタリと止まる。  一瞬で生殖器を探り当てられたのは予想外だろうが、  動きを止めた理由は〝予想を超える快楽〟に驚いたからだ。  サルメラにとっては竿だろうが玉だろうが大差ない。  淫魔に生殖器を触られた時点でまともに動ける男はいないのだから。  その後。  掴まれたペニスに濃密な愛撫を受けた雪男はあっけなく射精。  放精の心地よさが更に動きを奪い取る。  完全に無防備となった〝男の急所〟へとサルメラが指を回すと、  慣れた手つきで〝ふたつの果実〟をもぎ取った。  自分では非力などと言っているが淫魔も魔族。  脆弱な玉袋を引き千切るくらいならば造作もない。  声も出せぬほどの激痛を受けた雪男が地をのたうち回ると、  サルメラの手から雪男の〝男〟部分が零れ落ちた。  ―――これが、たった今起きた惨劇の内容である。 『きゅ、救護班、急いでッ!』  大きな担架に乗せられた敗者が運ばれて行くと、  その後からひとりの女性救護員が〝破損部分〟を抱えてついて行く。  彼女が大事に抱えているのはサルメラが摘まみ上げていた陰嚢と、  千切れたが潰れてはいない睾丸(こうがん)である。  雪男の股間には大量の精液も付着しているのだが、  分厚い体毛のおかげでソレに気付く者はいなかった。  ※    「―――ちゃんと試合場で倒しましたが?」  支配人室に呼び出されたサルメラが  あらかじめ用意していたかのような台詞を吐く。 「それは…そうですが、その…勝ち方ってものが…」  どちらが正しいのか、どちらの分が悪いのか、  ダグにも良く分かっていた。  これは子供に見せる演劇ではなく、  刺激を求める物好きたちに見せる殺し合い。  目潰しも、噛み付きも、魔法も、搾精(エナジードレイン)すらも  有りなのだから、当然〝竿〟も〝玉〟も攻撃対象の内。  そもそも男女の区別なく対戦カードが組まれる闘技場において、  男だけの急所を攻撃して注意を受けたとなれば、  それこそとてつもない差別行為となってしまう。 「ふぅん… 勝ち方が、ねぇ…」  全てを理解した上で、サルメラが冷笑を浮かべる。 「つまり、客が私に求めている勝ち方をしろと、  エナジードレイン以外の勝ち方はするなと、  おっしゃりたいのですか?」 「い、いや… すみません」    呼び出した方が謝ってしまった。   無駄なく急所への一撃のみで勝利したサルメラは悪くない。  悪いのは勝手に彼女に期待した男たち。  客の期待に応えるのも仕事の内とはいえ、  これは仕事ではなく殺し合いであり、殺し合いをさせている側が  そこまで注文を付けることは出来なかったのだ。 「では、もう失礼してもよろしいかしら?」 「お、お待ちくださ――――ッ!?」  食い下がろうとするダグの言葉が途切れた。  原因は明白。 目の前にいる淫魔からの〝催淫〟だ。 「しつこい男性はキライですわよ」  顔は笑っているが声が怒っている。  この小さな密室で彼女クラスの淫気を集中的に向けられては、  ほぼ一般人のダグにはひとたまりもなかった。 「う… あぁぁ…」  薄桃色に発光する目を向けられているだけで鼓動が速まり、  徐々に盛り上がるペニスが服を突き破らんばかりに主張する。 「あ! そうですわ♪」  と、何かを思いついたサルメラが数歩距離を詰めた。 「ここで支配人を私の虜(とりこ)にしておけば、  もうこんな面倒くさい呼び出しを喰らう事もありませんわね」  スッと手を伸ばされると肉体が更に火照り出し、  竿のみならず玉までがムズムズと疼(うず)いてくる。     「はぁ… はぁ… はぁ…ッ」 「さぁ、そのパンパンな袋の中身をぜ~んぶ  ギンギンのおチンポからぶち撒けなさい♡」  淫魔の指先がダグの額に触れる――――寸前。    ガチャっ 「ッ!?」  ノーラが入室してきたのだ。 「…ッ! どなた?」  問いを無視してスタスタと歩を進めると、  ダグの腕を引っ張って淫魔から距離を取らせた。 「支配人ッ しっかり!」」 「ん… あぁ…」  意識の混濁、表情の弛緩、性器の膨張を見たノーラが  「くっ」とサルメラをひと睨みし、ダグの衣服を脱がし始めた。 「あらら?」  先を越されたサルメラが呑気に眺めていると、  ノーラが露出されたペニスに向かって呪文を呟き出したのだ。 【色に狂う哀れな蛇よ。宿主までも蝕む愚かな蛇よ。  女神の手により、男魂に渦巻く白濃の膿を解き放て】  右手を赤黒く膨れ上がるペニスへ、  左手を苦しそうに張り詰める陰嚢へと回し、  目を細めて艶やかな唇で〝蛇〟を撫でる。  ――――ちゅっ♡ 「んぐぅっ♡」  口付けに射貫かれた〝蛇〟がビクンと痙攣すると、  牡の臭気を含んだ悲鳴が上がった。    どびゅッ… びゅびゅるるるるるるるるっっ!!  ほぼ垂直を仰ぐ〝蛇〟が粘液を撒き散らし、  部屋の天井付近まで撃ち上がったソレがノーラの  美しい白髪に白を塗り重ねていった。 「うあぁぁ♡」  どぴゅるるるるるるぅぅっっ!!       特大の射精が連続で起こり、自重を支えきれなくなったダグが  ふらふらと壁にもたれかかる。 「はぁ… はぁ… あ、あれ? ノーラくん…?」  どうやら飛んでいた意識を取り戻したようだ。  その様子を見ていたサルメラが興味深そうに指をアゴに当てる。 「へぇー 〝解淫〟魔法ですわね」  白濁液の滴るノーラが振り向くと、表情は冷静だったが  目は明らかな怒りを孕んでいた。 「……サルメラ選手。 〝これ〟はどういうつもりでしょうか?」  竿も玉もない相手では催淫で惑わせることも出来ない。  男相手に凶悪な能力を持つ淫魔の弱点だ。 「…久しぶりに珍しい魔法を見せて頂きましたわ。  では、ごきげんよう♪」  面倒な詰問を避けるため、サルメラは速やかに退室していく。 「―――ふぅ」  ノーラがため息と共にダグに視線を戻すと、  まだ出したりないのか、股間の〝蛇〟が自分の方を向いていた。 「ノ、ノーラくん… 私は…いったい…?」 「サルメラ選手に〝催淫〟をかけられていたのですよ」 「何だと!」 「その証拠に、ペニスがまだ疼いているでしょう?」   「あ… あぁ、確かに…」 「では、しばし部屋から出ておりますので、  〝処理が終わったら〟声をかけてください」 「え」 「なんです? 見ていてほしいのですか?」 「い、いや……」  ノーラが扉を閉めると、微かに床がカタカタと振動する音が聞こえてきた。    ※ 「―――はい、しっかりと水分補給をして下さい」 「あぁ、すまない」  精液を拭き取ったノーラが水を手渡し、  〝今起こった事〟を説明していく。 「―――そ、そうか、キミが…私の…〝これ〟を鎮めてくれたのか」  ダグがようやく萎えたペニスへと視線を降ろす。  部屋の窓が開いているのは精液臭い空気を入れ替えるためだ。 「えぇ、念のために廊下で聞き耳を立てておいて正解でした」  ハーフエルフの尖った耳がぴんと跳ねる。 「…それで、彼女の処分はどうされます?」 「うっ… う~ん」  支配人へと危害を加える。  サルメラのやった事は重大な違反だったが、  この闘技場を任されている身でもあるダグには、  人気選手を切るという選択は取れなかった。 「それは、だな…」  だが、こういう時のためにノーラが居るのだ。 「ならばこうしませんか?」 「ん?」  施設の利害より規則を重んじる彼女の決断は早かった。 「今、この闘技場ではある程度同じ強さの者同士を戦わせておりますが、  サルメラ選手には格上と戦ってもらうのです」 「!」 「そうすれば余裕がなくなりエナジードレインを使わざる得ないでしょうし、  仮に陰嚢を破壊して勝利したとしても、各上相手に劇的な勝利をおさめたとして  客を盛り上げる要素にもなります。さらに―――」  と、前置きをするノーラの顔はどこか楽しそうだった。 「各上相手に打たれ、折られ、泣き叫ぶ結果となろうとも、  〝そういう需要〟もあるのがこの闘技場ですから。  ここは命を張って償ってもらいましょう♪」 「……ッ」  前々から思っていたがサルメラ選手の事が嫌いなんだな。  そう感じたダグに詰め寄るノーラの顔は威圧を含んでいた。 「よろしいですね? 支配人」 「……あぁ、うん」  


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