XaiJu
kktohoku
kktohoku

fanbox


女隊長フラン 前編

 どれだけ文化が発達しようと、どれだけ食材が人々にいき渡ろうと、  世の中から争いが無くなる事はない。  それは歴史が証明している。 「ちっ 見つかったか」  岩山で隠すように建てられた小さな施設に、  人型の大きな機械が近づいていた。 「〝亜重機〟の数は一体のみのようですが… どうしましょう!」  武器とは相手を傷つけ始末するための道具。  鈍器から始まったその歴史は火器を経て、ついには人型ロボットまで到達し、  その兵器は〝亜重機〟と呼ばれていた。 「しかも〝男型〟か…… 仕方ない、私が亜重機で迎え撃つ」 「隊長、しかし…」 「心配するな。私を誰だと思っている」  軍服で身を包む美しい女性が部屋から出ていくと、  残された部下の女が祈るように両手を握り合わせていた。 「フラン隊長… どうか無事で…」  ~亜重機格納庫~ 「整備は済んでいるか?」 「はい。 …ですが現在この一体しかありませんし、  修復資材も不足しています。ですので――――」 「分かっている。まずは話し合ってみるつもりだ。  向こうだって〝ここ〟を攻め落とすメリットは少ないだろうからな」 「そ、それと敵軍の亜重機が何やら〝改良〟されたという情報も」 「悪いがもう時間が無い。後で聞こう」  リフトで上昇していくフランが機体の後ろから操縦室へ入っていく。  操縦室といってもレバーなどはひとつも無く、    あるのは黒い円形の足場のみ。 「よっと」  フランが足場の中心に立つと、衣服を全て脱ぎ去り、  まとめて壁掛けのカゴに放り投げる。 「準備は出来た。始めてくれ」  モニターで見ていた女性整備士が手元のボタンを押すと、  黒い足場から薄い膜が盛り上がり、あっという間に  フランの体がピッチリしたスーツに包まれる。 「うむ。 では行ってくる」  格納庫の大きなシャッターが開く。  操縦室のフランが歩く動きをすると、  同じように亜重機も歩き出した。 「ほう、いい動きだ。これならもし戦闘になっても問題ないな」  亜重機とは〝人間の肉体の動き〟で操縦する兵器。  要は〝自分の動きとシンクロする巨大ロボット〟であり、  ほとんど人間と変わらぬ動きを可能としていた。 『来たな… おいッ そこの者、止まれッ!』     フランの機体が拡声器で大声を放つと、  向かってきた敵軍の亜重機が間合いの外で歩を止めた。 『ここは民間人を避難させている施設だ。  兵は女性の衛生兵と整備士しかいない。  この亜重機も民間人への物資運搬用だ。  どうか、ここは退いて貰えないだろうか。  そちらとしても民間人まで殺せという命令は出ていないのだろう?』  フランの言葉に嘘は無い。  本当にこの施設は戦局に関係していないからこそ、  正直に話し、相手の理解を得ようと考えたのだ。  ただ、ひとつだけ…  女性であるフランだから、してしまった失言があった。 【まぁ、確かに民間人まで殺しちまうのは色々とまずいな】  その敵兵の反応にフランの声が明るくなる。 『あぁ、頼む。見逃してはくれないか』 【だが… 兵士はいるんだろう? それも女ばかりが…】 『!』  野卑な声色が聞こえ、フランに嫌な予感が走った。 【女のひとり寄こしな。それで見逃してやるよ】 『キ、キサマ…ッ』  戦争だろうと三大欲求は無くならない。  食欲、睡眠欲、そして性欲。  特に男は陰嚢(いんのう)に物理的に溜まっていくという仕様上、  自慰もままならない戦時中は常に溜まっている状態なのだ。 【へへ♪ 安心しな、金玉がカラッポになったら  ちゃーんと帰してやるからさ♪】 『このッ』 【嫌なら力づくで制圧してからムリヤリ奉仕させてもいいんだせ。  そんな〝女型〟の亜重機一体じゃこの俺を止めらんねーだろうからよぉ】  亜重機には〝男型〟と〝女型〟がある。  これは性別というより性能で分類された結果。  〝男型〟はパワーと耐久力に優れた戦闘向きのタイプ。  〝女型〟はやや小型だが精密な動きが出来る作業向きのタイプ  もちろん今の状況では〝男型〟が圧倒的に有利である。  普通ならば―――― 『ゲスめッ その汚らわしい男根に捧げる女など  我が軍にひとりもおらんッ! 帰って自分で処理でもしていろ!』 【へっ 交渉決裂ってことかい】  空気が張り詰めた瞬間。  先手を打ったのはフランの機体。 【うお!?】  肉体の動きとシンクロするという事は、  操縦者の身体能力と技術が大きく反映される。 【ぐッ 痛ッ!】  幼少の頃から武道をたしなんでいたフランの機体は  〝女型〟の常識を超える戦闘能力を発揮していた。 『ノロマめ』  ――――ゴガァァンッ!  半円を描く回し蹴りが〝男型〟の頭部を揺らす。 【ふぐぉぉ!】  亜重機には衝撃まで操縦者に伝わってしまうというデメリットがある。  ただし、今の攻撃でも強めに平手打ちされた程度の衝撃であり、  鍛え抜かれた兵士ならばたいした問題ではないのだが… 【フ、フンっ うざってぇな】 『無駄に頑丈だな。 ならば…』  フランは女性でありながら男性に打ち勝つ技術を磨いてきた。  つまり、腕力の差を埋めるため、  人体の〝弱い箇所〟を打つ技を体得しているのだ。 『喰らえッ 三段突きッ!』  目にも止まらぬ速さで〝男型〟の目、鼻、ノドを突いた。 【がッ…!!】  ピッチリしたスーツに包まれていない頭部にも衝撃は届く。  目や鼻ならば平手程度の衝撃でも十分効果はあった。 【く、くそ…ッ】    さらに、フラつく〝男型〟に詰め寄った〝女型〟が、  急所中の急所へと牙を立てた。 『釣鐘砕きッ!!』  ――――ゴキャアァァンッ!! 【ッッ!?】  膝部分が股間の装甲に深々と突き刺さる。  釣鐘砕き(つりがねくだき)は男性特有の臓器である睾丸(こうがん)を  高確率で潰す必殺技。  これが生身だったら、いくら鍛えた男でも勝負ありだっただろう。 『入った。 いや、砕いた!』  〝女型〟が膝を引き抜くと、〝男型〟の股間装甲にヒビが走り、  パキっと音を立てて剥がれたのだ。  おそらく、操縦者の股間にも相応の衝撃が伝わっているはず――  この男には、今から気の毒な痛みが襲うだろう――  そう考え、ついフランが攻撃の手を緩めた。その時。 【このアマッ!】 『え!?』  なんと、目の前の亜重機が蹴りを繰り出してきたのだ。 『うぅ!』  両腕で受け止めるが大きく弾かれてしまう。 『くッ こんな…』 (確実に股間を砕いたのに…なぜ動ける?  …あ、そういえばさっき敵の亜重機が改良とか言われたけど…まさか…)  フランは全てを知っている素振りでカマをかけてみた。 『なるほど、情報通り、それが例の改良というわけか…』  〝男型〟がむくりと背筋を伸ばすと、残っていた装甲も零れ落ち、  股間部分に内蔵された〝ふたつの球体〟が見えた。 【ほう、知っていたか… なら隠しても仕方ねー】    そう言って指差したのは破壊された股間装甲の奥。  まるで睾丸のようにふたつ付いている球体の正体はモーターであり、  〝男型〟はパワフルな性能を発揮するために、  下腹部に〝ふたつ多く〟モーターが内蔵されているのだ。  ちなみに〝女型〟には付いていないこともあり、  一部の女性整備士からは〝キンタマモーター〟と呼ばれていた。  そして、そのモーターに掛かる衝撃がそのまま  操縦者の股間に伝わる訳だが、操縦者が女性ならまだしも、  男性の場合はそれだけで大きな支障が出てしまう。 【俺たち男の操縦者にとっちゃ一番の問題だったからな、  その弱点を改良したのがコレってわけよ】  指差されたキンタマモーターをよく見ると、  何やら半透明なものに覆われていた。 【廃熱性能を持つ衝撃吸収ゲル素材だ。  これでもう金玉の痛みに悩まされずに済むぜ】  露出された〝ふたつの球体〟にまとわりつく半透明の緩衝材。  女性整備士が見たら〝精子ゲル〟とでも名付けそうな滑稽な見た目であり、  フランもその改良に感心するというよりは呆れていた。 『そんな素材を開発したのなら、他の部分にも使えば良さそうなものだが、  目やノドを突かれた時の反応を見るに… まだ少量しか作られていないのだな』 【!】 『図星か。 フフ… しかし、  希少な素材で真っ先に守ろうとするのが股間とは… 男とは不便だなぁ♪』 【バ、バカにしてんじゃねーぞ!】  自慢の〝改良部分〟を嗤われた男が激昂し、  〝男型〟の亜重機が一直線に向かってきた。 『フンッ!』  フランの亜重機が再び金的蹴りを繰り出すが、  相手は構わずに突っ込んでくる。 【無駄だっつってんだろッ!】  カウンターで股間を打たれても大した衝撃にならず、  むしろ、溜まっている男には心地いいくらいの刺激だった。 【おらッ!】  機体サイズの劣る〝女型〟がひと回り大きな〝男型〟に組み付かれ、  その差を利用して押し倒されてしまう。 『うぅッ』  二体の巨大ロボットが倒れると同時にズシィィンと土煙が舞い上がり、  局地的に発生した地震が後ろの施設をも揺らす。 【へ… へへへ…♪】  亜重機の操縦者はわずかな触覚も共有しており、  組み伏した〝女型〟の感触を下腹部に感じた男は、  戦闘中だというのに陰茎を充血させ始めていた。 【ここには女性兵しか居ねぇって言ってたからテメェも女なんだろ。  ま、その声で男なわけはねーだろうし、  まずはテメェから犯してやるぜ♪】  地面に押し倒されたフランの機体に大きな手が迫ってくる。  ただ、彼女とて何の考えも無しに挑発したわけではない。 (一度しか使えない〝秘密兵器〟… なるべく温存しておきたかったが…   民間人と部下を守るためには、使うしかないな!)    ス……  〝女型〟の手が二体の亜重機の間を割って進み… 【おん?】  辿り着いたのは〝男型〟の股間部。 【ハッ だから金玉への攻撃はもう効かねーっての。  女ってのはずいぶんと単純な脳ミソしてんな。  何でもかんでも股間を狙えば何とかなるとでも思ってんのか】    〝男型〟の手に首の部分を掴まれ、  わずかな息苦しさがフランを襲うが、それでも彼女は笑った。 『あぁ、思っているとも』  ――――バチッ  股間部に触れている手の先から青い火花が散った。 【!!】  同時に操縦室に居る男のスーツにも微弱な電流が走る。 【ぅお!?】  敵軍が亜重機に乗る男たちの弱点を改良したように、  フランの軍もひとつの〝秘密兵器〟を作り出していたのだ。 『〝操縦スーツ伸縮機〟 これが私の奥の手だ』 【はぁ? 今のショボい静電気がか?】  その効果は遅れてやってくる。 【ん! おぉ? おおぉぉ?】  兵器の名前通り、亜重機操縦者のスーツを伸縮させるものだが、  その〝伸び縮みさせる箇所〟というのが、股間だった。   ぎゅむん♡  ぎゅみゅん♡ 【おほぉぉ♡】  操縦室内で自動的に装着されるスーツは高性能で、  性別、体形問わず、どんな人間にもピッチリと貼りつく。  やせ型、肥満から度を越した巨乳、巨根まで、  〝わずかな隙間もないくらい〟本当にピッチリと貼りつくのだ。   ぎゅむうぅぅぅぅぅ♡ 【あ♡ あ♡ あぁ♡】  しかも、戦闘中に陰茎を膨らませるほど興奮する戦闘狂にも対応しており、  スーツを着た後でペニスサイズが変化したとしても、  膨張するモノに合わせて伸び縮みしてくれる。  そして、その〝伸縮する性能〟を暴走させるのが  フランの隠し持っていた兵器の効果だった。   ぎゅむ♡   ぎゅみゅ♡ 【チ、チンポが… あぁ♡  スーツでシゴかれ…♡】  敵兵のペニスは、今や完全にフル勃起しており、  限界まで充血したペニスにピッチリと貼りつくスーツが、  まるで意志を持ったかのように妖しく流動しているのだ。   ぎゅち♡  ぎゅむん♡ 【おほおぉぉっぉ♡】  肌触りの良い裏生地が勃起ペニスの表層で伸縮を繰り返し、  亀頭はもちろん、カリ首のくぼみや裏スジの凹凸へと密着したまま  優しく丁寧な摩擦運動を繰り返してゆく…    ぎゅううぅ♡  ぎゅむむん♡ 【はあぁっぁ♡ す、すごすぎ…♡】  コレをやられたら、もう男は堪らないだろう。  ましてやオナニーもろくに出来ていない戦時下の兵士。 【あふぅぅ♡】  〝男型〟の腰が砕け、フランの機体から転げ落ちたあとは  両手で股間を押さえたまま両足をピンと伸ばして悶えている。  その姿は横に寝そべってオナニーしているようにも見えた。 『フッ』  フランが冷笑するのも当然。  亜重機と操縦茶の動きはシンクロしている。  つまり、中の男も今頃は操縦室で〝あの恰好〟をしているということ。 『初めて使ったが… 凄い効果だな』  手に内蔵された〝秘密道具〟を見たフランが、改めてその性能に驚く。  それでも、いくつかの欠点はある。  ひとつ目は〝一回きりの奥の手である事〟  まだ開発されたばかりという事もあり、一回使うと壊れてしまうのだ。  ふたつ目は〝男にしか効かない事〟  男性とは違い、生殖器が外部に盛り上がっていない女性では、  いくら股間の生地が伸縮したとしても〝あそこまで〟悶える事はない。  この兵器は、ピッチリスーツに包まれるほど生殖器が露出している  男性だから効果のある奥の手なのだ。 【お、おのれ…】  ぎゅむん♡ 【はうぅぅ♡】  起き上がろうとするも、ペニスを陰嚢を揉み解される快感に  膝が抜けてしまう。今の男に勃つことは出来ても立つことは出来なかった。 『無駄な抵抗は止めておけ。  キサマら男は射精の衝動には絶対勝てない。  だから、この施設を襲おうとしてるんだろ』 【くぅ…】 (くそ、確かにもう限界が近い… あとひと揉みでもされたら…)        ぎゅむんっ♡  【はぐうゅぅ♡】  尿道部の奥から込み上げてくる〝熱〟を感じた男は察する。  射精のスイッチが入った、もう数秒の猶予も無い――――と。 (イ、イク…… だが、俺がイった瞬間、  アイツはその隙を狙って大技を繰り出してくるだろう。  ち、ちくしょう、どうせイクなら――――)     ぎゅむ♡ 【うあぁああぁぁあぁっっ♡】   びゅぷりゅるるるるるっるるるるるるっ!!  溜まっていた欲望が、操縦室内で盛大に大放出された。  だが。 『――――ん!』  フランが異変に気付く。  中の操縦者が射精すれば、とうぜん亜重機も  男特有の情けない痙攣をするはずだったが…  〝男型〟の亜重機は横たわったままピクリとも動かないのだ。 (馬鹿な、全く微動だにせず射精するなどありえん。  いや、奴は止まる直前、体を掻きむしるような動きをしていた…まさか)  嫌な予感がしたフランが急いで相手機体の後ろへと回ると。 『くッ やられた』  操縦席の扉が開いており、慎重に中をのぞくと、  黒い足場に撒き散らされた〝白い粘液〟が見えた。 『亜重機を捨てて逃げたか…』  敵兵の男は射精スイッチが入った直後、  大急ぎでスーツを破り捨て、思いっきり射精したのだ。    それなら、いくら体が歓喜で震えても亜重機は無反応のまま。  そして、存分に射精した後はゆっくりと操縦室を出て、  岩山の影に隠れながら敗走したのだろう。  スーツが破れた時点で亜重機の操縦は不可能となったのだから。 『まだそう遠くへは行っていないはず…… だけど』  岩山の奥には森林地帯が広がってる。  民間人をかくまうために選んだ地形が逆効果となった。     亜重機ならまだしも、ひとりの人間をそこから探すのは困難であり、  フランはすぐに頭を切り替えた。 『まずは奴が捨てていったこの亜重機を回収せねば』  敵兵の機体は情報の宝庫。  しかも、改良された部分がほぼ無傷なのだから、  すぐにでも回収、解析して本部に伝える必要があった。  ~亜重機格納庫~ 「うっわぁ! すっごいお手柄じゃないっスかフラン隊長~♪」  最年少の女性整備士が帰還したフランに駆け寄ってくる。 「あぁ、悪いがすぐにでも解析を頼む」  フランがピッチリスーツを丁寧に降ろし、  蒸れた肉体をタオルで拭いていると、悲鳴が飛んできた。 「きゃー!」  声の方向は回収した〝男型〟亜重機の操縦室からであり、  フランにはその理由が分かってしまった。 「た、たた隊長~!」  操縦室からメガネをかけた女性整備士が赤らめた顔を出してきた。 「こ、この操縦室にこびりついている白い粘液って…  その…… 男の人の………」 「精液だ」 「せっ――!」 「すまん、報告し忘れていた」  報告を受けたメガネ整備士の顔がさらに赤く染まっていくと、  後ろに居た最年少整備士が軽快に笑う。 「アハハ♪ 〝秘密兵器〟をさっそく使ったんスね」 「あぁ、よほど溜まっていたのか、あっという間に果てていたぞ」 「それはそれは…♪ でも、これでもう使えなくなったッスね」 「…そうだな、しかも自軍の亜重機を取られたのだから、  すぐにでも取り返しに来るだろう。  我々だけならその前に撤退も可能だが――」 「それだと避難している民間人の皆さんが犠牲になっちゃうッス」 「うむ、だから奴らの改良部分の解析し、弱点を見つけてくれ。  股間の小細工さえ無効化できれば……男なんぞに負けはしない!」 「ハイ! お任せをっ♪」


More Creators