※本作はpixivリクエストにて依頼を受けて制作しました。 ―――――― ■ とあるホテルのスイートルーム。 ひとりの男が、ソファーに座り、葉巻をくゆらせていた。年齢は50代半ば。髪の毛には白いものが混じり、目元には皺が刻まれているが、それらは加齢ではなく、人間としての深さ――渋みを感じさせた。羽織ったバスローブの隙間からは、壮年とは思えない、たくましい胸筋がのぞいていた。 吐き出した烟が、部屋の空気に紛れる。そのたび、彼の存在感が空間を支配していった。 左右に現役のアイドルがはべっていることを思えば、そのくつろぎようは異常だろう。しかも、彼女たちは、裸よりなお破廉恥な黒のマイクロビキニを着用しているのだ。この男がどれだけの性経験を重ねてきたのか――これだけでもよくわかる。 「ねえ、おじさま~♡」 右にはべる大崎甘奈が猫撫で声を出し、 「は、早く……えっち……しよ……♥」 左にはべる大崎甜花が媚び媚びの息遣いで誘う。 彼女たちが今しているのは枕営業。強いられてしているわけではない。ふたりの美貌に弾ける喜びを見れば、彼女たちが自分の意思でそれを行っていることは明らかだ。 人と話すのが苦手で、アニメやゲームなど、インドアな趣味が多い甜花。誰とでも分け隔てなく接する天真爛漫なギャルの甘奈。ファンたちが抱くそんなイメージは、確かに彼女たちの一側面ではあるが、すべてではない。 近年、急激な成長を果たした283プロダクション。躍進の理由は、粒ぞろいのアイドルたちの堅実な活動にある――というのは、無知な者の描く夢物語に過ぎない。すべてはアイドルたちの枕営業のおかげだ。人気のタレント、芸能界の大物、財界の有力者、政界の中枢……彼女らにもてなしを受け、籠絡された男は数知れない。 全員が全員、いずれ劣らぬ猛烈な男好きである彼女たちは、事務所からの指示すら必要なく、自ら望んで男を選び、男と寝て、男たちからもたらされる利益を得ている。283プロダクションの飛翔は、枕営業と遊びの区別が一切ない美女、あるいは美少女たちが、欲望のおもむくままに享楽を貪った結果でしかない。 甘奈も甜花も経験人数はもうすぐ3桁。ふたりとも、スマートフォンのメモリーは、男遊びの記録でパンク寸前だ。消しても消しても増え続ける連絡先は、甘奈は「特上」「上」「並」に、甜花は「SSR」「SR」「R」「N」にランク分けして管理している。 (このひとは文句なしに特上~っ♡) と、甘奈は男の横顔を見ながら考えている。おそらく、甜花も同じく最高ランクに分類しているだろう。 (はぅ♡ このおじさま、いくらなんでもイケメンすぎるよ~♡ おまけにとっても偉くて、お金もたくさん持ってるなんて、完全に反則~♡) 今、彼女たちが媚態を送っている男は、テレビ局の重役。この男と夜を過ごし、その見返りとして、現在制作が進んでいるドラマにふたり揃ってレギュラーとして出演させてもらう――それが今回の計画だった。この男の立場をもってすれば、原作となっている漫画には登場していなくても、双子のキャラクターをねじこむくらいは造作もないだろう。 ドラマへの出演自体に興味はない。あくまでも、すでに主演に決定している若手俳優と接点を作り、彼をモノにするための手段だ。その俳優は女性人気が高いにもかかわらず、無類の女嫌いとして知られている。しかし、甘奈と甜花が本気を出して迫れば、余裕で堕とせるだろう。ただし、その後でどう料理するかはまだ決まっていない。 (普通に遊び相手にするのも悪くないけど……病院行っても絶対に治らないくらいの女好きヤリ猿くんに改造しちゃうっていうのも面白そうだよね~♡ そしたら、今度は283プロのみんなでわるーい遊びたくさん教えちゃおうかな♡) しかし、あくまでも未来は未来――今は目の前のことに集中するべきだろう。特上の男が相手ならばなおさらだ。おそらく、若手俳優のランクは、よくて上というところだろう。それでも、欲しくなったら最後、手に入れなければ気がすまないのだから、自分たちはわがままな生き物だなと思う。 「ベッドに行く前に、ひとつ確かめたいことがあるんだ。答えてくれるかい?」 男は葉巻を灰皿に置いた。それから、何の断りもなく甘奈と甜花の肩に腕を回し、華奢な体を抱き寄せる。男の掌が、ふたりの乳房を鷲掴みにした。 むにゅ♡ もにゅん♡ むにむに♡ むにゅううっ♡ 「あんっ♡ おじさま、おっぱい揉むの、めっちゃ上手♡」 「んっ♥ はぅ♥ おじさまの手……気持ちいい……♥」 柔らかさと弾力を最高の割合で兼ね備えた乳房が、掌の動きにまつろい、さまざまに形を変幻させた。広げた指と指のあいだに乳肉が盛り上がる様子がたまらなく淫靡だ。乳肌から香る甘い匂いが、葉巻の残り香に混ざった。 「事務所の公式プロフィールのバストサイズは、甜花ちゃんが81、甘奈ちゃんが80と記載されていたけど……このボリュームで81と80はさすがに逆にサバを読みすぎじゃないかな。正確な数字を教えてくれるかい?」 むにっ♡ むにゅっ♡ もにゅ♡ むにむに♡ もにゅ♡ むにゅむにゅ~♡ 「んっ♡ あっ♡ あれはデビューした時に測った数字で――」 桃色に染まった声で喘ぎながら、甘奈は答えた。 「あの頃は80のCカップだったけど、芸能界に入ってからすごく大きくなって……今は85のEカップになっちゃいました♡」 「て、甜花は……今は、88のGカップ……でしゅ……♥」 急激な成長は甘奈と甜花だけの話ではない。程度の差こそあれ、同じ事務所のアイドルのほとんどすべてが体型を淫らに変化させている。イケメン、資産家、権力者……ほとんど毎日のように優秀なオスと遊んでいるおかげで、メスとして魅力的であるためのホルモンが爆発的に分泌されているのだろう。 アイドルの体型の変化は事務所側も把握している。プロフィールを訂正していないのは、プロデューサー曰く、イメージ戦略の都合らしい。乳房が大きければ、それだけで清純なイメージからは遠ざかってしまう。実情はまったく違うからこそ、283プロダクションの所属アイドルは徹底して処女性をアピールしなければならないのだそうだ。 ボリュームアップの度合いで甜花が甘奈を上回っているのは、それだけ男性経験が多いからだろう。基本的には内気で消極的な甜花だが、異性関係に限っては、その積極性は凄まじい。狙いを定めたら最後、どんな手段を使っても必ずモノにしてしまう。甘奈が堕としてみると、その男はすでに甜花とセックスしたことがあった、という体験もしばしばだ。今回の計画を立ててくれたのも甜花だった。 「EカップとGカップか。そう聞くと、ますます大きく感じられるから不思議なものだね」 男の掌が、さらに執拗に乳房を揉みしだく。 「あぁん♡ おじさま♡ もう揉んじゃだめ~♡」 「ブラジャー、買い替えたばっかりなのに……こんな上手にもみもみされたら……甜花のおっぱい、またおっきくなっちゃう……♥」 口では嫌がりつつ、ふたりとも、男の手を振り払いはしない。満足いくまで好きなようにさせるつもりだ。それは彼のためでもあるし、自分たちのためでもある。 本当なら今すぐにベッドに行きたい。ヤりたい。ハメたい。パコりたい。しかし、焦らせば焦らすほど、待ち受ける快楽が膨れ上がることを、彼女たちは知っている。我慢が出来ないほど欲しいからこそ、我慢しなければならない――ふたりは焦げついた息を吐きながら、悩ましい矛盾に身悶えを続けた。 (続→ https://ringokidjp.booth.pm/items/6287770 )