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【前編・無料】肉食系凛世が禁欲解放エッチでイケメン既婚者俳優をガチで堕とす話

本作はskebにて依頼を受けて制作しました。 ―――――― ■  杜野凛世は寮に住んでいる。  というのは、ファンたちに親近感を抱いてもらうための嘘だ。確かに右も左もわからない新人だった頃は寮で生活していた。しかし、それなり以上の収入が得られるようになった今では、マンションを借りて暮らしている。セキュリティも万全、防音防振断熱も完璧、さらに眺望も素晴らしい――支払っている家賃の額を聞けば、ほとんどの男たちが劣等感に苛まれるだろう。  だからその嘘はファンサービスだと思っている。  凛世だけではない。桑山千雪、月岡恋鐘、白瀬咲耶、西城樹里……かつて寮で生活していたアイドルは、現在はそれぞれ個別に部屋を借りて生活している。共に食事をしたり、楽しくお喋りをしたり、悩みや喜びを分かち合ったり……あの頃を懐かしむ気持ちがないではないが、ふたたび寮で集団生活を送りたいと言うものはひとりもいない。  当然だろう。だって、寮で暮らしていたら―― (こんなふうに好き勝手に男性を連れ込むことはできません……♡)  12月初旬。夜の空気は凍てついているが、リヴィングは暖房が心地よく効いている。おかげで一糸まとわぬ裸体を晒していても肌寒さを感じることはない。  今、凛世は牛革のソファーに腰を下ろしている。大胆に広げられた両脚のあいだにはひとりの男がひざまずき、その顔面を凛世の股間にうずめていた。凛世同様、彼も服を着てはいない。 「んふっ♡ れるぅ♡ じゅる……っるるっ♡ ずっ♡ れるぅ♡」  秘肉を舐めねぶる男の舌。愛液が啜り上げられ、嬉々として嚥下される。 「凛……世……っ♡ ちゅっ♡ じゅるっ♡ んっ♡ ふっ……じゅるぅ♡ 凛世……♡ 愛してる……っ♡ んふっ♡ 愛してるぞ……っ♡」  凛世への愛情を切々と訴えながら、男は夢中になって奉仕を続けている。凛世からは見えないが、時折、肉棒が跳ね上がって下腹を打つぺちぺちという音が聞こえた。耳をすませば彼の心臓の高鳴りすら聞き取ることさえできたかもしれない。 「それなら……もっと凛世を愛してくださいませ……♡ 尽くして、捧げて、喜ばせてくださいませ……♡」  凛世はさらに両足を広げた。男の頭に掌を添え、顔面を股間に押しつける。 「んむっ!? も、もちろんだっ♡ もっと……俺に凛世を……愛……愛させてくれ……っ♡ んじゅるっ♡ れろれろれろぉ……♡ じゅっ♡ じゅ……る……っ♡ ぢゅっ♡ じゅっ♡ はふっ♡ はむぅっ♡ じゅ、るるるるるるっっっっ♡」  要求に応えて、男が舌使いをさらに激しくした。口唇どころか鼻までも陰部に埋没させる勢いで、凛世の奥深くを愛撫し、分泌される愛液を飲み下す。それまで以上に荒くなった鼻息が、愛液と唾液が粘りつきあう音と混ざりあった。  舌を蠢かせながら、男は上目遣いに凛世の反応をうかがう。返答する代わりに「よし♡ よし♡ えらい♡ えらい♡」と優しく頭髪を撫でてやると、彼は嬉しそうに目を細め、さらに懸命にクンニリングスに励んだ。飢えた犬のようなその姿に、凛世は口元をほころばせて「ふふっ」と笑いをこぼす。 (プロデューサーさま……可愛い……♡)  男は凛世の担当プロデューサー。そして、凛世の初恋の相手でもある。しかし、今では数多くいるセックスフレンド――いや、「フレンド」未満の「玩具」のひとりでしかない。  デビュー当初は、彼と交際することを夢に見ていた。それはまるで少女漫画に描かれるような素敵な恋だったと今振り返っても思う。しかし、活動を初めてすぐに、凛世は彼よりも圧倒的に素晴らしい――本物の男たちの存在を認知してしまった。  抜群の容姿、屈強な肉体、破格の経済力、絶大な権力、華麗な性遍歴……芸能界とその周辺にいる男たちの圧倒的な魅力は、無垢な乙女だった凛世の脳をいともたやすく粉々に破壊した。初恋は笑ってしまうほどあっけなく終わり、優秀な牡を求める強烈な肉欲がそれにとって変わった。つまり、杜野凛世は外見はそのまま、大和撫子から肉食系女子へと変貌したのだ。  以来、可憐な容姿と気品あふれる物腰を利用して、凛世は数多くの男たちを食い荒らしてきた。一度きりの関係でおわった者もいれば、現在も継続的に会っている者もいる。ただし、凛世が真剣に――「暇つぶしの玩具」としてではなく、「男」として交際している人間はわずかだ。「玩具」たちは所詮「男」の引き立て役に過ぎない。  凛世が腰をおろしているこのソファーは、その「男」のうちのひとりが贈ってくれたものだ。以前使っていたものよりも座り心地がよくて気に入っている。イタリアの有名なブランドの製品らしい。このひとの給料の何ヶ月分の値段がするのだろう――と考えながら、凛世は自分の股間に奉仕する男を見下ろしている。  確かに彼は芸能事務所のプロデューサーとしてはそれなりに有能だ。性格や容姿も悪くはない。しかし、凛世は「それなり」や「悪くはない」程度ではもう絶対に満足できない。それでも、遊び半分で誘惑し、こうして玩具にしてあげる程度には愛情を抱いている。それが彼にとって幸せなことなのかどうか――その答えは、その蕩けた表情を見ればわかるだろう。 「……あっ♡ んんっ♡ イく……♡ 凛世、イってしまいそう……ですっ……♡ だからもっと舐め……んんっ♡ はあっ♡ そうです♡ そう……そこ♡ そこそこそ……ああっ……イく……♡ イく……♡♡ イっ……く……っ♡♡♡」  快感ではなく優越感が、凛世をごく軽い絶頂へと押し上げる。甘い痙攣が華奢な肢体を走った。  それが去った後、凛世は、はあっ、と熱い息を吐く。そして、「プロデューサーさま♡」と呼びかけつつ、座面に片足をのせ、指で陰裂を割り広げた。薄い恥毛に飾られたそこは唾液と愛液の混合物をたらたらと垂れ流しにしている。 「準備運動は済みましてので、そろそろ……お願いできますでしょうか……? ただし、いつもの通り、こちらだけはお忘れなく♡」  そう言って、凛世はかたわらに置いていた1包の避妊具を彼に向けて放る。  床に落ちたそれを拾い上げた彼は、貪るように封を開け、剥き出しにしたゴム製品を勃起に装着した。彼に限らず、男が避妊具を装着する姿はいつだってひどく滑稽で哀愁を誘う。くすくすと笑いを漏らしながら、凛世はその様子を見守った。  本命の男たちとは違い、「玩具」たちには生での挿入は許していない。それどころか、万が一にも破れたりしないよう、避妊具は極厚のものを使用させている。それに加えてセックスフレンドにも満たない身の程をわきまえてもらうため、キスも徹底して厳禁だ。破れば即絶縁のその強制に文句を言われたことはない。男としての尊厳を損なうルールにすら服従させてしまうほどの魅力が凛世にはあるのだ――そして、そのことを凛世自身が誰よりもよく知っている。うぬぼれではない。単なる正確な自己認識だ。 「い、挿れるぞ……っ」  避妊具を装着した彼は、はふっ、はふっ、と息を乱しながら凛世の入り口に亀頭をあてがう。その勃起は長さも太さも形状も平均の域を外れない。凛世が愛する男たちに備わっているもの――剥き出しの鉄塊のような重量感、女をぶち殺すために存在しているような凶悪な造形、ひと目見ただけで孕んでしまいそうな存在感を持つものとはまったく違う。人のよさそうな外見そのままの人のよさそうな肉棒という印象だ。しかし、その可愛らしさに苦笑いを浮かべはしても嫌悪感を覚えないのは、やはり彼が初恋の人だからなのだろう。 「い、挿れるからな……っ」  もう一度、彼は言う。しかし、その肉棒は1ミリも進みはしない。無理もない。数多くの肉棒に耕されたその部位がどれほどの快感をもたらすのか、彼は知ってしまっている。一刻も早くそれを味わいたいという熱望と、それを味わってしまったら最後、幸せ過ぎる敗北射精へ堕ちるしかないという恐怖が彼の中でぶつかり合い、軋みをあげている。そのふたつのうち、どちらが勝つかは言うまでもない。 「どうぞ……遠慮なく、凛世のなかにいらしてください、プロデューサーさま……♡」  くいっ、くいっ、と悩ましく腰を動かして、凛世は誘った。その媚態に喉を鳴らして唾を飲みこみ、彼はようやく覚悟を決める。ぬっ……ぷっ……♡ まるで忍びこむように緩慢に、ペニスが膣に侵入していく。 「くっ……う゛っ……ぐう゛っ゛っ゛っ゛っ゛……」  数千枚の舌に舐め上げられ、締めつけられるような感触が彼のペニスどころか精神の髄をも襲う。歯をぎりぎりと軋らせてそれに耐えながら、彼はどうにか己の全長を凛世に突き入れていった。 「は……入ったぞ……っ♡」  ただ根本まで挿れただけで、彼は歓喜の声をあげる。血走った目。だらしなく開いた唇。そこから漏れる苦しげな息遣い。……すでに疲労困憊といった様子だ。それでもどうにか「男」を――彼なりに精一杯の「男」を見せつけるべく、彼は腰を動かし始める。 「ぐっ゛♡ ぎっ♡ い゛い゛い゛い゛っ゛っ゛っ゛っ゛♡♡♡」  耐えられない快感を耐えようとしながら、彼は腰を前後させる。ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ と肉と肉がぶつかる音が小気味よく連続した。抜いては挿される肉棒はそのままはち切れてしまうのではないかと心配になるほど、すみずみまで緊張をみなぎらせている。みちっ、みちっ、という牡肉の軋みが膣肉に伝わってきた。 「ふっ♡ ひっ♡ ん゛っ゛♡ お゛っ゛♡ っ゛お゛お゛お゛お゛っ゛♡ り……んぜ……♡ 凛世のなかっ……気持ちよすぎ……っ♡ あ、頭゛……お゛……お゛がじぐ……なりゅっ♡ んんんっ♡ んっひぉぉっ♡」 「お褒めにいただき、光栄でございます♡」  必死すぎる彼とは正反対に凛世は余裕の表情だ。彼はすでに湯をかぶったように全身汗に濡れているが、凛世の体は心地よく温まっているに過ぎない。彼の性的な技巧が稚拙だというわけではない。平均よりはやや上というところだろう。しかし、極上のさらに上をいく男たちを知っている凛世からすれば満足からはほど遠い。それで何も構いはしない。これはセックスではなく、「玩具」を使ったお遊びなのだから。 「んほっ♡ の゛っ♡ ほぉ゛っ♡ 凛世♡ 凛世凛世凛世ぅううう♡」  へこっ♡ へこっ♡ へこへここっ♡ 快感のあまり、彼の腰使いは次第にリズムを崩し、滑稽に乱れていく。いつ射精してもおかしくはない。それなのに果ててしまわないのは、凛世が締めつけを絶妙にコントロールしているからだ。ひたすら絶頂の寸前に留め置かれ、そこから降りることも昇ることも許しはしない。 「はっ♡ ふぅ♡ ひっ♡ ほっ♡ お゛っ゛♡ お゛っ゛♡ お゛お゛お゛♡」  彼は快感に満ちた地獄に顔を歪め、汗を落としながら必死に腰を振り続ける。動くたび、麻薬よりも強烈な中毒作用のあるものが、今よりもずっと深く彼の心身に染み込んでいくのがわかった。それは凛世への愛情――いや、崇拝だ。  もっと好きになれ。もっと崇めろ。もっと奉れ。――その思いをこめて、凛世は艶めかしく腰をうねらせる。くいっ♡ くいっ♡ くねっ♡ くねっ♡ くいっ♡ くねっ♡ あまりにも男のツボを知り尽くした動き。それは単に豊富な経験だけで可能となったものではない。経験に加えて、才能がなければここまでの動きはできはしない。凛世にはその才能があったのだ。芸能界に入っていなかったら、それに気がつくことはなかっただろう。それを考えれば、あの時凛世をスカウトした彼には感謝しなければいけない。  ちらり、と凛世は壁に掛かった時計を見やる。本当はもう少し楽しんでいたいところだが、そろそろ日付が変わってしまいそうだ。明日は大切な予定が入っているので、あまり夜更かしはせずにしっかりと睡眠をとっておきたい。そんな理由で、凛世は彼を射精させることに決める。 「………………えいっ♡」  可愛らしい声とともに、凛世の両脚が彼の腰に絡まる。それだけで、肉棒が瞬時にびっきいいいっっっっっっっ♡ ぎぎぎぎっちいいいいっっっっ♡ と硬度を増した。さらに、凛世は脚に力をこめ、彼の下肢をきゅっ♡と締めつける。  それだけ。たったそれだけで、彼は「んひっ」と悲鳴をあげ、喉はおろか体までも反らした。 「あっ♡ あっ♡ あっ♡ ……出る♡ 出る♡ 出る♡ 出る♡ 出る♡ 出る♡ 出る♡ 出る♡ 出♡ 出♡ 出♡ 出っ……りゅっっっ♡♡♡」  大人の男が発しているとは到底思えない声をあげ、彼は爆ぜた。彼の並棒が膣内で精一杯の男らしさを発揮する。  ぴゅるっ……♡ びゅるるるっ……♡ びゅ……♡ びゅ……るるるるるる……っ♡ ぴゅ……る……る……る……ぅ……♡  急速に勢いを弱めながらも、脈動はいつまでもしつこく続く。その動きは射精というよりは、精液を捧げているかのようだ。しかし、捧げ物は厚いゴムに阻まれ、崇拝の対象には届かない。しかし彼が少しも虚しさを感じていないのは蕩けきったその表情を見れば明らかだろう。  彼と同時に、凛世も絶頂に達している。 「んっ♡ あっ♡ ……はあっ♡」  軽く瞼を下ろして彼の脈動を味わいながら、ぴくぴくっ、と華奢な体を震わせる凛世。彼女の絶頂は彼とは比較にならないほどに軽い。今夜の行為を通して、わだかまる性欲は解消されるどころかますます濃くなっている。しかし、それでいいのだ。  凛世は明日から仕事を休んでとある男と3泊4日の極秘の旅行に行くことになっている。これはあくまでもその男との体験を際立たせるための下地作りに過ぎない。高く跳ぶためには、一度低くかがみ込む必要がある。 「う……あ……」  痴呆のような声をあげ、彼は床にへたりこむ。たっぷりと白濁を吐き出した避妊具の内側で、肉棒が急速に萎んでいくのが見えた。そんな有様を晒す彼とは正反対に、凛世の体には生気が満ちている。 「りん……ぜ……♡ 気持ち……よすぎ……♡♡♡」 「凛世も、たいへん気持ちがよかったです……♡」  そう言って凛世は微笑む。嘘を言うことに罪悪感はない。なぜなら、凛世はアイドル――幸せな夢を見せてあげる仕事についているからだ。彼氏なんていない。恋愛の経験もない。トイレにすら行かない。ファンのみんなが一番。そんな態度で弱者男性に甘くて優しい夢をみせる義務がある。  しかし、旅行中はそんな気遣いを休んでもいいだろうと思っている。アイドルではなく、ひとりの女としてオフを満喫するつもりだ。その時になればこれが――体中にむらむらと満ちる欲求不満が役に立ってくれるだろう。そう思いながら、凛世は火照りの冷めやらない体を抱きしめる。  ふふっ、と上品な含み笑いをすると同時に日付が変わった。 ■ (綺麗……)  東北某所に建つ温泉旅館。時刻は夕方へと暮れていく途上。  凛世は窓辺に立ち、掌を窓にかざす。  指先に感じる冷たさが、外の世界がどれほど寒く凍えているかを教えてくれる。気温の低さは東京の比ではない。けれども、そこに広がる光景――冬化粧を施された渓流は、寒さのぶんだけ美しいものだった。 「まじでいいところだね、ここ。眺め最高すぎん?」  凛世は振り返る。ひとりの男がすぐ背後に立って、彼女ごしに風景を眺めている。 「さすがに疲れちゃったな」 「では、早く浴衣に着替えてお風呂へと参りましょう♡」  彼の顔を見る凛世の顔には、景観に見惚れていた時とはまったく別の――メスの表情が浮かんでいた。 (やっばぁ~~~っ♡)  やばい。大和撫子らしからぬ言葉遣いで感嘆しながら、凛世は心を悶えさせる。しかし、彼の容貌は「やばい」以外では言い表せない。  すらりとした長身。筋肉質だがしなやかな体つき。短く刈り込まれた黒髪。野性味に溢れた顔貌を、鋭い目つきが際立てている。今年で38歳だとはとても思えない。20代どころか10代の男にも負けない溌剌さが全身に漲っている。彼と一緒にいると、いつも剥き身のナイフを喉元に突きつけられている気分になる。しかし、本当に相対しているのはきっと自分自身の滾る性欲なのだろう、と思う。  これまで関係を持った男たちのなかで、文句なしにトップクラスの造形だ。 (神様はこの顔を、体を作るのにどれほどの時間をかけたのでしょう♡ はぁ~~♡ 溜息が出てしまいます♡ もう♡ もう♡ あ~~~~♡ も~~~~~♡ 反則♡ 反則♡ 反則♡ いくらなんでもイケメンすぎ~~~~~~~~っ……でございます……♡)  何度も会っているのに、何度も体を重ねているのに、そう思わずにいられない。  男の職業は俳優。その人気の度合は、超をいくつ重ねてもどこからも文句はでないだろう。すでに結婚しており、その妻もタレント――そして、こちらも映画にドラマに舞台に引っ張りだこの売れっ子だ。ふたりの結婚は16年前、奇しくも凛世が誕生した年だ。  妻帯の身でありながら、女癖の悪さは業界内では有名だ。共演者で気に入った女性タレントがいれば必ずものにする――そうして「喰った」女の数はゆうに三桁を数えるという。イケメンかつヤリチンの彼は、アイドルファンとは正反対の存在だと言えるだろう。  ふたりはこの旅館に名前と身分を偽って宿泊している。  凛世が彼と初めて体の関係を持ったのは今をさかのぼること三ヶ月前だ。  しかし、それ以前から283プロダクションの同僚から話は聞いていた。月岡恋鐘は「最高だったばい……♡」と頬を染め、有栖川夏葉は「凄かったわ……♡」と溜息を漏らし、白瀬咲耶は「あの夜は忘れられないよ……♡」とメスの顔を晒す。さらにはあの桑山千雪までもが頬に掌をあてがって「今までで一番気持ちよかったかも……♡♡♡」と内腿を擦り合わせていた。おかげで凛世の期待は破裂寸前に膨らんでいた。  だというのに、共演はおろかすれ違う機会も訪れなかった。  だから、とあるバラエティ番組で共演することになった時には人目も憚らずガッツポーズを決めたものだ。絶対絶対絶対エッチするっ♡ ハメられてハメられてハメられまくるっ♡ と意気込んでのぞんだ現場――凛世は到着早々彼の控室へと赴き、そこで彼を誘惑した。 「おー♡ 君が凛世ちゃんかー♡ 映像でも可愛かったけど実際はさらにめちゃカワ♡ 噂は色々聞いてて会うの楽しみにしてたんだよねー♡」 「まあ。そうだったのですか。ご期待に添うだけではなく、それを上回ることができればよいのですが……♡」 「大丈夫。もうすでに俺の想像を超えてるから。まだ時間あるし、とりあえず一発ハメちゃおっか♡」  そして、剥き出しになった男根を目の当たりにした時の衝撃はおそらく一生忘れられない。  どっしいいいぃぃぃんんんっっっ♡♡♡と重々しい音が聞こえてきそうなほどの巨大さ。思わず「う゛ぉ゛っ゛♡」と濁った声が迸ったほどの凶悪な造形。最強のイケメンが最強のペニスを備えている。鬼に金棒、虎に翼とはまさにこのことかと凛世は震えた。  その肉凶器を使用したセックスは凄まじかった。始まって早々に凛世は同僚たちの言葉の意味を頭ではなく肉体で理解した。避妊具をつけるかどうかのやりとりは一切存在しなかった。当然ナマ、それ以外ありえない――言葉を交わすまでもなく、ふたりのあいだではすでに結論が出ていた。 ――「お゛っ゛♡ ほお゛っ゛♡ ほん゛お゛♡ お゛っほ♡ ほっ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉぉおっ♡ ん゛お゛ぉぉん゛っ♡ 強……っ♡ 腰使い……♡ 強ぉぉぉ♡ お顔やお体やおちんぽだけではなく腰の使いかたまでイケメンなんてっ♡ は、反則ぅ♡ 完っっっ全に反則にございますっっっ♡ あ♡ あ♡ お゛お゛お゛っっ♡」 ――「イくイくイくイくイくイくイくイくイくイくイくイくイくイくイくン゛ぉ゛お゛お゛お゛♡ イぐイぐイぐイぐイぐイぐイぐ♡ もう無理っ♡ 我慢無理っ♡ 忍耐の限界にございますっ♡ おまんこ♡ 凛世のおまんこイくイくイぐっっっ♡ イぎまじゅっ♡ おまんこ♡ おまんこ♡ おまんこおまんこおまんこおまんこイぐイぐイぐイっっっぐうううううう゛お゛お゛お゛お゛お゛~~~~~~~~~~♡♡♡」 ――「んぅお゛~~~~~~~~~~~~♡♡♡ イっでる゛♡ イッでま゛ず♡ か……完全に爆イきしでま゛ず♡ イぐっ♡ まら、イぐっ♡ イっでる゛途中なのにまらイぎゅっ♡ さらにイぎゅ♡ イぎゅっ♡ イぎゅっ♡ イぎゅ~~~~~っ♡ だ、だめっ♡ イぎすぎて苦しっ♡ の、のーみそトびゅっ♡ IQ下がりゅっ♡ 馬鹿になりゅううう……♡♡♡」  しかし、凛世も濃桃色の声で喘いでいるばかりではなかった。彼の動きにあわせて腰を動かし、膣圧を調整して、彼のナマ肉棒を存分に歓待した。数多の男に柔らかく耕された媚肉の締めつけと男のツボを男以上に知りぬいた腰のうねり――そのあわせ技に、さすがの男も快美の呻きをあげ、「とりあえず一発」のはずが、凛世の膣内に二度、三度と精液をぶちまけていた。  収録終了後、ホテルに直行したことは言うまでもない。  以来、ふたりは頻繁に会い、性行為を楽しんでいる。  逢瀬を重ねはじめてすぐにわかってきたのは、彼が妻を深く愛しているということだった。どれだけ数多くの女と関係してもそれはあくまでも遊び――彼が真の愛情を向けるのはこの世でただひとり、妻だけなのだ。  恥ずかしいので表には出していない情報だが、妻とは幼馴染で、物心ついた頃には互いに好きになっていたのだという。ふたりは恋人として育ち、ごく自然な流れとして夫婦になったらしい。女遊びについては治りようのない悪癖だと完全に諦められているが、よそで遊んだぶん、いや、それ以上に妻を愛してやることにしている――と彼は珍しく照れながら凛世に語った。  凛世がこの男を堕とすことに決めたのは、その少年のような表情を見た時かもしれない。  愛する妻からこの男を寝取りたい。凛世に夢中にさせ、凛世しか見えない――重篤を極めた杜野凛世中毒患者にしてやりたい。凛世はそんな欲望を抱くようになっていた。  確かに男の女性経験は豊富だ。しかし、芸能界入りしてからこちら、凛世は彼のような男を幾人も相手にしてきた。男を凄腕のハンターとするならば、凛世は幾人もの凄腕のハンターと渡り合ってきた狼――本気を出して負ける道理はない。  経験に磨き抜かれた手練手管の数々で、凛世は男の心身を陥落させていった。  男の妻に対する真摯な愛情は変わっていない。だが、今や、凛世に対する欲望がそれを上回っている。それは、このところ、妻との約束よりも凛世との時間を優先することが増えていたことからも明らかだろう。人生と同じ長さを連れ添った妻よりも、出会って3ヶ月もしない少女に、この男は惹かれている。  しかし「上回る」程度では凛世は満足できない。「圧倒する」でも駄目だ。そもそも比較できないほどの差をつける――それが「堕とす」という言葉の意味なのだと凛世は思っている。その意味を現実のものにするために、彼女はこの秘密の不倫旅行を計画したのだ。そのあいだ、凛世は普通に東京にいることになっている。男は妻に「急に地方でのロケが入った」と説明したそうだ。 (この旅行で完全に堕とす♡ 絶対に堕とす♡ 堕として差し上げます♡ 凛世以外の女なんてもう二度と異性として見れないようにしますっ♡ 凛世でだけ勃起して、凛世でだけ射精して、凛世だけを愛するようにします♡)  凛世が決めた以上、それはもう確定した未来――端的に表現するなら「運命」だ。 「お風呂に行く前にひと汗かいちゃうのも悪くないんじゃないかな♡」  自分の胸元へと伸びてきた手を、凛世は柔らかな笑みとともに押し留めた。 「それはなりません。約束をお忘れですか? 最後の夜までは徹底的に我慢でございます。耐えに耐え……それから思う存分に爆発させましょう♡」 「おっと。そうだったね。忘れてた」  ごめんごめん、と男は手を引いた。本人は気づいていないだろうが、こうした従順さも、凛世が植えつけてあげたもののひとつだ。  ここへ来る途中、今回の3泊4日の旅行をより楽しいものにするためという名目で、凛世はひとつの遊びを持ちかけた。3日目の夜までセックスは厳禁。それまで互いに性欲を煽りあい、高めあって、最後に性欲を炸裂させよう。それを聞いた男は「面白そうじゃん。やろ♡」とすぐさま乗ってくれた。  それは彼にとっては遊びだが、凛世にとっては確実な勝利を絶対にするための助走だ。3日間もの超長期に渡る禁欲は、これまでに経験がない。溜まりに溜まった性欲が爆発した時、自分がどうなるのか、凛世自身にもまったく予想がつかない。 (壊してしまわなければよいのですが……♡)  本気で心配しながら、凛世は浴衣へと着替え始めた。 (続→ https://ringokidjp.booth.pm/items/5588883 )

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