ふと立ち寄ったこじんまりとしたBAR。
その隅っこでグラスを傾けていると、
「隣、いいですか?」
そう言って、若い女性が彼の横のカウンターの椅子に腰を掛けた。
彼女の方をちらりと見ると、金よりも白に近い綺麗な髪色が目に飛び込んでくる。
その隙間からのぞく端整な顔立ち、碧い瞳がどことなく屋敷のメイドを連想させたが、この女性から漂う甘い香りが一瞬でその思考を停止させた。
「どうぞ」
彼は出来るだけ平然を装って短く答えた。
「ここ、いいですよね。お酒の種類はそんなにないけど、マスターがこだわり抜いたブレンドの味だったり、今じゃ滅多に味わえない貴重な年代物まで置いてある。
何より、夜景も綺麗だし、デートにはぴったりだと思いません?」
そう言って、運ばれてきたグラスに、その魅惑的な唇を軽く押し当てる。
そのままグラスを傾けて、わずかな量のお酒を喉の奥に流し込む。
彼女はグラスについた口紅を指で優しく拭うと、恍惚な表情で彼を見つめた。
「私だったら、そのまま雰囲気に流されて…とか、期待しちゃうかも♡」
目元を細め、ペロッと唇を舐める舌が、わずかないやらしさを与えてくる。
そして首元の開いた白いシャツから覗く谷間が、彼の理性を刺激しようとしていた。
変な思考を誤魔化すようにグラスのお酒をグイっと流し込み、邪(よこしま)な気持ちを排除しようと試みる。
だが、急に強いお酒を飲んだことにより彼は咳込んだ。
「ちょっと、大丈夫ですか? はい、コレ。お水飲んで」
差し出されたお水を口に含み飲み干すと、ほどなくして咳は止まった。
「ありがとう」
「いいえ。そんなことよりも、お兄さんて意外とウブなんですね」
クスっと笑いながら胸元を寄せては緩ませる。
絶対にわざとやってるだろう……そう思いながら視線を外すことしか出来ない彼だったが、次の瞬間、視界がわずかに霞む感覚があった。
「ん、あれ、飲み過ぎたかな…なんか、視界が…」
「さっき慌てて飲んじゃうからですよ。ここ二階に個室あって、ベッドもあるから少し横になってきたらどうです?」
そう言って上の階を指さし、マスターも頷いていたことにより、「じゃあ、少しだけ…」と言って椅子から立ち上がる。
しかし、
「おっと…」
「もう何やってるんですか~。ほら、私の肩に掴まって」
「ありがとう」
そう言って彼女の肩に腕を回し、うまく力の入らない足でゆっくり階段を上がっていく。
その際、密着していた彼女の方からふわっと甘い香りが漂ってきた。
普段は香水の匂いが得意ではない彼も、この時の香りは嫌いではなかった。
「(いい匂い…)」
がちゃ、と扉を開けると、そこからも夜景が綺麗に見渡せた。
BARのはずなのに、まるで高級ホテルのような一室だ。
「よいしょ、っと」
彼女は彼をベッドに横にすると、その傍に腰を掛け、頭を優しく撫でた。
それから彼が眠りにつくまでに長い時間はかからなかった―――。
下半身がムズムズする感覚があった。
朧げに開いた目に飛び込んできたのは金に近い白色の髪。
ふわっと鼻孔をくすぐる甘い香り。
そして―――。
「っ!? ちょ、なにやって…あれ、俺いつの間に裸に…!?」
そこには淡いピンク色の下着姿の彼女の姿があった。
ニヤっと、淫靡な表情を浮かべながら、彼の身体にまたがっている。
その姿を見た彼の股間は、一気に熱を帯びた。
「あんっ、すごいコレ♡ こーんなにギンギンにしちゃって…」
彼女は舌なめずりをして、自分の下半身を彼の"いちもつ"へと擦り始める。
「ふふっ、やっぱりキミは思った通りのウブだった」
彼女の細い指が彼の乳首を優しく撫でる。
その度に下半身の熱がさらに激しく脈打ち、自分では制御しきれないほどに大きく膨れ上がる。
「こんな様子じゃ、このまま帰るわけにはいかないですね」
「くっ…!」
言いながらも、裏筋を優しく擦られる感覚に彼は時折呻き声を上げる。
彼女はその立派な胸を押し当てながら彼の首元に唇を近付けると、
「ねえ、このまま…しちゃいませんか?」
吐息を吐くように優しく囁いた。
彼の記憶はそこで途切れた―――。
※雰囲気を伝えるために、今回はあえて英訳はしていません。
ご了承ください。
※In order to convey the atmosphere, we have not translated it into English this time.
Thank you for your understanding.