先日雑記で語ったところ改めて「周囲から完全に浮いているぴっちり姿のオヤジ」が書きたくなったので短い小説にしました。
少しだけ新しい試みとして、簡易的なスマホで見やすい挿絵を入れております。
好評ならばこのスタイル今後も続けたいなと考えますが、どうでしょうか。
角山保さんは街の頼れるお巡りさんだった。
ガッチリとした立派な体格。冗談好きな明るい性格。強面でも笑顔が眩しくて、真夏でもぴしっと制服を着て立番をしている姿なんかはついつい見惚れてしまうほどだった。
いつだって頼りになる人だったけれど、夏祭りのときは特別だ。
ずらりと並ぶ屋台、繰り出される神輿、厳かな宮出し、ド派手な獅子舞、そして子供から大人まで参加する奉納相撲。
基本的には俺達自治会が管理しているけれど、これだけの規模となるとどうしても警察のお世話になることもある。
そんな時、角山さんはこれ以上なく頼れる警察官だった。
「まあまあ、ここはお互い情熱同士がぶつかりあったってことでな! 喧嘩も江戸の花、こだわり結構、! しかしなぁ……、ここらで落とし所を決めとかんか? いざ祭り本番でお前さん同士がいがみ合ったままじゃあ、子どもたちだって安心して楽しめんだろう」
爆発寸前の男同士の肩を抱き、包容力と説得力で説き伏せる姿を何度も見てきた。
ルールを守らない威圧的な輩には毅然と立ち向かい、困った人がいれば誰であれ手を差し伸べる。
弱きを助け強きを挫くを地で行く人だった。
神輿の時でも、花火の時でも、どれだけ人が大勢いても角山さんは頭一つ抜けて目立っていて、それでいて格好良かった。
「それじゃあ今年もよろしく頼むよ、角山さん!」
「おう!」
制服に汗を浮かべながら、角山さんは自分の胸板を叩いて応えた。
それがたったの一年前。
そんな角山さんが、今年はまるで別人のように変わり果てていた。
あの見慣れた制服姿から一変。全身を覆うピッチリとした水色のスーツに鍛え抜かれた体を包んでいる。……いや、あれも確か正式な制服になったそうだ。
たしか全国の優秀な警察官に支給される『新型制服・地域密着モデル』だとかいうもののテストモデルに選ばれた……らしい。
「う……ハァ……ハァ」
角山さんは制服姿で艶めかしい息を静かに吐いていた。
制帽やベスト。がっしりとした装備を身につけているのに、体つきは丸見えという姿は奇妙というほかない。浴衣やTシャツ姿の日本人に囲まれて、スーパーヒーローのような格好をした屈強なオヤジが一人。
ピッチリと全身に密着する素材は高視認性の素材なのか、屋台の照明をギラギラ反射して輝いていた。
腹筋や太腿、そして尻に至るまで、今まで制服で見えなかった筋肉が、新しい制服ではどこもかしこも裸以上に強調されている。
「…………」
視線はどこを見ているのかもわからず、ぼんやり開いた口からはだらしない涎まで見えた。毎年祭りを見回っていた脚は一歩も動かず、まるで置物のように一箇所に立ちっぱなしだ。時折筋肉が、収縮する心臓のようにビクンと跳ねる様子など、つい卑猥なものを連想してしまう。
事実、股間の膨らみまでもがテカテカと輝いていた。
「角山さん」
俺が声をかけると、視線が少しこちらを向いた。しかし祭りの太鼓の音に混じって返事はなにも聞こえなかった。
「あの……」
俺が続けて話しかけても彼は「ああ……」とか、「そうじゃな……」だとか、生返事が返ってくるばかりで、まるで会話ができなかった。
近づいて気がついたが、その体からは男臭い汗の香りがむわりとしていた。大きな鼻はしきりに動き、そんな自分の臭いを嗅ぎ取っているように見えた。もちろん、半開きの口もそうだ。
……今年はもしかしたら調子が悪いのかもしれない。
この制服の通気性が見た目以上に悪いのか、それとも恥ずかしくってたまらないのか、普通の状態には見えなかった。
俺は「熱中症にだけは気をつけてください」などと……昔角山さんに言われたことをそのまま返した。
そんなおっかなびっくりの距離感の俺を笑うように、背後からイタズラ好きそうな悪ガキたちがやってきた。彼らは新型制服の角山さんをすっかり知っている様子で「お巡りさん今日もピッチピチじゃん!」だの「ほらほら、ここで射的するんだよ射的!」などと角山さんを笑いだした。
……普段であれば優しさの中にも警官としての威厳があった角山さんは、ただ言われるがままになっていた。そしてあろうことか、そのもっこりをピクピクとさせていた。
「…………それじゃあ今年もよろしく頼みます、角山さん!」
「……あー…………」
俺は彼を呼び覚ますようにそう言ったが、やはり返事は弱々しかった。
それからさらにまた一年。
今年も祭りの季節がやってきた。
当然角山さんは例年通り全面的に協力をしてくれる。いや、例年通りどころの話ではない。地域密着警官として俺達に尽くしてくれるであろうことは想像に難しくない。
――今にして思えば、あの時の俺はまるで理解が足りていなかった。
そう、角山さんは模範的な新型制服の警察官に生まれ変わるため、繭の中にいたようなものだったのだ。
生まれ変わる最中なのだから、戸惑うのも無理からぬ話だ。だがそれは俺達だって同じだ。地域密着型の警察官への対応がわかっておらず、ついつい昔の角山さん相手にするように、普通の警察官にするような対応をしてしまっていた。
その点では子どもたちは流石だ。すぐに新しいものに慣れるのはやはり彼らのような若者ということだ。
「さーお巡りさん、もう一発! 見事当てたらご褒美くれてやるぜ!」
「ご自慢の火縄銃の腕前、存分に発揮してもらおうじゃねえかなあオイ!」
毎年必ず出店する射的が角山さんを捕まえて囃し立てているのが見えた。近づくと濃い雄の匂いをプンプンと撒き散らしながら、すっかりスーツの虜になった角山さんがヘラヘラと笑っていた。
「りょ、了解であります♥ 少々お待ちを、ただいまエネルギーをぉお…………んほぉここにたっぷりチャージするであります♥ 本官の弾丸は皆様の応援さえあれば無限ッ無尽蔵、自由自在ッ♥ 市民の皆様におかれましてはぁ………ど、どんどん応援して本官のピッチリチンポをパワーアップいただけますと幸いでありますゥッ♥」
角山さんは茹で上がった真っ赤な顔からこれまた赤い舌を伸ばして、ピクピクとチンポを上下させた。
完璧に新型制服に包まれた肉棒はピッチリと浮かび上がり、ぶりんと膨れ上がった亀頭や、反り返った竿の形状すべてが丸見えだ。
「おうおう真っ昼間っからチンポしごいて極楽気分とは、とんだ変態野郎だな!」
「そんな助平チンポ隠して俺達に偉そうに喧嘩の仲裁なんてしてたなんて、まったく良い御身分だぜあんたはよぉ!」
「ハァハァ♥ あぁあ~~本官の本当の筋肉とチンポを褒めていただき誠に感謝感激チンポビンビンであります♥ 皆様のような素晴らしい方々と密着口中ができて、本官のような変態警察官はまさに天国、これぞ天職でありますぅぅ♥♥」
少し言葉で責められただけで角山さんの肉棒はあっというまにガチガチに勃起した。
おそらく既に何発も射精したであろうスーツの先端からは凄まじい臭いと染みが残っているが、そんなものを感じさせないような見事な隆起だ。脳みそまでチンポが詰まっていなければとてもこうはならない。
この人は本当に理想的な地域密着警察官なのだ。
「そ、それでは! 男角山保、一発雄汁を吐き出させていただきます♥ 市民の皆様におかれましては、こちらが見事命中いたしましたら拍手などいただけましたら――」
「口上はいいからとっととやれやれ!」
一人が急かすと、それにつられて子どもたちや観客からも声援のような野次のような物が飛んだ。
「はやく出すとこ見せてよお巡りさん!」
「コレ外したらまたおしおきだぞ!」
「はひぃ♥ 了解でありますぅうう本官もチンポがもう我慢できなくなっちまってたところでありますッ、ああーー気持ちいい~~チンポきもいぃいい~~~♥ たまらん、たまらん~~雄汁出る出る出るでありますぅうう~♥ んへえええそ、それでは一発、は、発砲させていただきますぅううう♥♥♥」
角山さんは叫ぶと、両手で自慢のチンポを握ると的に向かってズイと腰を突き出した。
「角山汁の男汁――――んほぉぉお発射あ♥♥」
水色のぴっちりスーツに包まれた水色のガチガチチンポから真っ白な種が水鉄砲のように飛び出した。
赤い背景でハッキリと彩られた的に向かって、ニ発、三発、金玉が込み上げるたびに飛び出す精液がぶち当たる。
「おぉおぉ~~~♥ 雄おぉぉぉおお♥ 雄砲うぅぅうううう♥♥♥」
叫んでいるのか喘いでいるのかもわからない声を上げながら、角山さんは見事全弾命中――とはならなかった。
確かに狙いは正確、勢いも申し分なかった。だが、射精の気持ちよさに負けたのか角山さんはチンポをスリスリと続けてシコってしまい、最後の数発はあらぬ方向へと飛び出してしまったのだ。
おそらくクセになっているのだろう。吐き出した雄の証は、角山さんのピッチリと全身を包み込むスーツの胸板や腹筋、そして唯一露出した顔面に掛かっていた。
「あーーーまた三発ハズレだ、これじゃあお巡りさんの負けだなぁ」
「まーたシコシコしたぞ! ほんとシコシコ大好きなんだなおっちゃん!」
「さあまたお仕置きだ、そのでけえケツを突き出しな!」
皆は手をたたきながらそんな角山さんを笑った。
拍手喝采――とはいかなかったが、半分ほどは角山さんの願いが叶ったかたちだ。それに、皆これは既定路線なのだろう。本当に苛立っている人間はいない。みんなこの地域密着型の変態警官で遊ぶのが楽しくて仕方がないのだ。
「ま、またひても~~皆様に無様なチンポ負けを見せつけてしまったことぉおおぉ謝罪いたしますぅうど、どうかこの哀れなチンポ公僕に皆様どうぞ喝をいれてほしいでありますぅうう♥♥」
今の角山さんはもう喧嘩の仲裁をすることもなければ、不埒者を威圧して黙らせることもしない。
チンポを勃起させ、ケツを掘られ、雄汁とヨダレを垂らし続けるだけの警察官だ。
だがそんな彼がいればみんなが笑顔になれる。
新しく生まれ変わったその姿こそ、真に平和に貢献する立派なお巡りさんなのだ。
「あーあーそれじゃあ角山さん、もう一発終わったら、次はうちの手伝いもよろしくおねがいしますよ」
「了解であります♥ 本官をバシバシ使いまくってほしいであります♥ 皆様のお役に立つことが本官の――ぬほぉぉおケツのそこは、よ、弱すぎるのでありますぅううう♥♥♥」