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ジン(浜沼盡)
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ノーサイド・リビルド -02-

それから一週間ほど。私は田村と楽しい日々を過ごした。

私はその間もずっと田村の精神を『再構築《リビルド》』し続けた。哀れな田村は、自分が作り替えられていることこそが喜びだと植え付けられて――自らその心を私の元へと差し出した。

……何度か、グラウンドで練習するラグビー部を見学に行った。逞しい男たちが組み合って球を追いかける、互いにぶつかり合うその様に、それまでの私とは違う印象を受けた。それは、

「お前ら!もっと力入れて練習しろよ!」

そんなふうに檄を飛ばす田村良彦が、その中心にいたからだ。

今まで通り男らしく、何一つ変わったところなどないように見える。



彼は部員たちと意見を交わし、真剣に話し合ったり、あるいは互いのプレーを讃えあうように肩を叩いたりしている。

彼が何一つ変わっていないように見えるのは、彼自身がその変化を正確に認識できていないからだ。

彼にとって、彼自身に与えられている強制的な変化は、何一つ異常なことではないのだ。

だから彼の行動に不自然な様子は見られない。

田村は視界の端に彼を観察する私を見つけた。

彼の顔が、うっとりと蕩けた。偉大な主人を見つけ、あまりの喜びを抑えられなかったのだろう。

そんな彼の異様な表情を見て、隣の部員が訝しげにこちらを見た。

これ以上は、さすがに勘付かれる恐れもある。

私はその場を立ち去り、もう少し調整が必要だなと思った。


そしてラグビー部の練習が終わった夜、田村は研究所にやってきた。

「お疲れ様です、先生」

そう言う田村の表情は、ラグビー部の先輩や尊敬する主将、コーチにも向けない敬愛の念が滲んでいる。

「いらっしゃい。今日の練習はどうだったかな?」

「先生のトレーニングのおかげで、すごく集中できました。ありがとうございます」

そう言って、田村は肩にかけていた黒いバッグを床に置き、ジッパーを開けて中からユニフォームを取り出した。

何一つ違和感を感じさせない、練習前の着替えのような滑らかさで、彼はそのユニフォームへと着替えていく。

彼は下半身から着替えるタイプのようで、靴を脱ぎ、チノパンをベルトを外して下ろす。

履いているダークレッドのボクサーパンツも、躊躇なく私の前で脱ぎ捨てた。鍛えられた形の良い尻を私に向けて突き出しながら、先ほど取り出した紫色のスパッツを手に取り、足を通す。それは練習で汗をかいており、幾分肌に張り付いて履きにくそうだ。

履き終わってペニスのポジションをたぷたぷと直すと、その後ラグパンを履いた。それからポロシャツを脱いで、ラグシャツに袖を通す。

「着替え終わりました」

全身を練習の汗で湿ったユニフォームに包んだ田村が、ピシリと直立して宣言する。



研究所でユニフォームに着替えるということで、設定されたトランス状態に陥った田村の目はどんよりと濁っていた。

すでにペニスが勃起し、ぴくっぴくっとユニフォームの中で窮屈そうに震えている。

「うん。今日もとても似合っているね」

「ありがとうございます」

私は椅子に座ったまま、壁の前に兵隊のように立つ田村を見つめる。田村は両手を体の横に当て、わずかに顔を上向けて宙を見つめている。

「さあ、じゃあまずはルーティーンだ」

「はい。俺は今から先生の奴隷としてのルーティーンを行います」

びしり、と背筋に力を入れ直す。

「宣誓!」

「俺がこのユニフォームを着てラグビーができるのは、先生のおかげですっ」

彼は目に狂気的な信仰の光を宿していく。

「奴隷である俺に、ラグビーをする許可をくださったのは先生です!だから俺は、先生のためにラグビーをしています!先生の期待を裏切らない活躍をするために、俺は先生のためにもっとラグビーが強くなります!」

よどみなく、植え付けられた言葉を宣誓していく田村。真剣な表情は、試合前の決意表明のようだ。

「俺は!先生の理想とするオスになるためにラグビーしています!先生のためにラグビーします!」

彼は植え付けられた身勝手な思想を疑うこともできず、自らに言い聞かせていく。

そのたびに、彼の中にあったラグビーへの熱意は歪に捻じ曲げられ、私にとって都合の良いものへと変わっていく。

彼の中の強いラグビーへの熱意が、私への異常な敬愛の念と分離できないものになっていく。

「先生に感謝します!先生のために、先生への感謝をこめて俺は射精します!射精します!」

ぐいっ、と腰を前に突き出し、中のペニスが上から見ていてもわかるほどに激しく震えた。

ふうっ、ふうっ、と重たい重量のペンチプレスをこなしたあとのように体を震わせ汗を滲ませ、田村はその場に立ち尽くした。

「ようやく、触らずに射精できたね」

性器を触らず、忠誠心への恍惚だけでの射精。

それを指示し続け、今日ようやくそれを彼は達成した。

良彦の元へ歩み寄り、彼のスパッツの中に手を突っ込む。汗でじっとりと湿ったその陰毛に塗れて、どろりと生あたたかくカルキくさい液体が手についた。私はそれを鼻先へ持っていく。健康的で若い精液の濃密なにおいだ。私はそれをぺろりと舐めた。

「うん、おいしいね」そう言って、今度は田村の口元に持っていく。「君も味わうといい。君の服従の証拠だ」

寄り目でそれを見つめた田村は、口をそこに寄せ、ちゅ、と啜るように彼はそれをすすった。

「んぉ……」田村は思わず声を漏らし、それから舌を伸ばしてそれを舐めた。徐々に激しくなり、私の指を咥え込む。

ぷは、と口を外すと、

「すげぇ、うまいっす」

とうっとりと言う。

ここまでいけば、もうあとは田村自身に任せても問題ないだろう。

彼は彼自身を洗脳する手段を手に入れたのだ。日々のルーティーンとして宣誓を指示すれば、彼自信が勝手にどんどんと堕ちていく。

「さあ、完成の暁にご褒美をあげよう」

田村の顔が綻んだ。

「嬉しい、やっとっすね」

彼は壁に手をついて、もぞもぞと下半身のユニフォームを脱いでいく、

形の良い尻を私に突き出すと、その中心でアナルがひくひくと物欲しげに蠢いた。

「十分にこっちも鍛えたのかな?」

言いながら、尻の穴をそっと指で撫でてやると、彼の体がびくんと震え、

「はいっ……ずっと、……先生の命令通りに……広げてきました……ッ、今日も、すぐに受け入れる準備はッ……できてます……ッ」



かつての彼からは想像できない、ケツを掘られるのを待ち望む淫乱なホモへと染まった彼を見て、私は満足した。

すでに勃起しきったペニスを取り出すと、その先端を穴へとあてがう。

「あ、ああっ、ほし、ほしいっ先生のちんぽ欲しいっ」

腰を円形に動かし、その穴の周りを這わせるように尻穴を動かす。自ら押し込まないのは、奴隷としての教育の賜物だ。

私は両手で彼の逞しい腰を掴んで、激しく中へとペニスを押し込んだ。

「あぁぁあっ!きたぁっ!先生のちんぽぉっ!」

田村が歓喜の声を上げる。

「あっすげえすげえっ嬉しいっ先生にちんぽもらってるぅっ」

待ち望んだペニスを与えられて喜びに震える田村。鍛えられたそのケツマンコ、体育会らしい暖かく締まるケツマンコを、私は存分に味わった。

後ろから体を重ねユニフォーム越しに乳首を刺激し、指で口の中を犯しキスをして愉しむ。

練習後の汗の芳醇な香りが、体育会らしい爽やかで青臭いにおいが鼻いっぱいに広がり、私の興奮が高まっていく。

「とてもいいにおいだ」

「んぁっ、あっ、あっ、はぁっ」

「ほら、はっきり口に出すんだ。君は私にケツを掘られて気持ちよくなっている」

「俺、俺ェ、せんせぇにケツほられてっ!気持ちよくなってるっ!」

「掘られてるだけで射精する、ケツだけで射精する」

「あ、あ、掘られてる、だけでぇ、ケツ、だけでぇ、射精、射精」

田村の体ががくがくと震え、両目がぐりっと上がって白目を向いた。

自己暗示の快楽に溺れている。自分で自分を洗脳している証拠だ。

「いいぞ、もっと溺れるんだ、お前はケツだけで射精する、大好きな先生の精液をケツに感じて射精する」

「おれっおれっ射精するケツだけで射精する先生の精液で射精射精射っっっ!!!」

ぎゅん、と、私のペニスへの締め付けが激しくなった。精液が欲しくて必死なのだ。

「こんなに必死にケツマンコを締めて。かわいい奴隷だ。ご褒美をあげよう」

聞こえているのかいないのか、田村は口から少し舌をはみ出させ、ガクガク震えながら涎を垂らしていた。

あまりの快楽に飛んでしまったのだろう。だが、暗示は生きているようで射精した様子はない。

くたりと壁にもたれこむ田村を、壁に押し付けてつきあげるように腰を振った。

「いぅ、ひぅ、うぅ」

田村が声を漏らす。

「さあ、人生で一番の快楽と、そして喜びをあげよう。お前の脳に刻みこめ!」

ぐいと首に腕をかけ、腰を奥まで突き出した。中奥に射精し、精液をどくどくと注ぎ込む。

ひゅぅっと引き攣った声を漏らし、田村のちんこからも精液が壁に向かって迸った。

私が腕を離すと、糸の切れた人形のように田村はその場に倒れ込んだ。ぐったりとしている田村の肩を蹴って仰向けにする。

涙と鼻水、そしてよだれでぐしゃぐしゃになった顔が、研究所のライトに照らされて光っている。

私はその傍にしゃがみこんで様子を観察した。死んだりはしていないようだ。ペンライトを目元に当てると、しっかりと反応がある。

しばらく放置していれば、『自己構築』をするだろう。

そう思い、私はズボンを履いてパソコンへと向き直った。


「あ、……先生…すいませんでした」

コーヒーを飲んでいると、裸の田村が立ち上がって私に話しかけてくる。

「すっげぇ気持ちよくて、トんじゃってたみたいです」

「そう」

視線を田村の股間に落とすと、その喜びを思い出したのか、またむくむくと膨らみ始めていた。

「ラグビーは好きかい」

コーヒーを飲みながら訊く。唐突な質問に田村は戸惑ったようで、

「え、あ、ああ、はい。好きっすね」

「チームメイトのことはどう思ってる?」

「そうですね。大切な仲間っすよ。みんなで強くなりたいです」

「大切、か」

「はい…?」

「君のその大切なものを、私に捧げて欲しいんだ」

「え?」

「君は私の奴隷として、君の大切なチームメイトを私に捧げて欲しい。君たちの練習風景を見学して、君たちみんなが欲しくなった」

「いや、その、それ、は……」

田村の顔に戸惑いが浮かんだ。主人の奴隷としての使命と、まったく分離して存在していたチームメイトへの信頼がぶつかりあっているのだ。

やるべきことは簡単で、それをかき混ぜて一つにしてやるだけだ。

「でも、君は本当はチームメイトとセックスしたいんじゃないのかい?」

「何言ってるんですか、そんなわけないでしょう」

「でも、さっきまで私に犯されて喘いでいたじゃないか。ちんこが好きなんだろう?チームメイトのちんこが見たくないかい?」

「それ、は」

「練習で蒸れたラガーマンの臭いちんこ、想像してごらん」

ごくり、と田村の太い首の喉仏が動いた。

「ほら、すごくおいしそうだ。いいにおいがするだろうね、新鮮なラガーマンの汗で蒸れた臭ちんぽだよ」

田村の口がぼんやりと開いて、はぁ、はぁと喘いだ。

「そのちんぽで君の淫乱なケツマンコを掘ってもらえたら、全身でチームメイトの体温やにおいを感じられたら、どんなに気持ちいいだろうね?」

「あぁ、あ、いや、あ……」

「君は私の従順なホモ奴隷だよ」

「え、あ、俺……」

「ほら、思い出してごらん。さっきの快感を。君が私にケツを掘られてどれだけ気持ちよかったかを」

「ひ、ひぅ、ひ」

田村の背筋がびくびくと伸び、目元が歪に痙攣し口元が歪んだ。

「あんなに気持ちよくしてくれるのは私だけ」

「ひ、ひ」

「私に従うのが気持ちがいい」

「い、ぅう」

「それが、君が私の奴隷だからだよ」

「――っ!ひっ!」

ぴゅっ、と田村のちんこから透明な汁が溢れた。もう精液が出ないのだろう。

田村はこちらをしっかりと向いて、

「あ、あ、すいません、した……。あぁ……俺……先生のホモ奴隷でしたぁ……あはぁっ……」

田村は体を撫で回す。

「淫乱な……ホモ奴隷……」

自分自身に暗示をかけていく。

「変態奴隷……っ!」

そう言うと、またちんこがぶるぶる震えた。から打ちだった。

「そう。私の淫乱奴隷として、するべきことが何かわかるね?」

バッ、と田村は再び気をつけの姿勢をとった。目を爛々と輝かせて宣言する。

「はい!俺は大切なチームメイトを先生に捧げます!」

「そうだ、それでお前たちは本当に一つになれる」

「嬉しいです!俺たちはそれで、――ああ、やっと本当に一つになれます!!」

「そうだ、心も体も一つにしてやるからな」

「すっげえ嬉しいです!あいつらとセックスしたいです!!」

――これで問題はないだろう。私は安心し、次のステップへとコマを進めることにした。


          *


それから数日後、再び田村は研究所にやってきた。

今日は部活はオフ、命令通り、朝早くから彼はやってきた。

研究所につくとすぐに服を脱ぐ。躊躇など一切なく、彼はユニフォームに着替えていく。それがここでの『正装』だからだ。彼の中でそれに違和感を覚えることはもう二度とないだろう。家に鍵をかけるのと同じくらいに自然な行為としてそれは認識されていた。

「じゃあ、そのベッドに寝てもらおう」

「はい!」

田村は従順に従った。仰向けにベッドに寝転がり、その逞しい胸板を呼吸で上下させている。

「この前言ったけれど、今日は、実験に協力してもらうよ」

「はい!」

「前に君に使った薬よりも、少し強力なものでね。人体にどの程度影響があるのかを確認したい」

「はい!」

田村は何の躊躇もない。

「危険な可能性もあるけれど、大丈夫かな」

「もちろん大丈夫です!俺は先生のためならなんでもしますから!」

「いい子だね」

頭を撫でてやると、田村の顔が嬉しそうにほころんだ。股間を見るとラグパンにテントができていた。

「きみがしっかり協力してくれれば、もっと奴隷を増やせるからね」

「頑張ります!」

「何かあったら、私が君を作り直すから――心配はしなくていい」

「はい!」

私はベッドサイドから注射器を取り出し、瓶から液体を抽出して彼の目の前に差し出した。その光景を、彼はむしろうっとりと眺めている。問題ないだろう。

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