システィア王国最北端に位置する要衝、ムスギ砦。ノード海に面した断崖に立つムスギ砦は、海の向こうにあるとされている『魔界』からの侵攻を防ぐための最前線基地だ。しかし、海を越えてくる魔物たちが絶えてすでに数百年、『魔界』の存在はすでにおとぎ話の存在となっていた。ムスギ砦の機能はすでに形骸化しほとんど失われており、わずか一個小隊が常駐しているだけだ。
「へっくしゅっ!お~さみ」
王国騎士のジンは、ひとり夜哨に立っていた。鎧の下に防寒着を着こんではいるものの、砦の見張り塔に吹きつける風は冷たい。肩をすくめ、ぶるっと震えてから、篝火に新しい薪をくべる。
空を見上げれば、煌々と輝く真円の月。冴えた空気のおかげで星々もよく見える。遠くの方から、波音らしきものも聞こえてくる。いつも通りの、穏やかな夜だ。
「暇だなあ……」
人里どころか小鬼の巣すら近場にないこの砦へ訪れるものといえば、鳥や小型の獣ぐらいのもの。ジンがこの砦に派遣されてから一年半経つが、魔物一匹見たこともない。戦闘など絶無だった。一度、なにかのミスで配給されるはずの食料が届かず、騒然としたことがあるがそのぐらいだ。食料が届くまでの間、小隊総出で釣りをしたり、近くの森へ狩りに出たりしたのも、もはや良い思い出である。毎日変わり映えのしない日々を、ただ歩哨に立って過ごすというのは、想像以上に退屈なものだった。
どうせ形骸化した任務である、手を抜きたくなるが、そうもいかない。ムスギ砦の今代の主、つまりジンが所属する小隊の隊長は、生真面目で融通が利かず、形骸化した任務であっても真摯に務めを果たそうとする人間だった。不真面目に歩哨に立てば、後でなにを言われるかわかったものではない。
「ふぁああ」
ジンは大きくあくびをし、左手で右手首を揉んだ。寒い日には古傷が良く痛む。ジンは以前の戦闘で右手の腱を痛め、手が上手く握れなくなっていた。騎士として利き手が上手く扱えないというのは致命的だ。ジン自身は左手だけでも並み以上に戦える自信があったが、戦場は甘くないことも知っていた。故に、ジンはこのムスギ砦の警備という閑職に甘んじているのだ。ほかの小隊のメンツも、かつては優秀な騎士だったが、なにかが理由で戦えなくなったり戦場に立てないものたちばかりだった。しかし、この暇な仕事も悪いことばかりではない。三年勤めれば、『対魔最前線敢闘賞』という勲章が貰えて、毎年特別年金が支給されるようになる。そうなれば、除隊して悠々自適の生活が送れるわけだ。
あともう一年半の辛抱だ、と考えながらジンは右手を揉んだ。そのとき、カツカツと見張り台のはしごを誰かが登ってくる音が聞こえてきた。交代のルイゾンだろうか?いや違う、交代の時間はまだだ。誰だろうか――と思いを巡らせていると、美しい金髪をした頭が下からにゅっと生えてきた。
(モニク隊長だ……!)
ジンはピッと背筋を伸ばし、左手を剣の柄にやって、暗い海の方を睨みつけた。
「おう、しっかり責務を果たしているな。感心だぞ」
「はい、モニカ隊長!」
凛とした声で話しかけられ、ジンはきびきびと返事をする。すると、モニカは冷たい美貌を綻ばせて笑った。
「そんなに気張らなくてもいい。今日は寒いな。熱い茶を持ってきた」
モニクは手に持ったポットと二つのコップを揺らして見せた。見張り塔の長いはしごをポット片手に登ってきたのだろう。片手が不自由な自分にはできない芸当だ。そう思い、ジンはコップをひとつ取り、素直に礼を言う。
「あ、ありがとうございます!」
「任務には息抜きも必要だ。ほら、注いでやろう」
モニカはジンのカップにお茶を注いだ。ジンの手の中に、熱い茶の熱が広がっていく。ジンは茶を注ぐモニカの顔をなんとなしに見つめた。切れ長の目に、すっと通った鼻梁。薄く色づいた唇。月明かりを受けて輝く金色の髪。眼帯に覆われていない方の右瞳は、まるで碧玉のようだ。聞くところによると、モニカは王都を守る王都聖騎士団の一員だったという。エリート中のエリートだ。しかし、王都に襲来してきた飛竜討伐任務の最中、左目を負傷する大怪我を負ったらしい。その後、なんとか前線に復帰しようとしたが叶わず、この砦へと流されてきたのだという。
ジンはモニカのことを多少うっとおしく思いながらも、尊敬していた。真面目過ぎるしやたらと責務責務と厳しいが、こうして部下への気遣いもできる。王都に居たころは、さぞかし優秀な騎士だったのだろうと思わせるだけの風格があった。片目を失ったくらいで彼女をこの砦に送るとは聖騎士団の上層部も見る目がなさそうだと、ジンは内心で思っていた。
「どうした、私の顔になにかついているのか?」
じっと見つめていたせいか、モニカが怪しげな顔で訊ねてくる。ジンは慌てて首を振って否定した。
「いえ、なんでもありません!お茶、ありがとうございます」
「ああ。まぁ、ゆっくり飲んでくれ」
モニカはそういって、自分の分のお茶を注ぎ、ゆっくりと飲み始めた。夜風に吹かれたモニカの髪が、風に流れて金糸のようにさらりと揺れる。海鳴りだけが聞こえる中、ジンはぼんやりと水平線を眺めた。波間に月の光が反射し、きらめいている。こんな夜も悪くはない。ジンは熱い茶を啜り、ほっと一息ついた。
「うーん♡お堅い女上司とその部下の月夜のお楽しみ……ロマンチックで素敵♡♡♡」
女の声が突然響き、ジンとモニカは驚いて振り返った。いつの間にか、見張り塔の外壁の上に見知らぬ女が居た。女は細い外壁の上で器用にしゃがみこみ、両手を頬に当ててニヤけている。艶やかな青紫色の肌にピンク色の長髪、耳は横に長く尖った人外のもので、紫水晶のイヤリングが月光に煌めいている。ツヤツヤと光沢のある生地で出来た黒い衣装には露出が多く、豊満で肉感的な身体付きを惜しみなく晒していた。頭にはねじくれた角、背中にはコウモリのような翼、腰元には先がハート型になった尻尾があった。
「い、淫魔!」
ジンはコップを取り落とし、慌てて腰の剣を引き抜いた。切っ先を淫魔の女に向け、油断無く構える。
淫魔は性に特化した魔物であり、主に人間から精を搾り取って生きる。また、人間を堕落させ、同胞に変える力を持つ。故に、淫魔は人里近くに棲むことが多いのだが……。まさか、海を越えて『魔界』からやってきたというのだろうか。ジンは剣を持つ左手が震えるのを感じた。しかし、淫魔は戦闘面ではそれほど強い種族ではない。一匹相手に二人掛かりなら十分対処できるはずだ。そう考えながら、ジンはモニカの方を横目に見る。
「あ、ああ、あ……」
モニカは口を押さえ、ガタガタと身体を震わせながら、淫魔を見上げている。腰を抜かしてしまったようで、尻もちをついて地面にへたり込んでいた。モニカの横には、コップが転がっていて、中身の茶が湯気を立ち上らせながらこぼれていた。
ジンはモニカの反応に見覚えがあった。深いトラウマを負った騎士のそれだ。凄惨な戦場をくぐり抜け、大切な仲間を失いつつもようやく生還してみれば、心に深い傷を負い、戦うこともできなくなる。そんな騎士をジンは何人も見てきた。精神面で再起不能に陥った騎士を、臆病者だとか腰抜けだとかと誹るものも居たが、ジンはそうは思わなかった。どんな勇敢な騎士も、地獄に触れれば、時として心が折れてしまう。それは、致し方ないことだった。
ジンはモニカが戦えないことを悟り、モニカと淫魔の間に割って入った。いまは動かない右手が憎かった。両手を使って全力で剣を振るえれば、なんとか淫魔に勝つ自信はある。しかし、片手では……。それでもジンは、淫魔に立ち向かわずには居られなかった。
モニカを見捨てて逃げるわけにはいかない。悲愴な覚悟を決め、じっと自分を見据えるジンを見て、淫魔は満面の笑みを浮かべた。
「本当に素敵♡♡♡勇気を振り絞って愛する人を守ろうとする人間の姿……♡ゾクゾクするわぁ♡♡♡私、あなたのこと気に入っちゃった♡♡♡私はニム。あなたの名前は?」
ニムと名乗る淫魔は妖艶にしなを作り、舌なめずりした。その仕草の艶めかしさに、ジンは自分の愚息が不本意にも反応してしまうのを感じる。淫魔の色香は凄まじく、魔と対峙するエリートである聖騎士であっても、時に情欲に負け理性を失ってしまうほどだという。
ジンは唇を噛み締め、なんとか冷静さを保とうとした。こうして対峙しているだけでも、心臓の鼓動が高鳴り、股間が熱くなる。鎧の中ですでに痛いほどに勃起してしまっている自分の分身が恨めしい。
「ジンだ。ありがたいな。気に入られたついでに、頼みを聞いちゃくれないか?今日のところは帰ってくれ」
「残念だけど、そうもいかないのよね♡この砦を堕とすように淫魔王さまに頼まれてるから♡♡♡」
「淫魔王、だと?」
「そうそう、ついこの間、魔王が代替わりしたのよ。400年の乱世を制したのは、我らが淫魔王さま♡おかげで、眷属の私たちもパワーアップしちゃった♡♡♡これからは淫魔の時代が始まるわよ♡いまから、淫魔に堕ちておくのは悪くない判断だと思うけど?」
ニムは笑った。ジンは淫魔が自分たちを淫魔に変えようとしていると知って、背筋を凍らせる。
「残念だが……願い下げだね!」
ジンはニムに向かって剣を振るう――見せかけて、篝火に向けて叩きつけた。火のついた薪が飛び散って、ニムへと襲い掛かる。
「うわ、熱ッ!?」
ニムニムは慌てて空中へ飛び上がった。
(ここだ!)
淫魔は翼で空を飛ぶことができる。だが、飛び立った瞬間は、急な方向転換は利かないはず。ジンはニムを両断せんと、剣を振るった。
「おっと♡」
しかし。剣がニムに届くことはなかった。二ムが指先を軽く振ると、見えない壁にぶつかったかのように剣が弾かれる。ジンは体勢を崩し、よろめいた。
「あらら、危なかった♡もう少し速かったら防御が間に合わなかったかも……良い剣捌きね。でも、私には届かないみたい♡♡♡」
二ムはじっとジンを見つめた。ニムの赤い瞳がジンの鳶色の瞳と交錯すると、ジンは床に崩れ落ちた。身体から力が抜け、うつ伏せになったまま、動けなくなる。
「なっ……これは……」
「魅了の魔術のちょっとした応用よ♡全然動けないでしょ?」
ニムは笑った。ニムの言う通り、ジンの身体はほとんど自由が利かなかった。辛うじて首から上は動き、胴体をわずかにくねらせることはできるが、四肢はまったく言うことを聞かず、立ち上がることもできない。だが、それが不快ではなく、陶酔にも似た心地よさを感じるのが、余計に気味が悪かった。身体は動かないのに、昂りはさらに増して、股間が痛いくらいに張りつめていく。ジンは屈辱感に打ち震えた。
「くそぉ……馬鹿な、淫魔がこれほどの力を……」
「だから言ったじゃない。淫魔王さまのおかげで、私たちもパワーアップしてるって♡♡♡それに、私は人界に橋頭堡を築くために派遣された少数精鋭の先遣隊の一人……そこらの魔物とは格が違うのよ♡♡♡さて、と」
二ムは自信満々に言い、モニカへと歩み寄った。おびえた顔をするモニカの顎に手を添え、品定めするようにじろりと眺め回す。
「ふーん、やっぱり可愛い顔してるわねぇ。スタイルも良いし……抑圧された欲望がぐつぐつ煮えたぎってるのもわかる♡あなた、淫魔の素質がありそう♡♡♡」
モニカを視姦しながら、ニムは舌なめずりした。
「あ、ああ……」
「やめろ!モニカ隊長に手を出すな!!」
普段、男勝りで厳格なモニカが恐怖でガタガタと震え、情けない声を上げるのを見て、ジンは必死に叫ぶ。しかし、助けように行こうとしても、身体はまったく言うことを聞かなかった。芋虫のように這いつくばり、ただもがくことしかできない。ジンは悔しさに歯噛みする。
「大丈夫、別に取って食おうってわけじゃないんだから。ただ、魔の快楽を教えて、淫魔に堕ちて貰おうってだけよ♡♡♡」
ニムは恐怖のあまり流れ出たモニカの涙を長い舌で舐め取り、ニタリと笑う。モニカは身体をびくりと震わせ、顔をそむける。だが一瞬の後、意を決したようにニムを見つめ直し、口を開いた。
「……わ」
「え?」
モニカはなにか呟いた。二ムは耳を寄せ、モニカの言葉を聞き取ろうとする。
「わ、私はどうなっても良い……だ、だから部下たちにはどうか手を出さないでくれ……」
モニカは言った。恐怖に顔を歪めながら、絞り出すように嘆願する姿を見て、ジンは胸を痛めた。
「隊長……」
モニカの言葉を聞いて、二ムはまたも笑顔を浮かべる。
「互いをかばい合うなんて、素敵な関係ね♡ますます気に入ったわ♡♡♡わかった♡私は決して、あなたの部下には手を出さない♡♡♡」
「ほ、本当か……?」
「ええ♡約束するわ♡私はね……♡」
含みを残す言い方をしてから、ニムは指を鳴らした。すると、モニカが着ていた鎧が瞬時に消失した。モニカの裸体が露わになる。白く滑らかな肌に、起伏に富んだボディライン。騎士として鍛えられ引き締まりながらも、女性らしい丸みは失っていない。まさに芸術的な美しさだった。ところどころにある古傷の跡も、彼女の騎士としての人生を感じさせるものだった。
不謹慎とは思いつつも、ジンはモニカの裸体に目を奪われた。
「な、なにを……!?」
「うふふ、なにって……ナニをするに決まってるじゃない♡私は淫魔なのよ♡でも、恐れる必要はないわ♡たっぷり気持ち良くして、堕としてアゲル♡♡♡」
二ムはモニカの唇を奪った。淫魔特有の長い舌を差し入れ、口内粘膜を撫ぜ回し、唾液を流し込む。
「んむぅ!?んん~!?」
モニカは反射的に二ムを引き剥がそうとしたが――その抵抗も、ものの数秒で止んだ。モニカの瞳は次第にとろんと蕩けてゆき、身体からは力が抜ける。
(甘い……♡)
ニムの唾液はねっとりとして甘く、飲み下すたびに頭がぼうっとしてくる。理性では拒もうとするのだが、身体はそれを欲しているかのように渇いて、喉が勝手にごくりと鳴ってしまう。ニムの巧みな口技と甘美な唾液に思考を蕩かされて、モニカはたちまちのうちに快楽に溺れていった。
「んちゅ……♡んんっ……♡ぷはぁっ♡♡♡」
ニムはモニカの口を解放した。二人の間に銀色の糸が引く。モニカは名残惜しげに口を半開きにし、頬を赤く染めている。
(身体が熱い……♡これが、淫魔のキスなのか……♡)
モニカの身体の中では、炎が燃え盛っているような淫熱と狂おしいほどの情欲が渦巻いていた。夜風が気にならないほどの熱量と、かつて経験したことのないほど強い性衝動に、モニカは淫魔の恐ろしさを思い知る。
「どう?私のキスは♡良かったでしょ?」
「はあ……ふぁあっ……♡」
まだ口交の余韻に陶然とした様子のモニカは、ニムの問いかけに答えられなかった。ただ、熱い吐息を吐き出し、潤んだ視線を向けるだけだ。
「ふふふっ♡良かったみたいね♡嬉しいわ♡♡♡淫魔の体液は強力な媚薬なの♡♡♡身体の奥まで疼いて堪らないでしょ?」
二ムはモニカの後ろに回り込んだ。そして、床に座った自分の上に跨らせる。ちょうど、背面座位のような形で、ジンにモニカの胸や股間が晒される。
「ほら、もうこんなに濡らして……♡♡♡」
二ムはモニカの秘裂に触れた。モニカのそこはすでにしとどに濡れそぼっており、指を動かすたびにくちゅくちゅと水音が鳴った。
「はぁ♡や、やめろぉ……♡♡♡ああん♡♡♡」
「そんなこと言って、こんなにびちょびちょにしてたら説得力ないわよ?♡」
モニカの制止など聞くはずもなく、二ムは蜜に塗れた花弁を指先でかき分け、肉芽に触れる。すると、モニカはビクンッと背中を反らした。
「ひゃあんっ♡♡♡」
「あら、感度良好♡ここが良いのね♡」
二ムは執拗にモニカの弱点を攻め立てた。親指と人差し指でクリトリスを軽く摘まみ、シコシコと擦り上げる。
「あっ♡だめだっ♡♡♡それっ♡♡♡」
「ダメじゃなくてイイの間違いでしょ♡♡♡ほら、もっと感じなさい♡♡♡」
「くぅうううん♡♡♡ああぁっ♡♡♡もう、だめっ♡イク♡♡♡イクぅううう!♡♡♡」
モニカは絶頂を迎えた。身体を弓なりに仰け反らせ、ガクンガクンと痙攣する。秘部から愛液が噴き出し、ジンの顔まで飛沫が飛んだ。
「はー♡はー♡」
肩を上下させながら、モニカは荒い呼吸を繰り返す。二ムはモニカの耳元に口を寄せ、そっと呟いた。
「……ねえ、こっそり見て♡気付いてる?ジンがあなたのこと見てるわよ♡♡♡」
「え……?」
二ムの言葉に、モニカは視線を下ろす。そこには、モニカたちの方を食い入るように見つめるジンの姿があった。顔を赤くし、息も荒い。明らかに興奮しているようだ。しかし、顔には興奮だけでなくどこか悔恨の色が見える。ジンは二ムがモニカを責める様を見て興奮してしまった自分を、心の中で激しく恥じているのだ。
(ジンが私のことを見て興奮してくれている……?♡♡♡)
そう認識した瞬間、モニカは胎の奥底がきゅうん♡と締め付けられる感覚を覚えた。子宮が切なく収縮して、蜜がさらに溢れ出る。淫魔に身体を弄ばれ絶頂に導かれた様を、部下に見られるなど、普段のモニカであれば屈辱以外のなにものでもないはずだ。しかし、いまのモニカは淫魔の媚薬唾液をたっぷりと取り込み巧みな手管によって、すでに理性をグズグズに溶かされてしまっている。ジンの視線を感じると、身体が熱くなって仕方がない。騎士としての誇りや羞恥心はどこへやら、ジンへの愛おしさと情欲だけがムクムクと膨れ上がっていく。
「あぁ……♡♡♡ジン……♡♡♡」
「うふふ……♡良い表情になったじゃない♡♡♡あなた、ジンのこと好きなんでしょう?視線を見るだけでわかったわ♡♡♡だけど、騎士として色恋沙汰はご法度。だから、想いを伝えられずにいる。普段厳しい態度を取っているから、余計に想いを伝える勇気も出せない。……違う?」
「……」
モニカは顔を赤くして俯く。図星だった。やや怠惰なところはあるが、芯に優しく強いところがあるジンに、モニカは密かに惹かれていた。だが、隊長という立場上、軽率な行動はできない。そのため、自分の気持ちを誰にも悟られないように振る舞ってきたのだが――。
「でもね、大丈夫よ♡私があなたを解放してあげる♡♡♡淫魔になれば、人間の規範なんてどうでもよくなるわ♡♡♡彼と結ばれるなんてあっという間よ……彼もあなたのこと憎からず思ってる……っていうか、好きみたいだし♡♡♡」
「ほ、本当か……?」
ニムの言葉は、まさにモニカを堕落に誘う悪魔の囁きであった。ピンク色に染まったモニカの脳みそは、ニムの甘言をたまらなく魅力的に感じていた。騎士としての使命や、ヒトとしての倫理観が、淫欲の霧の向こうに霞んでいく。
「ええ♡もちろん♡だから安心して身を委ねなさい♡♡♡最高の快楽と共に、彼を魅了する素敵な淫魔に生まれ変わらせてあげる♡♡♡」
二ムは指を鳴らした。すると、二ムの股間を覆っていた衣装が消え去った。そして、ボロン♡と長大なふたなりペニスがまろび出た。張りつめた亀頭に、高いカリ首、太い幹には血管が浮き上がっている。硬く反り返って脈打つ巨根を前に、モニカはゴクリと喉を鳴らした。
(あ、あれが……私の中に入るのか♡)
淫魔がしばし両性の性器を持ち合わせていること自体は、モニカも知っていた。しかし、目の当たりにするのは初めてだ。淫魔のふたなりペニスの想像以上の淫靡さに、前戯によって昂った身体が疼く。淫魔の性器は相手に快楽を与え、堕落させるために洗練された魔性の器官である。張りつめた大きな亀頭に、高くかえしのようになったカリ、太く長い幹には幾筋もの青黒い静脈が浮いている。見ているだけでも、モニカの秘裂からは愛液が滴り落ちた。無意識のうちに腰が浮き、秘所を擦り付けてしまう。
明らかに発情し始めたモニカの様子を感じ取って、ニムは嬉しそうに笑う。腰を器用に動かして、勃起した肉棒をモニカの秘裂にあてがった。
「さあ、私に全てを任せて……♡♡♡堕ちなさい♡♡♡」
ずぶぶっ……ずにゅぅううう♡♡♡
太く長大な肉槍が、ゆっくりとモニカの中に侵入していく。
「あ゛~~~~っ♡入ってくるぅうう♡♡♡熱いのが入ってくるぅ♡♡♡な、なにこれッ♡♡♡お、大きい……♡♡♡き、きもちいいぃい♡♡♡」
モニカは目を見開いて絶叫した。巨大な肉塊が奥へ進んでいくたびに、高いカリ首が膣壁を引っ掻き回し、モニカが感じる部分を次々と根こそぎ刺激していく。いまで経験したことのないような快感が押し寄せて、頭が真っ白になる。
「ひゃうんっ♡♡♡んぉおおおおっ!♡♡♡♡♡♡」
やがて、巨大な肉杭がモニカの最奥にまで達すると、モニカは一際大きな声を上げた。子宮口をノックされた衝撃が全身を貫く。視界にチカチカと火花が散る。
「ふぁあ……♡♡♡す、すごいぃ♡♡♡」
モニカはすっかり蕩けた表情を浮かべ、うっとりと熱い吐息を漏らした。特大の肉棒が内側をミチミチに満たし、ぐぐっと子宮を押し上げる感覚が心地良い。あまりの質量に苦しさすら覚えるが、それ以上の幸福感と充足感があった。
「淫魔のふたなりペニスは最高でしょう?♡♡♡でも、まだまだこれからなんだから♡♡♡」
背面座位の体勢で、二ムは下から突き上げた。力強い突き上げは、モニカをわずかに宙へ浮かすほどで、凄まじいパワーだ。
「おおおっ♡♡♡すごっ♡♡♡つよいっ♡♡♡」
モニカは舌を突き出し、悦楽の声を上げる。モニカの身体は突き上げと自由落下によって上下し、長大な肉棒を繰り返し抜き差される。その快感は圧倒的で、モニカの官能は瞬く間に高まっていく。
「お゛ッ♡♡♡きもちいい♡♡♡気持ち良すぎるぅ♡♡♡こんなの知らない♡♡♡おかしくなるぅ♡♡♡」
モニカは淫らな声で喘いだ。脳髄まで痺れるほどの快楽に、モニカの理性は完全に崩壊していた。
「ふふ……良かったわね♡ほら、またジンがあなたのこと見てくれてるわよ♡♡♡ほらほら、見て♡♡♡あなたのこと求めてあんなに必死になってるわ♡♡♡」
二ムの言葉に、モニカはまた視線を落とす。そこには、やはりこちらを食い入るように見つめるジンの姿があった。しかも、先ほどとは違って、ジンの腰はヘコヘコと動き始めている。ジンが自分のことを求めてくれてることを悟って、モニカは思わず笑みをこぼした。
「ああぁ♡♡♡ジン♡私で興奮してくれているんだな♡♡♡もっと見てくれ♡♡♡私のいやらしいところ、もっとぉ♡♡♡」
モニカは二ムの突き上げに合わせて、激しく腰を振り始めた。上下左右に腰を振り、自分の淫らさをジンに誇示するように見せつける。
形の良い胸が揺れ動いて、柔らかそうに弾む。ピンと尖った桜色の乳首が、激しい上下運動に残像を残すように動く様はとても扇情的だ。
「くぅう、隊長……!」
ジンはますます興奮したようで、鼻息荒く、腰を床に擦り付ける動きも激しくなっていく。理性では、もはや快楽を求める自分の身体を、制御できないようだった。そんな二人の様子を見て、二ムはさらに激しくモニカを攻め立てた。
「ふふふっ♡そろそろ私もイキそうよ♡あなたのナカに淫魔ザーメン中出しして、淫魔に変えてあげる♡♡♡」
「ああ、来てくれ!♡♡♡たっぷり出して、私をえっちな魔物に変えてくれ!♡♡♡私を淫魔に堕としてぇ♡♡♡♡♡♡」
モニカは叩きつけるような勢いで腰を思い切り落とした。二ムの肉棒が深々と刺さり、最奥をえぐる。モニカは膣壁を戦慄かせ、絶頂へと一気に駆け上がった。
「お゛お゛~~~~っ♡♡♡イク♡♡♡イク♡イグゥウウウウウウッ!!♡♡♡」
ぐんっ♡と背中を弓なりに反らせながら、モニカは白い喉元を晒した。潮を噴いて、全身を震わせながら果てる。モニカの絶頂と共に、膣壁が激しく収縮する。凄まじい締め付けに、ニムもまた限界を迎えた。
「うう、でるっ♡♡♡淫魔ザーメンいっぱい出ちゃうぅうう!♡♡♡」
どるるるるるっ♡♡♡どびゅーっ♡どびゅーっ♡どくっ♡どっくん♡
最奥に突き込んだ肉棒から、大量の精液が放たれた。灼熱の白濁粘液がモニカの子宮を満たしていく。
「あ゛あ゛~~~~~~っ!♡♡♡熱いっ♡♡♡あついのでてる♡♡♡あついぃぃぃ!!!♡♡♡♡♡♡」
マグマのように熱くどろどろとした熱い奔流が子宮を叩く刺激に、モニカは恍惚の叫びをあげた。
子宮が焦げ付くような熱さが広がると共に、得体の知れないなにかが身体の奥底に染み込んでくる。濃厚な精液に含まれた淫魔の魔力が、モニカの全身に浸透しているのだ。淫魔魔力に犯される未知の感覚は、甘美な悦楽と熱を伴ってモニカの脳髄を焼いた。
「はへぇ♡あつい……♡身体じゅう、あちゅいぃ……♡」
浸透した淫魔の魔力が、モニカの人間性を犯し、身体を作り変えていく。モニカの白い肌が徐々にニムと同じ青紫色に染まり始め、耳の先が伸びて尖っていく。
(ああ、私……♡変わる……♡変わってしまう……♡)
自分が根本から存在を書き換えられていくことを感じながら、モニカは悶えた。肉体を作り変えられる感覚はあまりにも甘美で、人間を辞めることへの恐怖や背徳感は、すでに転生の悦楽を引き立てるスパイスにしかならなかった。
モニカの肉体改変は加速する。美しい形をした胸の果実が、ばくん♡と膨れて質量を増す。引き締まった小尻にも柔らかな肉が付いて、丸く瑞々しい桃尻へと変化する。モニカの身体はより肉感的に変化して性的魅力を増していき、見るものを魅了する妖艶な肉体へと変化していった。
「おおおおっ♡♡♡きもちいい♡人間を辞めるの、気持ち良すぎるぅうう!♡♡♡」
モニカはもはや完全に淫らな肉体改変の虜となり、背を大きく仰け反らせて甘い声で喘ぎ続けた。メキメキと音を立てて、淫魔の異形の器官がその姿を現す。こめかみから羊のような角が生え、背中からはコウモリを思わせる翼が広がった。ぷりん♡としたお尻の上からは、尾てい骨を延長するように、先端がハート型になった尻尾が伸びる。
「ああぁ……♡しゅごい……♡♡♡」
悦楽のあまり涙を流すモニカの両目が、青から赤へと変わり、瞳孔が縦に割れて、猫のように変化する。モニカは、完全に淫魔へと生まれ変わった。
美しく淫らに変わったモニカを見て、二ムは慈愛のこもった笑みを浮かべる。
「ふふ、おめでとう♡これであなたは立派な淫魔よ♡気分はどう?」
ニムがそういうと、モニカは妖しい笑みを返した。
「ああ、最高だ♡全身が快楽に満ちて、力が溢れてくる♡♡♡こんな素晴らしい快感を教えてくれてありがとう……♡感謝するよ……♡♡♡」
先ほどまで恐怖の表情を浮かべていたはずのモニカは、すっかり快楽に蕩けた表情で、うっとりと微笑んだ。もはや、魔物を不俱戴天の仇だと思っていたことなど、すっかり頭から消え去っているようだ。
「ふふ、良いのよ♡じゃあ、さっそく、その幸せを誰かに分けてあげたいと思わない?」
二ムはジンの方に視線を投げかけた。モニカはそれを追い、ジンを見据えると、熱い吐息を漏らす。
「んはぁ……♡ジン……♡♡♡」
モニカは立ち上がって、ジンの方へと歩み寄った。精液を注がれたばかりのモニカの秘所から、どろりと白濁した液体が流れ落ちる。淫魔となったモニカの裸体はあまりに美しく凄艶な色気を放っており、ジンは思わず生唾を飲み込んだ。たわわに実った美巨乳に、きゅっと括れて腹筋の浮いたウエスト、そして、むっちりと丸みを帯びたお尻から太ももへのライン……。淫魔と化してさらに美しさに磨きのかかったモニカの身体は、美の女神もかくやというほどの造形美を誇っていた。
「た、隊長……」
ジンは這いつくばった状態で、変わり果てたモニカを見上げた。絶望の色濃い表情だが、そこには、わずかながら、モニカへの欲情の色があった。モニカが淫魔に堕ちたことへ絶望しながらも、より美しく生まれ変わったモニカへの欲情を隠しきることができない……そんな様子だった。淫魔となったモニカはジンの心の機微を敏感に感じ取って、背筋を震わせた。
「待たせてすまなかった♡♡♡」
モニカはしなを作りながらジンに寄り添い、うつ伏せになっているジンをひっくり返した。そして、腰ほどの位置に顔を寄せて、すんすんと匂いを嗅いだ。
「ああ、精の匂いがする♡♡♡先走りの匂いもだ♡♡♡随分、焦らしてしまったな♡♡♡」
そう言うと、モニカは凄まじい力で、ジンの鎧を剥ぎ取った。力づくで、ジンの身に着けているものを次々と引っぺがしていく。あっという間に、ジンは全裸にされてしまった。
「た、隊長。やめてください!」
「やめるものか♡ずっとこうしたかったんだ♡♡♡それに……お前の『ココ』はやめろと言っていない♡♡♡」
モニカはいきり立つジンの逸物を見て舌なめずりした。ジンの肉棒は硬く張りつめ、先走りをだくだくと流している。淫魔の交わりを間近に見たのだから、極限まで昂っているのは当然のことだった。
「ああ、遂に、やっと……♡♡♡」
モニカはジンに跨り、肉槍の先端を自らの入り口に押し当てた。その瞬間、ジンは一際大きな声で叫んだ。
「やめてください!」
迫真の訴えに、モニカの動きがピタリと止まった。蕩けた顔が、しゅんと曇る。
「どうして?……私とするのは……そんなに嫌か?」
「……いえ、そう言うことでは。むしろ……。そうじゃなく、ただ……」
「ただ?」
「すみませんでした。隊長。私は、あなたのことを守りたかった」
いまにも泣き出しそうな顔で、ジンは言った。その顔を見て、モニカがふっと笑う。
「いいんだ、もうそんなことは。お前が私の前に立ってくれたとき、本当に嬉しかった。むしろ……これで、良かったんだよ♡♡♡」
モニカはそう言って、ゆっくりと腰を下ろした。猛った剛直が、ぬかるんだ蜜壺の中に飲み込まれていく。
「くぅうう♡きたっ♡ジンのチンポ、入ってきてるぅう♡♡♡」
モニカは歓喜の叫びをあげながら、肉棒を根元まで受け入れた。熱く潤った肉壁が侵入者に絡みつき、愛撫していく。淫魔として生まれ変わったモニカの膣は、まるでそのものが意志を持っているかのように蠢く。
「あ、あ……あぁ……っ!!」
ジンは呻き声をあげた。ジンが味わう快感は、刻一刻と増していく。モニカはジンの逸物のカタチを覚え、無意識のうちに精を搾り取るに最適な形状へと膣壁を変形させていた。ジンを伴侶と認めた肉体変化、モニカの女性器はジン専用の搾精器官へと作り変えられていた。敏感な性器が組み替えられる感覚は、淫魔への転生と同等の悦楽をモニカに与えた。
「ああ、気持ちいい♡♡♡おマンコでジンのチンポしゃぶるの最高だ♡♡♡わかるか?私のナカがお前のカタチに合わせて変わっていくのが♡♡♡私のカラダ……いやらしくなっただろう?♡このカラダはもうお前のものなんだ♡♡♡」
モニカは、ぐいっと腰を持ち上げて、また降ろした。ジンの剛直が引き抜かれ、奥深くまで突き刺さる。そのたびに、モニカの子宮口は亀頭に吸い付き、吸引した。敏感な亀頭をしゃぶり扱かれる快楽に、ジンの口から喘ぎが漏れた。
「ああぁっ!だめです、隊長!気持ち良すぎて……っ!」
「もう隊長だなんて呼ぶな。モニカ!モニカって呼んでくれ♡♡♡」
モニカはそう言うと、激しく腰を振り始めた。形の良い美巨乳が激しく揺れ、汗ばんだ肌と肌がぶつかり合う音が響く。
「も、モニカ、ダメだ、こんなの……!もう、でるぅう」
「出して良いぞ♡♡♡全部受け止めてやるからな♡♡♡好きなだけ出せ♡♡♡ジンの熱々ザーメン、私の子宮にぶちまけてくれぇえ♡♡♡」
叫びと共に、モニカは腰を思い切り落とした。最奥までジンの逸物を受け入れて、ぎゅううぅううっ♡♡♡と膣壁を締め付ける。子宮口が亀頭の先端を咥え込んで、ちゅぱ♡ちゅぷ♡と吐精をねだるキスをする。淫魔ならではの搾精運動に、ジンはついに限界を迎えた。
「ぐううっ!!で、出るっ!!!でるぅ!!!」
どぴゅーっ♡♡♡どぴゅーっ♡♡♡びゅるるる♡♡♡
ジンは腰を跳ね上げ、白濁した欲望を吐き出した。濃厚な精液が、モニカの胎内を満たしていく。
「んひぃいいい♡ああっ♡♡♡熱いぃ♡♡♡いっぱい出てる♡♡♡」
どくん、どくん、と脈打つように精液が流れ込んでくる感覚に、モニカは背筋を大きく仰け反らせた。うっとりとした表情で夜空を見上げながら、勢いよく噴出する子種を胎で味わう。
「あぁ……♡美味しい……♡ジンの精子……♡」
淫魔となり、モニカの性器には精液の質を味として感じる機能が備わっていた。愛する男の精は格別で、脳髄が蕩けるほどの甘露だった。子宮でジンの精を直飲みすれば、それだけでまたイってしまいそうなほどの官能が全身に広がっていく。
「はぁ……はぁ……♡も、モニカ……」
長い吐精を終え、息も絶え絶えにジンはモニカを見上げた。汗まみれのジンの肌が、わずかに青紫色に染まっている。モニカの搾精と大量射精によって、淫魔の魔力が身体に取り込まれ、人間の精を吐き出してしまったことで、淫魔化が進行し始めたのだ。あれほどの射精を終えても、モニカのナカでまったく萎える様子のないジンの肉棒も、淫魔化の影響を如実に表していた。
「ふふふ♡どうだ、ジン?まだ足りないだろう?もっとしよう♡人間性全部ザーメンにして吐き出して、淫魔に堕ちような♡♡♡んむぅ♡♡♡」
モニカは妖艶な笑みを浮かべ、ジンに覆いかぶさると唇を奪った。舌を差し込み、口の中を蹂躙する。ジンもそれに応えて、舌を絡め互いの唾液を交換しあう。二人はキスをしたまま、動き始めた。
いままでされるがままだったジンも、今度は積極的にモニカを求めた。丸い桃尻を鷲掴みにし、腰を跳ね上げて、膣奥を繰り返し突く。
「ぷはぁ♡あぁ♡♡♡激しいっ♡♡♡んじゅ♡れろぉ♡ちゅるる♡♡♡」
モニカはジンの首に手を回し、ジンの突き上げに合わせて、しゃくるように腰を動かし始めた。二人の結合部からは愛液と精液の混合汁が溢れ出し、泡立ちながら垂れ落ちている。
二人の交わりはどんどんと熱を増していく。ジンは幾度も幾度も射精した。そのたびに、ジンの肌が青紫色に染まっていく。喘ぎ声が徐々に甲高いものになり、筋肉質で男らしい身体に柔らかな肉が付いて女性的な丸みを帯びていく。いつの間にか、ジンは青紫肌のふたなり女性と化していた。モニカと違うのは、まだ異形の器官が生えそろっていないことくらいだ。赤く染まり始めた目で、ジンはモニカを見つめている。
「モニカっ♡愛してる♡」
「私もだ、ジン♡愛しているよ♡」
モニカとジンは次が決定的な絶頂――ジンの人間最後の射精になると感じ、ラストスパートをかけた。指を絡めた恋人繋ぎをして、腰を激しく打ち付け合う。ジンの不自由な右手は、淫魔化が進むにつれて、左手となんら変わらなく動くようになっていた。
「ああ、イクッ!またでるぅ♡♡♡」
「さあ、イケ♡♡♡人間性ひり出して、淫魔へ生まれ変わるんだ♡♡♡」
「あ、あ、あああああああぁぁぁ♡♡♡」
どびゅるるるっ♡びゅーっ♡びゅるるるーーーっ♡♡♡
ジンは腰を突き上げて、大量の精を放った。その瞬間、ジンの身体から、異形の器官が飛び出す。ねじくれた角、コウモリのような羽根、先端がハートのようになった尻尾だ。鳶色の瞳も完全に赤く染まり、ジンは完全な淫魔と化した。
「あはぁ♡はぁ……♡すごい……これが淫魔のカラダ♡」
ジンは変貌した自分のカラダに感じ入って呟いた。どこからどう見ても、淫魔の美しい女体である。筋肉質な胸板は柔らかな乳房へと変わり、良く肉付いた太ももと丸みを帯びた尻たぶは、自分で揉みしだきたくなるほど魅惑的だ。腰ははっきりと括れ、小麦色の肌は艶めいた青紫色に染まって、淫靡な魅力を放っている。モニカに突き刺さったままの肉棒の下には、女性の性器が新たに形成されているのも感じる。
特に胸はモニカよりも大きく育ち、爆乳と言って差し支えないほどにまで成長している。ジンは両手でそれぞれ、自分の巨乳を持ち上げ、重さを確かめるように手の中で弄び始める。それを見たモニカは、優しく微笑んだ。
「素晴らしいだろ?淫魔のカラダは♡♡♡」
「ああ、最高だ。人間辞めて本当に良かった……♡♡♡」
ジンとモニカは再び唇を重ね合わせた。淫魔特有の長い舌と舌を絡ませ合い、互いの唾液を交換する。熱い交わりに夢中になっていた二人を、静かに見守っていたニムは、ここでくしゃみをした。
「へくしゅっ、うーっ。流石にセックスしてないと寒いわね」
くしゃみの音に、ジンとモニカはいままですっかり二ムのことを忘れていたことを思い出した。そういえば、こいつも居たなという感じで自分を見てくる二人に、二ムは肩をすくめる。
「ねえ、二人ともお熱いのは良いけど、そろそろ、砦の中に入らない?あなた達の同僚にも達淫魔の幸せを分けてあげたいでしょ?♡♡♡♡」
ニムの提案に、ジンとモニカは妖艶な笑みを浮かべた。
「この悦びを、仲間に教えないなんてこと、騎士の正義に反すると思わないか?♡♡♡」
「ああ、そうだな♡♡♡みんなも淫魔に変えて、もっと楽しもう♡♡♡」
「じゃ、決まりね♡」
三人の淫魔は淫靡な笑みを浮かべながら、騎士たちの待つ砦の中へと入っていった。砦の中から驚きの声が響き――それはやがて嬌声のコーラスへと変わった。一晩にして、ムスギ砦が淫魔の巣窟となったのは言うまでもないことだろう。