Chapter07
ギチギチ、ズリズリ。
何かが軋む音と、衣擦れの音が倉庫内を反響する。
ー目覚めてから再び、二人は強度を増した拘束に抗っていたのだ。
胸の上下、膝の上下、足首、手首。そして、口も厳重に封じられていた。中には何かが詰め込まれているらしく、二人は口内に異物感を強く覚えていた。
ーガタン。
不意に扉が開く音がした。不自由な身体をくねらせ、有栖も棗もそちらに顔を向けた。
そこには、意識を失う直前にも見た、覆面姿の人物がいた。
「随分汗だくじゃないか。これは観てる人も喜ぶだろう。ご苦労様。」
機械で変えられた声で発されたそのセリフに、二人は強い嫌悪感を抱いた。
「まぁ、次に行く前に、見せておきたいものがある。頑張ってるのはお前たちだけじゃない、ってことさ。」
そういうと、その人物は二人にスマホを見せた。そこには、黒の競泳水着を来た人物が、今の二人と同じようにもがく姿が映っている。
「(まさか・・・)」
二人は猿轡の下で、生唾を飲んだ。それは、姿の見えない部長・芳須だったからだ。
「こういうわけだ。じゃ、君たちには、君たちの仕事をしてもらうよ。」
そういうと、肩にかけていたカバンから両手で水を救うように何かを取り出し、それを二人の前に置いた。
有栖の前には、白い布の上に置かれた黒い布の塊を。棗の前には、白い布の上に置かれた、白い布の塊を。
「(これは・・・?)」
困惑する二人をみながら、その人物は”それらの正体”を口にするのであったー。
ー続く。