『んっ!・・・んっ!』 時折身体を動かそうと試みるが、絡みつく拘束から抜け出せそうな気配はない。 仕事の帰り道、人気のない路上で彼女は拉致された。 意識を取り戻したとき、自分は地下室らしき空間にいると分かった。 ―そして、鎖骨から下が全て、黒いテープで柱に固定されていることも。 『誰か・・誰かいないの!?』 大声を出して助けを求めるも、その声は空しく反響しただけであった。 少しして、重々しく金属の扉が開く音がした。 黒い目出し帽を被り、深緑色のツナギを着た男が近付いてくる。 その手には白い布と黒いテープを持って。 そこからの流れは実に手際よく進められた。 彼女は口に妙な香りの布を詰め込まれ、それを吐き出せないよう布を巻かれた。 その上から何枚もの黒いテープを貼られ、沈黙を余儀なくされた。 続けざま、男は後ろに回り、彼女の指に何重もテープを貼り付けた。 ―ここで彼女は気づいた。自分が恐らく裸であることに。 下に目を落とすと、自分の素足が見える。履いていた服は・・靴下は・・・一体―? それに気づいた瞬間、強い吐き気が彼女に込み上げてきた。 だが、吐き出すことは口に貼られたテープが許さない。 鼻息荒く、目に涙を浮かべ、彼女は男を睨んだ。 ほとんど隠れていたが、その目は嗤っていた。 そして男は傍にあった古いソファに腰かけ、埃被った円卓に酒瓶を置く。 それを直接飲みながら、彼女を鑑賞し始めた。 狙いは分からない。だが、このままでは悲惨な結果になるのは目に見えている。 この上ない屈辱と羞恥の中、否応なしに彼女のショーが幕を開けたのであった。 -完