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(先行)上位種風俗で妖狐姉妹から極上マゾサービスを受ける話 前編

送迎の車を降りると、目の前に厳かな石造りの建物が飛び込んで来た。 夕方の柔らかな光を浴びて、石材がオレンジ色に染まっている。 「到着いたしました。それでは行ってらっしゃいませ」 トランクから荷物を取り出し渡してくれた運転手が丁重に頭を下げる。 荷物を手に持ち、黒いセダンを後にすると、建造物の全貌がようやく見渡せた。 白色の大きな石が段をなして積まれた巨大な建物。 所々に円塔や天守のような造りこそあるが、城ともキャッスルとも異なる不思議な構造。 魔界に特有の建築様式だった。 正面に入口が見える。アーチ状の縁取りが朱色に塗られた門扉、開け放たれて来訪者を待っている。 圧倒されながらもそちらへと歩いていくと、門の脇にはパンツスーツを来た魔族の女性が立っていた。 こちらを見て、深くお辞儀をする。 「佐伯様ですね。お待ちしておりました」 頭から生えた2本の黒い角を見るに、どうやらサキュバスのようだ。 魔族らしい長身で、黒いスーツにワイシャツ、上にはベストを着こなしている。ここの従業員なのだろう。 「長旅でお疲れでしょう。早速こちらへ、お荷物をお持ちいたします」 手に提げていたカバンを渡すと、サキュバスに案内されて建物の中へと入った。 全てが初めてのことだ。あらゆるものが珍しい。 僕は辺りを落ち着かず見回しながら、前を進むサキュバスについていく。 門から進み建物内部へ入ると、赤い絨毯の敷かれた大きな玄関がある。 靴を脱ごうとしたが、そのまま土足で良いとのことだった。 一流ホテルのような天井の高いロビーを抜けていく。普通であればこちらで受付を済ませるのだが、今回は特別。可能な限りの段取りが省略される。 夕方の西日が窓を通って建物の中に差し込んでいた。 案内を受けて、玄関先の廊下を進む。その途中で何人もの魔族達とすれ違った。 彼らはここで働く従業員なのだろう。 料理のカートや洗濯したリネンなどを忙しそうに運んでいる。 すれ違いざまには必ず立ち止まり、こちらへ深くお辞儀をした。 店が最も賑わう時間とあって、盛況ぶりが感じられる。 だが、不思議と他の客とは会わなかった。 客同士が鉢合わせないように、送迎から案内まで緻密に時間が計算されているのだ。 そのあたりの気遣いも流石というほかない。 思索を巡らせているうち、赤絨毯の敷かれた廊下奥の小部屋に通された。 「こちらへお掛けください。お飲み物をお持ちいたしますね。 ──紅茶、はい。畏まりました」 そう言うとサキュバスは部屋の外へと出て行った。 束の間の1人の時間を取り戻し、既に自分が少し緊張していることがわかる。 こういうお店に来るのは初めての経験だ。──それもお忍びで。 深呼吸を1つ打ち、室内を眺める。 この小部屋は庶民の寝室くらいの大きさだった。それか僕の城でいえば物置のサイズ。 豪奢な廊下やエントランスとは対照的に、あえて威圧しないサイズの部屋を用意しているのだろう。 向かい合わせの椅子と机があるだけの部屋、それでも内部の装飾に抜かりはない。 薔薇の活けられた花瓶にフカフカの肘掛け椅子。額縁には抽象画が飾られている。 白無垢の壁紙や臙脂色の絨毯をシャンデリアが控えめに照らし、微かに香水が薫っている。 高鳴る心音が内から聞こえるのが嫌になって、僕はふうっと息を吐き出した。 それとほぼ同時に案内役のサキュバスが戻って来た。 金縁のティーカップに紅茶を注ぐと、向かいの椅子に座る。 「佐伯様。本日はようこそいらっしゃいました。心より歓迎申し上げます。 私はご案内を担当させていただきます、レダと申します」 「──ご挨拶が遅れて申し訳ありません」とサキュバスが頭を下げる。 「当店は初めてのご利用でいらっしゃいますね。この度は数ある娯楽店の中から『桃源郷』お選びいただき誠にありがとうございます」 名店なだけあり、あまりにしっかりとした対応。 下にも置かない振る舞いに、僕はすっかりガチガチに緊張してしまう。 会釈さえもぎこちなく、不格好なものになる。 「失礼しました、これじゃ緊張してしまいますね…♡では、もう少しフランクにご案内させて頂きます」 こちらの緊張を感じ取ると、レダはすかさず接客の方針を変えた。 ニッコリと柔和に表情を崩してくれる。 「では早速コースのご案内をしますね♪ 今日は『1日コース』のご予約を受けていますが、お間違いないですか」 僕は頷く。 この日のために、普段の公務の調整を重ねて来たのだ。 「ふふっ、初回から1日コースなんて体験されたら、もう戻れないかもしれませんよ♪」 レダはイタズラに微笑む。 「では、早速女の子を選んでみましょうか…♪ お手伝いしますよ」 レダは手元の分厚い冊子を机の上に広げる。 パラパラとページを捲ると、実に多くの魔族達の写真が載っていた。 「今日は幸いまだ空きが多くありますね。今日出勤の子は、ここのページから後ろです。 どうぞご自由にご覧になってください」 促され、僕は手元のアルバムのような冊子の頁を繰った。 獣人。サキュバス。ハーフ。ドリアード。人魚。スライムなどの不定形に希少種。 バストアップの写真、その右側には紹介文や得意なプレイを記した文章が並んでいる。 全部で数百人はいる。そして、どの娘も途轍もない美人ばかり。 暴力的な程の美貌がカタログのこちら側へと真っ直ぐに向けられている。 魔力とは、写真を通しても作用するものなのだろうか。 1人1人と目が合うだけで心臓は加速していく。 匂い立つ様に蠱惑的なフェロモン、或いは催淫の魔力の様なものが伝わって来る。 『桃源郷』は魔族と遊べる風俗店の中でも特に評判が高い。 最高とも言われる女の子のレベルにサービス。 種族の幅もとても広く、男なら誰もが一度は憧れる名店中の名店だ。 ただ、その分値段は目を張る程に高い。人間で言えば月給の数ヶ月分の大金を用意しなければ、敷居を跨ぐことすらままならない。 人気の嬢ともなればなおさらだ。 実は僕は今日ここへ来る前に──、というよりも数カ月前から女の子のアタリは付けていた。 だがそれでもカタログを捲っていると誘惑につられそうになる。 「Sold Out」 たった今眺めていたページ左上のスライム嬢の写真がグレーアウトし、その上から赤字で刻印が打たれた。 「あら、その子は今日の旦那様が決まったようですね。 人気の女の子はリアルタイムで売れてしまうので、選ぶなら早い方がいいですよ♪」 なるほどルールを理解した。 ポツポツと、しかし決してゆっくりではないペースで、ほかの嬢の写真にも同じ刻印が降りていく。 で、あるならば目移りしている暇はない。誘惑を振り切って、僕は後ろの本命のページを開いた。 「あら、獣人の女の子にするんですね♪ それも最上位の♡」 『☆☆☆☆』とランク付けされた最高級の女の子のページのうち、獣人の頁。その中にお目当ての2人がいた。僕は迷わずその写真を指差す。 「…、双子のキツネ、妖狐の姉妹ですか。…なるほど、お目が高い…」 レダは少々驚いたようだった。 初回にその選択をする人間などまずいないだろうというのは僕にもわかる。 「文句なしの2人です。ええ、間違いなく当店最高レベルの2人でしょうね。ですが…」 レダが何を言いたいのかはすぐわかった。 金額が高すぎるのだ。 1日コースで1人を選ぶだけでも、車が買える程の金額。 それを2人同時に買うとなると──。 僕はカバンからカードを取り出す。 途端にレダの顔がハッと引き締まる。 「これは失礼を…。特権持ちのお方でしたか、あまりにお若いのでそうとは気が付きませんでした」 実を言うと僕はとある人間の国の王子だった。 王位継承第一順位。即ち将来の国王、皇太子にあたる。 今日はお忍びで魔界までやって来ていていたのだ。目立たぬように偽名で。一般の窓口を使い、護衛も最低限に抑えている。 「でしたらなんの心配もございません。どうぞ最高のご奉仕を堪能なさってください」 合点した彼女はニッコリ微笑む。 手元の端末にメッセージを打ち込んで手続きをすませる。 「では、女の子が参りますので、こちらで少々お待ちくださいね」 レダはそう言うと席を外した。 深々と礼をして、静かに入口から出て行った。 嬢を選んだあとに訪れる、焦燥感のようなソワソワとした感覚。 一刻も早く来て欲しいような、心の準備をさせて欲しいような、もどかしい時間が流れる。 あくまで平常を装い、僕は残った紅茶を飲もうとカップに手を掛けた。 ──その時。 「紅茶美味しいですか…♪」 真後ろの死角から首に手を回され、耳にふわりと吐息が掛かる。 驚いてカップを落としそうになった。 「ふふ~ん、驚いていますね~♪」 背中にくっ付いた声の主の身体が、僕の背中に密着し柔らかくひしゃげる。 お日様の様な髪の匂いと、ブランド香水の薄い香りが後ろから漂ってくる。 ドキドキと高鳴る鼓動。慌ててカップを置いた。 もちろん後ろにいるのが、今夜のお相手に違いない。 「ちょっとだめでしょう…お客様を驚かせては。せめて話しかけるくらいにしないと」 今度は前から声がした。 ドアからこちらの方へ歩いて来る女性。スタスタと歩みを進めて僕の前に立つ。 「ふふ、こんくらいの男の子は緊張する前にさっさとくっ付いちゃう方がいいんだよ~」 シュルシュルと首元の手がほどけ、背後の女性も僕の目の前に来た。 腰掛けた僕の目の前に並び立つ2人の女性。僕よりも何回りも背が高い。 透けるような肌に、流麗な体の曲線。 そして、可愛らしい狐耳を頭の上にピクピクとさせている。 夢にまで見た2人の姿だ。 お揃いのドレスを纏い、その外見も全く同じに見えて区別がつかない。双子なだけはある。 「キツネ色」と言っていいのか、気品のある茶色の髪の毛。 ゆるいウェーブを描いて腰にまで届く絹糸のようなロングヘアは、腰元で微妙に異なるほかの毛束と入れ替わる。 それが臀部の上辺りを付け根に出発する尻尾であることに気が付いた。 紛れもない獣人の、──狐の獣人の特徴。 2人の尻尾はフリフリと左右に揺らされている。僕は思わず視線で追いかけてしまう。 「しっぽ気になりますか…ウフフ♡」 視線を見透かされ、イタズラな笑みを投げ掛けられる。 1人の獣人がひょいと掴んで僕の目の前に尻尾を持って来る。 光を反射する細い繊維の一本一本が金色に輝いている。 どんな絹織物よりも美しく、息を呑むようだ。 触れようと手を伸ばししたが、指先寸前で流体の様にスルリと逃げてしまった。 「お預けです♡、後でたくさん見せてあげますね…♡」 見惚れて目を逸らせなくしまった僕にそう囁くと、2人は横並びにしゃがみ込む。 椅子に座った僕と目線を合わせる様にして、綺麗な瞳が見詰めて来る。 「初めまして、ご指名頂きましたイオリです。」 「私はカヤノです♪ 今日は姉妹揃っての指名ありがとうございます♪」 イオリにカヤノ。 僕はその名前を何度も口の中で反芻する。 無論前から2人の名は知っていたが、それでも体に染み込ませるように繰り返した。 「気軽に名前で呼んでくださいね…♡ でしたら、まずは…部屋行きましょ」 「お喋りはお部屋行ってからにしましょうね♪ 立てますか? ほら。んしょ」 2人に手を引かれて、僕は深い椅子から立ち上がった。 そのまま真っ直ぐ、両脇を二人の長身に挟まれながら、僕は連れて行かれる。どこか知らない場所へ。 小部屋を出て、まっすぐにエレベーターへ向かう。 先程と異なり、廊下はシンと静まり返っていた。 どういうわけか先程忙しく働いていた従業員の気配さえしない。 女の子との対面後は、誰とも決して会わなくなるという桃源郷の噂は本当のようだ。 客と嬢との空間に寸分の邪魔も入らぬよう、外界とは切り離されると聞く。 スタスタと廊下を滑る足取りだけが大理石の高い天井に響いた。 両脇に寄り添う彼女達。 僕の腕を抱き締める様にエスコートする2人は雰囲気を壊さない程度の会話を続ける。 僕は緊張のあまりその時の事はまるで思い出せない。 腕に当たる2人の膨らみの事ばかりに気が散ってしまう。当然それもバレているだろう。 イオリとカヤノに手を引かれ、エレベーターの前にまでやって来た。 レトロな外観のエレベーターはボタンを押すとすぐにドアが開いた。 重金属の扉が音もなく開き切ると、その籠に足を踏み入れる。 ──その瞬間。僕は直感的にここから先は普通の空間ではないと理解した。 魔力を持たない人間でもわかる程の妖しい匂い。 妖艶でクラクラする淫靡な空気に満ちている。 知っているもので無理に例えるなら、夜伽の際のベッドに染み付いた香水の様に重く、華やかな夜の香り。 「では、エレベーターで最上階へ参りましょう♡ これでもう明日まで戻れませんわ…♡」 「桃源郷随一のプレイルームです♪ そちらで長い夜を3人でともに過ごしましょう…♡」 こちらの目を見て言葉を繋げるイオリとカヤノ。 反応を求められているようだ。 僕がコクリと首を振った。 ニコリと微笑む2人がパネル最上段のボタンを押す。 ゴウンと音を立てて、金属の扉が閉まっていく。 ドアの向こうに見える廊下は、どんどん小さくなって見える。 先程まで立っていた廊下の灯りが深海の深みに沈むように遠く離れていく。 これは錯覚だろうか。それとも。 『それでは、現世にしばしのお別れを…♡』 2人がそう言うと、直後エレベーターのドアが閉まりきった。 ───。 ──。 ─。 エレベーターが閉まると、途端に2人の狐の肢体が迫って来る。スイッチが切り替わったように僕のことを求めてくる。 何をされるかわかった僕は、乙女の様に目をギュッと瞑った。 ちゅぷっ…♡ 一瞬で唇が奪われた。 粘膜が触れ合う水音と同時に、唇と唇が吸い付いた。 プレイはもう始まっているのだ。部屋に着くよりも前に。 まだハッキリと見分けがつかないが、キスをしてきたのは恐らく姉のイオリの方だろう。 手を恋人の様に握って絡ませながら、舌を巻きこむ様な口づけをされた。 「ん…♡んむ…♡」 イオリは僕よりも大きく厚い舌肉を僕の口内に差し込み、唾液を交わす。 目を細め、こちらを見詰める。 狐目とスラっとした鼻すじ。飛び切り美しい獣人が僕の舌を恋人の様についばんでいる。 じゅるじゅると流音を響かせ吸い取った雫を、自分の口内で反芻し、また僕の口へと押し込んで来る。 あまい。甘くて温かい。 ドキドキと心臓の鼓動は激しくなり、舌はなされるがまま唾液の歓待を受ける。 「あ…んむ…♡ぅぅ…♡」 遂に一度も主導権を握ることなく、僕の小さな舌はテクニック豊富な狐の舌に屈服していた。 舌と一緒に抵抗力まで絡め取られてしまったようだ。 美貌に似つかわない下品な粘音を上げて、僕の唾液は美味しそうに啜り取られていく。 そして、置き換える様にして蜜のような甘い液体が流れ込んで来る。 ピリピリと舌から脊髄や脳へ浸潤する蠱惑の味。 彼女の甘くて危険な唾液が、口腔のあちこちに染み込んでいく。 「んぐんっ…♡んっ!ん、うぅ…♡」 口の中は彼女の唾液で満ちていく。 瞼の裏でチラつく閃光。 イオリの「味」はすぐに神経を犯してしまった。 味覚から容易に身体全身を蝕み、麻痺の様に力が入らなくなる。 催淫の魔力による作用だが、自ら受けるのは始めてだった。 ダラリと上半身の力が抜け落ち、やがて下半身も腑抜けになってしまった。 そこで僕はようやく許された。 「ぷはぁ… あぁ♡美味しい…♡」 吸い尽くさんばかりに独占されていた僕の唇が、イオリの舌と唇から解放された。 カクカクと振れる僕の膝に目をやりながら、妖しく嗤う。 「はぁ…はぁ…♡」 僕は呼吸を整えようとするが、正常な思考がまとまらない。 ──それに、満足な呼吸が許された時間はたったの一瞬だった。 唇が離れると、今度は交代でカヤノに口元を押し付けられた。 また深いキスをされる。 「んぷ…♡ まって、まって…」 僕の身体をエレベーターの角に押し込め逃がさない様に固定したまま、舌肉を唇の隙間から侵入させて来る。 「ん…♡んむっ…♡んう…♡」 カヤノのキスはもっと攻撃的なものだった。明確に「犯す」意思がある。 僕の口内を隅々まで犯すように、舌がグニと捻じ込まれる。 小さな舌を肉厚の粘膜で丸ごとくるむ激しいディープキス。 「んっ!んグっ、んん!」 悲鳴じみた嬌声を楽しみながら、濡れた舌は蛇の様に口内の奥の方にまで入ってこようとする。 僕は思わず顔を背けようとする。 だが、それを見越したカヤノの手が僕の後頭部に回され、途端に顔を背けられなくなる。 そのままグッと彼女の方へ引き寄せられ、唇と唇の距離が近づく。 カプ。歯を立てて噛まれる唇。 舌表面をぴったりと密着させ、組み伏せられる。 カヤノの舌は僕の口内を簡単に支配した。 顔を背けることも、舌を逃がすことも出来ない。唾液のヌメリや舌のザラつき味わうことを強いられる。 「んぇ…、んむぅ…」 僕は、負け惜しみのような嗚咽を喉の奥から漏らすだけ。 カヤノはうっとりと目を細め、その音色を堪能しているように見える。 だがそれは決して満足を意味しない。 じゅる…じゅるる…。 まるで蛇が這いずる様な音を立てながら、カヤノは喉奥への入口を見つけ出す。 カヤノはもう片方の手を僕の下顎に添えると、こじ開ける様に押し下げ、口を閉じられない様にする。 舌の根をベロ肉の表面でザラザラと撫でながら、奥へ奥へと流れ込もうとする狐の舌先。 気道を塞ぐように侵入してくるベロ肉に、僕は呼吸が止まりそうになる。 「ん゛、あ゛、あ゛!なにッ!」 「しゃべっちゃダメ…むせちゃいますよ♡」 耳元でイオリが囁く。 イオリは僕の傍らに立ち、耳元に吐息を吹きかける様に話す。 「リラックス…♡リラックス♡」 恐怖に慄きながらも、僕はその声に従う。 イオリの声には不思議と従順になってしまう響きがある。 合わせて喉奥へ舌を差し入れるカヤノが僕の頭を撫で付ける。 口内で行われている事とは対照的な、優しく落ち着いた手付き。 イオリの声と、カヤノの手が無ければもっと暴れていたかもしれない。 「喉の力を抜いて…♡そう。上手♡」 声に従って、僕は喉輪の力を緩める。 同時に喉奥にズルズルと潜り込む長い舌肉。 唾液に濡れた舌は、深い部分に至っても生き物の様にスムーズに下がっていく。 「えらいえらい…♡ 後はカヤノがたっぷりとほぐしてくれますよ…♡」 時折カヤノが気道に隙間を開けて呼吸をさせてくれるので、窒息の危険はなさそうだった。 狐の舌は長い。 あっという間に舌の根を通過し、喉仏付近まで侵入した舌先。 ようやく力の抜き方を覚えた僕は、その状態に身を委ねるしかなかった。 ──トク…♡トク…♡ ──喉奥に熱いものが流れる感覚。 喉奥を支配したカヤノの舌先から、食道へ熱いものが流れ込んで来る。 ビクッ!ビク! 僕の体幹が勝手に震え始める。 「ン…!ンンッ!!…♡♡ッ!」ビクンッ 板が跳ね返る様に、官能にほだされた体が不随意に反応する。 先程のイオリのものとは異なり、もっと直接的に性感の中央を温める幸福で温かな疼き。 目からは悲しくもないのに涙がツーと溢れ出てしまう。それは飽和量の幸福が引き起こす感涙だった。 「いま僕の中に、トロトロになれるお薬を流し込んでくれてますからね…♡ 安心して受け入れてください♡」 狐舌は胃に直接唾液を流し込んでいるようだ。 トロトロとした蜜が食道を降りるその度に、幸福な涙があふれて止まらない。 「ん、んぁ…♡」 余計な思考を一切許さないような深い愛情を受け取る。 一から十まで自分が愛されているような充足感。大きすぎる愛情に全ての思考は塗り潰され、雑念は空っぽになっていく。 それがこの後のプレイの下準備だとしても。 やがて僕は自分で自分の体を支えられなくなった。 カヤノの唾液の雫がまるで毒の様に、全身の身体の力を奪い去ってしまった。 ガクガクと膝が崩れ、カヤノの長身にしなだれかかってしまう。 全身の自由と引き換えに与えられたのは多幸感。点滅する神経では指一本さえ動かせない。 「あらあら…♡腰が抜けてしまいましたね♡ 狐のエッチな涎の原液を流し込まれて…チカチカ~って♡ フフ…♡幸せすぎるのですね♡」 完全に力の入らなくなった僕の身体を支えるため、後ろからイオリにも密着される。 背後から背中をぎゅっと抱き締められ、リフトの様にひょいと持ち上げられた。 「立っていられなくなっちゃった僕の為に、お姉さんが後ろから抱っこしててあげますからね…♡」 カヤノの目線と同じ高さに抱え上げられたまま僕の身体は固定されてしまう。 当然、ディープキスも止まることはない。 口の周りを唾液でべたべたにしながら、狐の唇はどこまでも追いかけて来る。 ぶちゅ…♡ぴちゃ…♡ 更にトロトロと喉に流れ込む熱い唾液。「大人しく飲みこめ」と言われている。 というよりも強制的に流し込まれるため、ハナから拒否権はない。 「ぎゅ~♡ ギュ~♡ うんうん♡お姉ちゃんとのキス気持ちいいですね~…♡」 姉妹による前後協働の溶かしあい。 少しでも顔を背けようものなら、前後から伸びる手に一瞬で「正しい位置」に戻される。 「ん、あっ…♡へぇ…♡」 2人の長身の間でガクガクと震える体。 脚はプラリと宙に浮き、唾液が流し込まれるたびにカクンと震え反応する。 同時に僕の腰に溜まっていく温かいモノ。 僕の粘膜からカヤノの唾液が吸収される度。脈打ち始めた小さな鳴動がやがて大きなカタチを伴っていく。 「ん…♡んく…♡、んあっあぅ…♡」 「あら…♡もう射精しちゃいそうなんですね…♡」 恍惚の涙を溜めながら、僕はブンブン首を振る。 「いいのですか? おちんちんに触れられないまま最初のぴゅっぴゅだなんて…♡」 呆れて肩を竦めるイオリの問いかけにも、僕は必死に首を振り射精の許しを請う。 「必死…♡イキたいですね~♡ 唾液が流し込まれただけなのに、先端からぴゅっぴゅ我慢できそうにないですね…♡」 ズボンの内側で、数滴の迸りが先端より飛び始める。 スポイトで掬ったほどの小さな、水滴の走り。 ぽたっ…♡ ぼたっ…♡ 宙ぶらりんのズボンの裾から、足元の床に何滴かの白露が落ちた。 一刻も早く絶頂に達したい体と、抑える理性。 それを嘲笑うかのように──。 「…ぴゅっぴゅ♡ もう始まって来ちゃいましたね…♡」 「良い」とも「悪い」とも。本心を見せない女狐の吐息が耳にふわりとかかる。 「もしこのままキスだけでイッちゃったら…♡ この後たっぷりお部屋のベッドでオシオキですよ…♡それでもいいのですか?」 残念なニュースとばかり、イオリはこれからのシナリオを提示した。 「ベッドまで我慢できないわる~いおちんちんは…♡ もっと悪~いお姉さん2人にヒィヒィ泣かされちゃうんですよ…♡」 「──だって、ドMでしょう…?ボク♡」 図星を付かれても、喉奥を蹂躙されたままの僕は応答できない。 グリグリと捻じ込まれた舌先の雫が食道に落ちる度にペニスは破裂しそうに膨らんで戦慄く。 淫語を止めてくれないイオリが、耳元で言葉を囁き続ける。 グツグツと腰奥からせり上がる射精前の痺れ。 キュッと玉袋が持ち上がり、喉を滑り落ちて胃に落ちる唾液の官能を少しでも近くで味わおうとしている。 「ふふ…もう限界みたい。では意地悪はやめて…気持ち良くイカせてあげましょう♡ あまくてエッチな、濃厚キス射精…♡ ほら、だーいすき♡って言っててあげます...♡♡」 両耳から聞こえて来るようなステレオの囁きに、僕の小さな体は仰け反って射精へと向かう。 「大好き♡大~好き♡」 「だ~いすき。ほらイケ♡ イケ♡ 大好きですよ…♡…♡出せ」 恐らく何らかの魔力が秘められたコトバで射精を煽り、そして絶頂を許可する。 「んぐ、あっ…ん゛!!ん!」 朦朧とした頭でそれを受け取った僕は、脚をピンと張り伸ばし、腰を前に突き出した。 そして──骨盤にしがみ付いていた白濁液を吐き出す。 びゅる。 びゅる。 びゅるっ。 静かな射精。 放つ。というよりも漏れ出したと言う方が合っている。 落とされた精液はズボンを汚す。 ビュルビュルと暴れるホースの様に、パンツの裏地に真っ白なシミを作る。 前方に密着したカヤノの服さえも濡らす様だ。 「んあ…♡んく…♡んむう…♡」 「ほらイケ…♡あ、もうイってるか。大好き…♡大好き…♡だ~いすき♡」 胃もたれする程の甘い愛の言葉を囁かれながら、僕は何度も体をくねらせ精を垂れ流した。 とぷ…♡とぷ…♡ とぷ…♡──。 射精が終わり、しばらくの後。 カヤノの舌が口内から引き抜かれた。 ちゅるん。 滑らかな音を立てて引き抜かれた舌。 やはり、顎につくほどの長さだった。 ひゅー。ひゅー。 細い糸のような息で僕は意識を繋いでいた。 目の焦点はとっくに合わなくなっていて、瞼を開いているのでやっとだ。 ようやく許された自由な呼吸。ぜーはーと急ぎ酸素を肺に取り込む。 「はーい♡お疲れさまでした♪ ビックリさせてごめんなさい♡」 唾液で濡れた口周りを拭き取りニッコリと笑うカヤノ。 先程までの有無を言わさない圧は消えていた。 「初めて桃源郷に来られる人間の方には、いつもこうしておもてなしをするのが私達の決まりになっているのですよ…♡」 「今みたいに催淫の唾液でトロトロにしてあげれば…これからボクは何度だって絶頂出来るんです…♡」 「ほら着きましたよ♪ ここが最上階『至悦の間』になります…♡」 僕は薄目を開けて、促されるままに視線を移した。 エレベーターの扉の向こうに上品で豪奢な室内が広がっている。 全面大理石貼りの床に、彫金やタイルで装飾されたアンティーク調の壁。 天井にはシャンデリア灯が揺れ、あちこちに飾られた絵画や壺、活けられたバラの花瓶などが彩りを添えている。 ワインセラーには年代物のワインがいくつも静かに並び、ガラス棚には琥珀色のウイスキー瓶が並んでいる。 キッチンやダイニングテーブルまである。 そして部屋の最奥。天蓋付きの大きなベッドが見える。 1つの部屋ほどの広さがある。10人くらいなら簡単に手を広げて寝そべることが出来るだろう。 ベッドの四隅から立ち上がった支柱の間に薄布のヴェールが掛かり、外と内を隔てる境界になっている。 あの中で… そう思い、僕は生唾を呑み込んだ。 少しずつ意識が現実を捉え始めた。 身体深くにまで染み込んだ狐の唾液のせいで、クリアな思考──とは到底言い難いものではあった。 それでも麻痺が解ける様に、少しずつ物を考えられるようにはなっている。 「では、参りましょうか」 イオリとカヤノの2人に手を引かれ、僕は身を起こす。 ここで、僕はまだ部屋にさえ入っていないことに気が付いた。 全てはエレベーターの中で行われたことに過ぎない。 未だ覚束ない足取りで、一歩一歩部屋の中に歩を進める。 エレベーターの扉がスウと閉まった、気配がした。 余りにも無音であったため、思わず振り返る。 だがそこにはもうエレベータの扉は無く、ただ部屋の壁があるだけ。 何事もなかったかのように。落ち着いた壁紙が赤銅色の鈍いトーンを放つ。 「あら、お部屋ばかり見ていないでください…♡ こんなに極上の女狐が2人もいるのに」 「そうですわ…♡ふふ♡ この部屋で1日を共に過ごすのです。余計なコトは邪魔にしかなりませんわ♡」 美女に手を引かれて、部屋の奥へと進んでいく。 近付いて来るのは大きな天蓋ベッド。先程から気になって仕方がなかった。 漸く始まるのだ。夢にまでみた2人との一日が。 熱く渦を巻いた劣情は期待から再び下半身に戻って来る。 前を行く2人狐の尻尾がふわりと揺れている。 そして、尾に連なる臀部。女性らしく丸みを帯びた腰元は僕の腰回りよりも一周大きい。 それが2つも。 まるでこちらを誘っているかのように見え──僕は早くもペニスへの血流量を増やしている。 先程飲まされた狐の唾液の効果だろうか。腰には粘っこい性欲が纏わりついて振り解けない。 前を行く2人の腰元に見惚れる内に、やがて天蓋ベッドへと到着した。 ヴェールを引き入口が開かれるとその内部がハッキリと目に映り込む。 清潔なシーツがピンと張られ、長い枕が3つ。 そしてそれが載っているベッドの上面は、やはり──大きい。 3人程度ではどう考えても持て余すサイズだ。 僕はその淵に腰掛けさせられる。 フワフワの柔らかいベッドが腰をすっぽりと包みこみ、臀部を通じて僕の座体を支える。 そしてようやく。トロトロに放心した脳髄も落ちつきを取り戻した。 正面向き直り、並び立つ2人の女狐に目をやる。 この頃になると、僕は双子の見分けがようやく付けられるようになった。 口元のホクロや目のカタチ、腰の流れが微妙に異なっている。 2人の全身をつぶさに観察するうち、僕はムラムラとした情動がさらに強く湧いている事に気が付いた。 視界に飛び込んで来る極上のカラダ。艶っぽい曲線美。豊かな胸。クビレに腰骨の凹凸。 ──そして上位種たる力強い腰。臀部。垂涎ものだ。 世の人間が到底「抱く」ことの敵わぬ、宝石の様な女。 それを今夜は思う存分手にできる。時間の限り欲望をぶつけられるのだ。 ──と、思っていた。 「──あら?私達を『抱く』おつもりなんですか…♡」 「──ふふ。認識の訂正が必要みたいね…♡」 彼女達はさも当然の様にそう言った。 が。狼狽えたのは僕の方だ。2対4個の瞳に真っ直ぐ射貫かれた背すじが冷たい。 「思考を読まれるのも初めてですか? 別にそんなに珍しいものではないのですが♡」 「私達は魔法を使う種族なんですよ…それくらいは想定しているかと思いました…ウフフ♡」 ベッドの僕を挟むように2人が腰掛ける。中央の僕の体に密着して2人の体が近い。ドレス越しに女の丸みが伝わる。 マットレスのバネがたわんだ。 左右からは漂う女性の香りが僕を呑み込んだ。 「ドキドキしてるわね…♡お姉さん2人に挟まれて…♡」 僕の掌を2人の手が取る。 左右の手が指に絡まれて、緊張で硬くなった指の間に滑り込む。 肩口に触れる2人の肉体は柔らかくて──。 「『──柔らかくて、いい匂い』でしょう。」 「さっきのエレベーターでのキスの時も凄かったですよ、『もっと。もっと♡』って」 「ボクの心の声が垂れ流しの大音量で聞こえるんです、だから──」 「──して欲しいことも全部お見通しです…ンプチュ……♡」 イオリの舌が耳奥に這入ってきた。 耳たぶを一周食むようになぞってから奥の耳道まで。 ヌルリとたっぷりの唾液でコーティングされた舌板が、ツルツルと侵入してくる。 んあっ…♡ 反射で小さな声が漏れる。 「『耳もっと』『奥まで濡らして』ですか…。やっぱりマゾっ気が強いみたいね…♡」 「クスっ♡ だから違うの。ボクは私達を抱くためにここへ来たんじゃなくて──」 ──抱かれに来たんです♡♡ ジンジンと鼓膜が痺れる。 言葉1つ1つが明確に粒となって、耳のガードをすり抜ける。 左右からステレオで頭の奥に届く音節が脳髄をかき回す。 「抱かれるのはボクの方ですよ…♡ 下になって…私達ふたりから大人しく求められる側…♡」 「だって、ボクはどうしようもないマゾの王子様ではありませんか♡ ねぇ。クスクス♡」 「『違う、違う』って。 フフ♪そうですよね、未来の王様がドがつくマゾで狐のお姉さんにヒィヒィ言わされるなんてあってはいけませんものね♡」 「では私達の勘違いでしたね♡ それは失礼しました…♡、ですが。一応念のため♡ 時間を使って見せて下さいね…♡」 『マゾじゃないところ…♡』 クスクスと囀る様に笑う2人の美貌、僕をとろけさせるように甘く囁き続ける。 催眠、或いは催淫の魔力が僕の内側に浸潤し、積み上がる。 すぐに僕は座っている事さえも出来ない程に脱力してしまう。 いつしか背中に回された二人の手が僕の体勢を支えてくれていた。 「ではパンツ。脱ぎましょうね、『自分で脱げる』──いえいえ。私達にお任せください♡」 「ええ、すっかり僕のザーメンでベタベタ、噎せるような濃いオスの匂いが漂っていますよ…♡」 2人がすっくと立ち上がる。 背中の支えを失った肢体はベッドの天面に仰向けになって倒れた。 エレベーターで押し付けられた唾液と、麻痺毒にも似た囁き。僕は指の先まで力が入らなっていた。 「うふふ、赤ちゃんみたい…」 「十分染み込んでくれたみたいです」 立ち上がった女狐は、僕を見下ろしてトーンを落とす。 背後の照明の影が美しい顔に降りて、目だけが爛爛とシルエットに浮いているようだ。 では王子様…、エッチで、甘くて、おかしくなっちゃう一日を始めましょうか…。 まずはシャワーを浴びて…、それから。ベッドでね…。 舌を啜る様な音が聞こえたような気がして、僕は少しだけ目を覚ました。 (後編へ続く)

(先行)上位種風俗で妖狐姉妹から極上マゾサービスを受ける話 前編

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