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ソーシャルゲーム案件の変化とキャラデザのコツ

今回は、2012年後頃からソーシャルゲームの案件をこなしてきたlackさんに案件の変化や選び方、キャラデザのコツなどを聞いていきたいと思います。



── lackさんは、元々ゲーム会社からソーシャルゲームが盛り上がってきたタイミングで転身したと以前の質問回答で回答しておられましたが、まだまだソーシャルゲームの案件は増えてるなと感じますか?



そうですね。僕はあまり関わってませんが、新しいソーシャルゲームはどんどん作られてますよね。また、中国や韓国など海外発のゲームの案件とかも出てきましたね。


── 海外の案件も受けたことがありますか?

話は来ますけど、やはり言語の壁がありますので難しいですよね。海外の案件の単価は高いのですが、まだまだ信用できない部分も多いという印象です。何回か受けましたが、途中で値切られることもありましたね・・・


── それはつらいですね。海外案件と日本のイラストレーターを上手く結び付けることができれば、日本のイラストレーターの海外進出にもつながる気がしますがどうでしょう?


向こうのゲーム会社がどれほど日本のイラストレーターを求めているかによりますけど、まぁ言語の壁を取り除いてくれる仲介業者は儲かりそうですよね(笑)


── 海外はまだまだこれからって感じですね。国内案件においても何か需要の変化みたいなのってありますか?


昔は差分イラスト案件が多かったですが、最近は減ってます。キャラクターのパーツを変更して第一段階〜第三段階までセットでいくらみたいなやつですね。


── それぞれの段階で別の人に頼むようになったという感じでしょうか?


というより、今まではキャラクターが進化段階ごとに微妙にパーツや色だけ変わるだけでしたが、最近はそれぞれ構図から描き直してより1人のキャラに注力するという風潮になってきた感じですね。


── ユーザーが微妙な変化だけでは満足できなくなった感じですかね?


確かにイラストを見る側が求めてないというのもあるでしょうね。それと、描く側が差分案件を受けなくなってきたというのもあるかもしれません。有名なイラストレーターは、差分イラストを嫌う傾向が強い気がしますね。


── なるほど。最近はソーシャルゲームのクオリティも上がってきたかと思うのですが、その辺も案件に影響与えたりするのでしょうか?


キャラクターがアニメーションするようになったので、設定画が必要になるリッチな案件が増えましたね。背面・前面・武器はこうゆう形というような資料ですね。


── 案件がリッチになったことで、イラストレーターに求められる能力は変わりましたか?


特に変化ないと思います。元々キャラデザの案件を受けれるような人は、キャラクターを魅力的にみせるコントラポストの概念はしっかり理解していると思うので、背面も問題なく描けると思います。



また、デザインする時は設定画のようなものは頭の中にあるはずなので、設定画にもお金を出してくれるほうがむしろ美味しいと思いますね。ただし、設定画をギャラなしで描かせる案件もあるのでその辺を受けた場合は別ですが。


── 求められる絵柄等は変化しましたか?


絵柄に関しては、パズドラやモンストのようにメインのイラストレーターがいて、その人の絵柄に合わせて描く案件も多くなってきましたよね。昔は単純に、有名なイラストレーターにバラバラにお願いする感じだったので、1枚1枚のクオリティは高いけど、ゲーム全体で見た時に統一感がありませんでした。



しかし、最近はメインのイラストレーターを置くことで、全体の絵柄を統一するゲームが増えてます。こうすることで、ゲームのクオリティが高く見えるんですよね。この辺は、コンシューマーゲームを意識しているように思えます。


── 絵柄を合わせる案件をこなすためには、◯◯風に描く練習とかが効果的なのでしょうか?


そういった案件を中心に受けて稼ぐというスタンスの人には効果的でしょうが、作家性が失われるので自分の名前を売っていきたいと考えている人にはおすすめできないですね。


── やはり絵柄を合わせる案件では、実名を公表できないものも多いのでしょうか?


案件によりますね。先程あげた例ですと、モンストは公表できませんが、パズドラはできます。実名を公表して次の仕事につなげたり、自分の画集にそのイラストを載せたいと考えている場合は、仕事を受ける時にしっかり契約書を確認しておきましょう。


── FGOのようにゲーム内で実名が紹介されている作品もありますが、業界的にイラストレーターの名前を公表していく流れに変わってきてるという感じでしょうか?


FGOは実名がゲーム内に出てるし、同人誌への掲載も許可されているので、ディライトワークスさんは、とても作家さんに気を遣ってくれる企業さんだなーと感じます。しかし、最近変わってきたかというと必ずしもそうではないと思いますね。それこそCygamesさんの神撃のバハムートは最初からできましたし。


── 案件を受ける際に気をつけていることはありますか?


私は、その仕事が自分にとってどういった利益を生むのかを考えて案件を受けています。自分の名前が公表できない案件の方で報酬がいいものもあるので、その場のお金が欲しい人はそういった案件を受けてもいいと思いますし、将来の仕事に繋がる案件だと思えば、多少安くても受ける。といったように、それぞれ判断して案件を選んでいくと良いのではないでしょうか。


── 目の前の利益を優先するか、将来への投資をするかという話ですね。


そのとおりです。


── 最後に、ソシャゲのキャラデザについても聞いていきたいのですが、案件の内容が変化しても、キャラデザをするうえで変わらず意識し続けていることはありますか?


一番意識しているのは、シルエットと色ですね。シルエットに関しては、黒く塗りつぶしたり、たくさんのキャラの中に混ざったりしてもそのキャラだということがわかるようなシルエットを意識しています。



色に関しては、普通の色合いすぎると印象に残らないので、かなりこだわって選んでいます。


── 要素ごとにもう少しお話いただけますか?


はい。まずはパーツですかね。ソーシャルゲームでは良く盛って描けと言われるので、豪華にエフェクトをちらしたり、大きなシルエットをしっかりとった上でその形の中で細かい装飾をつけたりしてシルエットの特徴付けと華美な装飾を両立させている感じです。



1枚絵の派手さも重要なので、彩度をガンガンに上げて、色の鮮烈さやコントラストを強調しています。また、画面から出てくるようなダイナミックな遠近感を意識して、物体やエフェクトを前面に配置し、奥から全面に出てくるイメージを心がけています。



最後に背景です。キャラクターと背景を同じぐらい描き込みすぎると、キャラクターが背景に埋没してしまうので、背景の描き込みは6割ぐらいを意識すると良いです。手を抜くのではなく、いい感じにするテクニックを磨いていきましょう。


── ありがとうございます!


こんな感じですかね。イラストレーターとして自分を起用しているというのは、自分の味が欲しいからだと思うのでそれに答えて独自性を出していくというスタンスが大切かなと思います。独自性があれば、ゲーム内で主要な位置づけのキャラや高レアリティの案件につながっていきますしね。





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