銀河の廃施設「アーカイブ」そこは宇宙最大級の禁断技術と危険生物が保管された、立入禁止の研究所だった。 ウルトラの母は、仲間のウルトラ戦士たちには知らせず、単独でこの施設に潜入していた。理由はただ一つ、失踪したウルトラマンケン(ウルトラの父)の手がかりがこの施設にあるという情報を受け取ったからだ。 だが、それは罠だった。 ウルトラの母は、未知の力場で体の自由を奪われ、拘束装置に固定されてしまう。彼女の目の前には緑色に輝く液体が満たされたタンク。そしてその中には、液状怪獣「ネメルス」がいた。 ネメルスは液体生命体であり、有機体の生命エネルギーを栄養源として成長する恐るべき存在だった。この施設で封印されていたが、老朽化により開放されていた。 拘束されたウルトラの母は、ゆっくりと下降していくプラットフォームの上で必死に抵抗するが、拘束具は超戦士の力でも解けない。科学特捜隊の支援も、M78星雲からの通信も妨害されていた。 ついに彼女の足先が緑色の液体に触れた瞬間、ネメルスは反応を示し、まるで獲物を歓迎するかのようにウルトラの母に抱きつき液体へ沈めてゆく。 最初は皮膚の上を滑るようだった。だが数分後、液体が彼女の繊維を溶かし、スーツ越しに内部のエネルギーへと侵食を始め、タンクの蓋がゆっくり閉じられていく。 数日後、ウルトラマンたちが廃施設を調査すると完全に密閉された蓋を空けると、そこから現れたのは、光を完全に失った一体のウルトラ戦士の亡骸だった。 身体には液状生命体に侵された痕跡が残っていた。 光の戦士たちの中でも、誰よりも優しく、誰よりも強かった母の姿が、すでに物言わぬ“遺体”として、そこにあった。