晴れて戦士として認められ、 男たちと共に狩りへ出かけられるようになった灯織。 女としての仕事も有るので狩りに出かける事は稀だったが、 灯織は自分の成長を感じ取れてとても充実していた。 しかし夫の心持は複雑なままだった。 灯織は純粋にただ食材調達を目的としているだけだったが、 狩りに同行する男たちの関心は別なところにあった。 所帯を持ち既に二児の母とはいえ、 灯織のまだ十代の瑞々しい肢体は狩りという危険な仕事で興奮している男たちの眼にはかなりの毒だった。 夫が灯織の狩りに同行していられる時は常に目を光らせておけるのだが、村の役割分担上それが叶わない時もある。 そんな時、夫は只管一日心を傷めて灯織の無事を祈っていた。 ある日の夕刻、灯織が男たちと共に狩りから帰ってくるとその日は別な仕事をしていた夫が、先に仕事を終えていたらしく村の入口で灯織を優しく迎え入れた。 「ただいま!」 灯織は小走りに夫へと駆け寄り厚い胸板へと飛び込んだ。 夫は優しくそれに応えしっかりと灯織を抱きしめた。 すると夫はそのまま灯織の腰からお尻を執拗に撫でまわし始めた。 夫がこうする時は決まってすぐしたい時。 灯織は夫の心中を察したが、少し疑問も感じた。 何故なら今はまだ夕刻だ。午睡の時間や夜の床ならば分かるが、 夫はいままでこんな時間に灯織を求める事など無かったのだ。 「ど、どうしたの?こんな時間から」 戸惑いながら夫に問いかけるが、夫は聞こえぬような素振りで灯織の抱えていた獲物を傍らの狩り仲間の男に渡し小声で何かしら囁いた。 仲間の男は微笑みながら何かを承諾した後、獲物を抱えて村の調理場へと去っていった。それを見送ると、夫は半ば強引に灯織を家の方へと手を引いた。 灯織は訳がわからず手を引かれるまま我が家へと歩を進めた。 家に入るとそこには夜床の用意がされていた。夜床とはいっても、族長より夫婦に下賜された漂流物である厚手のシーツが敷かれた簡素なものだったが。 「どうしたの?今日は何か変だよ?」 いつもと樣子が違う夫を気遣い灯織は心配そうに夫を覗き込む。 夫はそんな灯織をよそにいそいそと水の入った桶を用意しはじめた。 そして海綿を浸し徐に灯織の身体を洗い始める。 灯織は驚きながらも夫の気遣いと取りなすがままにされた。 すると夫は灯織ではなく、灯織に施された戦士の証である染料を洗い流し始めた。 「え?・・ちょ・・何?」 灯織は何がなんだか分からなくなり動搖した。 夫は灯織の染料を全て洗い流すと海綿を投げ捨て灯織を床へと押し倒した。そしていつにも増して熱いキスをする。 「んむ、んん・・!」 灯織が発声を封じられ困惑するのもどこ吹く風で、夫は灯織の身体をいつにも増して執拗に貪った。 たまらず灯織の秘所から蜜がいつも以上に溢れ出す。 灯織は今起こっている事態を飲み込めず只管戸惑うだけだったが、それとは裏腹に身体は恥ずかしくなるほど如実に反応していた。 「ん・・・あらた・・ど、どうひした・・の?」 絶えず背筋を駆け巡る快感に耐えながら、灯織は蕩ける声で夫に問うた。 「ヒオリ・・ヒオリ・・」 夫は灯織の声に反応せず無心に灯織を求めた。文字通り獣が獲物を喰らうかの如く灯織を力づくで押さえつけ己の欲望の捌け口として扱う。 最初こそ夫の態度に戸惑いを覚えていた灯織だったが、愛する夫に乱暴な愛情をぶつけられるといういつもとは違った行為に、心の奥底がとても満たされていた。 雌として、番の雄に蹂躙される悦び。夫の行動は謎のままだったが、灯織は夫が次に取る行動を今か今かと待ち焦がれるほどに未知の快楽の虜になってしまっていた。 「・・あ・・あなたぁ・・♡」 灯織は無意識に夫へ腕を伸ばし、懇願するような声で乞うた。 「ヒオリ!!」 夫はその声に脳の奧にある本能を刺激されたが如く、灯織を抱えうつぶせにさせた。そして灯織の上にのしかかり乱暴に己の陰茎を妻の秘所へと挿し込んだ。 「んくっ・・♡」 灯織は途端に軽度の絶頂を迎えてしまった。 それに伴い母乳が滴り始める。 背後から押さえつけられ、雄に征服されるという未知の悦び。 灯織は自ら四つん這いになり、夫をより受け入れられ易いように下半身を高く差し向ける。夫は呼応するように己をより深く妻に沈める。 次第に二人は言葉を忘れた獣のように激しく交わる。 「あっ♡あっ♡あ♡あなた♡」 灯織はたまらず破れんばかりに敷かれたシーツを握りしめた。 「ヒオリ!ヒオリ!ヒオリ!!」 灯織のなかで増した夫の猛りが、灯織に絶頂を迎える寸前である事を伝えた。それを受けて灯織は自身も絶頂に備えた。 「・・ヒオッ・・リッ!!!」 直後、灯織の内部に灼け付くような熱いものが大量に叩き込まれる。 「あひいいいい!!!」 灯織は母乳を撒き散らしながら、陸に上がった魚のようにのたうった。そして脳の奥がショートしたようなチカチカとする光を帯びた快感を全身に浴びながら絶頂を迎え夫と共に果てた。 夫婦無言でいつもより長い絶頂後の余韻に浸り切った後、なにげに落ち着かない雰囲気のなかで夫が口を開いた。 「ヒオリ、スマナイ。オレ、フアンダッタ。」 「え?」 驚きの声で灯織が反応すると、夫はばつが悪そうに眼を逸らして話を続けた。 どうやら夫は灯織が他の男たちと狩りに出かけている時、とても不安だったとのことだった。 他の屈強な男たちが、夫不在の環境下で灯織の魅力にあてられて関係を持ってしまうのではないか。自分不在では灯織を護れない。ならば灯織に戦士として行動する事を止めて貰う他ない。そして自分の男としての魅力をもっと知ってもらいたい。 夫が取った一連のちぐはぐな行動は、こういった思考に基づくものだったらしい。それを聞いて灯織はクスっと笑ってしまった。 「ヒオリ?」 夫が心配そうな顔で灯織を覗き込む。その顏はどこか悪いことをしてしまった子供が親の顔色を窺うかの様で、灯織はそんな夫の不器用な純真さに改めて惹かれた。 「分かったよ。」 灯織はそっと夫の頬を撫でた。 「でも自分での食材調達は諦めたくない。だから狩りはあなたが同伴してくれる時だけにする。それでいい?」 灯織が優しく夫に話しかける。夫は幾ばくか安心したような顔を灯織に向け、何か話そうとするのを敢えて遮り灯織が続ける。 「それにね、どんなことが有ってもあなた以外と関係を持つことは無いから安心して。そしてこれからどんなことがあっても夫はあなただけ。」 灯織は頬を撫でる手をそっと夫の首に回し、優しく口づけをした。
囚人六号
2022-11-23 07:17:44 +0000 UTC中将
2022-11-23 02:50:35 +0000 UTC