灯織は夫といつもの泉に向かっていた。 灯織の身体は二人の愛で満たされており、その結晶は日々大きく育っていた。新たな命が誕生するのもそう遠くはないだろう。 先日まで出産に対する期待と不安が入り混じる日々を送っていたが、今ではそれもすっかり払拭されている。そればかりか心の底が熱く満たされていた。灯織は夫より初めて贈られた首飾りを愛おしげに撫でた。村の風習として妻が身に付ける装飾品は、夫である男が素材を採取、加工して妻に贈ることになっていた。そしてその素材採取が危険を伴うものであればあるほど装飾品としても夫としても素晴らしいものとされた。首飾りもそんな風習の下、夫が数日かけて危険を冒し山に登り採取してきた稀少な石を加工して作られていた。夫が採取より帰還した時は結構な傷を負っており、その過酷さが窺えたほどだった。 夫が帰還して数日後、灯織が村の仕事を終えると夫が水浴びをしに泉に行こうと声を掛けてきた。「泉に行く」という言葉は同時に逢瀬を意味していたので、灯織は少し赤くなりながら頷いた。 泉へ向かう途中、ふと夫が灯織の後ろに回り込んだ。灯織が不思議に思うとその首元に何かが掛けられた。それは夫が採取してきた石を加工して作られた首飾りだった。一見水晶のようなその石は、不思議な光を放ち灯織の首元を彩った。灯織は驚きと喜びを隠せず見開いた眼で夫の顔を見た。夫は無邪気に笑い照れ顔を背けた。そして照れ隠しからか「さあ行こう!」と灯織を泉へと促し歩き始めた。灯織は少し遅れて夫に追いつき、その手をしっかりと握りしめ愛と感謝の言葉を告げた。その言葉に反応したのか灯織がふと夫の下腹部を見やるとそれは大きく天を見上げていた。それを見た灯織もたまらなくなり、己の胸と下腹部が反応し始めたのが分かった。 泉に着くと水浴びもそこそこに二人は愛を確かめ合った。