XaiJu
prisoner-no6
prisoner-no6

fanbox


新しい夜明け

酷く混濁した意識を振り解き起き上がった。 頭と身体が痛む。何日も眠っていたような気分だった。 自分はいったい何をしているのか。 少しずつ縺れた記憶を解きほぐす。 突然舞い込んだ海外ロケ、めぐる、灯織と共に心を躍らせながら機上の人となり興奮で落ち着かない時間の最中、それは起こった。突然の振動、激しく揺れる機体、散乱する荷物、放り出される乗客、突然の恐怖に身体が動かないまま遠のく意識、最後に覚えているのは二人の手をしっかりと握っていた事。 どれくらい経ったか、気が付くと誰かに抱きかかえられていた。眼をこらし確認しようと努めるも、身体の彼方此方が酷く痛み程なくして再び意識を失った。 再び気が付くと何処かの小屋に横たわっていた。そして傍らにいた肌の浅黒い男が覗き込んでいた。どうやら彼が救助し介抱してくれたらしい。よく見ると彼は殆ど裸だった。 そして全身に不思議な模樣の刺青を施していた。 痛みと困惑をこらえ、掠れた声で礼を述べた。しかし返って来たのは知らない言語だった。何語なのかもわからない。知識を絞り出し英単語を連ねてみるも、全く理解されない。ひどく困惑した。聞きたい事はやまほど有る。飛行機はどうなったのか、ここはどこなのか、ほかの人々はどうなったのか、何より大切な二人の友達はどうなったのか。混濁する意識から呂律のまわらない言葉で質問を繰り出すも、男は困った表情をするばかり。突然ボロボロと涙が溢れてきた。それを見て男は困惑して身振り手振りで意思疎通を図ろうとしてきた。どうやら休めといっているらしい。現状どうしようもない。半ば放心状態のまま彼に従う事にして、その後は倒れるように眠りについた。 それから何日かが過ぎた。 そこはどこかの村のようだった。数十人の村人が殆ど裸の状態で文明とは程遠い原始生活を営んでいた。そこで村の女性たちに手当と身の回りの世話をしてもらいながら傷を癒す生活をしていた。助けを呼びにいこうにも言葉が通じないし、怪我をしていてはどうしようもない。助けを呼んでくれと身振り手振りで伝えるも、「わかったわかった」と言わんばかりになだめられるだけだった。せめてめぐると灯織だけでも探しにいきたい。そして動ける程度に回復したら礼を述べて村を出る決意をした。 村に来てどれほど経っただろうか。傷は行動するぶんにはすっかり癒え、助けてくれた男に身振り手振りと滞在中覚えた片言の言葉で村を出る意思を伝えようとした。 すると男は顔を見るなり何かしら伝えてきた。朧げな意思疎通の末、どうやら儀式というか祭りがおこなわれるらしい。その主賓が自分だと云っているようだ。そう伝えてくる男はとても嬉しそうだ。そんな男をみていると村を出るとは言いづらくなったので、祭りが終わってから伝えようと考えなおした。 そして満月の夜、祭りが盛大に執り行われた。裸同然の男たちが篝火を派手に焚き、舞い踊った。長く滞在していたのである程度男性の裸には抵抗が付いてはいたが、祭りで興奮状態に陷った男たちの股間はいきり立っていた。さすがにそれには赤面して顔を伏せた。 村に着いてからというもの、村人たちからしきりに今着ている衣服を脱いでしまえと言わんばかりに引っ張られたりもした。さすがにそれだけはと死守していたので、着ている衣服はもうボロボロだった。衣服を捨てるということは文明を捨てる事に等しい。それだけは避けたかった。 宴も酣になった頃、呪い師のような老人が杯を進めてきた。 匂いからしてお酒のようだ。自分は未成年だという今更な考えが頭を過ったが、雰囲気を壊したくなかったのでそれを飲み干した。 するとしばらくして視界が歪み始めた。俗にいう酩酊状態なのだろうかと思いながら程なくして意識を失った。 どれくらい経っただろうか。どこかに横たわっていた。 頭と身体が痛む。様々な違和感を覚える。 違和感の正体を一つ一つ探る。 どうやら裸のようだ。 全身がじんじんと痛む。腫れている感覚に近い。 身体中に粘液が塗られている。怪我をしたときに呪い師に塗られた薬のようだ。 もう一つの違和感。 身体中に施されたモノ。 どこかで見た模樣。 村の住人が皆身体に施しているモノ。 「なに・・・・・・これ・・・・・・」

新しい夜明け 新しい夜明け

More Creators