【全体公開版】スケベスキルで世界最強~やっぱ最強はちんぽっしょ!!~ 13
Added 2022-02-23 07:52:18 +0000 UTC時間はおれがフォグたちと合流する少し前。
コハク王子の内面を聞いたおれは、一筋の希望を見出した。
ひょっとしてだけど。
おれは何となく思った。
コハク王子の鬱屈とした心情が吐露された日。目の前で暗澹とした感情にむしばまれた黄金の龍を、なんとか救いたいと思ってしまったんだ。
本人が言うには自分は臆病で、玉座に座る器ではないという。
でも、他のみんなはそう思っていない。だって、ノインたちが危険を冒してまで仕えているし、少し接したおれにだってわかることだ。
だから、この人を玉座に据えるのが一番いいんだ。
それはきっと、ジェルのためにもなる。
集落すべての雄を犯したせいで、ここにはおれと王子の二人だけ。簡素な家の中で、外界から隔離された雰囲気は重い。
いびつな笑みを浮かべて壊されることを待つ龍に、おれは口を開いた。
「もしかして、コハク王子は――――」
あれだけ壊れたがっていたのに、犯される順番を最後に回した龍。最後の最後におれを怒らせようとネタ晴らしをした龍。
たぶん、だけど。確証なんてないけど。
おれは、コハク王子を信じることにした。
「ジェルを助けたいんじゃないか?」
「何を言うかと思えば。なあ君、これから壊れゆく私が、どうしてそのような心配をしなくてはならないんだい? 確かにジェルは私のいとこだが、こんなところにいる私に何ができる?」
「…………王子は、王宮への道を知っている」
考えろ考えろ考えろ。王子はノインの『卵生』でたびたび王宮へ足を運んでいた。だから、ジェルをとらえる策略をずっと前から知っていたはずなんだ。
それなのに、何もしないなんてことある? おれがこの集落に来るかわからないのに。フォグの『疑似人格』がいつ起動するかもわからないのに。
「だから、なにか、策を作っておいたはずなんだ」
「君、それは過大評価というものだ。私が一番恐れるもの。君が思うほど、私は優秀ではないのだよ」
「ちがう。王子のそれは過小評価だ。王子はいつだっておびえているから、手を尽くさないと安心できないはずなんだ。臆病なら、自分の身を守る策はいつだって持っておきたいよね」
「……」
だから絶対、王子は何かを仕掛けているはず。フォグの『疑似人格』に割り込んだように、きっと、何かを。
それがわからないと、王子は力を貸してくれないだろう。自分を篭絡させたらすべてを明るみに出すようにしているはず。そうでなければ、交渉はできない。
考えろ。王子は、この臆病な龍はどうしたら安心できる。
「たとえ淫乱になってすべてがどうでもよくなっても、王子は安心できない。おれの行動一つで、負けるかもしれないから。そしてそれは集落のみんなを危険にさらすことだから」
自分が象徴にならないとこの集落の民が不安になるからと、無理をし続けてきた王子だ。なにか、おれを動かすための策がある。あるはずなんだけどぉ……。
「えーと、そのぉ……」
「はあ、一つ聞こうか」
おれから手を出す気がないと分かれば、嘆息と共に龍が言葉を紡ぐ。
「なぜそこまで私を信頼できる。私は、君にすべての責任を負わせて投げ出そうとしている最低なやつだぞ」
「……これは本当に、勘なんだけど。王子は、いい人じゃん」
グリッジみたいにジェルをはめないし、集落のためにと身を粉にして笑顔に勤めていた。集落を掌握するように提案したのだって、無謀な革命で命を散らさないようにするためだって、もうおれにだってわかってる。おれが調教でもしない限り、ウィザロンたちは確かに止まれなかっただろう。
王子は、やさしすぎるんだ。
「そんなことはないさ。私は、王としての責任をとれないことを知っているだけ。今更私が玉座を望めば、その混乱は民への負担となる。その負担を解消できるだけの自信がない、ただの臆病者なのだよ」
「そこまで民のことを考えてる人がやさしくないわけないと思うんだけど……」
「やさしいだけでは国はまわっていかぬよ」
でもグリッジよりずっといいと思うんだよなぁ。
私怨のために大がかりなジェル処刑計画を立てるグリッジが政権を握るより絶対いいよ。
グリッジがいなければもうちょっと平和なのに……ん?
「あれ、王子、あの、ひょっとして……グリッジを暗殺しようとしてます?」
「さあどうだろうな。私にそんな大それたことができるのかどうか」
あ、これは狙ってますわ。そうだよね、グリッジさえいなくなれば王子は安泰だし、ジェルの処刑も止まるもんね。そりゃ殺しちゃうよね。ここ中世ファンタジーの世界だし、そういうのありよりのありだったわ。失念してた。
そもそも『疑似人格』に割り込めるくらい侵入できるのなら、グリッジの忠臣を洗脳することだってできるよね。ノインには『刷り込み』のスキルがあるし。
できるわ。暗殺。うわまじだこれ。
おれの視線に脅えがあることを見抜いたのか、龍は肩をすくめた。
「な、やさしいわけないだろう?」
「えー、それはできればやめてもらえると嬉しいなぁ。いくら仲は良くないとはいえ、フォグが悲しむ」
「やさしいことを言うね。グリッジさえいなくなればジェルも解放され、私を玉座に着ける理由はなくなるのだが。まあ、すでにゴライザが反旗を翻した手前、私を玉座に据えるのが一番丸く収まるのは確かだ。君の話を聞けば、あの狂犬は玉座など狙っていないようだからね。それでも暗殺を止めたくば、私を篭絡するしかないなぁ。ふふふ、私の口は硬いぞ。マンコはゆるゆるだがな❤」
結局王子を落とす目的が一つ増えただけだわこれ!
あとなんか聞き捨てならないこと言ってなかった?! ゴライザどうした?!
どーしよっかな。聞きたいことが増えたぞ。
反乱するなら頭がいるから、情報を抜く目的で洗脳してもいい。いくらしつけたウィザロンたちとはいえ、王子以外をトップにしたらおれが殺される。ちんぽ狂いにしないんだったらこれでもいいんだよな。責任を感じなくてよくなるから、王子もそれでいいんだろう。洗脳かちんぽ狂いかの二択か? これしかない?
あー積んでるー。確実に積んでる。そりゃ準備期間が違うんだから、いまさら王子の策をどうこうとかできないって。おれはリブラやフォグと違って、策士とかじゃないんだからさぁ。
「わかっただろう? 君には、私を屈服させるしか道はないんだ。そうしないと、時間だけが過ぎてしまう」
「あーとその、王子、お願いなので、玉座についてくれませんかね……?」
「策が効かぬと分かったとたんに素直になる君は嫌いではないが、そうしてほしいのなら、わかっていよう?」
黄金の風格が距離を詰め、おれに笑いかける。
肩の荷が下りたかのような笑みを前に、何もできない。
やっぱりおれにはエロスキルしかないから……っ!
異世界の策事とかさっぱりなのはしょうがないけど、悲しいし無力だ。
とか思って悲嘆にくれていたら、聞きなれた声が王子を止めた。
「――――ほんっとにお前はエロ以外ダメだな」
笑いながら、青い体がおれに並んだ。性の匂いは濃かったが、隆々としたヤードがそばにいれば、それだけで安心感が芽生えた。
「ヤード、体はもういいの?」
確か、かなり調子に乗って集落全部の大乱交だったはずだけど。
「あ? 別にあんなもんたいしたことじゃねえよ。あの程度のプレイはずっとしてきただろうが」
集落全員での大乱交をあの程度と言い切った淫乱サメ。普段そんなハードな事させてたかな……。
「さて、ちょっと様子見させてもらったが、ずいぶん焦ってるみたいじゃねえか王子様?」
凶悪に口角をゆがめれば、牙が武骨に光る。上位階級に全くものおじしないのは、おれの周りではヤードかリブラくらいだろう。
「焦っている? おかしなことを言うね。私の勝ちは確定しているようなものじゃないか」
「まあ確かに、グリッジの命を握って、町に戻るためのスキルは封印して、こいつを無駄に怒らせて視野を狭くした。順調だよなぁ。こいつのお人好しを利用して、自分だけ楽しようとするのはいい気分か王子様」
なんか怒ってない君? なんで?
「お人好しなお前のことだから、このまま王子を調教したら救えなかったとかなんとか自己嫌悪になって、この集落のやつらの面倒見るだろ。それこそ王子様の思惑通りにな。んで、そのころにはグリッジも死んでて、ジェル様も解放されて、残ったのはちんぽのことだけを考えていればいい生活。地位とか名誉とか何も気にせず、好き勝手出来る生活だ」
それこそコハク王子が望んだ未来じゃないか!
「そういうこと。さっきの慟哭は本心だろうが、お前から同情を引くって目的もあったんだろうな。罪悪感を高めて自身の待遇をよくすることが目的だな。さすが貴族共の頂点ともなると、汚さも人一倍だ」
吐き捨てながら黄金の龍をにらみつけると、朗らかな笑顔が返される。でもそれが表面上だけだということも、おれらは知っている。
「んで、王子様にとっちゃここが最後の詰めだ。だからこいつを怒らせるようなことを言ったんだよな。そういうときはたいてい、気づかれちゃまずいことがあるんだよ」
「それなに?」
「少しは自分で考えろよ……まあいいけど。お前、この集落を掌握したよな。つまり、王子に対して人質を持ってるも同義じゃね?」
「あー……確かに」
現代人に人質という文化がなじみないせいで、まったく思いつかなかった。
「襲ってもらうはずなのに、逆に人質をちらつかせて来られると王子は困るんだよ。だからジェル様の件を秘密にしてたんだ。お前が絶対怒ると思ってな」
なんか話を聞けば納得してしまった。けど、ヤードってこんなに賢かったっけ。普段の策事をフォグとかリブラが担当していたせいで、あんまりそういう印象がなかった。
「なのなぁ。これでも平民の出で『竜の爪』まで入った男だぞおれは。座学も一通りできなきゃ無理に決まってんだろうが」
「ごもっともだ……」
本当に言われればその通りすぎる。王様直属のめちゃくちゃえらい騎士団だったわ。
成り上がりという意味では主人公感ある男。それがヤードだった。本人が生まれに対するコンプレックスありありだから気づきにくいが、優秀な人材なんだよな。
「さて、追い詰めたかと思ったが、実は追い詰められてたのは王子の方だってことだ。なら、後は簡単だ。お前が命令すればいい。玉座に着けと。それで解決できるだろ」
「え、でも、そんな簡単に聞いてくれないでしょ」
「お前も責任を押し付けたいってとこまでわかってただろ。こいつはな、大義名分が欲しいだけなんだよ。自分から集落のやつらを手放せないからお前に頼った。そんで次は脅されて仕方なく玉座についた。っは、臆病者もここまでくると立派だわ。なにせ、責任を誰かに押し付けることしか考えてねえんだから」
「えぇ……本当に……?」
確かに臆病だとは思ってたけど、ここまで徹底する?
「貴族なんてそんなもんだろ。自分の地位を守るために、逃げ道を用意しておくもんだ。こいつは、それが飛び切り上手なだけ。それだけの男さ」
「あれ、それって結局どっちに転んでもいいのでは……」
「だろうな。王子からしたら、ちんぽ狂いになってハッピーになっても、洗脳でも恐喝でもされてお前に全責任を押し付けても、どっちでもよかったんだろうとも。自分を守れる何かがある、これだけで動けるんだよこいつは」
つまり、もともと王子の提案に乗ったときから勝ちが決まっていたと?
えげつねぇ……。
「わりぃ。おれももっと早く気付けてればよかったんだが、さっきの会話でようやく察したんだ。んで、こいつはお前の発言に責任を取らせて、異世界人を手元に置いておくっていう状況も作ったわけ。さすがにここまで玉座に着けって言って、逃げるとかできないだろお前」
「確かに無理です……」
「ちんぽ狂いになってすべてを忘れる。それができなければ最強の異世界人を手元に置いたうえで玉座につく。二段構えの策だったんだよ。んで、どっちでもよかったんだこいつは」
「質が悪すぎる……」
しかも政敵であるグリッジは暗殺されてるだろうし。敵はいなくなる。隠れ里にいる王子が疑われる理由もなく、堂々と玉座に座れるわけだ。
いや、まーじでどこまで考えてんだこいつ。
「過大評価だよ。さすがにそこまでは考えてなかった。ただ、落ちるのが無理なら上がるしかないなって思っただけで。私としては、落ちたほうが楽なのだがねぇ。どうやらそれは無理そうだ」
ふぅと、軽くため息をついた龍は覚悟を決めたように前を向いた。仮面の笑みを外した相貌は精悍であり、思わず背筋が伸びる風格すら漂っている。
「なら、君のお望み通り、私は玉座を目指そう。このような臆病者を祭り上げる人の気持ちなど理解できぬが、乞われたことはやってみせようじゃないか」
それでも口角を上げたその顔はいつも通りの変わらないやさしさを持っていて、赤いたてがみを揺らす。黄金の龍がおれに焦点を合わせながら近づいて、ささやくように誘った。
「それでは、君、今度こそ私とセックスをしてくれるね?」
「……は? いや、それはもういいんじゃない。だって、もう王子の策はなったしさ」
性狂いにおれがさせないのだから、そんなことをする意味がなくない?
「ふうむ、少し勘違いしているようだが……」
にんまりと瞳が弧を描く。それはだれがどう見ても好き者の顔で、淫乱な雄そのもの。
童貞処女を守り続けた龍の王子さまは鍛えた体を差し出して、熱い吐息と共に言った。
「――――私はなにがあっても、君とセックスをするつもりだったのだよ」
****
「あ、あの、それではよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。なにぶん初めて故、勝手がわからぬ。好きにむさぼってよいぞ」
「はぁ……?」
と言われましても、だ。改めて何だこの状況。
部屋にはおれとコハク王子の二人だけで、全裸。もうやることと言ったらセックスしかない。ベッドに腰かけたおれの隣に、王子はそっと寄り添っている。
ヤードはしぶしぶ離れてくれて、今は何が起こってもいいように部屋の前で待機している。
コハク王子の体はしっかりと筋肉のついた金塊だ。内皮こそクリーム色が興奮で朱を散らしているが、鱗は威光豊かな黄金。しかも丁寧に扱われてきたせいか、わずかな光でもつややかに反射している。
たてがみだけでなく、胸や股間には真っ赤な毛が生い茂り、それが雄々しさを醸し出している。これがなければ、コハク王子は本当に芸術品かと見まごうばかりだ。
「コハク王子、本当にいいんだな」
「よい、と何度も言っているだろう。あと、そろそろ王子はやめてくれると嬉しい」
「え、じゃあ、王?」
「じゃなくて、コハクでいいと言っているんだ。なにせ君は、私の初めての人だからな」
「別におれじゃなくてもとは思うけどねぇ」
性狂いにしないのなら、おれである必要はない。それでも、コハクはおれを指名したのだ。
「……この集落で、気楽に接することができるのは君くらいだ。他の連中でも初めてはできるだろうが、息が詰まる」
「そっか」
そこまで言うのだ、男として一肌脱ぎましょう。すでに全裸だが。
決意を固めていると、尻尾がおれに巻き付いてきた。そのまま肩を寄せられ、互いの体温を交換するだけの時間が流れていく。
「すまなかった。今更こんなことを言っても詮無きことだと分かっているが」
「別にいいよ。コハクも大変だったんだろうし」
「それで済ますか。お人好しだな君は」
なんて言われるけれど、おれとしてはジェルを助けるのは確定事項なので、コハク王子がいてもいなくても、することは変わらなかった。いてくれたらうれしいのは確か。
「おれはいいんだけどさ。ウィザロンとかは大変かもね」
「あれは別にいい。反乱の亡霊のようなウィザロンに愛を教えてくれて、逆に感謝しているくらいだ。あの堅物は剣を握る以外にできることがないんだ。新たな楽しみを見つけられたのなら、それもよいだろう」
「ちんぽ狂いなんだけど……いいの?」
「私の部下なのだから、ちんぽ狂いでも問題ない」
「生粋かよぉ」
隣で聞こえるコハクの心音はとても落ち着いている。目指していたセックスだというのに、興奮していないのだろうか。
「私は今、ホッとしている」
ゆっくりとした心音に合わせて、龍が口を開く。
「ようやく、逃げることを考えてなくてよくなった。どうすればウィザロンたちの要求をかわせるかなんて、頭を悩ませる必要もない。今、私の道は決められているのだ」
「……あのさ、もしかして、王になりたかった?」
「そういうわけではない。ただ、いつかはやらねばならぬ日が、今日来ただけのこと。君が来なくとも、ウィザロンからの要求に屈した私は、いずれ反旗を翻していただろうからな」
「嫌なら言えばいいのに」
「言えぬよ。私のために、家も家族も置いてついてきた連中だ。その希望を折ることなど、誰ができる。少なくとも、私には無理だ」
「やっぱり優しいじゃん」
龍の手がおれを後ろに引けば、二人してベッドに倒れこむ。向かい合ったコハクの顔は薄く微笑んでいて、心の底から安心しているのがわかる。
「覚悟を決めるべきだと思ったんだ」
硬い指がおれの頬を軽く押す。
「ジェルがとらわれたと聞いて、ウィザロンは限界だった。アーミライト家の援護がなければ反乱などただの夢物語だろうからな。そして、君が何を選んでどちらに転ぶにせよ、私に玉座を求めるだろうこともわかった。どうせゴライザの挙兵があった時点で、我らが決起するタイミングも今しかないのだから」
ちんぽ狂いになっていようが、脅されていようが、その結果は変わらない。ただ、国のことを考える必要があるかないかだけ。
「最初は、本当にただウィザロンたちに反乱をあきらめさせるために君を呼んだのだが、今は事情が変わった。いくら君が調教したとて日が浅い。彼らの中には、まだ反乱への気概が残っていた」
「それでグリッジを暗殺することにしたと」
「王宮にいるノインに頼んである。止めるならまだ間に合うだろう。しかし、ここから王宮への隠し通路を通っていけばノインに会えるだろうが、この集落全員でいくのはさすがに無謀だ」
「じゃあそれはヤードかウィザロンに頼むのがいいかもね」
豊かなたてがみに手を突っ込めば、思ったよりさらさらした感触が出迎えてくれた。光沢もある赤色は丁寧に扱われてきた証拠だ。
そのまま長いマズルを触っていけば、龍の鼻面が掌に押し付けられる。
「私は、本当にどちらでもよかったんだ。責任を押し付けさえできればな」
「……でも王子は」
「コハク」
「コハクは、どちらかと言えば、背中を押してほしかっただけなんじゃないかな。多分、おれが調教しないほうに賭けたんじゃない?」
「お人好しもそこまでくると大概だぞ。詐欺などには十分気をつけよ」
「だって……」
だっておれはコハクを信じることにしたから。
ジェルを救いたいんだって、そう願っているはずだって信じた。
それは、おれが最初に言ったはずだ。
「そうだな……君をはじめてに選べてよかった」
コハクはおれを抱き寄せて、大きな体ですっぽりと包み込んだ。茂った胸毛の奥、さわやかな芳香では隠し切れない雄の興奮をおれに知らせて、股間をすり寄せる。
先ほどまでしっかり閉じていたスリットからは、雄々しい一物が勃起していた。
「そろそろ進まぬか、君。私は我慢が効かなくなってしまった」
「わかった」
腰をゆすり、濡れだしたちんぽをおれにこすりながら龍はねだる。もどかしさに息が荒くなり、熱を孕んだ風が後頭部に当たる。抱き寄せる腕は硬くなり、だんだんと腰つきが大きくなっていった。
「んはぁ❤なあ君、君よ。私のちんぽを触ってくれないか?」
「じゃあ離してくれると楽なんだけど」
「ああ、すまない。やはり緊張しているようだ」
おれを解放したコハクは仰向けに寝転び、すべてをさらけ出す。きれいな色をしたちんぽはとめどなく汁を垂らしており、淫靡に光っていた。巨根ではあるが、まっすぐ伸びたきれいなちんぽだ。亀頭の開きもバランスいいし、この人はまさに全身が芸術品なんだな。
「んっふふ❤じっと見つめてどうしたというのだ。もしや、私に見ほれたか?」
「まあ、ちょっと」
「かわいい奴め。この穢れを知らぬ体を、君の好きにしていいんだぞ。私を立派でエッチなお兄さんにしてくれ」
すでにエッチというかど淫乱って感じなんですけどね。
でも言葉こそは淫乱だが、おれを見る目からは緊張を隠しきれてないし、顔だって真っ赤だ。ひょっとして、この余裕ぶった感じも臆病の表れなのかな。
「怖かったら言ってね。スキルを使えば感度だって上げられるし、痛みもないから」
「……正直に言うと、ちょっと怖い」
「だよねー」
「笑うな。初めてなのだぞ。初めてはやはり痛いと聞くし、いくら君が相手とはいえ、どうしてもな」
「何かスキルでも使う?」
「まだよい。あまりに気持ち良すぎて君を感じる余裕がないのはもったいないであろう。だから――」
こちらを見て、気丈を取り繕った笑顔を。
すでに涙目で真っ赤になっている龍が笑うのは怖さをごまかすためじゃない。おれを信じて、気遣ってくれているからだ。
その気持ちが、とてもうれしかった。
「――――やさしく抱いてくれ」
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