【全体公開版】スケベスキルで世界最強~やっぱ最強はちんぽっしょ!!~7
Added 2020-05-29 13:19:52 +0000 UTC「――――ジェルがこの街に来てるって??!!」
明らかにこれからやばいことになるなという前ぶれを受け取った昼下がり、おれは思いっきり立ち上がった。
ちんぽを咥えていたゴライザに引っ掛かり、ブルンと汁を飛ばしながら揺れたが。そんなことにかまってはいられなかった。
何かの間違いだと言ってほしくて、おれはフォグに恐る恐る確認してみた。
「間違いないの、それ?」
「残念ながら。ヤードのパーティメンバーが町で見かけたようだ。そこからヤード本人も確認してるし、間違いない」
「そっかぁ……」
どっと脱力したおれは倒れるように椅子に座る。またぐらに顔をうずめるゴライザが慰めるように舐めてくれる感覚だけが今の救いだ。
情報収集とかいう完全にコンプリートしたミッションを引きずって娼館で利益を上げているなんてことがばれたら、さすがのジェルでも怒ると思う。
フォグもそれを感じているのか、報告する言葉は重い。
「ジェル様はものすごく優しいが、真面目だからな。特に、お前をこんなふしだらなところで働かせているとばれたら、絶対落胆される。言葉には出さないだろうが、あの御方の尻尾が悲し気にしおれているのを想像するだけおれは……!」
絶望に声を戦慄かせて顔面を覆い始めたフォグ。ジェル大好きと公言するこの熊からしたら、信頼を損ねることなどあってはならないんだろう。
まあそれはおれも同じなんだが。ジェルに嫌われたら生きていけない。
「というわけで、これからお昼ご飯はジェル様と取ることになったからよろしくな」
「待って展開が急すぎる」
心の準備すらまだ出来てないんだぞおれは。なんでそんな話になってるんだ。
「確認しに行ったヤードが即座にばれたからしょうがないだろ。おれだってカモフラージュの用意くらいしたかったわ! 人混みの上、だいぶ距離を置いていたのに、それでもばれたんだから恐ろしい……」
戦力的には十分チートな域に入るとはいえ、今はとてもまずい。
「ヤードがなんやかんやと理由をつけて、ジェル様をお店で待たせている。時間を稼いでいるうちに、娼館からは出るぞ。速やかにだ」
「オーケー、フォグ。それじゃあ前に決めた設定通りに行こう」
「ああ、ジェル様の信頼を損ねることだけはあってはならないからな。しくじるなよ」
「もちろんそのつもり」
心配性なジェルのことだから、ひょっとしたらとは思っていた。
だから、もしもの時に備えた作戦を準備、というか言い訳はしっかり準備してあるんだ。
ああでも、ばれたらどうしよう。おれのスキルがこんなものだってばれたら、ものすごく困るし、ジェルを失望させるかもしれない。
「そうなったらここに住めばいいぞご主人❤何があっても俺が守ってやるから❤」
「ありがとうゴライザ……」
すっかり萎えてしまったちんぽに頬ずりをかますこの強面でデカブツな狂犬の慰めが染みる。
よし、と自分に喝を入れて、おれらはジェルに会いに行く。
不安はあるけれど、久しぶりのジェルなのだ。やっぱりどうしても気持ちは弾んでしまうよな。
浮かれていたおれは全く気付かなかったが、足元でゴライザが不敵に笑う。
ぎらついた眼光は狂犬が落ちぶれていないことを示しており、獲物を見つけた輝きに満ちていた。それは戦場で名をはせた『鉄塊拳』であり、荒々しい武人そのもの。
そしておれは、そのことについて最後まで気づくことはないのだった。
****
「すまないな。私のわがままで来てもらって。やはり定時連絡だけではどうしても不安で」
飲食店の一角で、ジェルは申し訳なさそうに眉を下げた。
久しぶりのジェルは何も変わらず、優しそうな顔も、逞しい体躯も、人を落ち着かせる声も。おれの知るままのジェルだった。
一応国の重鎮なので最低限の変装として、眼鏡とキャスケットをしている。温和な雰囲気にものすごく似合っていて、最初見た時なんかフォグが勃起しながら鼻血を出していた。まじで気持ち悪かった。
フォグとヤードも一緒にテーブルを囲み、豪勢な料理がいくつも運ばれてくる。すっかり異世界慣れした嗅覚が、これは美味しいものだと欲望を刺激し始めた。
「だからせめて、ここはおごらせてほしい。みんなの元気な顔が見れて嬉しいよ」
「おれも、ジェル様に会えて……本当に、本当に嬉しいです! ジェル様の居ない日常はまるで太陽が隠れた曇天のようで、おれはもう、光合成もできずにしおれる若葉そのものでした!」
相変わらずジェルの前だとフォグの気持ち悪さがやばいな。でもそれも日常なのか、ヤードは気にせず料理に手を付けている。こんなのが日常なのは大丈夫なのか副団長。
それでもしっかりと意見が言えるのは常識人枠のヤードだ。フォグはジェルを前にすると、常識とか飛んでいくしな。それも久しぶりということもあって、普段の数倍気持ち悪い。
「おごってもらえて嬉しいですけど、国の仕事は大丈夫なんですかね。いくらジェル様とはいえ、ここまで来るのは時間がかかるじゃないですか」
「ああ、実は遠征で魔物討伐の予定が入っていたのだが、ここに来るために頑張って早寝早起きをして予定時刻よりずっと前に片づけたから問題ないよ」
「……つまり、遠征の予定地にいた魔物を一人で倒して、その足でここまで来たってことですか?」
「うん、そうだね。竜の爪の皆には目的地までの道中にわく魔物掃除をお願いしている。簡単な遠足みたいなものだね」
部隊が必要な仕事を一人でこなして、この町まで駆け付けたと。
相変わらず規格外すぎる。ヤードも食べる手を止めて、嘆息しながら手で目を抑えてしまった。まあ気持ちはわかるけど。
「そりゃ討伐目標がいない遠征なんてあいつらにとっちゃ朝飯前でしょうけどさ……。ちなみに、その目的地ってここと近かったんですか?」
「いや、むしろ反対方向だよ」
「……そうですか」
もう何も言うまいと、いきさつの詮索をあきらめたヤードは大きな肉にかじりついた。八つ当たりのように力強く噛みつかれた肉塊は、その鋭い牙で引きちぎられてしまった。
おれの見る限り、ジェルに疲労の色はないし、何なら汗とかもかいてないように見えるんだけどな。おかしいな。ジェルの身体能力ってどうなってるんだろう。
っていうか、ジェルの変装道具とかどこから持ってきたんだろう。まさか最初からその姿で魔物退治とかしてないよね? さすがに鎧はどこかに隠してあるんだろうきっと。
「かさばると到着が遅れるからね。今日はこの軽装で仕事をしたけど?」
オーケー分かった。返り血一つ浴びてないこととかについてはもう言及を控えよう。そんな当然だけどみたいな顔で首を傾げられるとあまりの実力差に心が折れる。特にヤードの。
「ところで、リブラはどこに?」
「あいつなら、今仕事中です。ちょっと手が離せないようですね」
肉を嚥下した鮫が気負いもなく言い放つが、実はおれらが出払った後の娼館運営をしてる。ジェルにそこまで会いたいわけではないあの獅子は、なんと自ら留守番を申し出たのだ。
あいつのことだから、確実にアリギラドらに腰振り射精の特訓をさせてるし、ジェルをごまかすよりそっちの方が面白いだろうとふんだに決まってる。おれもそう思うよちくしょう。
それでもジェルは納得したようにうなずいて、ほほ笑んだ。いつ見ても優しさが前面に出た最高のイケメンフェイスだ。
「そうか、なにぶん急な来訪で迷惑をかける。リブラにもよろしくいってやってほしい」
なんて声をかけられたら、頷くしかできないだろう。おれは少しの後ろめたさをごまかすように、返事をした。
「わかったよ。忙しいのに、来てくれてありがとうジェル」
「むしろ邪魔をしに来たのではないかと心配だよ。報告によれば任務も順調のようだからね。でも、何か困った事とか、気になることはないか? 初めて城下から出ただろう? それに異世界なんだから、食事が合わないとか大丈夫かどうか心配で……」
「だ、大丈夫だって。だから、ジェルはおれを子ども扱いしすぎだってば」
「いや……そうなのかもしれないが……。それに、お前が情報源としているのはあのゴライザ派なのだろう? 確かにあそこは実力主義だから取り入るのも簡単かもしれないが、上下関係が厳しいともいうし……」
上下関係が厳しいどころか、おれがそのトップになってますがね。もちろん言えるわけもない。
「それも大丈夫だってば。そもそもおれはスキルだってまだうまく使えないし、ヤードたちの補助としてしか見られてないよ」
一応の設定として、おれらはパーティを組んでギルドに登録してある身だ。
そこから実力を見せつけて、ゴライザからの信頼を得て情報を流している。
……そんな筋書きを本国には送っている。
間違っても、娼館運営しながら腰振り射精や忠犬の性癖を広めてゴライザ派のトップに君臨したり、街そのものを掌握しようなどとはしていないのであしからず。
こんなことがばれたら、おれのスキルについてもばれそうだし、ゴライザ派を完全に抱き込んだ身として、絶対ややこしいことになるのが目に見えている。そしてそれは、政治が苦手なジェルに重くのしかかるだろうことも。
なので表向きはゴライザ派と取引をしている体で、水面下の動きを見せずになんとか抱き込んだ形を取りたいのだおれは。
まあゴライザ派が急に方針を転向したからいぶかしがられていて、結構難航しているみたいだけどさ。
注文をしすぎてテーブルの上に隙間なく料理が並べられていく。久しぶりの子を前に張り切ったお父さんかジェルは。そういうところも好きですが。
「おっと」ジェルが慌ててキャスケットを深くかぶりなおした。「あまり声を大きくして言うことではなかったね。私はこういうことに疎いから、よくフォグに怒られるんだ」
なんて困ったように笑うジェルの可愛さ満点!
ああもう帰ってジェルと生活したい! もう帰っていいかな!
とは思うけど、ゴライザのこととか街のこととか中途半端にしておけないしな。ゴライザも仲間になりたがってるし、最後まで面倒見ないと……って完全に捨て犬を拾った気分かおれは。
だからここはぐっと気持ちをこらえて、帰りたい気持ちに蓋をしないと。
「今日は来てくれてありがとう、ジェル。顔が見れて嬉しかった」
「私もだよ。お前が元気でいるのがわかって安心した」
その言葉に嘘がないんだろうなとわかってしまうほど、狼の相貌は柔らかく笑う。おれのためだけにわざわざ来てくれたジェルに、どうしてすぐ帰れとか言える?
正直泊ってほしいくらいなんだが、さすがにジェルも忙しい身。正直ここまで来てくれただけでもありがたいんだ。
「泊っていってとは、さすがに……難しいよね?」
でも一応言ってみる。するとジェルは嬉しそうに尻尾をゆっくり振りながら、笑みの質を変えた。
優しさを見せつけるようなものから、ちょっと困った顔へ。しょうがないなぁと言わんばかりの、喜色を浮かべたお父さんの顔。
おれはジェルと恋人になりたいんだけど、どうしてこんな顔するのかなー。いや嬉しいんだけどさ。
「ふふ、そう言ってもらえるのは嬉しいけど、私も仕事があるのでね。でも、寂しくなったら呼んでくれ。すぐに駆け付けるよ」
「……ありがと」
いやそんな温かい顔を向けられると照れる。
フォグがジト目で料理を喰らっていく姿を横目に見つつ、恥ずかしさをごまかすように一口、何かを掴んで頬張った。
どうやら甘い果物だったようで、じんわりと甘味が広がっていく。
ほれた弱みなのか、ジェルの顔を直視できるまでもう少しかかるだろう。
せっかくのジェルなのに、ちょっともったいないなと思うのだった。
****
「あー久しぶりのジェルー! もう帰りたいよー!」
「おーよしよし。おれらも早く帰れるように頑張ろうな」
ジェルと別れて家に帰ったおれは、ヤードの硬い胸板に顔をうずめ孤独を癒していた。
ヤードなら触って『愛撫』スキルが発動してもいいから、遠慮なく抱きしめられる。体が分厚くて硬いから手が回りきらないけど、それもまた安定感があっていいと思う。
特に尻尾とか言い抱き心地なんだ。鮫の尻尾は根元が太く、弾力もあって抱き枕に最適。
こういう時のヤードはとにかく甘やかしてくれる。リブラは絶対向いてないだろうし、フォグも厳しい。特にフォグは他人にも自分にも厳しいタイプだからなぁ……。
「ってあれ、フォグは?」
「ん、そういえばそうだな。娼館にでも行ったのかしれねえな。リブラだけに任せておくのも不安だろうし」
「……それはあり得るか」
なんたって真面目委員長タイプを地で行く熊だ。とにかく仕事に手は抜かない。
今日は非番だと言ってあるにも関わらず、休日返上する社畜。いや、こんな中世ファンタジー的な世界観でブラック企業の概念があるのかは知らないけど。
ヤードのむっちりした胸の隙間で凝縮された雄の臭いを吸い込んでいると、ムラムラしてきた。
「なあ、今日はやらねえか?」
口火を切ったのはヤードから。
最近いろんなことにかかりきりで、あまりヤードたちとできていないんだ。おれを撫でる手にどことなく淫靡な雰囲気を帯びてくるのもしょうがない事か。
顔を上げると、キスが降ってくる。
鮫のとがった口は接吻に不向きではあるけれど、興奮を重ねるのに不向きだとかは関係ないんだ。
硬い、硬い肉体。フォグやゴライザのような弾力豊かな肉とは違い、ただ筋肉を張りつめた強靭な体。それでいて分厚く、毛皮もない肌はすべらかに指を落ちる。
「する」
触れるだけのキスを何度かしてから今更のような答えを返した。いくつもの豆をつぶした武人の手はおれを優しく脱がし、衣服を放り投げる。
「ここに来てから腰振り射精とかなんやらいろいろ遊んできたが、今日はどうするご主人?」
からかうような言葉にむず痒くなる。あれは別にリブラが広めただけでおれの性癖ではないんだけど……いや興奮はしてますがね。
「やれと言われればするけどな。お前がするなら何でも気持ちよくなるんだろうし」
「でも、今日は……」
明らかに性癖へのハードルが下がっている鮫だが、今日の気分はどちらかというと甘えたいんだ。
ジェルの顔を見たせいだというのはわかってる。それでも、あの三人の中ではヤードが一番適任だから、どうせならと頼むのだ。
「了解❤しょうがねえな、おれのご主人は❤ほら、もっとぎゅっとしてやるよ❤」
雄々しい肉体に包まれ、ヤードの匂いが強くなる。自分よりずっと大きい体から感じる安心感は強く、それでいて発情を孕んだ動作で嫌が応にも興奮を昂らせていく。
内側の白い部分を舐めると汗の味がした。蒸らしたフェロモンがこの剛毅な肢体をより魅力的に見せているのか。
「んっ❤確かに最近毛皮持ちの相手ばかりだったよな❤気のすむまで舐め回してくれよ❤」
そう言いながら仰向けで横たわる巨体。手を上げれば腋のくぼみが分厚さを教えてくれる。
でかすぎるから重力で潰れた胸筋では、興奮を隠せもしないビン立ち乳首がしゃぶってくれと訴えている。きれいに割れた腹筋の溝を指でなぞると、『愛撫』も相まって上ずった声が鮫の喉からまろびでた。
おれはもう辛抱たまらんとばかりに覆いかぶさって、興奮を叩きつけるように舌を這わせた。
ヤードもこう言っている。気のすむまで舐めさせてもらおうじゃないか。
****
今から帰れば十分余裕をもって間に合うだろう。
最愛の息子と別れたジェルはそう判断していた。時計という物がまだ一般的ではないこの世界において、傭兵街スニーグスは時計が配置されている数少ない都市であった。
それだけ要所であるという裏返しでもあるが、お忍びで来ているジェルにあまり緊張感はない。
(思ったより元気そうで本当に良かった。それに、フォグたちとも打ち解けているようだし。友達もできたと考えると、外に出して正解だったのかもしれないな)
自分は少し過保護なのだろうかと、首をかしげて街を歩く狼。
(しかし、この街は何度か訪れたこともあるが、こんなに浮ついた街だったか?)
ジェルが知るスニーグスは緩衝地帯ということもあり、もっと張りつめた雰囲気を持つ街だった。確かに今は戦争が起きる予定もないが、そのぶんどちらの国につくかで策略が横行しているはずなのだが。
まるで、街自体が特色を変えてしまったかのようだ。この短期間で?
この雰囲気をジェルは知っている。
そう、彼が長を務める『竜の爪』も帯びている色だから。
(最近我が隊も似たような雰囲気を纏っているが、どうしたというのか)
もしこの狼が経験豊富なら気づけたのかもしれないが、いかんせん性欲とこの空気を結び付けられない。変化を嗅ぎ取る嗅覚は有しているのだが、それがなんなのかわからないのだ。
仲がいいならそれに越したことはない。天然を地で行く狼はそう結論付けていた。
(あの子を送ってからか? いや、さすがにそれは考えすぎか。あの子が来る前からという可能性もあるしな)
あまり我が子を疑うのはよくないなと、狼はかぶりを振る。
ジェルにとって異世界人は素直で、そしてどこか怯えたように甘えてくるかわいい息子なのだ。
今日もどこか隠し事があるような気後れした態度を思い出し、尻尾がしょんぼりする。
(やはり、どこかためらいがあるのはなぜなんだろう。フォグたちにはあんなに懐いているのに……。顔が怖いのだろうか。最近は毛皮の手入れもして、綺麗にしているのに)
ひょっとして、とジェルの足が止まる。
(まさか、反抗期……! そ、そうかもしれない。あの甘え下手な感じ。うちに入ってきたばかりの頃のヤードに似たような感じじゃないか。ああ、だったらどうすればいいんだ。放っておくしかないのか……)
立ち止まり苦悩する狼。すでに人通りはなく、どうやら路地裏に入ってきてしまったようだ。
(でも、泊っていってほしいと言われたぞ。嫌われてはいないはずだ。もしかして、私が壁を作っていたせいか。ああ、ああ、やはり陛下に捧げるというためらいが透けて見えていたのかもしれない)
自分はどこかよそよそしくなっていたのではないだろうか。それであの子は自分を出せずに友人であるフォグたちに懐いていたのではないか。
そう考えだすと今までの行いを反芻し、さらに苦悩が深まってしまった。
(こ、ここは私の方から思い切って歩み寄らねばならん。なんということだ、近寄っていたつもりなのに、まだ足りなかったのか。どうすればいい。どうすれば、あの子は私に心を開いてくれる?)
国最強と言われる武人が、尻尾までものたうたせ身もだえしている。ジェルを知る人が見たら騒然となるくらいには、珍しい光景だった。
(戻ったら誰かに聞かねば。子育ての経験がない私では判断がつかぬ。誰か、いい知恵を授けてくれそうな人は――――)
「ジェル様」
思考を打ち切った声に目線を送ると、そこには見知った熊の姿が。
「どうしたフォグ。何か伝言でも?」
「えっと、確認したいことがあります」
フォグの声音は硬く、どうやら真面目な話のようだ。ジェルは先ほどの苦悩をいったん隅に置いて、背筋を伸ばした。
凛とした姿はまさにフォグの憧れであり、そして誠実ゆえに決して悪いようにはしないと知っている。
それでも、続いた言葉は言いにくいもので。
「ジェル様は、おれがあの人の息子だって知ってて、不安にならないんですか?」
あの異世界人をここまで追いやった原因であり、フォグの父であるグリッジ=エギザクタ。ジェルの政敵ともいえる立場の人であるが、フォグはそれで不平等に扱われたことなど一度もなかった。
「あ、いえ、ジェル様を疑うわけではないんですけど。その、おれがもし、あいつに変なことしないかとか。あの人に何か言われてないかとか、不安にならないのかなって……」
「ならないが、それがどうかしたのか?」
あまりにも自然体で言われてしまって、フォグは言葉に詰まってしまった。
今ここで異世界人に何か起こったなら、あの父は確実にジェルの育成不十分だとなじるだろう。そんなことはフォグにも想像がついており、ジェルも気づかないわけがないのだが。
それでも、ジェルはフォグを信頼していた。
あくまでも凛とした態度を崩さないまま、狼はなだめるように言葉を紡いだ。
「私は、隊のみんなを信用している。だが、それは判断を放棄したからではない。私は確かに政治に疎いかもしれないが、それでも隊長としてフォグのことは見ているつもりだ」
薄く笑うジェルの顔は優しさに満ちていた。
それはあの異世界人に向けるときの顔と同じで、フォグがどうしても欲しかった顔。
「だから、フォグはそういうことをする人物ではないだろうと信じている」
一緒に食卓を囲んだ時、フォグは異世界人と仲良くしているように見えた。それは初めての世界で不安を抱えているあの子のいい友人のようだと、ジェルは思っていたのだ。
ジェルはその感性を信じたい。ゆえに、フォグから不安を取り除いてやりたかった。
「でも、家のことなど様々なしがらみがあるのは本当だろう。それでフォグが悩んでいたとしても、私は否定しない。それでなくとも、我がアーミライト家とエギザクタ家は複雑だからな」
「おれは……」
「グリッジ様から何を言われているのか、私は知らない。だが、そうだな……それなら伝言を頼もうか」
あくまで優しい顔を崩さずに、だが、声音は誓いを紡ぐように硬く。
「もしあの子に危害を加えるようなことをするならば、このジェイルラル=クリン=アーミライト、全力をもってお相手すると、君の御父上に伝えてほしい。そして、たまには息子をかわいがってやってくれと」
「ジェル様……」
「これからもあの子のことを頼むよ。私は、父親としてはまだ半人前で、あの子に付き添えないからね」
「ありがとうございます、ジェル様……」
泣きそうになる自分をなんとか抑え、フォグは礼をする。
エギザクタ家に生まれ、アーミライト家に対する敵がい心を植え付けられて育ったフォグだが、彼に前ではそんなことが些事になる。
フォグは改めてジェルに対する信望を深め、胸のつっかえが取れていくのを感じていた。
顔を上げた時にはすでに、いつもの熊だ。彼にだって表情を取り繕うくらいのことはできるのだ。
「おれは口止めのスキルで詳細をお話することはできません。ですがジェル様、信じていただけることは嬉しいのですが、そう気づいているのなら間者をよこすなり情報を仕入れるなり、やり方はいくらでもありますが?」
「え、うん、そうだね……」
「ジェル様は甘すぎます。あのくそ親父はやり方がずる賢いんですよ。息子のおれにだって全貌を話さないし、口止めのスキルも使うしで、一度本当にぶん殴られてほしいんですって」
「うん、うん……」
「おれは自分が何をされているのか正直自信がないです。うん、そうですね、あいつにも言っておこうと思います。ジェル様のおかげで決心がつきました」
さすがエギザクタ家の血筋か、策略ごとに関してはフォグの方が上手だ。隊長でありながら、フォグの小言を聞くのはジェルの日常だった。
いつものフォグに戻っており、狼はそれが嬉しい。だからフォグは信用できるのだと、狼は内心でほほ笑んだ。
「とにかく、ジェル様は一度帰ったら隊の者をこっそり監視によこしてください。何かあったらおれを糾弾しつつ、くそ親父の足を引っ張ればいいので」
「でもそれだとフォグが……」
「いいんです! どうせそんなことであの親父は止まりません! うまい事立ちまわって家の評判くらい守りますよ。それより、あいつに手を出しづらくするにはそうするのが一番です。監視をつけることでしっかり守っているとアピールできれば、あの親父だってもう少しおとなしくなります」
「そういう、ものなのか……?」
「そういうものです! とにかく態度を示さないと舐められるんですよ、この世界は。というか、今この時だってあの親父の手の者が見てる可能性もありますからね」
本当はエギザクタ家の監視は真っ先に性癖で無力化してあるのだが、ジェルには言わないでおいた。監視を見つけるときのリブラは想像以上に役立ったなと、あの時のことが思い起こされる。
あいつは獲物を見つける天性の才能を持っているんだなと、フォグはどうでもいい知識をまた一つ得たものだ。リブラに才能があふれていることなんて、嫌というほど知っている。
「なので、今後も軽率な行動は控えるようにしてください。でも、あの……今日は来てくれてありがとうございました。ジェル様に会えて、嬉しかったです」
「私もだよ。任務は大変だろうけど、君たちの帰りを楽しみに待っている」
そして二人は踵を返す。フォグがもう一度後ろを振り返ると、そこにはもう狼の姿はいなかった。
なんだか体が軽い、それはきっと心配事が一つなくなったからだとフォグは気づいている。
「ジェル様……」
脳裏には自分を信じてくれている狼の顔が、柔らかく笑んだ姿が映っている。
その姿を思うだけでフォグに体に熱が入り、やる気が満ちてくるのだ。
「あぁ~ジェル様、好きぃ❤❤❤」
もちろん、やる気だけではなく別のものまで満ちてくるのだが。
フォグはむちむちとした自分の胸を揉みながら、ほとばしる欲情を持て余していた。
近づいたときの匂い、優しい顔、信じていると断言してくれた言葉。
すべてがおかずになる。フォグはもう辛抱たまらんとばかりに陥没乳首に指を突っ込んだ。
「んおおぉん❤❤❤はぁ、はぁ❤さすがに帰ってからじゃないと……❤ん❤今日は一人でパイオナしよ❤ああジェル様ぁ❤」
締まりのない顔をしながら帰路についた熊は、浮ついた足取りだ。
これから何度もメスイキする計画をたてながら、フォグは幸せそうに甘イキする。もはや襲われそうな体たらく。
案の定、先に帰っていたリブラとばったり出くわし、今夜のメインだとステージに引っ張られてしまうことになる。
その時の蕩けた様子がとても煽情的で、多くのファンを作った伝説の一夜が開催されてしまうのだが。
それはまた別のお話。
そして、颯爽と街を出ていったはずのジェルが何者かに勝負を挑まれるなんて。
それも彼らには全くあずかり知らぬことだった。
****
「んっ❤んっ❤そんなに舐めて、どうしたんだえらくがっつくじゃねえか❤」
丹念に舐めすぎて、ヤードから挑発が飛んできた。
久しぶりに味わうヤードの肉体に魅了され、気づけば汗はほぼ唾液で置換されていた。
腹筋の間も、おっぱいとの接点も。ぬらぬらと怪しい光を帯びている。
ベッドで横たわる筋肉の彫刻は人の味がして、汚すことへの背徳感が興奮へと直結する。
もう一度おへそから喉ぼとけまでを舐め上げると、ヤードのちんぽがびくびくと震えた。そのままキスをすれば、大きな手がおれの背中に回される。
「なあ❤そろそろ他のところもさ❤しゃぶってくれよ❤ちくびもちんぽも、待ちきれねえよ❤」
あえて避けていた乳首は充血してそそり立っていて、白い丘の卑猥な果実を太らせていた。乳輪も熟れ切っており、舌先でなぶると甘い声が発生する。
「あっあん❤もう、甘えさせてやったってのに、焦らすじゃねえか❤そろそろ襲っちまうぞ❤」
「もうちょいだけ待って」
「しょうがねえな❤しっかりと堪能してくれ❤鮫オナホの筋肉をよぉ❤」
乳輪から渦をかくように舌を動かして、徐々に中心へと攻めていく。
もどかしさが鮫の脳みそを性欲で埋めていき、下卑た顔へと貶める。
「あっ❤あっ❤ったく、この前まで腰を振るしかできなかったくせに❤どこでこんなの覚えてきたんだか❤おれの『おマンコバキューム』だって、そのせいで会得したのによ❤」
「ヤードこそ、最近生意気だよなぁ。前まではご主人様ぁって慕ってくれてたのに」
「ん❤吐息が乳首かかるだろっ❤そりゃお前……近頃構ってくれないし❤それにどっちかというと、手のかかる弟みたいだからな」
それは否定しない。ヤードは優しいからついつい甘えてしまうんだ。特にフォグとリブラしかいない現状では。
おれは乳首の先端をちろちろと舐めながらヤードに問う。もう片方を指の腹でノックしながらだと、ヤードの体が快楽で震えだす。
「えーじゃあ、もうおれのことご主人様って呼んでくれないの?」
「おおぅ❤んおぉ❤べ、べつにぃ❤呼ばないとはぁ❤あっは❤言ってないだろうがぁ❤ああぁん❤」
ヤードのデカ乳首は感度もかなり高く、スキルを使わなくても乳首だけで射精できるほどだ。たぶん、前よりずっとエロスキルはランクアップしてると思う。
残念ながらおれは他人のスキルを覗くスキルを持っていないので確認はできないけど、娼館で働くようになって鮫の体はさらに立派になった。
もともと筋肉の塊だった体がさらに逞しく、そしておっぱいも大きくなった気がする。
本人が鍛錬を続けているというのもあるけれど、スキルの影響もあるんだろうな。
「ご主人様❤乳首❤ぎゅっとしてくれよぉ❤」
「乳首、大きくなった? 前より吸いやすくなった気がする」
「んっふ❤かもしれねえな❤この街に来てから調子が良くてな❤剣技も力も性欲もぉ❤すっげえ高ぶってるんだぜ❤」
そういえばそもそもこの鮫は『乳首ちんぽ』とかいう謎スキルを所持しているんだった。
スキルレベルが上がったせいで肥大化と感度上昇が起こったんだろう。
指先に力を入れて勃起乳首をつまんでやると、屈強な雄から空気の抜けるような声が漏れていく。こりこりとした感触を楽しみながら、口に近い方を舌ではじくとさらに音量が上がった。
「んおおおおぉおぉ❤❤❤❤乳首ちんぽすっげぇ❤❤」
「おお、おっぱいが揺れる揺れる。ヤードのおっぱいは筋肉の塊だから張りとかすごいもんな」
「おれも成長するんだぜ❤『パイズリ』もレベルが上がったし❤おほ❤それにぃ、フォグには及ばねえけど『身体強化胸部』も獲得したしな❤❤」
「あー、あの無駄スキル」
「無駄じゃねえって❤これのおかげでシャツと乳首がこすれてもアクメ決めなくなったんだぞ❤❤」
「でも、こうして強くひねると……」
「おっほおおぉおぉ❤ご主人様の前じゃ❤効果なんてっ❤あぁ❤あるわけねえだろおぉ❤❤こりこり乳首しゅごおぃ❤❤」
なるほどねー。一見無駄に見えるスキルにもそんな使い道が。確かにこんな敏感で騎士の仕事とかどうしてるんだろうかとは思ったけど。
それにおれの『愛撫』と合わせると、乳首での快楽は膨大に膨れ上がっている。今度は両手でデカ乳首をつまむと、筋肉の鎧が弓なりにしなった。
「ひぎいぃ❤乳首やべええぇ❤❤ご主人様の手が気持ちよすぎりゅうぅ❤」
肉芽はちんぽと違ってそこまで硬くならず、震えもしない。しかし、ほとばしる快楽は普通の雄がオナニーする以上のもので、嚥下する暇もない鮫の相貌が汁まみれになっている。
逞しい雄の胸にそびえる快楽器官はとても背徳的で、最近マンコばかりを攻めていたおれにとっては新鮮だ。どうせならと、おれは『愛撫』のスキル出力を上昇させてやった。
体のどこを撫でても射精させることができるくらいに出力を上げたのだ。当然ヤードの嬌声が一段階上がる。
「ほひょおおおおぉおぉおぉおぉぉ❤❤❤❤ちぐびいいぃいぃい❤ぎぼぢいいいぃ❤❤おおん❤んごおおぉ❤乳首感じすぎりゅうぅ❤❤❤」
流線型の顔が殴られたようにそり、鼻息と共に嬌声があふれ出す。腰はカクカクと揺れ動き、勃起して蜜を垂らすちんぽを空気オナホにこすりつけているようだ。
「おほおぉ❤❤はひいぃ❤ご主人様すごしゅぎ❤おれの乳首もっとぎゅってしてぇ❤」
「こう?」
「おっごおおおぉぉおぉぉぉぉ❤❤❤❤❤ごんな゛に乳首きもぢいのはじめでっ❤お゛っ❤お゛おおぉん❤あ❤あ❤あ~~❤いくううぅうぅ~~❤❤❤❤」
どろっとちんぽからザーメンを出してヤードはひときわ大きな痙攣をした。メスアクメを決めてしまったんだろう。それでも潮も射精もないから、まだいけるな。
『乳首でメスイキさせた回数が一定数を超えました。『乳首特攻』スキルのレベルアップを行い、乳首でメスイキさせるときに補正が入ります』
はいまた無駄スキルを上昇っと。実はゴライザのおかげで調教スキルもかなり上がったし、雄を落とすだけなら瞬殺なんだよな。あの忠犬は調教系のスキル練習に事欠かないから。
「ねえ、ヤード」
「にゃんだぁ❤はひはひ❤そろそろおマンコしてくれるのかご主人様ぁ❤」
「そうじゃなくてさ」
よし、今日は乳首関係のスキルを練習しよっか。
なんて言うと、鮫の相貌がさらに崩れた。おマンコしてもらえない哀しさと、まだまだ乳首で気持ちよくしてくれるという期待が混ざった表情は、普段の鬱憤など感じない蕩けたもの。
セックスでストレスを発散している節がある鮫だ。今日はたっぷりと乱れてもらおうじゃないか。
「た……ただでさえおマンコされるのもご主人様が最高なのに❤この上乳首いじりもご主人様じゃなきゃ満足できない体にされるのかぁ❤❤はひ❤」
「嫌?」
「嫌じゃねえよおぉ❤❤早くこの騎士オナホの乳首ちんぽをぉお❤たっくさん鍛えていじめてきもちよくじでえぇ❤❤❤❤おれを誰よりも乳首で気持ちよくなれる騎士団最強の乳首マンコにしてしてぇ❤❤❤❤」
自分のおっぱいを持ち上げてアピールをするヤードは牙が並ぶ口で三日月を描く。鋭い牙からこぼれるとろとろになった言葉で媚びる鮫は、凶悪な相貌を完全に変態に崩している。
「じゃあいくよ――――」
『愛撫』も『乳首特攻』も隷属対象への効果量ボーナススキル『隷属対象効果量上昇』も、持てるスキル全部……使うと絶対廃人になるからまあほどほどにしてっと。
おれは、ヤードの乳首に手を伸ばすのだ。
****
すでに夜も更けてきた傭兵街の外で、二人の男が戦っていた。
片方はキャスケットに眼鏡、そして剣を携えたジェル。
片方は山のような体躯を持ち、拳で戦う軍服のゴライザ。
二人は傭兵街から離れた場所で、いつからか拳を交えている。
「そろそろ帰らねばならないのだが、見逃してくれないかな? 別にここで私を仕留めるつもりもないのだろう」
「ほざけ。お前とは一度でいいから戦ってみたかったんだよ『神風』」
「ふむ、さすがに『鉄塊拳』相手ともなると、手は抜けないな。別に逃げてもいいのだが……」
簡単に背を向けていい相手ではない。それはジェルもわかっていた。
そもそもなぜ戦うことになっているのかわからないが、見つかってしまったならしょうがないと狼は考えている。
なにせゴライザ派は徹底的な武闘派で、傭兵街の独立を訴える派閥だ。だというのなら、国一番の武勇と称されるジェル相手に戦えるだけの武力を示さねばならない。
そうでなければ独立などできるわけがない。武力がすべてではないが、少なくともゴライザ派はそういう思考回路だ。
目にもとまらぬ速さで繰り出した斬撃が、拳によってはじかれる。対応できるほどの実力者などほとんどいなかったジェルとって、ゴライザの対応はまさに歴戦の猛者と言える。
(さて困った。ゴライザはあの子たちの大事な情報源。ここでつぶしてしまえばあの子たちの活動に支障が出る)
(……って考えてるんだろうなジェイルラル。ごめんなご主人。わんちゃんはちょっとだけおいたさせてもらうぜ)
なにもゴライザとてただ強者と戦いたいからという単純な理由ではない。
彼が欲しいのはただ一つ。『自分はジェルよりも強い』という証明だ。
それがあれば、彼のご主人がいる国との交渉がスムーズになる。今のままではいくらゴライザが武闘派とうたったところで、あの国にはジェイルラルがいるという安心感だけで難航する。圧倒的武力を持つジェルならなんとかなるだろうという見込みで、今のゴライザ派は扱われているのだ。
それはゴライザのプライドが許さなかった。
(まずはそのふざけた前提をぶっ壊す! 俺のことを舐め腐ったあいつらにほえ面をかかせ、そして……!)
主がついて丸くなったとはいえ、狂犬は健在だ。彼は自分を見下す輩を許さないし、障害となる者には容赦をしない。
それが主の前でしなくなっただけの話。
(あいつより強いと証明し、発言権を得る! そして最終的に、ご主人を俺が引き取って飼い犬ライフを謳歌するんだよ!)
『神風』と言われるジェルの攻撃速度は確かに脅威だ。この街では戦闘中のジェルに会い、風にトラウマを持った連中がいることもゴライザは知っている。
それでも、ゴライザはまだ反応できる。自身の肉体では追いつけなかったとしても、攻撃をするモーションを見逃すほどもうろくはしていない。
剣の軌跡が一筋に見えたとしても、そこには五回の斬撃が飛んでいる。
姿をとらえたとしても、それはすでに残像だ。
そのすべてを的確に把握し、守りながら反撃もできる。
この高みまで上り詰めた存在を、ゴライザは自分以外に初めて相まみえたのだ。
(話には聞いていたが、対面してみると規格外かよ。が、勝てねえわけじゃねえ。ご主人は絶対に反対するだろうけどよ。俺にだって意地があるんだ)
一方何度か打ち合ったジェルもまた、ゴライザの強さに舌を巻いていた。
(なるほど、さすがに私に匹敵すると言われるだけはある。早さはないが、行動が的確だ。こちらの攻撃に合わせて守り、引けば攻めてくる。良く見えているものだ)
ゴライザ自身は攻撃型なのだろうが、カウンターもしっかりと心得ている。
ジェルがフェイントで斬撃を打ち込み誘導しても、引っかかることなく本命を防いでくる。
(しかし、なぜか殺意はない。おそらくほしいのは名誉か。こういう時フォグならもう少し詳しく考えられるのだが……)
(殺せるわけねえだろ。殺したらご主人に絶対捨てられる! くそ、でもそんなこと考えて勝てる相手でもねえ)
山のようなゴライザをいくつもの旋風が取り巻いて、ぶつかっては離れ、そしてそれをゴライザが追って殴りつける。
両者致命傷もないが、確定打もない。均衡した戦いが続いたが、しびれを切らしたのはゴライザの方だ。
「『身体強化拳』『魔力弾充填拳』! らちが明かねえ、これでぶっ飛ばしてやる!」
「『疾風の守り』発動」
ゴライザの拳に光が集まり地面に打ち付ければ、その点を中心に爆発が起こった。範囲を吹き飛ばすゴライザの常套手段だが、今回に限っていうのならこれは罠だ。
あたりに舞う土煙。これこそがゴライザが欲したものだった。
(絶対この土埃に乗じて切りかかってくるはず。そこをカウンターでぶっ飛ばす)
ジェルの剣先が早いか、ゴライザのカウンターが先か。
狂犬は神風相手に速さで勝負を挑んだのだ。
だが、いくら待っても斬撃は飛んでこなかった。
(まさか逃げられたか? 確かに逃げるには好機だが、俺の目的が名誉だと気づいてるはず。そこまで分かっててなお尻尾を巻いて逃げ出すなんてありえるか?)
逃げ出したなら確実に悪評が立つ。政治に疎いという話だが、さすがにそこまでぼんくらではあるまい。
あの国にとって『神風』の名誉がどれほど大事か、本人が知らないわけがないだろう。
はたして、ゴライザが神経をとがらせているうちに土埃は収まりを見せ、視界がクリアになっていく。
そして狂犬が見たのは。
――――剣をおさめて両手を上げるジェルの姿だった。
****
ヤードの乳首をいじり続けた結果、脳みそが完全に蕩けてしまった。
「んおおおおおおぉぉぉお❤❤❤❤乳首乳首ぃ❤ほおおぉん❤い゛❤いぎずぎでのうみぞどげる゛ううぅうぅ❤❤ぢぐびよすぎでずごおおおぉぉぉ❤❤❤」
両手でつまみ、引っ張り上げると腰が面白いくらいに震えだす。
ちんぽにもどかしさでも溜まっているのか、M字に開いた足をまるでばねのようにがくがくと上下させるのだ。
さすがに下半身の近くにいると危ないので、今はヤードの頭を股に乗せている。覗き込むと鮫の鋭利な口から狂った嬌声があふれ出ているのがわかり、見開かれた眼球から滂沱と涙が滴ってくる。
「おお゛っおおおおぉおぉお❤❤❤いぐっ❤乳首でっへえぇ❤こんなに気持ちがいいのだべええぇ❤❤うおおぉん❤はっひいぃいぃ❤❤乳首きもちい❤ご主人様にこりこりさせるっどおぉ❤乳首もまんこみてぇによくなりゅうぅの❤❤❤」
完全に騒音公害レベルの嬌声はねじのとんだ咆哮だ。聞いているだけで劣情を煽り立てるほど、性に溺れた者の歓喜は強い。
ヤードの乳首は汗やローションでテカリを帯びていて、充血した赤をより淫靡に見せている。おれはスキルでローションを無から生成することもできるから、指先にローションを生成して、ヤードのデカ乳首の先端を思いっきりこすると……。
「のおおおおおおぉぉん❤❤❤❤❤乳首いぎずるうううぅ❤❤ッオオォ❤お゛❤おほぉ❤❤」
別につまんだりもせず、ただただ乳首をこすり続ける。
ぷっくり膨らんだ乳輪も、そそり立つ乳首の側面も、先端も。
それだけでヤードの腰はさらに激しく動き、広がった鼻の穴から荒々しい息がこぼれた。
「ひぎいいぃ❤しゅごおぉ❤おっぱいいいぃ❤お゛❤ほおぉん❤『乳首ちんぽ』レベルあがっ❤んひゃあああぁ❤❤すごぉレベルあがっだああぁ❤」
なんだその無駄スキルはって思うけど、乳首がちんぽになったのならオナニーしてあげないとな。
両乳首をつまんで、上下にしこしこっと。
「んおおおおぉ~~~~❤❤❤乳首ちんぽしこしこおぉ❤しこしこ気持ちいい❤❤おでの乳首ちんぽしこしこしってええぇえぇ~~❤❤❤」
ヒレのある頭をこすりつけるのは媚びている証拠。腕はおれを抱きしめたいからなのか、後ろに回しているせいで自然とおっぱいが強調されている。しかもかなり力んでいるせいで、盛り上がった筋肉に血管がいくつも走っているのがわかる。
「じゃあ、ヤードの腰の動きに合わせて乳首ちんぽしこしこしてあげようか」
「はひ❤はひ❤」
「上げて~?」
腰が持ち上がったのを確認して、おれもつまんだ乳首を下から撫でる。
「のおおおぉぉ~~~~❤❤❤❤」
「下げて~?」
「あひゃあああぁあぁ~~❤❤❤❤」
「そこで止まって」
ちんぽだけをヒクヒク動かしたまま、ヤードは切なそうに息を吐く。乱れた呼吸を整えるより先に、求めるのは快楽。頭蓋をおれにこすりながら、甘い声を出す。
「ご主人様~❤動いていいよな❤なあなあ❤早く乳首ちんぽで射精させくれよおぉ❤❤」
「ちょっと待ってね。スキル『感度遮断』発動。これでちんぽもおマンコも何も感じなくなったはず」
せっかくだし、このまま乳首系統のスキルでも磨くか。
乳首だけで感じてもらったら、成長も早いだろうとは経験則だ。
「んふうぅ❤そんな……❤あ、ああぁ❤」
「それじゃあヤード。乳首で十回いけたらおマンコしてあげる」
おマンコと聞いて鮫の顔に希望がともる。
さすがにおれも興奮してるし、ヤードの『おマンコバキューム』が恋しくなってるんだ。
「本当か❤❤ご主人様のちんぽにマンコでご奉仕させてくれ❤❤お、おれの『おマンコバキューム』でぇ❤たくさん感じてほしいいいぃ❤❤」
それじゃあまずは乳首オナニーだ。言わずとも理解しているヤードは腰をかくかくと踊らせる。なんとも無様な踊りだが、それがとてもスケベだと思う。
ヤードの乳首がスケベなスキルで成長していくけど、『身体強化胸部』でごまかしきれるのかな……。駄目なら鎧とかも着れない騎士ができてしまうんだけど。
それだけが懸念材料ではあるが、まあなんとかなるだろうの精神で行こう。
おれはマッチョ鮫の腰振りに合わせて、両乳首のシコシコを開始した。
【続きは来月の支援者限定公開となります】