ずっと疑問だった。
何故、伝説の勇者ロトの子孫は竜王の甘言に乗せられたのだろう。アイツはアレフガルドを救うために懸命に戦っていたはずだ。女神様から託された荒廃したアレフガルドを復興すればするほど、その疑問はどんどん大きくなっていった。
『もし、儂の味方になれば世界の半分をお前にやろう。
どうじゃ? 儂の味方になるか?』
目の前の竜王が俺に問いかける。
『セカイノハンブン』と書かれた寂れた祠で出会った狂人が頭をよぎった。俺はこの末路を知っている。
俺はハンマーを持つ手を握り直した。全ての状態異常を弾くスーパーリングも、勇者が使っていた装備も持っている。何かあれば、すぐにメルキドシールドを作れる準備も万端だ。竜王が何かしてきたら、カウンターを入れてやろうと考えた。
「ああ、いいぜ。お前の味方になってやる」
もちろん、本心じゃない。ただ、アイツの気持ちを知りたかっただけだ。俺の答えを聞いた竜王はニヤリと笑い、眼球を赤く光らせた。
「来るのかっ⁉」
俺に状態異常は効かない。メルキドシールドを作ろうとした瞬間、俺の体から勇者の装備が弾け飛んだ。竜王は笑っているだけで何もしていない。むしろ、ロトの装備が意思を持って自分から離れたみたいだった。
何とかしようとするが、下半身が鉛のように重い。足の先から気持ちの悪い、邪悪な気配がまとわりついて登ってくるみたいだ。
「うわあああっ⁉」
体が熱を持ち、脈打つようだった。
「お、俺の体がっ……」
激しい痛みが下半身からじわじわと体全体に広がる。メリッメリッと音を立てながら、皮膚が捲り上がり、ウロコが俺の体を覆っていく。手足の指先から鋭い爪が生え変わるように伸びていった。それは対峙する竜王の姿そのものだった。
そんな……。呪いや状態異常は俺に効かないはずだ。こんなの……知っているのとは違う。
「『呪い』? 呪いなどではない」
俺の心を見透かしたように竜王が答えた。
「なんだとっ……」
「それはお前自身の『欲望』が招いた結果じゃ。知りたかったのであろう? 奴の本心と、儂の本心を。お前は儂の半身となり、闇の地をモノヅクリの力を存分に発揮するがいい」
頭に、竜王のココロが濁流のように流れ込んでくる。
「ああ……イヤだっ……やめ……ろっ!」
背中が割れて音を立てて禍々しい翼が生えてきた。歯が抜け、その代わりに牙が生える。項垂れ、地面を掴んだ自分の手を見たとき、俺は小さな竜王になっていた。
* * *
「ふう~んっ……」
ルビスは頬杖をついてつまらなさそうにため息をつく。
「だから言ったのに、勝手なことをするからです。キミは私の箱庭のリペア用パーツなんだから、勇者にはなれないって」
塔のバルコニーに腰かけ、眼下に広がる毒の沼地を眺めながら物思いに耽った。
「今度はどんな勇者を『作ろう』かしら。『故郷を魔物に焼き払われた勇者』というのも、可哀想で良いかもしれませんね。うふふっ」
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外伝やクラフト系にあまり興味はないんですけど「ドラクエビルダーズ」はストーリーが良いですよ。特に「2」はおすすめです!
逆にHD2Dはあまりおススメできません……。