今年最後の投稿
Added 2021-12-31 02:13:03 +0000 UTCごきげんよう、U無我仁です。
みなさんお元気ですか、私は風邪気味です。
今日は次回作の「DEMENTOのDエンドの続きIF」のテキストだけ、先行公開しようかなーと思います。
今出来ている分なので、変わる可能性はあるのでご了承の程宜しくお願いします🥺
この作品については、こないだ発売したすみれちゃんのCG集の反省を活かしてテキスト多めにします。前回は台詞のみにしたらなんかキャラの気持ちが分かりにくいかな……って思ったので……。
小説に挿絵がついてるみたいな風にしたいなというか、なんかノベルエロゲみたいにしたいなって思いまして。
とりあえず以下に貼り付けます
※一部グロテスクな表現があります
苦手な方はご注意下さい
Continuatio D〜フィオナの出産〜
「フフフッアハハハハッ」
何がおかしいのかな わからない
私は自分のお腹を見つめた
ぼっこりと大きく膨らんだお腹
いつからこうだったかは、分からない
何も、わからない
考えようとすると、頭がフワフワして
なんだか無性に笑いが込み上げてくる
楽しい訳じゃないのに、笑いが止まらない
同時に、悲しくて、悲しくて仕方がない
何もわからないから、悲しい
悲しい、悲しい、悲しい……
でも、笑うのをやめられない
「フフフ……」
ドンッ!
お腹に突如、強い衝撃と激しい痛みが走る
「ぐぅっ!?」
何かが、私のお腹の中で暴れてお腹はぼこりと形を歪めた
ドンッ!ドンッ!
続けざまに2度、何かがお腹の中から私のお腹を叩いた
「いやぁっ!いたっ…やめてぇっ!」
それはまるで、内側から殻を破って生まれる雛のようで、お腹を破って来ようとしてるみたいだった
「いやぁあっっ!!」
怖い、怖くて堪らない
私のお腹の中に、意志を持った何かが蠢いてる
気持ち悪い
私はお腹の中の何かを追い出そうと、お腹へ拳を振り上げる
「駄目だッッ!!」
突然男の声がして、同時に私は甘い香りに包まれた
甘い、甘い、意識を蕩けさせる香り
頭がぼんやりとしてくる
嫌な事を、辛い事を、私から遠ざけるように
「悲鳴が聞こえて来てみれば……危ない所だった」
遠のいていく意識の中で、男の声が響く
「あと少しで生まれてくる私を殺されてしまってはかなわないからな、また眠ってもらうよ、フィオナ」
「い、いや……私は……」
私は、あなたの子、あなたのクローンなんか産みたくない
そう言い終える前に私の意識は途切れた
夢を見ていた
白い大きな犬が、私を見つめている
「ヒューイ……」私は彼の名前を呼ぶ
そう、彼はヒューイだ
ふわふわともやが掛かっていた私の記憶が、少し呼び戻されていた
でもヒューイは動かない
低く唸り、私を憎らしげに睨んだ
そして、大きな声で私に吠えると、ヒューイは私に飛び交ってきた
ヒューイの牙が、私の喉元にズブリと突き刺さる
痛い、痛い、痛い……!
ジクジクとした痛みが私を襲う
「これは、あなたを大事にしなかった罰なのね……」
声にならない声でそう呟いた私に応えるように、ヒューイは顎に更に力を込め、牙を食い込ませた
激痛が走り、私は跳ね起きた
ズキッと鋭い痛みがお腹に走る
「〜ッ!」
私は痛みから逃れようとお腹をさすった
それでも痛みはおさまることはなく、私を苦しめる
だが、ズキズキとした痛みが、ぼんやりとした私の意識を覚醒させていった
何故、私はこのお城にいるのか
何故、私は妊娠したのか
そうだ、私はあの男……リカルドに……
忌まわしい記憶を振り払うように、私は頭をぶんぶんと左右に振った
これは多分、陣痛だわ……もうすぐお腹の中の赤ちゃんが生まれちゃう……
リカルドの目的は私のお腹にいるリカルドのクローンを産ませること
クローンを産み終わった私はきっと殺されてしまう
「逃げなくちゃ……」
私は重たいお腹を抱えながら、部屋のドアをそっと開けて外へ出た
お城の中は相変わらずがらんとしている
人気がなくて、ここだけ時が止まったかのように静かだ
ヒタヒタと私は裸足で歩く
あの部屋から逃げないようになのか、私は靴を脱がされていた
今は足音が抑えられてかえって都合がよかった
「はぁ……まるで迷路ね……」城内は複雑に入り組んでいて、自分がどこにいるのかも曖昧だった
あの部屋を出てからまだそんなに時間は経っていないはず
でも、正直なところ時間がどれくらい経ったかは分からない
時折ズキズキと痛むずっしりと重たいお腹を抱えながらよたよたと歩いているのもあって、距離はあまり進んでいないかもしれない
「はうっ!」
またお腹が痛み始めた
お腹が痛むとまともに歩くのが難しくなってくる
「ううぅ……は、はやく……おさまって……うぐっ」
非常に重たい生理痛のような、子宮が収縮する際の、下腹部に直接手を突っ込まれて、子宮を握られているような特有の痛みがする
「ふぅーっ……はぁっ……ふぅーっ」
私は妊娠に関する知識は殆どない
でも本能的に深く息を吸って、痛みを逃していた
そして何回かこの痛みと付き合ううちに、なんとなく周期的なリズムを覚えた私は
どれくらい耐えればこの痛みは去ってくれるのかを分かり始めた
「多分、あともう少し耐えれば…」
また動き出せる、と思った瞬間
「フィオナーッッ! どこへ行った!!」
リカルドの怒鳴り声が静まりかえった城内に響き渡る
部屋を抜け出したのが、気付かれてしまった
バタバタと走り回る大きな足音が少し遠くから聞こえてくる
やはりあまり遠くへは進んでいなかったようで、リカルドはもうすぐこちらに追いついてしまう
(隠れなくちゃ……!)
辺りを見回し、私は隠れられそうな場所を探す
幸い、隠れられそうな大きなクローゼットが側にあった
私は静かに戸を開けて、クローゼットの中に潜り込んだ
足音が近づいてくる
先ほどとは違い、カツン、カツンとゆっくりと
「フィオナーッ! 逃げても無駄だ! 大人しく出てこい!」
リカルドの叫び声が城内に響く
カツン、カツン、カツン
足音がゆっくりとこちらへ近づいて来ていた
(はやく、早くどっか行って!)
クローゼットの中は私の心臓の音が響いている
ドクドクと早く脈打ち、耳元で心臓が鳴っているのかと思うほど、私は怯えていた
ズキズキとお腹も痛む、おさまる気配はまだない
痛みを逃すために深く息を吸うと、呼吸の音で気付かれるかもしれない
焦燥感と恐怖が足元からじわじわと這い上がって来ていた
手や脇にじんわりと汗をかいているのが分かった
カツン、カツン……
リカルドの足音が、すぐそこまで迫っていた
クローゼットの扉にあいた小さな穴から、辺りの様子を伺うと、リカルドが私の隠れる部屋に入ってきた
私の心臓は跳ね上がった
思わず叫びそうになった口を慌てて両手で塞ぐ
「フィオナーッ! お前がどこへ行こうと、私はお前を追いかけて、必ず捕まえてやるぞ!」
リカルドは怒鳴り散らしながら、部屋をぐるりと見回し、フンと鼻を鳴らした
そして、私の隠れるクローゼットへゆっくりと歩いて来た
カツン…カツン…カツン…
(来ないで…! 来ないで!)
私はブルブルと震えながら、早くリカルドが部屋から出ていくのを祈った
口を塞ぐ手にぬるい水が当たる
いつの間にか私は泣いていた
リカルドの手が、私の隠れるクローゼットの戸に伸びる
(もう……おしまいだわ……)
諦めかけた瞬間、少し遠くでガチャンと花瓶が割れるような派手な音がした
「何事だ! またデビリタスか!」
リカルドはカツカツと足早に部屋から出て行った
(た、助かった……)
私はクローゼットの中でヘナヘナと座り込んだ
靴音が完全に遠ざかるのを聞いてから、私はそろりとクローゼットの戸を開けた
あたりはシンと静まりかえり、またお城の時が止まったようだった
いつの間にか陣痛もおさまっている
(次の陣痛が来るまでまだあるし、この間に少しでも遠くに行かなくちゃ……)
部屋から出て歩き出すと、フッと風が吹いた
「見つけたぞ、フィオナ」
「ッ!?」
振り返ろうとした私をリカルドが抑え込む
「フフフ……胎の子も無事だな……」
お腹をスリスリとリカルドが撫でる
嫌悪感に私の肌は粟立った
「どう……して……!?」
「香りだ」
「か、香り……?」
「お前には特殊な香を撒いてある」
あの甘い香りだわ……!
「香の香りを辿っていけば、お前が何処へ行こうが追うことなど容易い」
「最初からお前に逃げ場など、無いのだよ。フィオナ」
リカルドが穏やかな声で囁く
この人は、私がクローゼットに隠れてることを知ってて、わざと私が出てくるように仕向けたのね……
私はポロポロと涙を流した
「さぁ、フィオナ。こっちへ来るんだ」
私はリカルドに抱き上げられた
「い、嫌……! 離して! 離してぇっ!」
私は身を捩らせてリカルドから逃れようとするが、大人の男に力で私が敵うはずがない
抵抗虚しく、ただ私の泣き叫ぶ声が静かな城内に響くだけだった
以上です、皆様よいお年を