「気分はどうだ?」 勝ち誇ったような顔を浮かべて男子生徒が茉子に近付いてくる。 「んぐううーっ!!」 自分を監禁したことに全く悪びれる様子もない男子生徒の態度に怒りを燃やす茉子。 持ち前の気の強さで男を睨む。 「何か言いたいみたいだからボール取ってやるよ。」 そう言うと男は茉子が縛られている椅子の後ろに回り込むと、茉子のボールギャグのベルトを緩める。 「んんっ!!ぷはぁっ…!」 ベルトが緩んだ隙を突いて一気に舌でボールを口の外に押し出す茉子。 ボールが飛び出すと同時に唾液が糸を引く。 「うわっ、汚なっ…」 口から出たボールを見て思わず声を上げる男子生徒。 自分から猿轡を噛ませておいてそんな態度をとられたことで、茉子の怒りもさらに強いものになっていく。 「こ、こんな事をして、ただで済むと思ってるの!?」 「ああっ!?まだ自分の立場が分かってねえのか。」 男子生徒が顔を茉子に近付ける。 目を見開いた迫力に一瞬怯むが、持ち前の気の強さで男を睨み返す。 「てめえのせいで俺はいい笑いものになっちまったんだよ。許さねえからな。」 教室にで成人向け雑誌を没収されたことよりも、教室でさらし者になったことがよっぽど悔しかったのだろう。 歯ぎしりを立てながら近くの壁を何度も蹴る男子生徒。 「だから何よ!?あんなもの持ってくるあんたが悪いんじゃない!!それにこんなことされても全然怖くないから!!」 縛られている状態とはいえ、気丈に振舞う茉子。 頭の回転がはやい茉子は、この男子生徒に性格からして茉子を屈服させるのが目的であることを瞬時に理解した。 (こんなことしたところでただのコケ脅しよ。そんな奴に私は負けないわ!!) 再び気持ちを強く持つ茉子。 ここで屈服したとしても、明日からこの男子生徒の性格や素行の悪さからして図に乗って好き勝手や るのは目に見えている。 自分のような風紀委員がストッパーにならなければこの男子生徒をクラスで抑えられる者はいなくなってしまう。 それに、こんな卑怯な手に屈するのは茉子にとって最大の屈辱だった。 「ああそうか。だったらせいぜい藻掻いてもらおうじゃねえか。」 そう言うと男子生徒は持っていたポーチに手を入れて何かを取り出す。 それは黒い革布のようなもので立体マスクのような形をしており、革のベルトが2本づつ縫いつけられていた。 「何する気なの!?」 「お前が没収したエロ本に書いてあった呼吸制御プレイを体験してもらおうと思ってよ。エロ本の抽選で当たったマスクで口塞いじゃおうかなあって思ったわけ^♪」 「はあ!?何よ、それ!?」 てっきり縛られたままであるとはいえ、これ以上何もされないだろうと思っていた茉子にとって、これは予想外の事態だった。 「いいじゃねえか。それにお前、ツラはいい癖にいつも煩いから猿轡で口塞いだら可愛くなるかもしれねえぞ♪」 ニヤニヤと笑いながらマスクを茉子の顔に近付けて来る男子生徒。 「やめなさい!!この変態!!」 椅子に縛られて、疲弊しているのも忘れてはこれまでにないくらいに激しく藻掻く茉子。 だがにそんな抵抗が意味を成すはずも無く、無情にもそのままマスクが近付いてくる。 「相変わらずうるせえな!!大人しくしやがれ!!」 男子生徒は茉子の頬と顎の間を鷲掴みにする。 「んがあっ!!」 かなり強い力で鷲掴みにされたことで茉子は思わず口を開いてしまう。 「そらっ!!さっさと咥えろよ!!」 茉子の顔にマスクを押し当てる男子生徒。 マスクの口にあたる部分にはゴムボールが付いており、茉子の小さな口の中にゴムボールが押し込まれていく。 「んぐうっ!!」 その悲鳴を最後に、茉子は言葉を奪われてしまう。 必死に口の中のボールを吐き出そうとするものの、すかさず顔に押し付けられた革のマスクがそれを許さない。 茉子の口から言葉呼吸の自由までもが奪われる。 更に、巻きつけられたマスクは、口だけで無く鼻の上までをすっぽりと覆ってしまい、茉子に許されたのは、革のマスクに開けられた小さな空気穴からの呼吸だけになった。 「むうううんっ…」 マスクで塞がれた口から苦しそうな声を漏らす茉子。 男子生徒はお構いなしにマスクのベルトを思い切りきつく締めあげて、ガッチリと固定してしまった。 「んふーっ…んふーっ…」 部屋の中に茉子の呻き声と苦しげなシューシューッという呼吸音が響き始める。 縛られた胸を激しく上下させ必死に空気を要求しているが、革のマスクは必要なギリギリの空気以上は決して通さない。 独特のむせ返るような革の臭いも茉子を苦しめるようになっていた。 「うーん、よく似合ってるじゃねえか。暫くここで俺に恥かかせたことを反省してもらおうか。」 そう言うと男子生徒は再び空き教室のドアを開ける。 「んふうー-っ!!んぐうーっ!?」 (ちょっと!!どこに行く気なの!?) 言葉にならない呻き声で呼び止める茉子の声も虚しく、退出していく男子生徒。 空き教室に縛られた状態で取り残された茉子は、若干の恐怖を覚えた。 なぜならここはよっぽどのことがない限り人が立ち入ることがない。 ここに助けが来る可能性は極めて低いうえに、こんな姿を誰かに見られるなんて屈辱以外の何物でもない。 男子生徒はそこまで考えて茉子をここに監禁したのだろう。 「んぐう~!!んふう~っ!!!」 (だ、誰かっ!!誰か助けて~!!!) 男子生徒がいなくなったことで冷静な考えが出来るようになった茉子。 それは同時に事態の深刻さを改めて認識づることになる。 (お願い…誰でもいい…助けて…) 全身を容赦なく拘束する縄の戒めと呼吸と言葉の自由を奪うマスクのせいで体力も底をつき始め、精神的にも疲弊する茉子。 彼女に出来ることは空き教室で藻掻くことのみだった。