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【特集】フリーランスの仕事事情・お金事情



フリーランスになるか就職するか迷っていたころ、いちばんの不安の種はイラストレーターの人が実際、どんな仕事をどのように受けてどういった流れで働いているのか分からない事でした。意外と仕事の実態を赤裸々に書いてくれる人は少ない。


ちょうど今迷っている方の参考になるように、今回は仕事とお金の話についての特集記事を書きました。かなり正直に書いているので、参考になれば幸いです👍


🐌今年の仕事総括

・依頼を受けて制作した案件はだいたい15件ほど。全ての案件の平均価格は20~30万円あたり。クライアントワーク収入は去年から大幅に伸びている。

・その反面同人収入は去年からあまり伸ばせておらず、ここは反省点かな。クライアントワークにかまけてオリジナル制作やメイキング記事をあまり出せなかったので、fanboxの収入も横ばい。そのため全体収入から見た同人収入の比率は減っていて、今は3割程度。

・その他雑収入がちまちま。

・旅行に行ったり家具を買ったりして経費を鬼ほど計上している。確定申告、めんどくさいなあ……



🐌仕事、価格の変遷


私は今フリーランスになって2年目なのだけど、大学2年生の頃から仕事を受注してそこそこ働いていたため、イラストレーターとしてはだいたい5年目になります。

働き方や価格の推移を一年ごとにまとめます。


🍎高校生~大学1年

知り合い伝や応募形式の仕事をたまにこなしていた。2、3万円程度をもらって大はしゃぎしていた。


🍎大学2年

ある程度定期的に仕事の絵を描き始めたのはこの辺り。企業の依頼メイン。背景付き一枚絵で5万円程度が多かった。

ずっと仕事があるわけでは無く、依頼が来たら働く感じ。

MVの他、ソシャゲイラストなども描いていた。


🍎大学3年

引き続き企業案件メイン。価格はそんなに変わらないけど、たまに10万円の仕事をもらえて大喜びしていた。

就職活動を思い立った日、その日が締め切りの会社のインターンに応募した。インターン中の面談で親切な企業の方に進路の相談をしてもらって、「だいたいどこでも入れそう」とお墨付き(?)をもらったので、「どこでも入れるならフリーで失敗した後に就職すればいいか~」と就活を一瞬で辞める。私は結構適当に進路決める方だ…。


🍎大学4年

このあたりからたまに大きめの案件に声をかけてもらえるようになってきたけど、卒制で忙しくてほとんど仕事はできなかった。価格は一枚7~10万円くらい。

来た依頼を全て受けたとしても食べていけるような額ではなかったので、フリーとしては今後数年かけて食べていけるようになればいいか、と思っていた。学生時代の仕事で貯金があったので悠長だったな。

卒制が終わった後、コミティア用の印刷費を稼ぐためにskebを開けた。


🍎フリーランス1年

前年のskebの影響か、個人依頼が増えた。企業案件と比べて値段が安いわけでもなく、一枚絵で20万円やそれを超える仕事も受けるようになってきた。平均的には一枚絵15~20万円だったかな…?

思いの外仕事が途切れることがなく、少し暇になってもskebを開ければリクエストはいっぱい届いた。嬉しい誤算だけど、去年まではしばしば閑古鳥が鳴いていたのに何故急にこうなったのかは不明。特にこの年フォロワーが増えたとかでもなかった気がするし…。

同人収入の割合が多く、収入の4割程度は同人誌収入とfanbox収益。


🍎フリーランス2年

前年は個人依頼の割合が大きかったけど、だんだん企業案件の割合が増えてきた。前半はあまり去年と変わらない価格帯で仕事をしていたものの、最近はかなり高めの価格帯の案件も受注するようになってきた。

一枚絵の価格は20万円~30万円が多いかな…?

企業依頼の大半はMVやゲーム系イラストだけど、漫画を描いたり講座を制作したり、今までやった事のない形式での仕事にも挑戦している。でも結構疲れるので来年は絵に集中したい。




🐌仕事の種類


あくまで今まで私が受けた際の印象になりますが、それぞれの業界のイメージ。


🍬アーティスト活動者(企業所属)のカバーMV

・カバー動画の場合はあまり単価は高くないことが多いです。時間が空いていたら受ける。

・でも、ファンが多いジャンルの場合は知名度が上がる利点があります。

・音源は原曲版だけ渡されて、アーティストの歌うカバー版は公開時に初めて聴くことが多い。


🍬アーティスト活動者(企業所属)のオリ曲MV

・オリ曲MVイラストの価格は、そのアーティストの所属している事務所の規模によります。基本的にはそこそこ価格は高め。スケジュールの都合でお受けできなかった案件も多いのだけど、値段が低くて断ったことは無いかな…?

・なにより、曲を一足先に聴けるのと、MVの形になるのが楽しいので私はMVの仕事大好き。

・音楽業界も毛色がさまざま。ヴァーチャルシンガーなど新しめなところはそうでもないけど、業界歴の長い会社、地下アイドルなどのプロデュース担当は異様にノリが軽い事もある。そのおかげで基本的にこちらの裁量で仕事ができることが多い。


🍬広告、商品パッケージイラスト

・これはすごくピンキリなイメージ。私は受けたことがないけど、大手会社の広告案件はすごい値段だと囁かれている……。

・ただこれは企画の種類にもよって、イラストレーターを大量に集めていっぱい絵を使うような案件の場合は安価だったり、無償という場合すらある(絶対に受けない)。価格が高いと言われがちな割に、個人的にあんまり実感がないのが広告イラスト。


🍬ゲーム用イラスト(本編実装されるスチルなど)

・会社の大きさにもよるのだけど、実装されるイラストは基本的に価格は低くない。

・ただ、公式の監修が入るため修正が多い。

・ものによっては実績公開ができない(そもそも絵描きの名前を出さない、進化後の絵柄でシークレットになっている)などの懸念点がある。


🍬ソーシャルゲーム用イラスト(背景など)

・価格としては普通。美味しくはないかな。

・上のスチルイラストよりももっと非公開率が高い(というか、多分今まで受けた中で一個も私の名前が出たことは無い)ので、最近はあまり受けていない。


🍬ソーシャルゲーム用イラスト(コンセプトアート)

・基本的に価格は高め。ほとんど数をこなしていないので詳しい事は分からないけれど……コンセプトを外注する事って少なそうな気がする。


🍬ソーシャルゲーム用イラスト(SNS広告)

・価格はピンキリ。不思議なのが、予算がゲーム会社の規模と直結しているわけではないところ。有名タイトルでも安いことがままある。勿論、きちんと予算を割いてくれるゲームもある。


🍬カードゲーム用イラスト

・受けた回数は少ないけど、画質がすごく低い割に高単価。カードゲームが全般的にそうなのかどうかは分からない。


🍬出版業界

・広告やゲームに比べて価格が高いとは言えない。ただ、それでも装画の仕事をやりたいという熱意のある人は多い。


🍬講演依頼、PR(絵の作業なし)、コラボグッズ等

・ものによる。ただ、作画の作業なしに短時間でお金を稼げるので、楽と言えば楽なのだろうか…?狙って貰える仕事でもないので、来た時に都度判断すればいいと思う。


🍬個人依頼(観賞用)

・色んな方が頼んでくださるので、一概にはなんとも言えない。「お金を貯めて初めて依頼に来ました!」と言ってくださる方もいれば、「自分の世界観を色んな絵描きに依頼している」富豪タイプの方もいる。

・ファンの方からの依頼が多いため、比較的自由に制作できることが多く、権利譲渡も少ない。気楽で好き。


🍬個人依頼(活動者用)

・個人の活動者の予算の範囲なので、高価格のことは少ない。

・ただ、継続的に依頼をいただけたり、喜んでくれる姿が生で見れるのは醍醐味。企業案件だとアーティスト本人ではなくスタッフの方とのやり取りになるのでね。

・観賞用も含め、個人依頼は一番トラブルが多いので注意が必要。私も何度かラフの持ち逃げに遭っているので、今は全額先払いをお願いしている。知人から聞いたトラブルだけど、修正が何十回も続く地獄に陥る事もあるそうなので、受注段階で修正の回数も決めておくといいかもしれない。


🍬skeb

・サイトの出来が良く、めちゃくちゃ楽に仕事を受けられる。

・権利譲渡が全くないため、絵を自由に使える(※ただしオリジナル作品扱いにはならないのでCOMITIAには出展できない)

・料金は破格に設定しているけど、その分たくさんリクエストがもらえるので「最悪この案件が流れてもskeb開ければ仕事もらえるしな」の精神で強気に価格交渉出来るようになる。

・絵で仕事をしたことがない方にオススメ。友人たちにも登録を勧めていて、初仕事がskebの友人も多い。





🐌仕事の流れ


1、どうやって仕事を得るのか

私の場合はほとんどTwitterで見つけてもらって声をかけて頂いています。稀にpixivから来る人もいるっぽい。

プロフ欄にメールアドレスを記載しているので、基本的にはメールで声がかかります。litlinkに依頼時メールに記載してほしい内容をまとめているけど、クライアント全員が読んでいるわけではないです(読んでくれた方がスムーズってだけなので、全然良い🙆私もそういうの見逃しがちだから…)。


ILLUSTRATIONとかVISIONSなどの画集を見てきた人は多分ほぼ居なかったので、お仕事を得たいというモチベーションだけなら、それらへの掲載を目指すことはないと思う。


また、絵がバズったら仕事が来るという感覚もあんまりない。多少はいいねの数に左右されるところはあるのかも分からんけど、全然投稿してない期間でも依頼が来る時は来る。

クライアントが発注先を探す時、絵描きを探してタイムラインを見るというよりは、以前から目をつけていた作家から選んでそうな印象がある。だから「最近絵が伸びないな」などで一喜一憂する必要はそんなにない。



2、受注前のやり取り

今私がlitlinkに記載している、依頼時に伝えてほしい情報は、


ーーーーー

○依頼内容(キャラクター人数、背景の有無など)

○納品仕様(サイズ、データ形式など)

○使用用途

○希望納品日

○予算

ーーーーー


です。今年の秋から始まったフリーランス新法では


ーーーーー

①業務の内容(イラストの枚数やサイズなど)

②報酬の額(予算)

③支払期日

④発注事業者・フリーランスの名称

⑤業務委託をした日(最初にメールをもらった日or正式に受注が決定した日)

⑥給付を受領/役務提供を受ける日(納期)

⑦給付を受領/役務提供を受ける場所(イラストレーターの場合は「オンライン上の納品」「デジタル納品」など書く)

⑧(検査を行う場合)検査完了日(修正などのチェック作業を終え、完納となる日)

⑨(現金以外の方法で支払う場合)報酬の支払方法に関する必要事項

ーーーーー


を受注時に明記する必要があるそうだ。③の支払い期日については、何度かやりとりしているクライアント相手にはかなり適当にしていたから、今後はきちんと定めなきゃならない。

このテンプレを最初からお願いすると向こうのハードルが上がってしまいそうだから、受注が確定した時点で、こちらで①~⑨を埋める形でメールに記載しておくといいと思います。

私はあまり定めないのですが、各工程ごとに修正回数を定めるのもトラブル回避のために良いと思います。製作進行中、どのタイミングでチェックをしたいかも訊いておきましょう。


クライアントの中には、イラストレーターに依頼するのが初めてな方や、ものすごく事務的な方、逆に慣れすぎててノリが軽い方などいろんな方がいます。

ファーストコンタクトで相手が信頼できるかどうか判断するのはかなり難しいので、初めて依頼を受ける相手、特に個人の場合は全額前払い、または進捗度合いによって細かく入金などの措置を取りましょう。

企業の場合は納品後の支払いが普通なので、そこは賭けになるね……受注後に消えた企業には今の所出会ったことはありません。

見積もりを出したら音信不通になるケースは個人では結構多い。企業も大小を問わず見たことがあります。そういうものだと割り切りましょう😇



3、価格交渉のやり方

私の場合、予算に不足がある場合は必ず価格交渉をします。

企業のクライアントで予算に余裕がありそうな場合(提示された予算に「価格交渉可」など書いてあった時とか)、試しに交渉してみることもあります。

そういった企業クライアントの場合、「提示予算で受けてくれたらラッキー✌️」くらいのノリで予算を提示している場合も多いので、遠慮なく交渉しましょう。


価格交渉って最初は本当に緊張すると思います……私も最初にベースアップをお願いした時は手が震えた。

でもこれは続けていると慣れるもので、今は打ち合わせで「ちょっとこの額じゃ…^^;」みたいな顔が出来るようになってきた

(読んでくださってるクライアントの皆さんはどうか圧を感じないでください。。。もし予算が少なくても怒ったりしないし、怖いことは絶対に言わないから‼️)


そういった気の重い交渉で使えるワードをいくつかチョイスしますね。


ーーーーー

・「この作業には⚪︎日かかり、日給を⚪︎円に設定しているので」

・「この価格でお受けしてしまうと、他のクライアントへ申し訳が立たないので」

・(以前にもお仕事をくれてたクライアントに対して)「最近多忙で、前の価格でお受けするのが難しいので」

・「納期が短く特急料金になるので」

・「権利譲渡、商業利用は上乗せが必要ので」

ーーーーー


などの枕詞をつけて交渉すると良いかな。

予算に納得できないまま、やる気が出ない仕事をテキトーに進める方が失礼だと思っているので、きちんと予算については事前に協議しましょう。



4、作業の流れ

2、3で受注内容を明確にしたら、まずラフを提出します。


構図の指定がある際は、それに沿ったラフを1種類提出します。

こちらに構図やシチュエーションが任される場合は2、3パターン提出することが多いです。

たまに、予算が固まっていない場合に価格帯ごとのラフを提出して、クライアントに価格と合わせて選んでもらうという事もあります。この場合、一番安いラフの価格分は前払いで頂いておくのが安心です。

個人のクライアントで予算が固まっている場合は、この時点までに全額支払いをお願いしましょう。新規のクライアントならラフ着手前の方が望ましい。



大抵の場合、次に下書きや線画を提出します。

製作中どれくらいチェックが入るかは仕事によってさまざまで、ラフだけチェックして、その後納品までチェックがない仕事もあります。



モチーフや表情の変更などが入ることがあるかな?



次に下塗りを提出します。全体の印象をなんとなく掴めるように、色分けだけではなく、ある程度明暗を描き込んだり簡単な加工を施したりしておきます。これが制作途中では最後のチェック段階になります。



仕上げまで終えたら提出、チェックが通れば納品です。



5、必要書類

契約書とか請求書とか全然分かんくて…って相談、仕事を始めた友人からよく貰うのでこれも簡単に解説しますね。


いまどき紙の契約書を使う事はあまりなく、ExcelやPDFで送られてきたり、クラウドサインなど電子契約のサイトを使ったりする事がほとんどです。画面上のチェックを押して、自分の名前を入力するだけ。

紙の場合も電子で内容を確定させて、保管用に印刷、押印される感じ。


ーーーーー

🍙発注書

受注後〜納品前に企業側から送られてきます。

その仕事の内容や納期、報酬額や支払い期日などが書かれています。

契約書を兼ねていることも多く、秘密保持についての指示も書いてあったりします。

内容を確認してサインしましょう。


ーーーーー


🍙契約書

大きめなプロジェクトであったり、著作権、使用権についての取り決めが重要な場合には締結します。

発注書の内容にプラスして、秘密保持条項や契約破棄条件などが記載されています。双方の理解を擦り合わせる目的の発注書と違い、法的な効力があります。

内容を確認してサインしましょう。権利譲渡がある場合はきちんと目を通した方が良い。


ーーーーー


🍙請求書

納品後、こちらからクライアントに送ります。個人のクライアントで提出を求められなかった場合には作らないこともあります。基本的に「請求書 テンプレート」で調べて出てきたテンプレを埋めれば問題ありません(テンプレの関数が自動で計算してくれるので楽)。


・発行日

・クライアントの名前(会社名と担当者名)、住所

・イラストレーターの名前と住所

・請求金額(内訳と税額を含めた総額)

・業務内容の概要(依頼されたイラストや作業内容を簡潔に記載)

・支払期限

・支払方法(銀行口座情報や振込方法、口座名義など)

・(インボイス登録しているなら)適格請求書発行事業者番号


このあたりをおさえていれば大体問題ないかな?


ーーーーー


だいたいこの3つで収まります。見積書や納品書、受領書なんかは使った事ないな。仕事によっては必要なのかな?

継続的に収入が発生するタイプの案件では、大体3ヶ月に一回くらい売上報告書が届くけど、これは目を通すだけで特に対応の必要はなし。


行き当たりばったりでも間違っていたら企業の方が教えてくれます。私が正にそうでした…請求書をExcelデータ(書き換えられてしまう)のまま提出して、「PDFでください」って言われたな……



まとめ

今回いろいろ解説しましたが、イラストレーターの仕事は千差万別、絵柄や活動範囲、それまでの経歴で来る仕事の種類が全然違う。私はまだ駆け出しな方だから、あくまで一例として読んでいただければ幸いです。


フリーランスイラストレーター1年目まとめ

年の瀬という事で、今年1月からの収入をざっくり計算しました。 私がフリーランスを志すか迷っていた時期、実際フリーランスのイラストレーターがどのように働いてどのくらいの収入が得られるのか不透明すぎて不安だったので、そういった方へ向けて今年のまとめを記録しておきます。 お金の話も絡んでくるためどうしても...

去年のこっちも良ければご参考までに。


イラストレーター、結構行き当たりばったりでもなんとかなるので、気楽に構えて楽しく働きましょうね。

納期だけは守ろう!(万が一守れない場合はなるべく早く伝えよう!)


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