入れ替わった状態のままー、
数ある行事の中でも最大の行事とも言える
”修学旅行”を迎えて、
京都を訪れた翔太たちー。
今だけは、思い出を作ることに集中したいー。
そんな風に思いながら1日目を堪能した翔太たちはー…
★前回はこちら↓★

3年目が始まり、 入れ替わったままの二人は、 次第に”元の自分”として振る舞うよりも、 ”今の身体”としての振る舞いが自然な振る舞いになっていきつつあったー。 そんな状況を前に、翔太を以前から知る菜々美は、 複雑な感情を吐露するー。 そうこうしているうちに、最後の1年最大の行事である 修学旅行の日を迎えようと...
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★主な登場人物★
遠藤 翔太(えんどう しょうた)
C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。
星村 綾(ほしむら あや)
C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。
神田 哲真(かんだ てつま)
C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。
山井 穂乃果(やまい ほのか)
C組生徒。綾の親友。入れ替わりを知ってからも変わらず接してくれている。
伊藤 菜々美(いとう ななみ)
C組生徒。翔太が小さい頃親しかった子。翔太たちに協力してくれている。
★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス! 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています~! ※ネタバレは控えめ(漫画や小説の最初の方のページに書かれている 人物紹介ぐらいの内容…)デス~! 最初にクラス名...
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チャイムが鳴り響く中、
翔太は、教室を見渡すー。
そこに広がっているのは、いつもの光景ー。
けれどーーなんだか”違うような”そんな光景ー。
「ーーよ、翔太ー。どうしたんだ?」
親友の哲真に声を掛けられる翔太ー。
大人しい性格の翔太は、
高校生活3年目を迎えても、やっぱりあまり交友関係は広くなくー、
”今まで通り”の生活が続いていたー。
「ーーなんだ、神田くんかー」
翔太が少し寂しそうに笑うと、
窓側の方の座席で、楽しそうに話をしている”星村さん”を見つめるー。
ずっと一緒のクラスで過ごした3年間ー。
けれど、”星村さん”は、翔太にとって雲の上の存在ー。
いつもキラキラしていて、楽しそうでー、でもーー…
3年間で、ほとんど雑談らしい雑談はしたことがないー。
その近くにいる綾の親友・穂乃果や、他のクラスメイトたちの姿も
見つめるー。
「ーーおいおい、どうしたんだよー?」
哲真が少し心配そうに言うと、
「ーあのさー、なんか今日、変じゃない?」と、
翔太はそう言葉を口にするー。
何だかー、強い違和感を感じるー。
「ー”わたし”っていつもこんな感じだったっけー?」
翔太がそう言うと、
哲真は「…はぁ?急にどうした?しかも”わたし”ってなんだよ?」と、
戸惑うー。
「ーーーあ…あれれ」
翔太は苦笑いしながら、困惑の表情を浮かべるー。
僕の学校生活は、”こう”だっただろうかーー
そんな不思議な感覚に包まれているとーー
やがてーーー
「ーーーー!」
”見慣れない天井”が目に入ったー。
しばらく、状況を把握できずに戸惑うのはーー
”綾と入れ替わった翔太”ー。
「ーーー(あぁ…なんだー夢かー)」
綾(翔太)は、そう思いながら起き上がるー。
どうやらー、
”入れ替わってなかった場合の僕”みたいなー、
そんな夢を見たようだー。
”ーーもし、星村さんになってなかったらー…
やっぱりー、夢みたいになっていたのかなー”
綾(翔太)はそんなことをふと思うー。
入れ替わりが起きていなければーーー…
自分の3年間は、どんな3年間だったのだろうー。
「ーー大丈夫かい?」
背後から声がして、綾(翔太)が振り返ると、
中性的な雰囲気の美術部の女子生徒・倉守 詩音が少し
眠そうにしながら言葉を口にしたー。
「ーーえ?」
綾(翔太)が不思議そうに言うと、
詩音は「あぁ、いやー、その、少しうなされてたからー」と、
苦笑いしながら呟いたー。
「ーーあ、あははーちょっと変な夢を見ちゃってー」
綾(翔太)が笑うー。
「ーーえ~?変な夢~?何を見たん?」
同室の友達・笹野翔子が、揶揄うようにして、”見た夢”を聞いてくるー。
「ーあ!わたしも知りたいですわ!平民の皆さんがどんな夢を見てるのかー」
お嬢様・神宮寺真莉愛も、そんな風に会話に乱入してくるー。
「ーー平民もお嬢様も、見る夢は変わらないでしょ」
綾の親友・山井穂乃果がそうツッコミを入れると、
綾(翔太)は笑いながらー、
”そうだー、今日は修学旅行の2日目だったー”と、
気を取り直して今日と言う日を楽しむことにしたー。
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「ーーふぁ~ぁ…ねみ…」
翔太の親友・哲真がそう言葉を口にしながらあくびをするー。
「ーだ、大丈夫ー?」
翔太(綾)が戸惑うと、
昨晩盛り上がりすぎたのか、哲真は眠そうに
「たぶん大丈夫ー」と、そう言葉を口にしたー。
「お前ら、ず~っと、カードやってたもんなー」
綾にかつて告白したことのある須藤 渉が苦笑いしながら言うと、
哲真は「ー足立がやろうって言うからさー」と、
なおも眠そうに言葉を口にしたー。
「ーーあははー無理しないでね」
翔太(綾)が言うと、哲真は「おぅー大丈夫大丈夫ー」と、
そう言葉を口にしたー。
旅館での朝が終わりー、
京都市内の観光が始まるー。
二日目はまず、学年全体での観光ー、
奈良方面の観光を行い、午後はまた京都に戻ってきて
班行動を行うー。
全体行動で、東大寺(とうだいじ)にやってきた3年生たちー。
「ーーうぉぉぉぉぉぉぉ…!
おぉぉぉぉぉぉぉ…!」
行事大好きな男子・栗原誠一は今日も昨日に引き続き、
”よく疲れないね…”と言いたくなるぐらいに張り切っているー。
大仏を見つめながら、それぞれが異なる反応を示しているー。
綾(翔太)と、翔太(綾)は、二人で行動しながら
大仏を見て感想を口にしたりー、お土産コーナーで
東大寺のキーホルダーを買ったり、記念撮影をしたりしているー。
「ーあ、”星村さん”もうちょっと、こっちー!」
スマホで翔太(綾)が、綾(翔太)の写真を撮ろうとするー。
周囲にも同級生がいるため、”身体の名前”で、”元自分”のことを
呼びながらー。
撮影を終えると、「じゃ、今度はわたしがー」と、綾(翔太)が、
翔太(綾)を撮影しようと声をかけるー。
「ーーなんか、”自分”を撮影するって変な気分ー」
大仏の方に向かいながら、翔太(綾)が笑いながら言うと、
「あははー確かにー」と、綾(翔太)も笑うー。
入れ替わって3年ー。
ただ、あまりこういう”写真撮影”の機会はなかったため
”元自分”を撮影するのはなんだか新鮮だったー。
「ーーーーー」
そんな、二人が楽しそうに写真撮影をしている様子を
少し離れた場所にいた伊藤 菜々美が複雑そうに見つめるー。
「ーーー伊藤さんってー…アイツのこと、好きなの?」
ふと、綾の親友・穂乃果が菜々美に声をかけるー。
”翔太が小さい頃仲良しだった”ー
穂乃果は、菜々美のことをそのぐらいしか知らないー。
お互いに入れ替わりのことを知りながらも、
あまり、深い接点はなかったー。
そんな穂乃果の言葉に、
「ーーーーー別にー」
菜々美はそれだけ言うと立ち去ろうとするー。
「ーーーー伊藤さんー
わたしもー、綾たちには元に戻ってほしいよー?
綾は、わたしの”推し”だしー」
穂乃果がそう言うと、菜々美は一旦立ち止まるー。
「ーーでも、一番大変なのはやっぱり、綾たちー、
入れ替わってる二人だと思うからー
だからーーー」
穂乃果は、そう言葉を口にするー。
穂乃果はこの前、菜々美が綾(翔太)に
”「わたし」って言わないで!”と、
綾(翔太)の一人称をきつく指摘しているのを偶然目撃していたー。
そのことを、穂乃果は心配していたー。
「ーーーー…そのぐらい、分かってるー」
菜々美は寂しそうにそう言うと、
「ーーでも、元に戻ることは諦めないでほしいのー」と、
そう吐き出すように言葉を口にしたー。
奈良の観光が終わりー、
再び京都に戻りー、2日目の自由行動が始まったー。
今日も、様々場所を巡りー、
最後に清水寺(きよみずでら)を訪れるー。
「ーーーお、二人とも写真撮ってやるよ!」
哲真が、清水寺の風景をバックに、
翔太と綾の二人にそう言い放つー。
綾(翔太)は少し照れ臭そうに、
翔太(綾)を見つめると、
そのまま二人で哲真に言われた場所に立つー。
”綾”として、自然に女子らしい”写真映え”するような
そんな仕草をする綾(翔太)ー。
哲真は少し笑いながらー、
「ーすっかり可愛くなっちゃってな」と、揶揄うように言うと、
そのまま二人を撮影するー。
翔太(綾)が「神田くんたちもどうー?」と、そう言うと、
哲真は、穂乃果の方を見ながら、
「ーーえ、あ、いや、俺は別にー」と、そう言葉を口にするー。
穂乃果は昨日から何だか”自分に対してだけ”機嫌が悪いー。
哲真はそう思いながら、穂乃果の方を見ると、
「ーーーーー撮ろうよ」と、穂乃果にそう言葉を掛けられて、
哲真は「えー…あ、いや、なんか昨日から山井さん、怒ってるみたいだしー」と、
申し訳なさそうに言葉を口にするー。
「ーーーーホントに分かってないの?」
穂乃果がそう言うと、
哲真は昨日のことを思い浮かべながら、
首を傾げるー。
”確か、金閣寺にいるあたりから機嫌が悪くなったんだよなー”
哲真はそう思いながらも、その理由が分からずにさらに首を傾げるー。
「ーーーあんた、マジー?」
穂乃果は呆れ顔をしながら、翔太(綾)たちに促されつつ、
哲真と一緒に写真に写る準備をするー。
哲真も気まずそうに穂乃果の隣に立つと、
穂乃果が突然、哲真の手を掴んで、手を繋いできたー。
「ーーえっ!?」
哲真は顔を真っ赤にしながら困惑するー。
そのまま、写真に撮られてしまい、
翔太(綾)が「神田くん、赤いよ~!」と言うと、
綾(翔太)も「あははは!」と笑いながらその写真を見つめたー。
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2日目の夜ー。
宿舎に戻ると、
男子部屋の一室では、昨日の盛り上がりが嘘のように、
カードゲーム部の幸也や、以前綾に告白した須藤 渉、
そして敷島郡司らは眠りについていたー。
「ーあはは、みんな、今日は早いねー」
翔太(綾)が小声でそう呟くと、
「ーーみんな、昨日ははしゃいでたもんねー」
と、1年の時にいじめを受けていた丸岡富雄が、
少しだけ笑いながら言うー。
「ーーーー丸岡くんは、こういうの苦手じゃない?
大丈夫ー?」
翔太(綾)が、そう心配すると、
富雄は少し照れ臭そうにしながら、
「ー前の僕だったら、修学旅行とかも行きたくなかったかもー」と、
それだけ言葉を口にするー。
「ーでも今はー、大丈夫ー。
楽しいこともあるしー」
富雄がそう言うと、翔太(綾)は、「そっかー」と、
安心した様子で頷くー。
「ーーそろそろ僕も、寝ようかなぁ」
富雄がそう言いながら、トイレの方に向かっていくー。
そんな様子を見て、”まだ”起きていた哲真が
「ーー星村さんー。騒がしくてごめんなー」と、
本人しか聞こえないような小声で言うー。
「ーーーううんー。大丈夫ー。
僕ーー…わたしも、十分楽しめてるし、
神田くんも、遠慮せずに楽しんでくれたみたいでよかったー
気を遣われちゃうと、逆にごめんなさいってなっちゃうしー」
小声で言いながら笑う翔太(綾)ー
出発前に、翔太(綾)は、
”わたしのこと、中身も男子だと思って、気を遣わないでねー”と、
そう哲真に伝えていたー。
その通り、哲真は普通に楽しんでくれたようで、
翔太(綾)は安堵の表情を浮かべていたー。
「ーーはははー…ちょっとハリキリすぎた気もするけどなー」
哲真はそう言いながら苦笑いすると、
翔太(綾)は、スマホで時計を確認しながら、
「ー僕も、寝る準備しよっとー」と、そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー」
部屋の外でひと息ついていた綾(翔太)ー。
「ーーーどうしたの?浮かない顔してー」
そんな綾(翔太)に気付いて、部屋から出てきた
伊藤 菜々美が声をかけて来るー。
「ーあ、伊藤さんー」
綾(翔太)は、少しだけ微笑むと、
「ーわたしー、今朝、”もしも入れ替わってなかったら”みたいな
夢、みたんだよねー」と、そう言葉を口にするー。
その言葉に、菜々美は”夢?”と、呟くと、
綾(翔太)は「たまに見るんだー。”入れ替わり前の夢”とか、
”元に戻れた後の夢”とかーーー」と、
色々、今までも夢を見たことを口にするー。
「ー夢の中で、わたしーーー
”今みたいな”状態じゃなかったー。
友達もあまりいなくてー、なんか、寂しい感じでー」
綾(翔太)は自虐的に笑うと、
「ーーあ、ごめんー”わたし”じゃなくて”僕”だねー」と、
一人称を直すと、
菜々美は「いいよー。言いやすい方でー」と、
この前、感情的になったことを謝りながら
”わたし”でもいい、とそう言葉を口にするー。
「ーーははー、ごめんねー。
気を遣わせてー」
綾(翔太)はそれだけ言うと、
「ーーーわたしが今、こうして色々なクラスの子と
仲良くしてられるのってー、
やっぱり、わたしーー…僕の力じゃなくてー
星村さんの身体のおかげなんだなーってー
なんか、そう思っちゃってー」と、
今朝見た夢のことを、改めて口にするー。
そんな言葉を聞いた菜々美は、
綾(翔太)のほうを見ながら少し考えると、
言葉を口にしたー。
「ーーそんなことないよー。
”身体”のおかげなんかじゃないー。
入れ替わってからもう2年以上でしょ?
今の”星村さん”は、遠藤くんが頑張った結果ー」
菜々美はそれだけ言うと、
綾(翔太)は「でもーわたしはー」と、そう言葉を続けようとするー。
がー、菜々美は首を横に振ったー。
「ーーわたしーーー
弟が死んでから、”友達”いなくなったのー。
何でだか分かるー?」
菜々美がそう言い放つと、
綾(翔太)は表情を曇らせるー。
「ーこんなわたしになっちゃったからー、
友達もいなくなったのー」
菜々美はそう呟くー。
”翔太”と一緒だったころの菜々美は
明るく、お姉さん的存在で、友達も多かったー。
その菜々美が、翔太の元を離れたあとー、
弟を失い、心を閉ざした結果ー、
周囲の友達も離れて行ったー。
「ーーーわたしは孤立するまで1年もかからなかったー
でも、遠藤くんはもうその身体になって2年ー。
だからー、”遠藤くんがダメな子”なら、
とっくにもう”星村 綾”は孤立してるー」
菜々美はそこまで言うと、
綾(翔太)は少しだけ寂しそうに「伊藤さんー」と、呟くー。
”人間関係”は、外見だけで作るものじゃないー。
心を閉ざし、あっという間に友達を失ったという経験を持つ
菜々美の言葉は、説得力があったー。
悲しいけれどー、説得力がー。
「ーーーだからー、自信を持ちなさいー。
今の”星村さん”は、遠藤くんのこの2年間の過ごし方の結果ー。
ーーー遠藤くんーーー
その身体になって、すごく成長したと思うよー」
菜々美はそう言うと、
綾(翔太)は前に”入れ替わったあと、元に戻って寂しい想いをする夢”を
見たこともあると告げるー。
しかし、菜々美は言うー。
「夢は夢ー。
今、もしも元に戻ったとしてもー、
遠藤くんは、孤立したりなんかしないー。
大丈夫ー」
そんな風に、”翔太”を諭す菜々美にはー、
確かに昔のような、頼れる存在でもあった菜々美の面影が見えたー。
「ーーだから、元に戻ることを恐れないで」
菜々美はそれだけ言うと、少し眠そうにしながら、
「ーーー…もう遅いから、寝ないとー。おやすみー」と、
そう言いながら立ち去っていくー。
「ーーー…おやすみ、伊藤さんー」
綾(翔太)は、そう返事をしながら少しだけ微笑むー。
「ーーそっかー…そうだよねー」
”翔太”がどうしようもない人間ならー、
身体が星村 綾だろうと、とっくに孤立しているはずー。
それは、確かにその通りかもしれないー。
「ーー夢のことなんて、ズルズル考えてちゃ、ダメだよねー」
綾(翔太)はそう呟くと、菜々美に続いて部屋へと戻って行くのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
修学旅行最終日ー。
最後の京都観光を終えて、
帰路につく生徒たちー。
帰りの新幹線ー。
未だにハイテンションな行事好きのお調子者・栗原誠一。
その近くでは、中二病の米沢海斗も何やら騒いでいるー。
「ーうるさい~~~!寧々、寝てるんだから静かにして~!」
一人称が名前の女子生徒・寧々がその近くで
困惑しながら声を上げているー。
そんな様子を見つめながら、翔太(綾)は少しだけ笑うと、
修学旅行のことを少しだけ振り返りながら
満足そうな表情を浮かべるー。
先生たちも、修学旅行を終えて、
少しだけ安堵した表情ー。
翔太たちの担任・若松先生は少しだけ笑いながら
「東先生ー?顔色悪いですけど大丈夫ですか?」と、
そう言葉を口にするー。
今年から翔太たちの”理科”の担当になった東先生はー、
家で待つ妻に怯えながら、修学旅行の終わりが近付くにつれて
みるみる顔色が悪くなっていたー。
「ーはは…大丈夫ですよー」
東先生がそんな言葉を口にするー。
そうこうしているうちにー、
新幹線は無事に目的地に到着ー。
解散地点の東京駅でー、
国語の井上先生が”気を付けて帰るように”と、
言葉を口にしてーー
長い修学旅行は終わりを迎えたー。
「ーーー楽しかったねー」
翔太(綾)が、綾(翔太)に声を掛けると、
「うん!」と、綾(翔太)は頷くー。
「ーあ、そうだーこれー
美桜へのお土産ー。
渡しておいてー」
翔太(綾)がそう言いながら
お土産を取り出すと、綾(翔太)は少し戸惑いながら
「うんー。ちゃんと渡しておくね!」と、そう言葉を口にしたー。
妹の美桜に”綾”は、”姉”としてお土産は渡せないー。
でも、身体が変わってもー、
今でも美桜のことを想う気持ちは変わらないー。
「ーーーじゃあ、また来週ー」
「ーーうん!」
そんなやり取りをして別れる二人ー。
綾(翔太)は、少し前の方を歩いていた
伊藤 菜々美の方を見つめると、
少しだけ寂しそうな表情を浮かべるー。
昔も、今もー、
やっぱり伊藤さんに助けられてばかりだと、
綾(翔太)は改めて思うー。
人格転移の研究を趣味でしている
神宮寺真莉愛の父親を紹介してくれたのも菜々美だし、
話をつけてくれたのも菜々美ー。
昨日、アドバイスまでしてくれてー
それなのにー
”「ーーーーーだからー…もうー、わたしはー」”
昨年の文化祭の時に、菜々美の身に起きたことを聞かされたー。
でも、綾(翔太)は、何もしてあげられなかったー。
「ーーー…」
綾(翔太)は菜々美の後ろ姿を見つめながら思うー。
今度は、こっちが力になる番だとー、
綾(翔太)はそんな風に、心の中で密かに誓ったのだったー。
㊾へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★3-Cの日常★
「ーーすっごい買ったねー」
修学旅行の解散地点ー。
報道部所属の岡崎香奈枝が、
誰にでもフレンドリーな霧崎理子に声を掛けると、
理子は「え?これ?」とお土産の山を手にしながら
「ーあたし、兄弟たくさんいるからー」と笑ったー
以前、綾の妹である美桜のいじめ問題解決の時に
力になってくれた弟の淳伍も含めて、
理子には弟がふたり、そして兄がひとりいるー。
「ーふ~ん、賑やかそうー」
香奈枝が笑うと、理子は「毎日うるさいぐらいだけどー」と、
笑いながら言うー。
「ーーあはは、そっかぁ~」
香奈枝には姉妹・兄弟、いずれもいない。
一人っ子の彼女からすれば、
そんな理子の日常は、想像もつかないようなものだったー。
「ーー香奈枝ちゃんは、何か買ったの?」
理子がそう言うと、香奈枝は
「あたしは親と、あと郡司くんにー。」
と、親と彼氏にお土産を買ったことを口にするー。
「ーーあはは、一緒に修学旅行に来た彼氏にも買ったの?」
理子がそう言うと、香奈枝は「なんか、つい買っちゃった」と、
笑いながら、そのお土産を手にするー。
「ーーあははー仲良さそうでよかったねー」
理子はそう言うと、
「ーー二人のこと、応援してるからね」と、香奈枝の肩を
ポンポン叩きながら「じゃ!」と、そのまま帰りの電車の方に
向かっていくー。
香奈枝は、そんな理子の後ろ姿を見つめながら
”霧崎さんの家、楽しそうだなぁ…”と、そんなことを思いながら
自分も帰りの電車に乗るために、歩き出したー。
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コメント
もうすぐ第50話デス…!★(次は㊾デス)
長編は週1回の連載なので、
もうすぐ連載開始1周年になりますネ~笑
一つの作品をここまで時間をかけて書いたのは
私も始めての経験なので、
びっくりデス~!
まだまだ続きも楽しんでくださいネ~!
今日もありがとうございました~!☆!
★関連話★
(こんな話あったかな?と、思った時の参考にどうぞ~!☆!)
伊藤 菜々美の過去⇒第37話