SS_ユニコーン、大きくなる!
Added 2023-04-14 10:30:00 +0000 UTC今回はアズールレーンよりユニコーンです。
人見知りする可愛い女の子ですね。
個人的にアズールレーンで一番好きなキャラです。
ユニコーン改が来たと思ったら、
人形として抱えていたゆーちゃんの方がパワーアップしたのも印象的です。
(本人も少し変わってるのかもですが……)
それでは本題。
オトナに憧れて大きくなりたいユニコーンに願ってもない依頼がやってきます。
(約5,500字)
※無断転載禁止
------------
大きくなって、いつかお姉ちゃんみたいになりたい。
ユニコーンにはそんな憧れがある。
オトナになるにはまだまだ時間が必要な彼女。
彼女の周りには気品に溢れる大人びた女性も多い。
特に彼女の憧れるお姉ちゃん、イラストリアスは並外れた豊満さも兼ね備えている。
周りのお姉ちゃんたちのようになることを夢見ながら、
彼女は平和な日常を過ごしていく。
そんなある日のこと。
「大きくなれる装置の実験を手伝ってほしい……?」
発明好きの技術担当者から彼女にひとつの依頼がやってきた。
一定時間大きくなって好きに振舞うことができる装置を研究しているから
それを使って大きくなってもらいたい、とのこと。
「私が大きく……
うん、いいよ?」
実際にオトナになったときの姿とは違うかもしれないけど、
憧れの姿になることができるかもしれない。
彼女はすぐにオッケーを出す。
早速その装置の実験室へと案内され、
説明を受けてから準備に取り掛かる。
説明を受けたときに少しピンと来なかったところもあったけど、
始めてみれば分かるだろう。
靴を脱いだり耳元に通信機器を着けたり。
ひと通りの準備が終わると、
専用の部屋に1人で入って目を閉じて待つ。
いよいよ実験が始まる。
------
「目、開けるよ?」
耳に着けた通信装置から聞こえる指示のままに目を開ける彼女。
早速自分の身体をたしかめる。
胸は……
変わっていない。
体つき……
これもいつもどおり。
身長は……
服の丈が変わっていないから伸びていなさそう。
周りの景色も……
「あれ?
とっても見晴らしがいい?」
思わず困惑する彼女。
直前まで暗い部屋の中に居たはずなのに、今は外に居る。
戸惑いながら周囲を観察していると、さらなる発見があった。
足元には街が広がっているのだ。
まるで街のジオラマを見ているかのような。
「あっ、もしかして……
大きくなるって、こういうこと?」
装置の起動が無事完了したという報告を耳にしてようやく気付く。
大きくなるというのは身体が成長するという意味ではなく、
巨大化するという意味だったのだ。
説明を聞いた彼女にピンと来ていなかった部分があったのは
もちろんこの勘違いが原因である。
オトナの姿になることができない。
期待を膨らませていただけにショックを隠せなかった。
とはいえ、今は実験のお手伝いをしているところ。
やることはやらなくちゃ。
数秒ほどかたまってしまっていたが、彼女は急いで気持ちを切り替える。
「……うん、うん。
それじゃあ、やってみるね?」
改めて説明を受ける彼女。
今の彼女の大きさは約300メートル。
目の前に広がっている街を彼女が襲うことでデータを集められる仕組みらしい。
街や動くものなどは本物と勘違いするほどに良くできている、とのこと。
そう言われて街を覗き込む彼女。
たしかに建物ひとつひとつがしっかり作られているし、
自動車や電車などの動きも違和感がない。
私が巨大化してどこかの場所に飛ばされた、って言われても信じちゃうくらい。
でもそれをやると、この街の人たちに迷惑かけちゃうもんね。
出来のよさに感心しながら、彼女はゆっくりと右足を上げる。
「えいっ!」
ずしぃぃぃぃん!
上げた右足を容赦なく住宅街に踏み下ろす彼女。
2階建ての民家でも屋根の高さは彼女の足首にさえ届かない。
そんな大きな右足により、7つ程の民家は一瞬で踏み抜かれてしまった。
「えへへ、くすぐったい……
こんな感じで攻撃していけば大丈夫なのかな?」
どしぃぃぃぃん!
ずどぉぉぉぉん!
素足で踏みつける感触に小さく震える彼女。
その刺激さえ楽しみながら住宅街を踏み荒らしていく。
戦闘では前衛よりも後衛がメインの彼女。
直接相手を攻撃するのはどうやら新鮮らしい。
もっとも、前衛でも手足で直接攻撃する機会はそうそう無いはずだが。
「えっと、あとはこのまま続ければいいんだね?」
攻撃は問題ないと判断されたらしく、
あとは自由行動ということで通信が切られた。
自由行動となったとはいえ、彼女の攻撃は全く止まらない。
足を地面につけるとそのまま横にスライドさせる。
それにより建ち並ぶ民家たちがどんどんなぎ倒されて
一帯があっという間に更地へと変わる。
10棟以上が建ち並ぶ団地地区へと侵入すれば
踏み抜いたり蹴散らしたりでひとつひとつ丁寧に壊していく。
彼女が住宅街への攻撃を始めて5分ほどで
彼女の足元は足跡と瓦礫が散らばる廃墟と化してしまった。
「こんなに簡単に街を攻撃できるくらいに強くなれば、
お姉ちゃんの援護もちゃんとできるかも?
ユニコーン、がんばる……!」
滅ぼした住宅街を見下ろしながら何か自信を得た彼女。
そのまま今度は中心地へと向かっていく。
ずずぅぅぅぅん……
どすぅぅぅぅん……
近づけば近づくほど大きな建物が増えていく。
彼女の足首に届くかどうかの数階建てのビルやマンション、
すねに届きそうなオフィスビル、そして膝にまで届く高層ビル。
当然のようにそれらを蹴散らし踏みつぶしながら
どんどん中心地へと侵攻していく。
「このあたりはとっても大きな建物が集まってるから、
ここがこの街の中心地かな?」
彼女の周辺には高層ビルが多く建ち並び、
さらには彼女の脚の付け根に届きそうな超高層ビルもいくつかある。
それらの建物の下の方には大型駅や大きな道路などなど、
たくさんの人が集まれるようになっている。
それだけ栄えた地区ということで間違いない。
「こうやって立ってると、ユニコーンが怪獣みたい……
が、がおーっ……!」
ずがぁぁぁぁん!
どごぉぉぉぉん!
少し恥ずかしそうに出している
可愛らしい彼女の鳴きまねからは想像できないほどの衝撃音が響き渡る。
足元にあった高層ビルは踏み抜かれることはなかったが、
上層部から蹴飛ばされ、そのままなぎ倒されるように崩されてしまった。
彼女のたったひと踏みで起きた出来事であり、5秒もかかっていない。
ビルだけでなく地上の大通りにあるものを全て巻き込んで踏みつぶされたり
土煙が舞い上がりながら瓦礫が散らばり道路を埋め尽くしたりと早速大惨事である。
「ちょっと歩きにくいけど、ちゃんと攻撃してる感じがあって楽しいかも……?」
一方の大惨事を起こしている張本人は
手ごたえを感じてむしろ喜んでいる様子。
いくつもの高層ビルを蹴散らしてなぎ倒したり
力いっぱい蹴り飛ばしてへし折っていったり、
足にひっかかる建物をひとつ残らず襲っていくほどの勢いである。
高層ビルに紛れた駅の存在に気づいているのか気づいていないのか、
建物を力いっぱい踏みつければ地下まで簡単に踏み抜いていく。
電車もホームも駅の建物もまとめて彼女の足に踏みつぶされてしまう。
すぐ近くのバスターミナルにも容赦なく足は下ろされていき、
動いているものも停まっているものもひとつ残らずぺちゃんこになってしまう。
彼女が通った跡には土煙と大量の瓦礫と足跡しか残っていない状態だ。
と、そんなとき。
「あれ、なにか飛んできた……
もしかして、戦闘機?」
思わず身構える彼女。
軽空母である彼女にとって、
戦闘機は戦闘時に欠かせないものであり、
逆に攻撃をしてくるものでもある。
街を攻撃されているのだから、
それに対抗するために飛んでくるのは当然のことだろう。
飛んできたのは6機である。
「でもよく見たらとっても小さい。
もしかして……?」
彼女の今の大きさと比べれば戦闘機はオモチャのような小ささである。
これだけ小さいなら攻撃されても痛くないかもしれない。
彼女がそんなことを考えていたところ、早速戦闘機が攻撃を仕掛けてきた。
街に飛び火しないようにか、上半身を攻撃している。
「ん、やっぱり痛くない。
よかった……えへへ。」
服への攻撃はもちろん、素肌に被弾しても痛みはない様子。
安心したのか思わず笑みがこぼれる彼女。
とはいえ、そのまま無視するわけにはいかない。
攻撃されたのなら反撃をする。
彼女は飛んでいる戦闘機に向けて大きく手を振り下ろす。
これだけの大きさの差があれば、
彼女にとって戦闘機はハエのようなもの。
さらにはハエとは異なり急旋回などはできない。
彼女にとってはあまりにも簡単すぎた。
呆気なく彼女の手を叩きつけられた戦闘機は
地上に向けて一直線に墜落してしまい爆発してしまった。
「えいっ、えいっ!」
1つ、2つ、3つと勢いのままに別の戦闘機も叩き落とす彼女。
あっという間に残り2機となった戦闘機は彼女のそばから離れていく。
攻撃が効かないと判断したのか撤退を始めたらしい。
「残りの2つも墜としちゃっていいと思うけど……
先に基地の方から攻撃して、これ以上来ないようにする方がいいかも?」
どしぃぃぃぃん……
ずずぅぅぅぅん……
逃げる2機の戦闘機を無視して
最初に戦闘機が飛んできた方角を目指して歩き始める彼女。
足元の大通りに従うことなく通り沿いの高層ビルを蹴散らして進んでいく。
まさに、彼女の前に道は無い、彼女の後ろに道ができる状態だ。
「あった。
けど、意外とちっちゃい?」
彼女の目の前には海沿いに構える基地があった。
彼女にとっては大した規模ではないらしい。
戦闘機や戦車はもちろん、滑走路や通信棟も備えている。
ちょうど第2陣の準備を進めているところのようだ。
「ユニコーンの邪魔をする悪い子にはお仕置き……
えいっ!」
ずしぃぃぃぃん!
力強く基地に足を踏み下ろす彼女。
その1歩で滑走路に巨大な足跡が刻まれた。
同時にその衝撃で周囲の戦闘機や戦車たちがひっくり返ったり
吹き飛ばされて建物に叩きつけられたりしてしまった。
滑走路に足跡が刻まれたことで戦闘機の離着陸が不可能になってしまったが
彼女はまだ攻撃を緩めない。
どしぃぃぃぃん!
ずがぁぁぁぁん!
そのまま倉庫や建物を踏み荒らしていく彼女。
倉庫の屋根は簡単に踏み抜かれ、
中にあった戦車や戦闘機などは一瞬でぺちゃんこになってしまった。
別の倉庫は踏み抜かれると中で爆発を起こし派手に燃え上がり始めた。
通信棟や隊員が普段居るであろう施設など、
他の建物も簡単に踏みつぶされてしまえば、
そのまま基地としての全ての機能が停止してしまった。
彼女の十数回の踏みつけで、あっという間に基地は陥落してしまったのだ。
「ふーっ……
これでもう攻撃されないよね?」
足跡まみれの土地や散らばる瓦礫や残骸、炎上している施設など。
基地だったところを見下ろしながら安心した表情を浮かべる彼女。
彼女を止められる存在はしばらく現れることはないだろう。
いや、そもそも存在するのだろうか。
「それじゃあ、続きやっちゃうね?」
再び中心地へと向かっていく彼女。
通り道にある商店街や大型商業施設などにも容赦なく踏み入れていく。
商店街のアーケードを蹴飛ばし、
建ち並ぶお店の建物を構わず踏みつぶしていく。
大型商業施設の駐車場の車たちをまとめて踏みつぶしていき、
建物の方も簡単に踏み抜いてから歩くときの蹴り上げでさらに建物を崩していく。
通るだけで壊滅的な被害を与えている彼女だが、
今の彼女には中心地しか見えていない様子。
商店街や大型商業施設たちは
大して彼女に気にされることなく
無残にも踏み荒らされていったのだった。
「えへへ、ただいま。
大きくなって強くなったユニコーンが、いっぱい攻撃しちゃうね?」
ここからの攻撃は今まで以上のものになった。
足を踏み下ろしたところが道ならば
大きな足跡を刻んでアスファルトを砕いていく。
深く陥没した通りは人間が通ることはまず無理だろう。
足を踏み下ろしたところが建物ならば
お構いなくそれを踏みつけていったり蹴り倒して崩していったりする。
彼女に攻撃されれば数秒後には崩壊している。
狙われる前に逃げられなければ抵抗できるはずもないのだ。
「せっかくなら、こうするとどうなるのかな?」
ずずぅぅぅぅん……
中心地の建物を半分以上崩壊させたところで、
今度は四つん這いになる彼女。
ふと彼女が地上を見ると、多くの動くものがあった。
彼女が襲撃を開始してそれなりに時間は経っているものの、
駅を先に破壊したことで逃げられなくなっていたのかもしれない。
「そんなところにいたら危ないよ?
こんな風に……」
がしゃぁぁぁぁん!
多くのものがうごめくところに手を叩きつけた彼女。
足跡よりはさすがに深く刻まれることはなかったが、
道路のアスファルトを砕くには充分すぎるパワーだった。
当然、そこにあったうごめく者たちはぺちゃんこにされてしまった。
「この格好だと建物が結構大きく見える……
でも、ユニコーンの方が強いもん。」
どがぁぁぁぁん!
ガラガラガラガラ……
四つん這いになってからも攻撃の手を緩めない彼女。
手を横から叩きつけてビルの中層部からへし折って崩してみたり、
小さめのビルなら手をグーにして上から叩きつぶしてみたり
さらには頭を使って体当たりして高層ビルの根元からなぎ倒していったり。
まさに怪獣のように暴れまわる彼女は
中心地にある大きなもの小さなもの全てを
気の済むまで襲撃し続けたのだった。
------
「ちょっと頑張りすぎちゃったかな……?」
ゆっくりと立ち上がり振り返る彼女。
数分ほど全身で暴れまわった彼女により中心地は壊滅していた。
高層ビルはひとつも残っておらず、
どこに道路があったのかが分からない程に地上は瓦礫に埋もれている状態だ。
次はどこを襲えばいいのか。
服についた汚れを手で払いつつ周囲を見渡す彼女。
すると、しばらく何もなかった通信が再び入ってきた。
「ん、今回の実験は完了したから今回は終わり?」
データが取れたらしく、彼女が戻るための準備を始めているとのことだ。
たしかに中心地への攻撃が完了したところなのでキリがいい。
さきほど見渡した限りだと、
この街で無事なところは郊外の別の住宅街くらいしか残っていない様子。
「うん。
じゃあ、目を閉じておけばいいのかな……?」
彼女は指示に従い、目を閉じて待つ。
大きくなって強くなったから街をいっぱい攻撃することができた。
これならお姉ちゃんを援護することができる。
ここまで強くなるのは簡単じゃないかもしれないけど、
これからも頑張って強くなりたいな。
そんなことを考えているうちに再び通信が入る。
彼女が目を開けたときには、大きくなる前に居た実験研究専用の部屋の中だった。
技術担当者からお礼を受けながら
ユニコーンは小さくお願いをするのだった。
「私も楽しかったけど……
その、大きくなる……
えっと、オトナになれる装置も、作ってほしい……」
------
おしまい。