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ナーヴ
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SS_典が襲ってあげましょう

今回も東方のキャラです。

昨年度発売された最新作で登場したキャラクターですね。


東方では久々の狐っ娘です。

一応は主人が居るらしい管狐ですが、

その主人にもイタズラらしいことをしているように見えるので

ある意味では藍よりも狐らしいかもしれません?


それでは本題。

東方Projectより、菅牧典(くだまきつかさ)。※"菅"は誤字ではありません

普段は誰かをその気にさせて動かすタイプの彼女ですが、今回は自分の手で、足で。

(約5,500字)


※無断転載禁止


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ここはとある都市。

周囲には10階建てに届くようなビルも比較的多く建ち並んでおり、

比較的栄えているようだ。


その中でも一際目立つ大型ビルがこの街には建っている。

周囲のビルと比べてはるかに大きく、高さは300メートルほどあるようだ。


バキバキ……ドゴォン!


異変は突然起こった。

轟音とともに、その大型ビルに人間の両手が生えたのだ。


ミシミシ……

バキバキバキッ……


いや、正確には中から突き破って出てきたのだ。

その後もビルの外壁にヒビが広がっていき、腕も外に出てきた。


ズドォォォォン……!


さらには大型ビルの上層部が吹き飛ぶ。

そこに現れたのは、獣耳のついた頭であった。


ズゴゴゴゴゴ……

ガラガラガラ……


その頭がニヤリと不敵な表情を浮かべたかと思うと、再び轟音が周囲に響き渡る。

ビルが内部から外側に押し出されるように崩れていき、

代わりにそこには巨大な狐娘がそびえ立ってしまった。



「もう少し窮屈になるかと思ったけど、

 人間の建物なんてやっぱりこの程度よね。」



なんとこの狐娘、

建物の中で巨大化をしたのである。


先ほどまで存在していた大型ビルが約300メートルであるのに対し、

今の彼女の大きさは約400メートルである。


当然建物の中に収まるはずもなく内部から大型ビルを破壊してしまったのだ。



「こういうことは他の人に吹き込んでやらせる方が性にあうけど……

 今からこの街を襲うので、人間たちは逃げたかったら早く逃げてください?」



ズシィィィィン! ドシィィィィン!


言い終えると早速周囲を踏み荒らし始める彼女。

周囲に建ち並ぶのは高さ50メートルに満たない

10階建てに届くか届かないかのビル群。

約400メートルの巨体にとっては相手にもならない。



「乗り物使って逃げるにしても、

 順番とか規則とか守っている暇なんてあるんですかね?」



人間たちを見下しながら呟く彼女。

スネの高さ程度の建物を屋上から地上まで裸足で簡単に踏み抜いてみせたり

蹴飛ばして軽々へし折ってみせたりとやりたい放題である。



人間たちは当然大パニックだ。

巨大な狐娘という存在はもちろん、突然現れたのが大きいだろう。

怪獣映画でよく見る登場シーンは

海から上陸してきたり、空から下りてきたりするものが多い。

それらは、やって来ているところが見える。


しかし今回は街中での巨大化。

つまり、やって来ているところを省略して突然現れたのだから、

人間たちは慌てふためき逃げ回り始めるのも無理はない。


ズドォォォォン! ズガガガガガッ!


巨大な彼女の足で片側2車線程度の通りなら軽々と踏み抜いてしまう。

そこにあった車たちを一瞬でぺちゃんこにするだけでなく、

その足跡と周囲に広がる地割れでそこを通行止めにしてしまうのだ。



「まあ、我先に~って逃げようとしたら失敗するだけなんですけど。

 人間面白いわー?」



ニヤニヤと地上を見下ろす彼女。

計画通りと言わんばかりの表情だ。

そこには車では移動できないほどの大渋滞となった大通りがあった。


順番や規則を守っている間に襲われては元も子もない。

彼女の一言は人間たちの弱いところに入り込んでいたのだ。

焦りで頭がいっぱいになった人間たちは

車で逃げる際に速度超過や信号無視を平気でやってしまう。

たしかに数分程度は早く逃げられる可能性はあるが、

残念ながら世の中はそう甘くない。


結局、ルール無視の人間たちのせいで各地で交通事故が発生。

それにより道が塞がれてしまい、大渋滞が起こってしまったのだ。

さらには車では逃げられないと判断した人間たちが車道に乗り捨て。

渋滞は解消することなく悪化するばかりとなっていた。



「それじゃあ、まとめてつぶしてあげます。」



ズッシィィィィン!


大量の車両とそれに乗っていた人間、

さらには乗り捨てて走って逃げようとしていた人間たちを

ひとまとめに踏みつぶしてしまった。


魂の弱いところに入り込む能力。

手のひらの上で踊らせて最後には容赦なく襲う。

なかなかに恐ろしい妖怪である。



「あっちもこっちも皆動けなくなってますね?

 通りの方は後でも大丈夫そうだし、次はこっち。」



彼女が次に向かったのは電車の駅。

通りを無視して建物を蹴散らしながら真っすぐと進む彼女。

十数歩であっという間にたどり着いてしまった。


当然ながら駅にも逃げようとする大量の人間たちが集まっており、

我先にと乗り込もうとする人間たちのせいで電車が出発できなかった様子。


しかし後続電車が到着したことで、

まさに今ようやく1編成が発車できたようだ。



「今、駅に居る人間たち……

 せっかく我慢して先に行かせたのに、損をするのはイヤですよね?

 だから、こっちを襲ってあげます。」



そう言うと彼女は発車した電車へと向かう。

電車は全力で加速しているが、

彼女の1歩にとってみればほぼ動いていないようなものである。


2歩で電車に追いついた彼女。

しかし彼女はそこで止まらず、さらにもう2歩先に進む。


ズガァァァァン!


すると彼女は線路の高架を踏み抜いてみせたのだ。

火花が飛び散りながら簡単に線路が途切れてしまった。


それを見せつけられた電車は急ブレーキ。

幸いにも踏み抜かれたところより手前で停止し、落下は免れた。


しかし安心できたのもつかの間。

今度は彼女の手で捕まえられ持ち上げられてしまったのだ。



「いいこと教えてあげます。

 少なくともこの国の人間たちは、

 一部の人間が得することを嫌う人が多いんですよ。

 私たちを差し置いて先に逃げるなんて不平等だ~って?」



屈んでいる彼女の手の指先で摘ままれ宙ぶらりんになる電車。

当然ながら電車の外に逃げることなどできるはずもない。


まさに彼女のオモチャとなっているのである。



「だから、その人間たちの期待に応えて

 不平等を解消してあげまーす。

 あーん……」



バリバリッ、ジャクッ……ムシャムシャ……


電車の1車両を引き剥がすと、そのまま食べ始めてしまったのだ。

車両の幅や高さは彼女の親指の幅とほぼ同じ。

長さは彼女の親指2本分程度。

その外装を軽く噛みちぎり、何度も咀嚼しつつ

中身は器用に舌の上で転がし、最後にはまとめて飲み込んでいく。

まるでパンの耳を食べているかのようだ。


全ての車両が食べつくされるまで数分しかかからなかった。



「けふ、ごちそうさま。

 こっちは始末してあげましたよ?」



ゆっくりと立ち上がるとお腹をさすりながら駅へと戻る彼女。


駅に取り残されていた人間たちは複雑な表情を浮かべていた。

自分より先に逃げるなんてずるい。

自分にも先に逃げる権利がある。

先に逃がしてあげたのに私たちが襲われるのはおかしい。


心のどこかでそう思っていたはずなのに。



「……ところで、さっき襲った人間たちが言っていたのですが。

 同じように電車で逃げようとしていたのに、

 私たちだけが襲われるのは不平等だ~、ってね?

 だから、その不平等も解消してあげまーす。」



持ち上げられる右足。

駅に居た人間たちは今の言葉で理解できただろうか。


ズッシィィィィン!


右足を容赦なく駅の建物に踏み下ろす彼女。

改札フロアもホームも、停まっていた電車も線路も

全てを踏みつぶしていく。


ズドォォォォン!

ドガァァァァン!


そして間髪入れずに左足も踏み入れ、

さらにはそこで何度も足踏みをするように駅を踏み荒らしていく。



「大体、災害が起きたときにはどこに避難すればいいのか

 人間たちは決めているんでしょう?

 それを無視して逃げようとするからこうなるんじゃん。」



あっという間に駅だった場所は瓦礫まみれの更地と化してしまった。

当然、そこに居た人間たちも全滅である。


結局のところ、

先に逃げた人間も取り残された人間もどちらも襲う口実を

彼女は適当にでっち上げていたのかもしれない。



「さてと……

 じゃあ海沿いの方でもやっておこうかな。」



そう言うと彼女は街はずれの沿岸部、港へと向かい始める。


街はずれといっても彼女にとっては大した距離ではない。

道中の建物を蹴散らし、川にかかった橋を踏み抜きながら真っすぐ進めば

1分ほどでたどり着いてしまった。


沿岸部にはいくつか船の発着場があるようで、

今のところは3か所の発着場にフェリーが1隻ずつ泊まっているようだ。



「やっぱりこっちにも人間がいっぱい。

 人間って本当に単純。」



人間たちは逃げたかったら早く逃げたら?

彼女が巨大化した後にこの一言を放った理由は、

街の各地に散らばる人間たちを特定の場所に集めるためだったのである。

もっとも、言わずとも人間たちは逃げ惑うだろうが。


最も近くに停泊していたフェリーに狙いをつける彼女。

右足を上げるとそのまま一気に踏み下ろす。


バキバキバキバキッ!


船の客室や甲板を踏み抜き、

その勢いで真っ二つにへし折りながら沈めていく。



「っとと、思ったより不安定ね。

 浮いているものだから仕方ないか。」



踏みつけた感触が思ったものと違ったのか、少しふらついた彼女。

それでもへし折れたフェリーは踏みつけられたところからどんどん沈み始めている。

中に居た人間たちは突然の出来事に何が起きているか分かっていないだろう。

分かったところで外に逃げる時間はない。


フェリーから足を放した状態でも沈んでいくことを確認すると、

彼女は次のフェリーへと襲い掛かる。



「それにしても、この船って意外と大きいから

 結構な人間たちが乗っていそう?」



そう言いながら2隻目のフェリーの船底に両手をかける。

フェリーは彼女の身体の半分ほどの大きさがあるものの

今の彼女にとってはオモチャのようなものである。


バシャァァッ!


そのまま彼女はフェリーを一気にひっくり返してしまった。

船は一瞬で天地がひっくり返り、

さらにはそのままゆっくりと沈み始めている。



「そして最後は……って、出港してる。

 逃がしちゃったら他の人間たちから恨まれちゃうわー?」



そう言いながらバシャバシャと海に入り、足を濡らしながら近づく彼女。

彼女にとっては足首の上側までしか濡れていないほどの浅さであるが、

一方の出港したフェリーの方は彼女の起こす大波に揺られている。

当然ながらあっという間に追いつかれてしまった。


すると彼女はゆっくりとフェリーを両手で持ち上げてしまった。



「ちゃんと乗りたい人間全員乗せました?

 置いていった人も居るんじゃないですか?」



そのまま彼女はフェリーが泊まっていた場所へと戻り始める。

発着場近くの待合室を兼ねている建物には

たしかにまだまだ人間たちが残っているようだ。



「これだけ船が大きいんだから、ちゃんと乗せてあげましょう……ねっ!」



そう言うとフェリーを持ち上げていた船を勢いよく振り下ろす。


ズガシャァァァァン!!


なんとフェリーを待合室を兼ねた建物に叩きつけてしまったのだ。

フェリーの方は外装が大きく損傷し、内部で爆発が起きてしまった。

建物の方は船により簡単に粉々になり下敷きとなってしまった。



「あーあ、手が滑っちゃいましたねー?」



お約束のようなわざとらしい口調で言う彼女。


踏みつけられて沈められた船、ひっくり返され転覆させられた船、

そして地上に叩きつけられた船。

船が地上に叩きつけられるというのは通常まず起こりえないことである。

あまりの出来事に人間たちはさらにパニックとなってしまっている。


一方の彼女はというと、涼しい顔をしている。



「暇つぶしはこのくらいでいいか。

 そろそろ最後の仕上げに入ろうっと。」



実は彼女の中では港を襲うことは大した目的ではなかったのである。

最後の仕上げをするために時間が必要だったのだ。

その暇つぶしのためだけに数千人が彼女に襲われたのである。


彼女は再び街の方へと戻ってくると、

ビル街でも駅でもないところへとやってきた。



「そうそう。

 災害が起きたときにはちゃんと避難所に行かないといけませんよ?」



そう、彼女がやってきたのは避難所である。

各地に点在しているが、彼女の襲撃により避難してきた人がそれなりに居るようだ。


しかしここまでの彼女の動きを見ていれば分かるだろう。

人間たちを効率よく特定の場所に集めて、襲う。



「でも残念。

 妖怪が襲う行為は災害ではなくて、自然の摂理なのです。

 だから、避難ご苦労さま。」



ドシィィィィン!


避難が完了していた人間たちは施設内でくつろいでいたかもしれない。

彼女はにやけながら避難所をひと思いに踏みつぶしてしまった。


そしてそのまま彼女は移動を開始すると、

各地に点在している避難所を順番に襲い始めたのである。


数歩移動しては避難所をつぶし、また数歩移動してはつぶし。


狡猾で計画的に人間を襲うその様は

怪獣よりも恐ろしいものであるかもしれない。



「これで最後、っと。

 思ったよりは人間集まっていたみたい?」



そしてこの街の最後の避難所が踏みつぶされてしまった。

避難所というのは公園や学校などが多い。


今の彼女がそれを踏みつぶすこと自体は造作もないだろう。

よくよく考えれば、巨大な狐娘の襲撃に耐えられる施設が

そもそも存在するのかどうかというところから考えるべきだったのかもしれない。



「今回はこのくらいにしてあげようかな。

 それにしても、珍しく自分でやっちゃったわ?」



能力も相まって、彼女は他の人を焚きつけたりそそのかしたりする方が得意である。

それでもやはり妖怪。

特に人間相手には襲うことも抵抗がないようだ。


街全体を見ると、破壊された区画はさほど多くない。

しかし街に居た人間たちの多くは彼女に襲われてしまったのだ。

彼女の呟きにより手のひらの上で踊らされてしまったのだから。


巨大な妖怪として人間に襲い掛かる。

人間たちを惑わせ混乱させる。

さらには別の妖怪をけしかけて人間を襲わせる。


彼女はとんでもない妖怪なのかもしれない。

もっとも、巨大化できればだが。


------


おしまい。

Comments

ならあぶりゃげあげて頼み込んだら玩んだりお持ち帰りされるかな...

八雲橙

ありがとうございますー。 不平等に怒るのは他の人間なので、典は好きにやっていくだけです?

ナーヴ

菅牧典ちゃんの蹂躙とてもよき... 間近で眺めて玩ばれたい...不平等でもいいからお持ち帰りされたい...

八雲橙


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