SS_小傘の驚かせ大作戦
Added 2022-07-22 10:30:00 +0000 UTC恒例ですが東方のキャラです。
次はオリジナルにでも挑戦してみようかな、とぼんやり考えています。
からかさお化けです。
妖怪のくくりなのでそれでもいい気がします。
二次創作ではわりと早苗との絡みが多い印象がありますね。
それでは本題。
東方Projectより、多々良小傘。
大きくなることでたくさんの人間を驚かせることができると助言されたようです。
(約6,000字)
※無断転載禁止
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「えっと、これで準備は大丈夫なはず……!
あとは言われたとおりに頑張ってみよう!」
彼女は今、幻想郷の外の世界にやって来ている。
平たく言えば現代の世界だ。
とある妖怪がいろいろと協力しているらしい。
彼女の現在地はとある国の海上、
正確には海面から数メートルほど離れた高さを彼女はただよっている。
陸地まではおおよそ数百メートルほどだろうか。
「しっかり術が発動しますように……えいっ!」
目を閉じ、念じる彼女。
すると、彼女の身体はどんどん巨大化していく。
どうやら巨大化の術が使えるようになっているらしい。
そのまま身長が約150メートルほどになったところで巨大化を止める彼女。
ゆっくりと海底に両足を下ろしていく。
素足が海底についたところで海面は足首とスネの間の高さほどしかない。
「よかった、ちゃんと成功した。
それじゃあ、いざ上陸……!」
ザバァッ…… ズズゥン……
海をかき分けゆっくりと陸地へ向かう彼女。
巨大化した彼女なら10歩程度でたどり着くだろう。
海岸には大波が押し寄せているものの、まだ海岸で吸収できる程度である。
彼女の接近に気づいたのは海岸に居た人間や海を眺めていた人間など、
まだまだ数えるほどしか居ないようだ。
「うんうん、言われたとおりだね。
ほとんどの人間たちは気づいていないみたい。」
そう、実は協力者のアドバイスによる作戦なのである。
彼女は人間の"驚き"を糧にすることができる。
つまり、お腹を満たすために人間を驚かせたいのだ。
事前に存在を気づかれてしまうと得られる驚きが減ってしまう、とのこと。
どれほどの人間が驚いたかは巨大化していてもお腹の満たされ方で分かるらしい。
ズシィィィィン!
ズドォォォォン!
彼女はついに上陸した。
海岸と海沿いの道路に力強く踏み入れつつ、目の前に広がる街を見渡す。
上陸の地響きと轟音により多くの街の人間たちが驚いている様子。
それを感じで小さく興奮を覚える彼女は立て続けに仕掛けていく。
「うらめし……じゃなくて。
がおーっ、怪獣だぞーっ!」
出来る限りの大声で街の住人たちに叫んだ彼女。
突然の地響きからガラスが割れんばかりの衝撃を持つ大声により
]さらに驚かされる住人たち。
その驚きは確実に彼女を満たし、喜ばせていた。
「すごい……これだけでこんなに驚かれるなんて。
クセになっちゃいそう。」
うっとりとした笑顔を浮かべている彼女。
これだけでも彼女の欲望は満たせたようなものである。
が、今回はそういうわけにもいかないらしい。
何故なら、協力者から様々なアドバイスをもらっているためである。
言い方を変えれば、吹き込まれたからである。
「これから悪いことするから、逃げたい人は早く逃げてね?」
彼女はイタズラな笑みを浮かべると、ゆっくりと右足を上げる。
そしてその足を躊躇なくまだ踏み入れていない地区へと下ろしていく。
ズガァァァァン!
力強く踏みつけられた彼女の右足により、
そこにあった数軒の民家が一瞬で倒壊してしまった。
街に踏み入れ始めた彼女を見た住人たちは当然ながらパニック状態に。
驚きと恐怖で街が満たされていく。
「いっぱい満たされていくし、足はくすぐったくてちょっと気持ちいいし……
もしかしてこれが一番驚かれる方法なのかも?」
ガシャァァァァン!
ドシィィィィン!
街をどんどん踏み荒らしていく彼女。
民家やマンション、商店街や商業施設など、全て構わず踏みつぶしていく。
協力者からはこう言われたらしい。
ただ驚かして満足するだけだと人間は慣れてだんだんと驚かなくなる。
だから妖怪や怪獣として人間を襲うことで
何度でも人間が驚くようにする必要がある、と。
歩いているだけでこんなに幸せになれるなんて。
満たされていく快感に彼女は溺れていく。
「そんなところに集まって何しているの?
早く逃げないと、こうやって……」
ふと足元の大通りに人間たちが集まっていることに気づいた彼女。
正確に言えば、車で逃げようとする住人たちの車で渋滞を起こしている。
彼女はその渋滞に向けて足をかざすと、ゆっくりと下ろしていく。
ゴゴゴゴゴゴ……
ピタッ。
踏みつぶす、かと思えば寸止めをしてみせた。
そしてその足を少しずらして、通り沿いの建物を踏みつぶしたのだった。
「次は見逃してあげないかもしれないよ?
もう結構踏んじゃってるし?」
くすくす微笑みながら見下ろす彼女。
渋滞で身動き取れない住人たちはまた驚かされたのである。
彼女は感覚的に分かっているのであろう。
驚きを得るためには人間たちが多く生きている方が良い、と。
つまり命を奪わない方が結果的に多くの多くの驚きを得られるのだ。
もちろん、一部の犠牲はつきものである。
「それにしても、どこに逃げるつもりなんだろう?」
既にこの街の半分以上が壊滅状態となっている。
あえて人間を巻き込んで踏み荒らしているのもあり、
得られる驚きが減ってきているようだ。
もっと多くの人間を驚かして満たされたい。
彼女は人間の逃げる先を目で追いかけ始めた。
「あれ?
下に川があるわけでもないのに、なんで橋が架かってるんだろう?
それと、その先には……」
彼女が橋と言ったのは高速道路や線路の高架のことである。
そして、その先にあるのは別の街だった。
高層ビルも見えるため大都市であろう、明らかに彼女が今居る街より栄えている。
つまり、たくさんの人が居るはずだ。
「全部は壊さなくていいって言われているし、早速移動しちゃおうっと。
ごちそうさま、この街の人たち。」
軽く地上に手を振ると先ほど見えた街に彼女は向かい始める。
道しるべとなる高速道路や線路の高架を平均台の上を歩くように進んでいく。
実際には踏み抜いているため上を歩いているとは言えないかもしれない。
先ほどまで居た街にはまだまだ人間は残っていたものの、
そこは気にすることでもなかった。
何故なら、彼女が今向かっている街に居る人間たちから
驚きと恐怖を得ているからである。
巨大な存在が街に近づいていることが分かれば驚くのは当然だろう。
移動すること数分、彼女は栄えている方の都市に到着した。
街に近づくだけで満たされていくことにすっかりゴキゲンな様子。
「さっきの街よりたくさん人間が居ることは分かっているんだよ?
早速楽しんじゃうからね?」
ズガァァァァン!
ズシィィィィン!
言い終わるとすぐに街へと彼女は踏み入れる。
先ほど居た街とは少し異なり、数階建てのビルが多く建ち並んでいる。
そのため、踏みつけ蹴散らす際の建物の崩壊音が大きく響き渡っているようだ。
人間の10倍以上の大きさの建物が一瞬で破壊されて行く様子は
人間にとって、とても衝撃的である。
街に近づいていたときとは比べ物にならないほどの
驚きと恐怖が彼女を満たしていく。
「あっ、このくらいの大きさの建物だと結構踏みごたえあっていいかも?」
一方の彼女はというと、
人間たちから驚きと恐怖を得て満たされているだけでなく
建物を踏みつぶす感触までも快感を覚えてるようになってきた様子。
膝下ほどの高さまであるビルの屋上まで足を上げてから一気に踏みつけると、
屋上から1階までをまとめて踏み抜いていってしまう。
崩壊したビルの瓦礫は周辺の道路へと散らばっていき、
避難しようとする人間たちを通せんぼする。
人間と街、どちらからも快感を得ながら中心地へ侵攻していく彼女。
全て順調に進んでいるように見えているが、
実は彼女には小さな不安がよぎっていた。
「……こんな大きな建物もあるんだね?」
そこにあったのは超高層ビル。
彼女の身長とあまり変わらないならまだしも、
なんと今の彼女よりも大きなものまである。
壊す建物が大きいほど驚かれ方も大きいというのは
今までの行動で理解している彼女。
自身の身長の半分以下のビルなら脚で無理やりなぎ倒して壊すことができていたが、
自身と同じ、ものによってはそれ以上の大きさという建物の存在に
逆に驚かされていた。
所詮はただの建物、簡単に壊れてくれるはず。
自身に言い聞かせた彼女はいよいよ彼女と同等な大きさの超高層ビルに襲い掛かる。
「えいっ、それっ……!」
ドガァァァァン!
バリィィィィン!
手始めに彼女はパンチとキックをお見舞いする。
パンチによって中層部やや上の階層に拳型の大穴が開き、
キックによって下層部の一部が抉られる。
しかし建物自体が大きいからか、この程度では崩れてはくれない様子。
「こう、やって……!」
今度は上層部を両手で掴むと、横向きに引っ張り始めた。
どうやら投げるように倒そうとしているようだ。
バキバキバキ……
ガシャァァァァン!!
拳型の大穴が開けられた上層部からヒビが広がり、
そのまま上層部だけがもぎ取られてしまった。
もぎ取られたことで上層部だけ横に投げ飛ばされてしまい、
すぐ近くの別の建物に叩きつけられてお互いに粉々になってしまった。
「こうなったら、えーいっ!」
ビルの一部を破壊しただけでは満足できなかった彼女は、
最後の手段と言わんばかりに体当たりをする。
ズガァァァァン!
ガラガラガラガラ……
腰を少し落としてから体の横でビルにぶつかっていく彼女。
さすがに全身で横からぶつかって耐えられるほどの設計をされていないビルは
彼女と共に横倒しにされ、
地面に叩きつけられたと同時に彼女の身体で押しつぶされてしまった。
「えへへ……驚いた?」
ゆっくりと体を起こして軽く瓦礫を払う彼女。
たしかに周辺の人間たちは驚いた様子。
ただ、超高層ビルをも破壊できる巨大生物という意味ではなく、
大きいのに苦戦していたという意味のようだ。
つまり、彼女の不安は正しかった。
思ったより人間たちが驚いてくれていなかったのだ。
このままだと残りのおーっきな建物壊しても驚かれなさそう。
かといって、また小さな建物とか人間たち襲っても
心の底からは驚いてくれない気がする。
堂々としているフリをしているが内心焦っている彼女。
小さい建物なら簡単に壊せるし驚かせるから大きくなったのに、
私より大きい建物があったら大きくなった意味が……
「……あっ。」
どうやら何かに気づいてしまった様子。
彼女はゆっくりと立ち上がる。
「あんまり驚いていないみたいだから、こうしちゃおうかなー?」
そのまま目を閉じ、念じ始める。
すると……
ゴゴゴゴゴゴ……
なんと、巨大化を始めたのだ。
建物が大きいのなら、さらに巨大化すればいい。
彼女はそう気づいたのだ。
200メートル、300メートル……
超高層ビルの背丈より大きくなってもまだまだ巨大化は続き、
巨大化にあわせて周囲の建物を足でなぎ倒していく。
ただでさえ超高層ビル級の身長だった彼女がさらに大きくなる様子に
人間たちはさらに驚かされ、恐怖する。
それに満たされながら彼女は巨大化を続け、
しばらくして止まったときには身長約1500メートルになっていた。
「ふふん。
さっきまで私より大きかった建物が、今ならこの程度なんだね?」
ドドォォォォンン……
彼女はゆっくりと四つん這いになって街を見下ろす。
四つん這いになったところで超高層ビルは彼女の顔の高さにも届かない。
「こんなに大きい建物が、こんな風に……」
バキバキバキバキッ!!
彼女が右手を超高層ビルの上半分にのばすと、
そのまま握りつぶしてしまったのだ。
彼女の右手に包まれた部分は全て粉々になり、
地上に残骸が降り注げば、あっという間に瓦礫の山に。
そのまま間髪入れずに彼女は手をグーにして残った部分に振り下ろすと、
ビルは簡単に叩き潰されてあっという間に粉々に。
先ほどまで苦戦していた超高層ビルを数秒で片付けてしまった。
「とっても簡単に壊せちゃった!
このまま、どんどんやっちゃうよ?」
ドガァァァァンン!!
ズガガガガガガッ!!
自分より大きな建物がないのだからもはや怖いものはない。
四つん這いで彼女は侵攻を始める。
あるビルは手を叩きつけることで屋上から地上まで一気にプレスしていく。
30階建ての超高層ビルでさえ全く相手にならないほどだ。
別のビルは腕を横に動かすことで複数まとめてなぎ倒していく。
地上にあった大量の車やバスなどもひとまとめに巻き込んで、
一帯をあっという間に更地に変えていく。
摩天楼がどんどん破壊されて行く様子は遠くからでも充分確認できるため
多くの住人たちが驚き、恐怖していく。
それがまた彼女を満たしていく。
「とっても幸せ……なんだけど、
まだまだ残っているところもあるね。」
高層ビルの建ち並んでいた中心部はすっかりめちゃくちゃになってしまったが、
周辺の地区はまだまだ手を付けていない地区も多い。
四つん這いだと移動が遅く、立ち上がって踏み荒らすにも踏み残しができてしまう。
一気に襲って驚かせるためには……
「よし、こうしちゃおう!
ごろごろー。」
ズズゥゥン……
ドガァァァァンン!!
ズガァァァァンン!!
彼女はごろんと街に寝転がってしまった。
そしてゴロンゴロンと寝返りを打つように動き出したのだ。
全身を使って街の建物をなぎ倒し、押しつぶしていく。
幅約1500メートルの大きさのロードローラーと化した彼女が動けば
とてつもない勢いで街が破壊され、更地となっていく。
あまりの出来事に人間たちは大パニック。
今日一番の驚きと恐怖に彼女は満たされるのだった。
「……ふう、こんなところかな?」
全身で街をつぶしていくこと数分。
彼女は若干目を回しながらも街の殆どを更地に変えてしまっていた。
この街と周辺に居る人間たちから大量の驚きを献上され、彼女は大満足のようだ。
ゆっくりと立ち上がると軽く体を伸ばしつつ、彼女はふと思った。
最後にもうひと口ほしいな、と。
とはいえ周辺は彼女の手により壊滅状態。
さて、どうするか。
「それじゃあ最後に、よく見ていてね?」
そういうと彼女は上空へと浮かんでいく。
そのまま目を閉じ、念じ始める。
と、いうことは……
ズゴゴゴゴゴゴ……
そう、再び巨大化だ。
ただでさえどの建物よりも大きな体だったのにさらに大きくなるのか。
何度も驚かされたはずの人間たちはさらに驚き、恐怖する。
そのまま彼女は上空で巨大化を続け、雲の高さも軽々超えて……
巨大化が止まったとき、彼女の身長は約15000メートルとなっていた。
世界一大きな山の高さよりも、世界一深い海底の深さよりも大きいのだ。
そして、彼女はまだ空中に浮いたままである。
つまり……
ズガァァァァァァンン!!!
彼女が高度を下げ、両足を大地につけたその瞬間、
とてつもない地響きと轟音が一帯を襲ったのだ。
突き上げるような衝撃、付近の建物のガラスが割れるほどの音。
先ほどまで襲っていた街にとどめをさしながら
その衝撃がはるか遠くの街にまで届き、
数えきれないほどの人間たちを驚かせ恐怖させたのだ。
これから彼女が動けば、どれほどのことが起こるのか。
「……うん、ごちそうさまでした!
満足したから帰るね?」
さよならは突然に。
巨大化と着地による衝撃により彼女の最後のもうひと口は満たせたのだった。
そのまま彼女は姿を消し、元居た場所へと帰っていった。
今回、最も人間たちを驚かせたのは、
巨大化したのに何もせずに帰ったという最後の最後に起きた出来事だったらしい。
彼女はそのことに気づいたのか気づいていないのか。
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おしまい。
Comments
ありがとうございますー。 驚いていないのはお腹?の満たされ方で分かると思いますが、彼女に別の手段があるのかどうか……
ナーヴ
2022-07-22 13:39:15 +0000 UTC小傘ちゃんの巨大化蹂躙とてもよき... 玩ばれてお持ち帰りされたい... 驚かずに興味津々に眺めたり盛大に驚いた振りの反応見せたらどうなるのかな...
八雲橙
2022-07-22 11:02:38 +0000 UTC