SS_街ごとつまみ食いする亡霊
Added 2022-06-21 13:00:00 +0000 UTC今回も東方のキャラです。
わりと出番も多く、人気のあるキャラクターだと思います。
おっとり系お姉さんというイメージを持っている人が多いでしょうか。
大食いネタの二次創作も比較的多いかもしれません。
私もそのイメージが少しあるので今回はそれをそれなりに取り入れてみました。
それでは本題。
東方Projectより、西行寺幽々子。
街にやってきた理由は散歩ではなく小腹を満たすためのようです。
(約4,000字)
※無断転載禁止
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ズシィィィィン…… ドシィィィィン……
空が赤く染まり始める夕方前のとある地方都市、そこに死の足音が近づいていた。
正確に言えば、既に死んでいる者の足音である。
「さて、今回はこのあたりでいいかしら?」
水色主体で白が交じった着物、
なるとのような模様が描かれた三角の布のついた帽子。
西行寺幽々子、亡霊である。
亡霊となったことでいろいろと自由になったのか、
お散歩気分でこの地にやってきたようだ。
今の彼女の身長は普段の約500倍、約800メートルほどである。
さらには履物もなく裸足であり、いろいろと自由だ。
ドシィィィィン! ズガァァァァン!
挨拶代わりに街はずれの住宅街に一切のためらいなく踏み入れて
足元の民家たちを踏みつぶしていく。
足指の爪の高さにも届かない建物たち十数個ほどをまとめて踏みつぶし蹴散らし、
そこに大きな足跡を刻んでいく。
しかし、彼女は足元の住宅街には殆ど関心がない様子。
足裏で踏みつぶす感触を楽しんではいるようだが、
ここはただの通り道だと言わんばかりだ。
「お散歩もいいのだけど、お夕飯前のつまみ食いをしたいのよね。」
それもそのはず、彼女は中心地へと一直線に向かっている。
住人たちにとっては家の存亡や自身の命に関わる大問題なのだが、
残念ながら彼女にとっては取るに足らない一歩だったのである。
彼女が街に踏み入れてから1分足らず。
目的地である街の中心地、そこにある大型の電車の駅の目の前に彼女は着いた。
足音や地響きなどの予兆こそあったものの、
それでも1分ではさすがに殆ど何もできない。
付近の人間たちは大パニックだ。
「ふふ、いっぱい居るわね。
それじゃあ早速、いただきまーす。」
ゆっくりと屈む彼女。
そして、バスロータリーへと手を伸ばすと、
逃げようとしているバスやタクシーたちをかき集め始める。
乗降中のものやロータリーから逃げ出そうとしていたものを簡単にまとめてしまい、
あわせて20台分ほどのひとつの小さな車の山が出来上がった。
そして彼女は、子どもの玩具よりも小さなそれをつぶさないように鷲掴みにすると、
軽く上を向いて大きく口を開け、パラパラと口の中へと落としていく。
バリッ、ジャグッ……ごっくん。
まるで小さなあられ菓子を食べているかのように数回ほど咀嚼し、
すぐに飲み込んでしまった。
「ふう、乗り物の方は味はイマイチだけど、食感が楽しいからいいわね。
人間の方も味は分からないけど、霊魂が取り込まれてくるから刺激的ね?」
バスロータリー広場を更地に変えてしまいながら
100人ほどを取り込んでしまった彼女。
つまみ食いを始めてしまったのだからもう止まらない。
彼女は屈んだまま今度は駅の方へと手を伸ばす。
次の標的はもちろん電車だ。
ホームに停まっている1編成の先頭車両を優しく摘まみながら引き抜いていく彼女。
電車は宙ぶらりんになり連結部分からちぎれそうになるが、
なんとか耐えているようだ。
そのまま先ほどの車たちと同様に上を向いて開けられている口へと近づけられる。
ちゅるちゅる、ズズズズ……
今の彼女にとっては1両の長さが人差し指の半分ほどの短さしかないそれを
今度は麺をすするように食べ始めたのだ。
最後尾の車両から1両、2両、3両……
全ての車両が口へと入ったのはほんの数秒の出来事だった。
「こんなに手軽に数百人を取り込めるなんて、便利な乗り物でいいわ?」
くすくすと微笑みながら、
彼女はホームに停まっていた他の編成にもどんどん手を出していく。
急いで逃げようと発進した電車は残念ながら逃げる前に捕まり、
彼女の口経由、胃袋行きに強制的に進路を変更されてしまった。
ちなみに、急いで電車から降りてホームに避難した人間たちは、
なんとか取り込まれずに済んだ。
「ふふっ……ちょっとだけ満たされると、
もっと満たされたいと思うものでしょう?」
駅に停まっていた全ての電車の編成を食べ終えた彼女は
指で軽く唇を拭くと、おもむろに目を閉じる。
ゴゴゴゴゴゴ……
すると彼女の身体が淡く光り、巨大化を始めたのである。
屈んでいても周辺のビルよりも大きかった彼女は
地響きを起こし、駅回りの地区をなぎ倒しながらさらに大きくなっていき……
彼女の巨大化が止まったのは、先ほどまでの10倍の大きさ、
つまり約5千倍、約8千メートルの大きさだった。
「それじゃあ、つまみ食いの続きといきましょうか。
大きくなったからたくさん居ないと満足できないわ?」
ガリガリガリガリ……
そう言うと、彼女は駅の周辺を指でなぞり始めた。
なぞり始めたというよりは削り始めたというのが正しいかもしれない。
ビルよりも大きな指が土地を削っていく衝撃と地響きで
周辺の人間たちはもはや立つこともできない状態だ。
そのままぐるっと、駅を囲うように溝を彫ってしまった。
すると今度は溝に指を入れて、力を入れ始める彼女。
バキバキ…… ベリベリベリッ!
なんとそのまま駅とその周辺の土地をまるっと引き剥がしてしまった。
乗り物から逃げ出して難を逃れたと安堵していた人間たちは大パニック。
引き剥がされた土地はまたもや彼女の口の前へと運ばれる。
まるで、ひと口クッキーでも食べようとしているかのようだ。
「改めて、いただきまーす。」
ばくっ、バリッバリッ、ムシャムシャ……ごくんっ。
微笑みながらひと口クッキーを咥内へと入れてしまった彼女。
そのまま数回咀嚼して建物を砕きすりつぶし、
細かくし過ぎない状態のまま飲み込んでしまった。
電車から逃げ出していた人間たちも、
全員ひとり残らず取り込んでしまったのである。
「うん、やっぱりこの施設には人が集まっているから魅力的ね。
その代わり、それ以外に他に目ぼしいものがないのが残念なのだけど……」
足元を見渡しながら、巨大化の際に破壊されなかった指より短い高層ビルたちを
ひとつずつ摘まみ上げては食べて、摘まみ上げては食べてを繰り返す彼女。
高層ビル内で逃げ遅れていた人間たちを取り込んでしまいながらも
この大きさとなった今では不満な様子。
「まあお夕飯前に食べ過ぎるのも良くないわね。
最後にもうひと口つまんだら帰りましょうか。」
ここまで延べ数千人を取り込んでいる彼女。
駅回りの地区がほぼ更地になるまで貪ってしまったところでゆっくりと立ち上がる。
この街の残りの地区では満足できない。
そう判断した彼女が次にとった行動は……
ズゴゴゴゴゴゴ……
なんと、さらなる巨大化であった。
ただでさえ大きなその体は大きな地響きと共にさらに雲を突き抜けて、
地上からはもはや上半身が見えないほどの大きさへとなっていく。
さらなる巨大化が止まったとき、彼女の大きさは先ほどまでの5倍、
約2万5千倍、約4万メートルの大きさだった。
膝程度の高さを飛行機が飛ぶほどになっている。
「さて、最後のもうひとつまみの前に……
ごちそうになったお礼を、えいっ。」
ドッシィィィィンン!!!
彼女が今まで居た街にお礼という名の足跡を刻み付けてしまった。
長さ約6キロ、幅約3キロの足跡がひとつ、
街のすべてを一瞬で書き換えてしまったのだ。
もちろん踏みつけによる地響きは周辺の街たちに大きな大きな衝撃を与えていく。
「それじゃあ……最後はこの街にしましょうか。
ざっくり数万人規模かしら。」
ズズゥゥゥゥンン……ゴゴゴゴゴゴ……
約4万メートルの巨体で四つん這いになる彼女。
それでも周辺の山脈さえ軽く覆えるほどの大きさである。
彼女の顔の前には先ほど居た街より少し栄えている都市がある。
目をつけられた都市の上空は彼女の顔に覆われており、
もはや恐怖さえ感じられないほどに呆気にとられている人間たちも
少なくないようだ。
「それじゃあ、いただきまーす……あーむっ。」
がぷぅっ……バリバリバリ……ごっくんっ。
口を大きく開けた彼女は顔を街へと近づけ、
そのまま口づけをするように密着させる。
そしてそのまま唇や歯を使って削り取っていき、一帯を全て咥内へと入れてしまう。
まるで大きなケーキに顔をつけてかぶりついているかのようだ。
彼女がゆっくり口を離せば、
約数百メートル四方の区域が一瞬で無と化してしまった。
「むぐむぐ……食べ方ははしたないけれど、
これもまた大きくなったときの楽しみ方よね。」
2口目、3口目……彼女はどんどん食べ進めていく。
高層ビルがあろうが、大型商業施設があろうが、
そこに居る数千人を巻き込みながら街の地区が削り取られていき、
彼女の栄養となっていく。
「そして仕上げに、もっとはしたなく……」
れろぉっ、バキバキバキバキ……
舌を出した彼女は街を端から端まで舌で一気に舐めとっていく。
長さ500メートルを軽く超える舌は地上にある全てのものをなぎ倒し削り取り、
さらには絡めとっていくドーザーのようなものとして街を蹂躙していく。
犬のように舐めとっていくのを何回も何回も、
まるで皿の上に残っている食べものやソースをひとつ残らず味わいつくそうと
街を全て舌で綺麗にしていく。
「……ふう、ごちそうさま。
いいつまみ食いになったわ?」
ドッシィィィィンン!!!
ゆっくり体を起こし尻もちついて座り込む彼女。
つまみ食いで数万人の霊魂を取り込んで満たされた彼女にとっては、
座り込んだことでお尻につぶされた別の街のことなど一切関心がないようだ。
空を見上げながら小さくお腹をさすり、うっとり微笑む彼女。
つまみ食いだけで数万人を胃袋に送り込み、別の数万人をつぶし、
街を数個滅ぼしてしまったのだ。
「少し休憩したら帰りましょうか。
お夕飯が待っているもの。」
彼女がここで満たしたのは食欲というより、
精神的な飢えを癒すだったのかもしれない。
いずれは世界中の霊魂が彼女のためだけに使われる日が来るのかもしれない。
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おしまい。
Comments
ありがとうございますー。 おそらく喰い以外でもなんとかなりそうですが、あえて食べていそうな気もしますね
ナーヴ
2022-06-22 14:53:38 +0000 UTC幽々子様の街の喰い蹂躙とてもよき... 食べられて霊魂吸収されたい...喰い以外で死んだら魂をお持ち帰りされたい...
八雲橙
2022-06-21 15:47:15 +0000 UTC