SS_魔界神の現世社会見学
Added 2022-05-06 10:30:00 +0000 UTC今回のキャラはいわゆる旧作のキャラです。
東方紅魔郷より1作品前の東方怪綺談のラスボスです。
幻想郷には天界や月、地獄など、いろいろな世界が存在しますが、
その中には魔界という場所もあります。
その魔界の創造神が神綺です。
一部の方はご存じかもしれませんが、
聖の弾幕の元ネタとなっている弾幕を使ったりキャラであり、
アリスの母と言われていたりするキャラですね。
とはいえ、細かい設定等を知らなくても
魔界の創造神、ということだけ分かっていれば
今回のSSを読む分には問題ないと思います。
私もわりとそういう感じなので……
それでは本題。
東方Projectより、神綺。
魔界を創造した彼女は異世界を訪ね、そこを観察しつつ散歩を行います。
ただし自分の管理する世界ではないので扱いは雑になるようです。
(約6,500字)
※無断転載禁止
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彼女は突然現れた。
歩いてきたわけでも空を飛んできたわけでもない。
太陽が空高くより世界を照らしているそのとき、光の柱は静かに現れた。
そして、それが消えたそのときには彼女はそこに居たのだ。
光の柱は太陽の光ほど目立つものではなかったが……
「いつもどおり、問題なく移動完了……
って、ここには全くといっていいほど魔力がないのね。
たまにあるのよねぇ、こういう世界。」
青みのある銀色の髪、逞しさのある大きなアホ毛。
全身赤色のドレスのような、どこか女装サンタを彷彿とさせる衣装。
そして背中には禍々しい紫の3対の羽。
明らかに人間ではない姿の彼女は堂々と君臨していた。
それもそのはず。
彼女はとある魔界を創造した存在。
すなわち魔界神、創造神なのである。
「まあ魔力がない世界は別の力を使って文明が進むから、
私の世界にないものが多くて面白いのよね。
早速見て回りましょうか。」
彼女の見た目の時点で既に人間離れしているが、
ここで彼女以外には特に衝撃的な特徴がある。
今の彼女の大きさだ。
ズシィィィィン……
ドシィィィィン……
彼女が歩くたびに大地が揺れ重い音が響き渡る。
それもそのはず、今の彼女の身長は800メートルを越えている。
人間サイズと比較すると約500倍だ。
実は彼女、移動時に巨大化の魔法もあわせて使用していたのだ。
大きくなることで移動時間を短縮できるし世界を簡単に見渡せることができる、
というのが彼女の考え方らしい。
もちろん普段は彼女も一般的な人間サイズである。
「このあたりがこの世界の住人たちの街ね。
ふんふん、なかなか文明が発達していると思うわ?」
あっという間に街へたどり着いた彼女は、一切の躊躇なく街へと踏み入れる。
街はずれの住宅街の建物たちへとブーツで踏み下ろせば
そこに建物があったかどうかが分からないほどの脆さで踏みつぶされていく。
平屋や2階建て程度の民家ではブーツの底の厚さにも届かないので
仕方ないことだろう。
この程度の建物では彼女に関心が持たれることなくつぶされていくのだ。
住人たちは逃げる暇もなく彼女の散歩に巻き込まれていく。
「これは……なるほど。
1つの建物にたくさんの部屋を用意して
いろいろな住人が住めるようにしているのね。」
魔界神ともなれば、この世界の理解も朝飯前である。
さらには魔法を駆使することで、
大きな姿でも地上のものが観えたり、住人の場所を把握したりしているとか。
数階建てのマンションを見下ろして少し観察すると満足した様子。
そのまま別の場所へ移動するのかと思えば……
ズガァァァァン!
なんと足を軽く振り上げ、そのままマンションを蹴りつけてしまった。
ブーツのつま先部分が直接ぶつかったところは当然粉々になり、
マンションは真ん中から真っ二つに抉られ、
さらには建物全体が土台から浮き上がり、
そのまま近くの建物を巻き込みながら倒されてしまった。
「うんうん、最低限の強度はあるみたい。
だけど、こんな建物を作らないといけないほど
住人が溢れているってことかしら?」
その後も彼女は住宅街を軽く散歩していく。
民家の建ち並ぶ地区はまったく力を入れずに
足を下ろすだけでも簡単に踏みつぶしていく。
点在するマンションもひと踏みふた踏みするだけであっという間に瓦礫に変えたり、
蹴飛ばして建物を抉ったりなぎ倒したり。
「うーん、このあたりはこんなところかしら。
やっぱりあっちの方が面白いものが多そうね。」
あっという間に数百人ほどが住んでいる住宅街は壊滅状態になってしまった。
しかし壊滅させた当の本人は小さくあくびや伸びをしており、むしろ退屈そうだ。
そのまま彼女は面白いものが多そうと言っていた街の中心部へと向かって
移動を始める。
ズシィン、ドシィン、ズシィィィィン……
街の中心部に居る住人たちは彼女がこちらに向かってくることに気づくと
大パニックになり始めた。
彼女が住宅街を散歩している時点で既にざわついていたものの、
まさかこちらには向かってこないだろうと考えていた人が案外多かったらしい。
平静を保つための無意識の現実逃避か、
あるいは来ないでほしいという祈りだったのか。
電車で逃げようと駅へかけ込んだり、車やタクシーで逃げようとしたり。
しかし残念なことに、巨大であるということは歩幅が大きくなるということであり、
見た目はゆっくりでも移動速度は速いのだ。
つまり、今更逃げ始めてもほぼ手遅れなのだ。
「やっぱり、建物も大きくて多いから住人たちがいっぱいね?
それじゃあ早速……」
バキバキバキズガァァァァン!!
足を軽く上げた彼女は足元のビルにブーツをかざし、
そのまま一気に踏み抜いてみせた。
彼女が踏みつけた瞬間、
その衝撃だけでビルのガラスは粉々になり建物にはヒビが入った。
そして踏み下ろされるブーツの勢いは一切衰えず、
ビルのすべてのフロアがひとつずつ粉々に踏み割われていき、
ついにはビルのすべてが地上に叩きつけられて
そのまま足跡として踏み固められていったのだ。
当然ながら踏みつけたときの衝撃で小さな地震が局所的に発生する。
踏みつけたすぐ近くにあった建物のガラスは粉砕し、
逃げ惑う住人たちは突き上げられるような揺れにより身動きがとれなくなる。
「細長い建物のわりには意外と頑丈だわ?
さすがに危ない建物は作らない、ってことね。」
文明に感心しながらも彼女は容赦なく侵攻していく。
ドガァァァァン!!
バキバキバキバキ……
ビルよりも大きなブーツ全体を使って
通り沿いのビル群を歩きながら蹴散らしていく。
まずはつま先部分がビルに当たれば、ビルの根元付近が抉られてしまう。
これだけでビルは支えを失い崩れてしまうことになるが、
それよりも速く足が動かされることで
ビル全体がブーツにより一気になぎ倒されていく。
地上には瓦礫が大量に散らばり道路が塞がれてしまうことで
徒歩や車で逃げようとした住人たちは逃げ場を奪われていく。
「こういう建物も悪くないけど、
この世界の住人にあった発明という意味ではこっちの方が興味あるわ?」
建物をどんどん蹴散らしながら社会見学という名の侵攻を楽しむ彼女は
既に気づいていた。
この世界の住人は自力では空を飛べず、
身体能力的にも高速で移動することはできない。
彼女の居る世界で言うところの魔法が使えない人間と同じだ。
そして、それを実現するためには乗り物を使う必要がある。
地上の道を小さな箱が走っていることは既に気づいていて
適当に踏みつぶして遊んでいるが、
どうも別の乗り物があるようだ、と。
「あったあった、こういうものがあるのね。
それにしても住人がこんなにたくさん居るなんて、
そんなにいいものなのかしら?」
彼女がたどり着いたのは電車の駅。
既に逃げ惑う住人で溢れかえっているが、人が溢れすぎてパンク状態だ。
バチチッ……バキバキ……
無邪気に駅に停車中の列車に手を伸ばし、そのまま指でそっと摘まみ上げる彼女。
電線からスパークしながらも全く気にする様子もなく
そのまま顔の近くまで持ち上げる。
直接指で摘まみ上げられている車両以外は連結部だけで支えられており
大きく傾き宙ぶらりんとなっている。
「なるほど、1つに100人くらい乗りそうね。
それをいくつも繋げているから、多くの住人をまとめて運べる……
なかなか新鮮だわ?
そして、さっきのバチバチが動力源だとすると、電気を使っているのね。」
軽く観察して理解したことで満足した彼女。
パッと手を放し、用済みとなった電車を自由にしてあげた。
なおその電車は高度約700メートルのところで手を放されたことになってしまい、
10秒と少しの間だけ空を旅しながら、地上へと叩きつけられてしまった。
「それにしても、頑張って逃げようとしているところを見ると、
ちょっとイタズラしたくなっちゃうわね?
こんな風に……えいっ、えいっ。」
ズガァァァァン! ズドォォォォン! ドゴォォォォン!
2回、3回と駅の建物を容赦なく踏みつけていった彼女。
1回だけでも建物は踏み抜かれ、電車たちも巻き込まれ、
線路も簡単にへし折られていった。
そんな踏みつけをさらに2回も行われたのだから、
駅の建物はものの数秒で完全に破壊されてしまった。
住人にとって希望となる逃げ道は
彼女のたった数踏みのイタズラでつぶされたのだった。
「ふふっ、このくらいにしておいてあげましょう。
それにしてもこの乗り物、見たところ特定の道しか進めないみたいね?
どこに繋がっているのかしら……あら?」
線路の先にあるものを見渡す彼女。
いくつか分岐もあるが、ふと彼女の目にとまったのは海岸沿いにある遊園地だった。
ズシィィィィン、ドシィィィィン……
彼女は興味深そうに線路に従いながら、遊園地へと向かっていく。
道中の線路を何度も踏みつぶし、途中の駅も容赦なく踏み抜いて壊滅させながら。
「到着、っと。
なんだか楽しそうなところね、娯楽施設かしら?」
遊園地の最寄り駅を踏みつぶしながら見下ろす彼女。
規模としては比較的大きな遊園地であり、
ジェットコースターやコーヒーカップ、メリーゴーラウンドなど
ひと通り揃っているようだ。
「えっと、これは乗り物に乗って勢いよく落ちたり曲がったりするものみたいね。
たしかに飛べない人間はこういうの喜びそうだわ?
こっちは、ぐるぐる回って楽しむ乗り物かしら。
そしてこれは……」
遊園地にも容赦なく踏み入れて、観察を終えたものは構わず踏みつぶしていきつつ
彼女が目をつけたのは観覧車。
最高到達地点は地上100メートル前後で、見晴らしはよさそうだ。
「なるほど、ゆっくり回るこのかごに入って景色を楽しむのね。
こうやってくるくるーって?」
すると彼女は指を近づけ、くいっと観覧車をひと回し。
彼女にとっては軽くやったつもりだろうが、
観覧車はかごが吹き飛びそうなとてつもない勢いで回り始めてしまった。
当然、このような速さで回ることは想定していないため、
とてつもない金属音が響き渡り、直後、軸が壊れて観覧車本体が外れてしまった。
そのまましばらく本体は付近の建物にぶつかりながら転がり続け、
そのまま倒れてしまった。
「あらあら、オモチャみたいに壊れちゃったわね。
だいぶ手加減したつもりだけど、やりすぎちゃったかしら?」
少し苦笑いしながらも悪びれる様子は全くなく、
遊園地内の他の施設も観察しては踏みつぶし蹴散らして、
ついには数分で遊園地を遊びつくしてしまった。
入園料はもちろん、遊園地そのものを踏み倒したのである。
「こういう施設は私のところにはないから、なかなか新鮮でよかったわ?
それにしても、この世界の住人は大きなものに憧れでもあるのかしら?」
高層ビルに大型の観覧車。
周囲をよく見れば少し離れたところには高圧電線用の塔や巨大な電波塔などなど。
住人の100倍以上の大きさの建造物が各地に存在している。
「そういうことなら……
これまではこの世界のものを私に見せてもらったし、
今度はお礼に、この世界に私を見せてあげましょうか。」
そう言うと彼女は目を瞑り、彼女の周囲に魔法陣が現れる。
そしてそのまま何やら小さく唱えると、魔法陣が光り出す。
ゴゴゴゴゴゴ……
すると彼女の身長はみるみる大きくなっていく。
その姿は、隣町からはもちろんのこと、
車で1時間かかるような場所からでも充分見える程になっていく。
「……ふう。
この世界には魔力がないからちょっと大変だけど、
とりあえずこのくらいでどうかしら?」
地上には雲を突き抜けるブーツが2つ、
飛行機が飛んでいる高さでさえもブーツが届いている程となっていた。
身長約8万メートル。
巨大化を終え、世界にその姿を見せつける魔界神の今の大きさだ。
もはや地上からはその顔はもちろん、
上半身でさえも見ることが難しいほどの存在だ。
「今回はこのくらいにしておきましょうか。
大きな私に憧れを持ってくれているかしら?
ということで、自己紹介代わりに私の力を少しだけ見せてあげるわね?」
住人からは見えていないが、彼女からはある程度地上の様子が見えている。
ゆっくりと足を上げれば、
飛んでいる飛行機さえも踏みつぶせるほどにまでブーツが上がり、
そのまま本人にとっては何の気なしに足を下ろす。
ズッドォォォォンン!!!
はじめに、ひと踏みで長さ約12キロ、幅約5キロの土地が
一瞬で踏み固められて足跡となってしまった。
踏みつけられた場所が平地だろうがビル街だろうが山だろうが、
今の彼女にとっては関係なくつぶされてしまう。
そしてその直後、雷が落ちたという表現では全く足りないほどの轟音は
衝撃波となって周囲に広がっていく。
直接は踏みつけられなかったところも衝撃波により吹き飛んで
クレーターと化してしまった。
発生したのは轟音だけでなく、当然地響きも起こり、
突き上げるような超巨大地震が一帯に広がり、
さらに地上の存在に甚大な被害を与えていく。
「ふふっ。
どしーん、どしーん。」
ズガァァァァァァンン!!!
ドゴォォォォォォンン!!!
彼女の発する可愛らしい擬音からは想像もつかないような踏みつけが
地上の住人たちに襲い掛かる。
ひと踏みで街1つがつぶされ、同時に衝撃波で街数個が消し飛び、
超巨大地震で周囲の街数十個が崩れ始める。
彼女の1歩で数十万人、いや、数百万人が彼女の足に翻弄されていく。
残っている住人たちも逃げられる場所など存在せず、
終焉を待つことしかできないのである。
「うんうん、ちゃんと伝わっているようでなにより。
このままちょっとお散歩するわね?」
ドシィィィィィィンン!!!
ズシィィィィィィンン!!!
ドガァァァァァァンン!!!
まさに動く天災。
彼女が足をついたところが震源となり、
超巨大地震が何度も何度もこの国に襲い掛かる。
ブーツという名の空が上から降ってきて終わりを迎えるか、
天地がひっくり返るほどの衝撃に巻き込まれるか、
あるいは運よく彼女が近くを通らないか。
この国の住人たちの運命は彼女が全て握っているのだ。
実は、この国の文明をしっかり楽しむために、
なんと彼女はわざと都市部を狙って踏みつけるように歩いているのだが、
住人たちがそれに気づくことはないだろう。
「これでいいかしら……っと。
ひと通りは私の姿を皆近くで観られたかしら?
私もこの国のことを観ることができて、この世界のことが少し分かったわ?」
彼女が巨大化して歩き回ることしばらく、
この国は半壊かそれ以上の被害を受けていた。
どうやら彼女は各地を訪ねてその姿を見せつけたかったらしい。
そのついでに彼女は、
この国の街の配置や文明の進み方、地形や人口分布などまで確認していたらしい。
「それじゃあ最後に……
私のお散歩に巻き込んた住人のために、お掃除をしてあげる。」
彼女は手を下に向けると、手のひらに光が集まり始める。
その光はだんだんと輝きを増し、昼間の地上からでも見えるほどになっていく。
彼女が動き回ることで既に1000万人以上の住人が巻き込まれて
終わりを迎えてしまった。
しかし、この国にはまだそれ以上の住人が残っているのだ。
「一部の人だけ無事だと、先につぶしちゃった人たちから不満が出るものなのよ。
だから、皆平等に……さようなら?」
言い終わると彼女の手から地上に1本の光線が降り注ぐ。
その光線は地上の半径数十キロを眩しく照らす。
光の当たったところは全てのものが一瞬にして粉々になり融けていき、
吹き飛ばされていく。
はやい話が、破壊光線だ。
その光を彼女は地上の国全体にまんべんなく当てていく。
そこに居る全ての住人を等しく終わらせるために、全ての街や地形までも滅ぼすために。
魔界神の浄化の光が地上を綺麗にしていく。
「……はい、お掃除終了。
創造をするためには一度全てを破壊することも必要なのよ?
ゼロからの方が作りやすい場合もあるし?」
光線を放ち始めて数分、撃つのを止めた彼女が一息ついたとき、
足元に存在していたはずの国は、
住人や街はもちろん、山なども全て滅んでおり、
一帯が全て焦土と化していた。
一度全てを無にしてから新しいものを創りなおす、と言わんばかりの状態だ。
「国が違うと文明が微妙に違うから、他のところはまた今度ね。
魔界神のこと、ちゃんとこの世界に見せつけられたのならいいのだけど。」
そう言うと彼女は天から降り注ぐ光に包まれ、そのまま姿を消してしまった。
彼女の社会見学のついでに滅ぼされた国。
その世界の住人たちに長い年月をかけさせて作り直させるのか、
あるいは彼女が創造神としてすぐに元通りに戻すのかは、
まさに神のみぞ知る話である。
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おしまい。
Comments
ありがとうございますー。 彼女にとっては遊び場みたいなものかなと? 相当お気に入りならお持ち帰りされるかもしれません?
ナーヴ
2022-05-08 05:18:22 +0000 UTC魔界神のお散歩感覚での蹂躙とてもよき... 社会見学のお土産としてお持ち帰りされたい...
八雲橙
2022-05-07 17:30:37 +0000 UTC