ダンジョンの入口は『鏡』の存在を聞きつけた冒険者で溢れかえっていた。
野盗崩れの荒くれ者。
表情に緊張が残る新米。
馬で馳せ参じた遠方の騎士。
ベアセスはそんな男たちの視線を一身に浴びながら、悠々と列を割って進んでいった。
「すまねえな、だがまあ堪えてくれ。夜までには終わるからよ」
ダンジョンの一時封鎖、ならびに探検の中止は国からの命令だ。その中でただ一人の例外がこのベアセス、命令の執行を頼んだ男だった。
『願いを見せる鏡』が見つかった。
いかにも噂話といった域を出ない話だが、この際重要なのはその真偽ではない。
たった一つの宝というのは、それを巡って血で血を洗う事態になりかねないのだ。ベアセスがそんな卑怯者に遅れを取ることはまずないだろうが、逐一足を引っ張られたり、トラブルに巻き込まれてはたまったものではない。
その事態を避けるため、こういった特例処理が可能なギルドマスターベアセスがこの探索にあたることになった。
「そんな顔しねえでくれよ、お前さんの御主人のためでもあるんだぜ」
ベアセスは入口のすぐ横で待つ馬の頬を撫でてやると、風を切って遺構へと進んでいった。
ダンジョンの浅層には置き捨てられた荷物や、急場しのぎの魔法陣、荒々しい解錠跡だらけだった。ベアセスはそれらを無視して、巨熊のような肉体でずんずんと進んでいく。
脅威など殆どなかった。封鎖を頼んだ都合上ベアセス自らが赴くことになったが、ギルドの誰が向かっても問題はなかったであろう。
「成る程、ここはそもそも通り道ってことか」
想定よりさらに早くベアセスは最奥部に通ずる場所に到達した。
ルーンが刻まれた壁を打ち壊し、崖を2つ3つ飛び越え、門番と思われるゴーレムを打ち倒すだけの簡単な仕事だった。
そうしてたどり着いた遺跡は、いわば巨大な古代のホールだった。
透明な水が天井から流れ、あらゆる場所に小さな滝を作っている。少し照明を増やせば、今でも集会場として人気が出そうな美しい場所だった。
だが、どうにもそんな未来は永久に来ないことがベアセスにもわかった。
「悪魔、か」
ベアセスは滝の裏や地面、あらゆる場所に刻まれた血印を睨みつけて呟いた。
神殿の至る所に素人でもわかる悪魔崇拝の三画血印が象られていたのだ
専門知識がないため鑑定は不可能だが、それでもこの場所が悪魔の信仰や契約、もしくは使役によって栄えた街であることは間違いなかった。
それが魔法都市ヴァルエルナの正体というわけだ。歴史に残っていないのも頷ける。
「こうなってくると鏡とやらの真偽もますます怪しいもんだ、悪魔絡みの遺物なんざろくなもんじゃねえ」
ベアセスはため息混じり呟くと、血印を避けながら更に進んでいった。
「ここが中心部か……」
やがてべアセスは小さめの湖、大きめの噴水といった場所にたどり着いた。そこにもやはり滝のように水が流れ込んでおり、透明なカーテンのようなものが何層も出来上がっていた。
宝は見つからなかった。あるのは行けども行けども水と血印ばかりだった。
「まあ……十分な収穫だろう。封鎖するほどでもねえが……冒険者よりは調査隊が探るべき――ン?」
爽やかな音を立てながら落ちる水が、まるでベアセスの存在を歓迎するかのようにその水流を増した。
何百年もの間絶えることなく続いていたであろう水の芸術は、審美眼など持たぬベアセスも思わず見惚れてしまうほどだ。
そしてすぐに気がついた。
それはただの透明な水ではなかった。
光を反射し、目の前にいるベアセスの屈強な肉体が写っている。逞しい肩幅、分厚い胸板、太い腕。男らしく整えられた髭。全身を覆う体毛。股間にぶら下がった自慢の逸物。
…………。
「な、なんだと……?」
ベアセスは小さく叫び、自らの体をまさぐった。
しかし指先にあたったのは肌ではなく布の感触、防具の硬さだった。
裸……そんなわけがない。
「こ、コイツはいったい……」
ベアセスは目を見開き、もう一度正面を向いた。
彼が正気であったならば、すぐにその場を離れていただろう。
だが……彼はすでに『魅入られ』はじめてしまっていた。
「これは……」
目を凝らして水のカーテンを覗いたベアセスの目に信じられないものが写っていた。
そこはギルドの拠点であり彼の愛する酒場だった。温かな照明。こだわりの木材。喧嘩に耐えうる頑丈な椅子とテーブル。
その中に、全裸のベアセスが立っている。
「あ…………うぅっ……や……べえ…………」
ベアセスだけではない、酒場には何人もの男たちがいた。
信頼が置ける仲間たち。酒を飲みに来ただけの客。依頼を届けに来た商人。
雑多な賑わいを見せる店内だが、酒場の主だけが全裸で突っ立っている。
そんな彼を、男たちがジロジロと見つめている。
見れば見るほど、その視線が一点を狙っていることがわかった。
「ハァ……み、見るな……みるな…………」
彼らは全員でべアセスの鍛え抜かれた大殿筋……つまり尻を見つめていた。
裸なのはベアセスだけだが、皆チンポを露出している。
勃起している。先走りを垂らしている。
誰も彼も立派な巨根の持ち主だ。
穴にハめればずっぽりと奥まで届き、抉られ、気持ちいいこと間違い無しの極上チンポが揃っている。
生唾が溢れた。ゴクリと太い喉が鳴った。一物が勝手にガチガチに勃起する。
チンポが俺を狙ってやがる…………。
そう思うと彼はそれにどうしようもなく欲情していた。
クエストによる度重なる後遺症。尻を犯され開発された経験の累積。それはギルドマスターベアセスの価値観や精神を徐々に歪め、静かな願いを育てていた。
つまり、ここを誰かのチンポで……人間に犯されたい、と。
「よう」
すぐ横、耳元で声が聞こえた。
当然後ろには誰もいない。再び水面を……鏡を見つめた。そこにはベアセスの逞しい背中を抱くようにして、黒肌の涼し気な男が立っていた。
怒りのザクロ亭のメンバー、魔術師レオだ。
好色そうな琥珀色の瞳がこちらを見つめている。肩を抱き、指が胸板を弾いた。舌なめずりが聞こえそうなほどの距離で口が開く、そうして彼は耳元で囁いた。
「俺は見てたぜ」
そうしてレオはベアセスの手を取り、自らの一物を触らせた。
太い。
それに巨大なチンポだ。
いや、巨根などという話ではない。
その一物は触れば触るほどに伸びて、亀頭もソレに合わせて変形していく。
人間を超え、巨人のもの……いや違う、もっと身近で逞しいもの。よく知った形になった。
「あんた、馬の世話するときなんかも、ジロジロ見てたよな……」
「う……うおぉ…………」
ベアセスはうめいた。
レオの股間にぶら下がっていたのは、今朝みたような馬の巨大なペニスだった。
馬のチンポ。
通常人間とは比べ物にならないほどの長くグロテスクなイチモツだ。
…………すでにべアセスは鏡の前の傍観者ではなくなっていた。
自らが裸であり、酒場に立ち、そしてチンポを突きつけられていた。
「コイツが欲しかったんだろ?」
男として屈辱とも言える、巨根をチラつかされる誘いにもまるで抗えない。むしろ逆だ。
もっと近づけて欲しい、突きつけて欲しい、ケツの奥にぶち込んで欲しい。
「コイツで犯されたいんだろ?」
とん……と軽く胸板を押された。
歴戦のギルドマスターはなんの抵抗もなく、あっけなくテーブルに仰向けになった。
「ハァ…………ハァッ…………」
荒い息遣いのままベアセスは天井を見上げていた。
見慣れた酒場の照明を、棍棒のような馬チンポが覆い隠す。
欲しい。
欲しくてたまらねえ。
ベアセスの下半身は誰に言われるまでもなく自然に開いていた。思考や意志の介在する余地もなく、興奮だけで体が動く。欲望だけで尻が開く。
「で、デケえ……デケえ……」
自分の魔羅が馬チンポの目の前で勃起する。
ベアセスの股間にぶら下がったモノも、誰に見せても恥ずかしくない立派な巨根の持ち主だ。風呂屋に行けば必ず視線を感じ、性交のときも届かなかったことなどない。
だが、それでも目の前の馬のチンポを前にしては形無しだ。雄としてまったく敵わない。太さ、大きさ、臭いまでも何もかも上回られている。
あんなものが入ったら、腹がどうなるのかわからない。ケツが壊れてしまう。広がり……そして…………。
「それじゃあ入れるぜ」
「ま、待てよ……そんなもん本当にこの俺に……」
「そんな顔して、今更なに言ってるんだよ我らのマスター殿よ」
背筋に悪寒にも似たものが走る。
恐怖、焦燥、羞恥。様々なものが前進を引き止めようとする。
「でも、あんたのここは、とっくに準備万端みたいだぜ……随分いろいろ開発されてるみたいだ、なあ?」
そんなベアセスの戸惑いを、たった一本の指が止めた。
「ふっ…………んっ…………おぉ……」
指が穴の中潜り込み、優しく内壁を撫でる。
「はぁ……あぁっ」
それだけでベアセスは口髭を蓄えた顔を歪め、切なげで艶めかしい声を上げてしまった。
もはやどんな抵抗も上辺だけのものだ。
欲しい。今すぐに。そいつでケツを掘ってくれ。
「ああ、もちろんだ」
口をついて言葉が出ていたのか、それとも顔が雄弁に語っていたのか、何れにせよレオのグロテスクなまでの巨根がベアセスの引き締まった尻の――入口を突いた。
「グッ、う……おぉ…………ぐぉぉ……!」
クエスト中の度重なる事故により開発されていたベアセスの尻だが、それでも異物の大きさと太さは規格外だった。逆に言えば、これだけのデカブツを飲み込めてしまうまでになっていた。
「こんなものを抱えながら、よく今の今まで我慢できたもんだ」
「う…………おぉぉ……!」
だがそれも今日で終わりだ。
ベアセスにはわかっていた。
尻が押し広げられていく、犯される快感がすでに全身を支配し始めている。もう戻れない。もう忘れられない。
人前で、それも自分が収めるギルドのど真ん中で尻を掘られようとしているのだ、俺が。このベアセスが。
「はぁぁ…………すげえ…くそ……どうなってやがるッ、入っちまう……本当に入っちまう…………」
ゆっくりと自分の中の雄が壊されていく。
そして満たされていく。
それは乱暴に魔物に犯される快感ともまた違う。
性行為だからこそ生まれる背徳感と歓びだ。
「ああそうだ。犯されるんだぜ、怒りのザクロのベアセスさんが……な」
俺が犯される。
俺がデカマラに屈服させられる。
「待って……くれ……あぁ……はぁ……♥」
「ギルドマスターそれとも、やめとくかい。デカいのはきっついだろ?」
やめる。
ここで引き返す。
そうだ、確かになにか……なにかの真っ最中だった気がする。
それにこれ以上進むのは、なにか危険だと……そう感じていた。そうだ、俺は確か――
「で、どうする」
そんな思考は一瞬で引き戻された。
「お――ぬぉぉおッ!?」
腰が離れ、肉棒がズルリと引き抜かれる感触。内臓が引き摺られる。それすらも気持ちが良かった。だが同時に切なさが勝った。
「やめ、やめ……」
ベアセスは呟いた。
そうしている間にも肉棒はどんどん遠のいていく。
我慢できずにベアセスは叫んだ。
「やめ……るんじゃねえッ……! そこ、そこもっとやれ……やってくれえ!」
ベアセスは声を張り上げ、レオの顔を見つめながら叫んだ。
酒場中の男たちがベアセスの声を聞き、顔を見ている。
もはや半ばやけくそだ。
だがそれでも、このセックスが中断されるなど、それこそ頭がおかしくなってしまいそうだった。
「ようし、それじゃあ遠慮なく、たっぷり可愛がってやるよ」
レオは耳元でべアセスに囁くと、嬉々として馬の肉棒を指で弾いた。
そして今度は引き抜いた分だけ……いやそれ以上深く腰を打ち付けた。
「ご!? ぬぉお♥ おぉぉぉおお…………♥」
それまでが児戯に思えるような激しい雄の腰振りに、ベアセスの皮カムリの肉棒が震えた。
自分の意志ではない。レオの腰に合わせてチンポが揺れている。
「おぉお! そこぉお♥ そこやべえ♥ やべえ出るッ、声出る♥」
快感も声も何一つ自分の思い通りにならない。
すべてがレオの、そしてレオの馬チンポの思うがままだ。
掘られたら掘られた分だけの喘ぎ声を出し、穴を広げ、全身が打ち震える。抱かれる。犯される。
いままで何十年も知っていたはずの言葉は、実際のトコロなにもわかっていなかったことが、わかった。
これが抱かれるということなのだ。
これがチンポに負けるということなのだ。
「す…………すげえ…………ちんぽ………………すげえ…………」
「ようし、そろそろ一番奥までヤってやるぜ」
「あぁ…………ま、まだ奥じゃ……嘘だろ…………そんな、こ、これ以上…………」
「一番奥まで大サービスだ、もっといい声上げてくれよ、ギルドマスター殿よ」
その語気は理知的だが、今のベアセスには命令に等しかった。
考えるまでもなく、体と尻が応えた。
「おぉお――♥ んおぉおおお♥ チンポォォオオ馬チンポすっげええッ♥ 」
「ふへッ…………ふへ♥ 壊れるッ壊されるぅう馬チンポに俺こわされちまうぅうよぉおお♥ あぁ…………はぁぁぁ…………はぁぁぁン♥」
「おぉおソコ、ソコだ、ソコもっとやれッ、こすりつけろッ、こすりつけ、んんおぉおぉお♥」
欲望のままに懇願と命令が入り混じった声で叫ぶ。
自分から腰を振り、淫乱そのものの姿を晒してしまう。
「おぉぉお~~♥ こ、こりゃたまんねええッ、こんなものを今まで我慢していたなんて、ば、バカみてぇだ…………ッ♥ 嘘だろぉぉオイッオイオイオイッ♥」
とろけるような尻の快楽。
ギルドマスターである自分が乱暴に抱かれるという背徳感。
そして何もかも壊されるという、破滅的な快感。
すべてがベアセスの脳に歓びを叩きつける。
「すげええ♥ もっと、もっとしてくれええ♥ ああ~~こんなもんを今まで知らなかったなんて、大損だ、大損ンンンッ♥ 取り戻さねえよぉぉお~♥♥」
ベアセスは全てを放り出すように、それこそ酒場を壊すように力強く叫んだ。
ベッド代わりのテーブルをバンバンと背筋で叩き、口をラッパのように窄め、大声を酒場中に轟かせる。磨き上げられたグラスには唾が垂れる。
自分の場所ごと自分を壊す。それが望みかのようにベアセスは仰け反った。
「おいおいそんなに暴れまわっちゃ……締め付けられちゃあ、中に出しちまうぜ……すっげえ量をよ!」
「くれッ♥ そ、そんなもん欲しいに決まってるだろ♥ 中にくれッ、奥くれっ、きてくれえ♥」
ベアセスはほんの少しの迷いもなく即答した。
「初めての中出しだってのに、すっかりドスケベなマスターになっちまったなあ」
「こんな――こんなデケえの……貰っちまったら、しかたねえだろぉ♥ もうたまんねえ――欲しい、ほしいんだッ俺のケツぶっ壊していいから種くれえええーーー!!」
「いいぜ……ほら……たっぷり味わってくれ…………なっとッ!」
「うぅ――おぉぉ♥♥♥」
それは尻の奥で、弾けるような……いや腹から全身にまでこみ上げるような感覚だった。
「おぉぉお…………おぉぉおおッッすげえ、出されてる、俺が馬チンポに種付けされちまってるッ、この俺がぁぁあッッ♥」
馬のチンポから吐き出される種汁は、奥の奥まで広げられたベアセスの全身を白く塗りつぶした。
気を失いそうな快感。
腸から始まり、筋肉にも、骨にも、血に至るまで届いてくるような奔流。
魔力が全身を巡るより更に強く早く、雄汁の臭いと熱がベアセスを壊していく。
「おぅぅ♥♥ すげえ……こんなに…… おごおおッ♥♥ ケツ全部もってかれるぅうぅ♥♥」
まだ快楽の渦中にいるベアセスを嗤うように、レオは肉棒を強引に引き抜いた。
種汁はもちろん、それ以外の大切なものもまるごと引き抜かれるような感触にベアセスは痙攣しながら喘いだ。
抜き捕らえたチンポは挿入前以上にガチガチで、こんなものが入っていたことなど信じられないほどのモノだった。
「いやあ、コイツも満足だってよ、マスター」
その馬チンポは征服し尽くしたベアセスを、我こそは新たな主とでもいうようにベアセスを見下ろしていた。
見ているだけで、まるで恋したかのように心臓が早鐘をうち、尻の穴がうずいた。
もはや穴は塞がらず、開きっぱなしのケツからは種汁がダラダラと溢れていた。
「あぁ……もう一回、もっと……やってくれ…………へぇ…………♥♥」
ベアセスは肩で息をしながら、なんとか口を開いてそういった。
「も……もっと…………もっと……だぁ…………♥」
再び喘いでいたときのように口をすぼめると、ベアセスは新たな主に忠誠を誓うように口づけをした。しようとした。
ばしゃり。
水の塊に顔があたる感触に、べアセスは我に返った。
「………………ここ、は」
そこはダンジョンの奥深く。
滝で作られた水鏡の前、ベアセスは装備をガッチリと着込んだまま、突っ立っていた。
尻穴が塞がらないほど犯されている――などということはなかった。
それどころか、体には傷一つついていない。
ただ着込んだ装備の中は、自らの汗と精液でどろどろになっていた。それと味わった射精の快感だけが、ベアセスに残された全てだった。
あんなものが、俺の今の一番の願望だっていうのか……。
ベアセスは唖然として水をみつめた。
先程まで自分を捉えていたその鏡は、今はただ流れ落ちる透明な液体の塊に過ぎなかった。
悪魔のシンボル。滅んだ街。ダンジョン化した遺構。
これは断じて、人間の望みを見せるなどという生易しい願望機ではない。これは人を堕落させようとする罠だ。
ベアセスは誰に見られているわけでもないのにコソコソと隠れるように身を整え、早々と神殿を後にした。
報告は簡潔に、ただ「悪魔案件」であることを伝え、そして立入禁止と封鎖を要求した。
唐突かつ一方的な要求だ。普通ならば反発の一つや二つはあっただろう。
だが、高名なギルドマスターが全身汗だくになり冒険者たちと誰一人目を合わせない様子に、異を唱える者も、ダンジョンに挑もうとするものもいなかった。
ベアセスは伝えるだけ伝えると、馬車も使わず歩いて街へと帰っていった。
数日後。
無事要求は通り、あの遺構は完全封鎖。
中でも街や広場に連なる道は物理的に破壊されたという知らせが入った。
全てはおわった。
あれは一夜限りの夢だったのだ。
ベアセスは一人酒場でグラスを磨きながらそう思った。
今日も酒場には屈強な男たちで溢れていた。
酒を煽り、依頼を集め、武勇を語る男たち。
その中には、ギルドメンバーであるレオもいた。
美しい琥珀色の瞳、引き締まった筋肉。がっしりとした下半身。
あの幻の時のような威圧感はなく、だがそこには確かに好色で妖艶な色気が会った。
レオはいつもの右端の席に座り、こちらに視線を投げかけていた。
ベアセスは息を呑み、口を開いた。
背景素材利用:アキ二号機様【https://www.pixiv.net/users/61071305】
非天丸(ひてん)
2024-12-04 22:58:30 +0000 UTCvuos
2024-12-03 03:49:42 +0000 UTC