「それでは点呼をとりま~す」
担任の教師がクラスを集める
そう、今日は林間合宿である!
男子比率が少ないこの高校で男子たちは力仕事で忙しかった
昼は王道のカレー作り、だが問題はそこじゃない
そう!おやつの焼き芋だ!なぜよりによってイモなんだ…目の前では余った焼き芋をかけて女子達がまるでバーゲンセールのように群がっていた
「まだ余ってるわね、残りは夕飯のあとの夜食にしましょう!」
マジかよ…一日で焼き芋2食なんてしたらヤバいんじゃねーのか!?
「これは女子達とはあまり接触しない方がいいな…」
と思った矢先。
「ラオナ…?食べないの?」
と馴染みのある女子の声が聞こえた
それは片手に戦利品の焼き芋を持った幼馴染の雪菜だった
「お、おぉう…雪菜」
雪菜はまさに俺がOnaraぶるになって一番最初の被害者であり、あの日から2週間は恥ずかしさのあまりか雪菜に遠ざけられてしまっていたが最近はまたこうして普通に話せるようになった
「林間合宿と言ってもやることは中学の時と変わらないね」
「あぁそうだな」
そうやって何気ない会話が続いていると
「あ、あのさ。3日目の夜に肝試しあるじゃん…?あ、あれ私とペアになって回らない?」
「あぁそういえばあったな。一緒に回るか」
この時ラオナはすんなりフラグを立てたことに気づかなかった
「えっ!い、いいの!?じゃ、じゃあよろしくね」
少し照れながら話す雪菜
「そ、それよりラオナもこの焼き芋食べなよ!おいしいよ」
「お、そうだな。焼き芋食うのは雪菜俺んちに来た時以来だな」
「ッ!」
雪菜がその一言に硬直する
しまった。地雷を踏んでしまった。
雪菜が普通に焼き芋を食べていたのでてっきりあのことはもう気にしていないと思い込んでしまっていた
ただ単純に雪菜はあの時オナラがしたくなってしまったのが母に出された焼き芋を食べたからということを忘れていただけだったのだ
「う、うんそうだね…!あ、あの時はその…」
雪菜の脳裏にあの時の光景がフラッシュバックする
「本当に…ごめんね、目の前であんなおならを…」
ラオナの瞳には顔が真っ赤になっていく雪菜が映った
雪菜は自分が手にしている焼き芋を見てハッと
「わ、私いつも焼き芋食べておならしてるわけじゃないからねっ!」
「いいいい今はおならが出そうなわけじゃないからぁっ!」
必死に弁明しようとする雪菜
「わ、わかったから!」
誰もそんなことは聞いてないぞ!?
「私もうお腹いっぱいだからこれラオナにあげる!じゃあね!」
と雪菜はあっという間に走り去ってしまった…
デジャヴ!!!
まだ林間合宿が始まって数時間、既に慌ただしい
ラオナは深いため息を吐く
「一体、俺の林間合宿はどうなってしまうんだ…」
初日でOnaraぶるが何か起きてもおかしくはなかった
〜何も起きなかった!
風紀委員の一ノ瀬は林間合宿の初日、1日中気を張り詰めていた
しかし既に外は真っ暗になり宿先でクラスの女子達が布団を敷いて消灯の時間を向かえようとしていた!
「なんだ…昨日はOnaraぶるがどうたらで今日ずっと気を張り詰めていたのに何も起きないじゃない、よかった」
何もしていないのに気を張り詰めていたため疲れがどっと来た一ノ瀬
「そもそもそんな都合よくおならを我慢してる女の子と鉢合わせることの方が滅多にないわ」
はぁ〜…と一ノ瀬が安心と気の疲れが溜まったため息をしていると
「大丈夫?奈々ちゃん」
と隣の布団から心配する声が
声をかけたのは一ノ瀬の親友の彩ちゃんだった
「うん、大丈夫。ありがとう彩ちゃん」
彩ちゃんは気が強くて女子から遠ざけられていた一ノ瀬にとって唯一安心して話せる友達である
「何か悩みがあったら相談してね…?私、奈々ちゃんに助けられた時のことをお返ししたいから!」
「うん、その時は彩ちゃんに頼ろうかな」
彩ちゃんはとても可愛いし誰にでも優しい
そのせいで逆に捻くれた女子に嫌われやすいこともある
こんな可愛い子でも私と同じおなら…するんだよね?
彩ちゃんのお尻の穴からも下品で臭いおならが…って何考えてるの私!親友のおならを想像するなんて最低よ!
一ノ瀬は一瞬浮かんだ謎の感情を振り払い葛藤していた
「それじゃあ電気切るよ〜?」
『おやすみなさーい!』 「おやすみなさい。奈々ちゃん」
「おやすみなさい。彩ちゃん」
消灯してから30分が経った
ひそひそ話も聞こえなくなり全員が寝静まる
と
きゅる…
どこからかお腹の音のようなものが聞こえたと思うと
ぎゅるるるる〜!!
くる…ごぼぼぽぽ〜!
ぐるぐるぐるぐるごろろろろりゅゅ〜〜〜!!!
部屋中のあちこちから爆音なお腹の音が鳴り始めた
後半に続く