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【散文】上達しなくていい上達法

🟢ふと、書き記しておきたくなったので

 今、巷では「◯ヶ月で絵が上達する方法!」といった技術の上達を謳った内容のものが多く溢れている。しかし、こうも思わないだろうか?「どうしてこんなにも上達する事だけに目を向けているのだろうか?」と。

 不安を持つ自分からすると、つい「上達しなければいけない」という思考に縛られてしまう事があります。だからこそ、こういう不安を解消するような動画というのはいつの時代も需要が、ビジネスが成立するものなのだと思います。

 しかし、上達する事の先を見据えておかないと、いつか筆を折る形になってしまうのではと危惧しています。

 私は美術系の学校へ通った事もなく、普段からあまり模写というものをしません。先に情報を集めておき、それらを一旦頭の中で熟成させ、それから自分の目と手を通して出力して確かめる…そんな思考実験に近い形で練習しています。

 特に重要だと思うのが「自分が興味を持ったもの」を描く事であり、つまりは「誰がなんと言おうと、私の好きなものはこれだ!」と思うものを自分で描き出すことです。結局のところ、これに勝る練習法はないと思います。

 たまに「自分の本当に好きなものはなんだろう?」と問う事も大事です。人は問いを続けることにより進歩していくものであり、誰かに教えてもらうのはあくまで一時的・補助的なものです。また、教えてもらう時も受け身になるのではなく、相手とのコミュニケーションを取る中で自分の内側から湧き出る思考や感情から考える事の方が、結果として上達に繋がるのだと思います。


 私が誰にも譲れない好きな表現はこんな感じです。

・相手との接近を感じられる顔や体にかかる陰影と、輪郭を溶かし切るのではなくむしろ浮き立たせる、湿気を帯びながらも輝く背景の空気

・意思疎通にやや難がありそうな獣性を持つ見た目・性格をしながらも、実は誰よりも周りの事を見ており、独自の哲学を持って他者と関わるキャラ

・お互いに心と心で通じ合っているからこそ出来る、世間一般では穢れのように扱われる性癖・性欲の解放

・心の平穏をもたらすノスタルジックな景色と、そこに佇む愛するもの


 あなたにとって、誰にも譲れない好きなものって、なんですか?

 そして、あなたはそれを、どのような形で表現していきたいですか?

 例えば、誰にも見せた事がないけれど、ずっと心の中で思っているもの。

 不思議と何度も目に入ってきてしまうもの、そういったものは何ですか?

 色々と書いてきましたが、個人的には「好き・嫌いと感じられる心」を大切にし、技術面の不安を感じるままにそれを表現していく事だと思います。そうすれば、他の人とも一風違った、「自分の好きな何か・誰かのために絵を描く」という事ができるのだと思います。そしてそれは、上達という不安を超えて自分や他者の心を癒やす事に繋がるのだろうと、私は思います。


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