前回▼

----------------------------------------------- いつものように学校へ行くと、うさぎ小屋の前に人だかりができていた。同じクラスの人、そうでない人もいた。先生も何人かいる。 何かあったのだろうか。まさか、脱走したとか? そうなら飼育係であるぼくが早く探しに行かなければいけない。そう思い駆け足で小屋に近...
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凄まじい嫌悪が津波のように頭のてっぺんから足先まで押し寄せた。その衝撃に耐えられず膝が崩れる。
無理矢理押し込んだはずの吐き気が重力に逆らい再び上に押し上げられた。咄嗟に口元を手で押さえる。
「う゛っ……」
駄目だ。吐くなんて失礼だ。彼女たちはぼくの大切な友達で、気持ち悪いものじゃない。
たとえ腹を裂かれていても、昨日までと変わらない存在のはずだ。
もう一度大きく唾を飲み込もうとする。しかしなぜか、飲み込み方が分からない。自分の意志に反して、それはあっけなく飛び出した。
「う゛ぉ゛え゛っ……!!」
びちゃ、と生暖かい液体が太ももを濡らした。
「はぁ、はっ…ぇ゛っ… う、うぅっ……!」
小さく呼吸とえづきを繰り返したあと、ぼくは強く金網を握りしめていた。顔を押し付け、みっともなく涙を流した。それしか出来なかったのだ。
いつの間にかぼくは先生に腕を引かれて立ち上がっていた。歩き出す前に飼育小屋を振り返った。
波打った視界の先には、光を失い黒い梅干しのようになった彼女たちの瞳があった。
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