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いつものように学校へ行くと、うさぎ小屋の前に人だかりができていた。同じクラスの人、そうでない人もいた。先生も何人かいる。
何かあったのだろうか。まさか、脱走したとか?
そうなら飼育係であるぼくが早く探しに行かなければいけない。そう思い駆け足で小屋に近づくと、一人の男子がぼくを指さし大きな声で叫んだ。
「あーっ!!とがみだ!あいつだよ!」
一斉にみんながぼくのほうを見た。
「こいつがやったんだ!」
その子の声の迫力とみんなの視線で、びっくりして思わず足がすくんでしまった。
こんなにたくさんの目線を向けられることは初めてだったからだ。
やはり何か大きな失態をしてしまったのかと、どきどきする。
「やめなさい!早く教室に戻るのよ!」と先生が叫ぶ男子を制しようとする。
しかしまた別の男子が声を上げた。
「兎上が殺したんだよ!いちごも、ふくも、ゆーも…!こいつしか世話してねーんだから!」
ぴたりと足が止まる。
殺した。彼は確かに今そう言ったのか?
それは彼女らが死んだということだ。信じられない。確かに生き物を飼うのは難しい。でも、昨日接した様子からすると全くそんな予兆は無かった。
「ほら、見ろよ!お前がちゃんと見ろよ!」
不意に後ろから背中を押され、転びそうになった。前方へつんのめると小屋の中が視界に入る。
そこには、不自然な恰好で横たわった彼女たちがいた。
彼女たちの腹部とその回りには赤いものが広がっていた。
「ぇ………」
どん、と音が鳴ったのは背中を押されたからではない。心臓が高いところから落とされたみたいに、そんな音がしたのだ。
脇と背中と胸の間を冷たいものが伝った。手の中でランドセルのベルトが歪んだ。足の感覚が無くなった。
「なんでそんな酷いこと言うの!そんなわけないじゃない!だから早く戻っ…」
「だってさぁ!こいつ何考えてるかわかんねーし、暗いし、よく一人でボソボソ喋ってるんだよ、誰かに話しかけるみたいに…気持ちわるいだろ!それに…」
先生が男子の口を塞いだ。しかし今度は後ろにいた女子が呟いた。
「…真白くん、この前学校の屋上にいたんだって…夜中にも町で見かけたって、お母さんが…」
「え…?うそ、ヤバいじゃん…」
みんなのざわざわとした声がたわんで聞こえる。喉の奥からせりあがってくる吐き気を、唾と涙と一緒に飲み込んだ。
ぼくが、殺したのかもしれない。
お前がちゃんと見ろよ。ぼくはしっかりと見た。
何年も大事にしてきた命たちは、腹を裂かれて仰向けにされ、手足をぴんと伸ばして並べられていた。
三匹は一列に、ぴたりと隙間なくくっつけられ、その手足の間には、まるで台形を描くような空間ができていた。
そして台形の中心には、切り出された内臓が置かれていた。
この意味不明な形には見覚えがある。町を荒らす怪人たちが持っている、シンボルのひとつ——。
何を意味しているのかはわからない。しかしこの一致は、偶然とは思えなかった。
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続きは9/7(日)に投稿します!
前回はこちら!

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