もう何度体を繋げただろう。
最初は無理矢理だった。それから、嫌がりながらも抵抗せず自分を受け入れるようになって数年。大学入学と同時に上京して同棲するようになってからは嫌がることもなくなった。
毎日は聡司の体がもたないので、週の半ばに軽く一回、足りない分は週末存分に抱くことにしている。今日は水曜日で、聡司の体に負担をかけないよう、ゴムを付けて先ほどまで抱いていた。二度ほどドライでイかせると、いわゆるイキっ放しの状態となってしまったので、昴は奥を何度か突いてやったあとゴムの中へと射精したのだ。
ペニスを抜いて後始末をしたあと、軽くシャワーを浴びた昴は下着を着ける。そうしてシーツを取り替えたベッドへと戻り、まだ体を起こせず横たわったままの恋人の体をタオルで拭いてやった。
高校生の頃ならば、こうした行為を昴は面倒だと嫌ったかもしれない。しかし今では楽しみのうちのひとつだ。聡司の体に負担をかけないようセックスの回数を減らしたぶん、少しでも彼の体に触れる機会を増やしたい。
「……ありがとう、昴くん」
か細い声で礼を言われるのも良かった。喘ぎ声も好きだが、何かに耐えるようなこの声もまた違った良さがある。
「聡司」
昴はたまらず聡司の体を抱え上げ、自分の膝の上へと向かい合わせに下ろした。
セックスが終わっても下着の着用を許さなかった聡司の尻が直接腿にあたり、気持ちが良い。高校生の頃から抱きまくったせいか彼の尻は、男にしては触り心地の良いものになっていた。
背中を抱きしめ、肌を密着させる。体力が無く疲れ切った恋人の体は、素直に抱かれるままとなった。
互いに何も言わず、しばらくそのままの姿勢を保つ。わずかに聞こえる息遣いと心音を、ただ愛しいと思った。
腕を解いて体を離したが、聡司は昴の上から立ち上がろうとしなかった。抱きしめている間、昴の肩へと添えられていた手が頬へと上がる。触れるか触れないか、微妙な距離で止まった手をもどかしく思った昴は痺れを切らせて口を開いた。
「何だよ?」
それは思いがけず強い印象を与えたようだった。何かを言いかけていた聡司の唇は震え、閉じ、小さな声で言葉を紡ぐ。何でもない、と。
失敗した、と昴は思った。珍しく昴を正面から見つめていた聡司の目は、既に逸らされている。彼が何を思い、何を伝えようとしていたのか、知る術はもう無かった。
煉瓦
2022-03-14 22:04:21 +0000 UTC煉瓦
2022-03-14 21:59:23 +0000 UTC