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グボオオオォォォッ!! ドゴオオオォォォッ!!
「がぁぁぁ……ぐぁぁぁぁ……っ!!」
ナギサも無傷ではない、だが、その一撃の差はあまりにも大きく。アラトの拳は、その鋼の肉体に阻まれ、逆にナギサの拳はアラトの肉体をたやすく破壊していく。
西山学園からの刺客、悪魔と呼ばれた不良、ナギサのその同年代離れした怪力に翻弄され……、アラトはなすすすべなく甚振られていた。
(あり、えねぇ……! 時間差で戦ったとはいえ……アキラと俺で、二人がかりだぞ……!)
グボオオオォォォッ!!
「がぁぁ……っ!!」
ドゴオオオォォォッ!!
「ぐぁぁぁぁああ……っ!!」
早くも満身創痍に追い込まれているアラトとは引き換えに、ナギサに全く疲労は見えない。
筋肉で引き絞られハリのある肌には、痣さえもほとんど見えない。隆起した胸を突き出し、笑みを浮かべつつ……、アラトの肉体に拳をねじ込んでいく。
(全く手も足も出ねぇなんざ……! クソ、何だよ、反則みてぇなあの怪力は……! ふざけ、やがってぇぇ……!)
「ア……、ラト……っ!!」
ドゴォッ!! グボオオオォォォッ!!
(ちくしょう……、この野郎が「悪魔」って呼ばれるのも、当然だぜ……!)
アキラも、すでに何度もアラトに助太刀に入っているが、そのたびにナギサに手痛い反撃をもらっている。
二人はすでに、ナギサと自分たちとで「生物」としての質の差さえ感じ始めている。もはや、キャンバスを這いつつ、一発でも悶絶するような威力の拳を何度も受け続けているアラトを見つめるしかなく……。
「がははっ♪」
幾度目か、アラトがキャンバスに崩れる。ナギサは拳を解くと、悪い笑みを浮かべつつ、肩で息をするアラトへと歩み寄っていく。
「がぁぁ……ぁぁぁ……」
ギシッ、ミシッ!!
「ア……ラト……!」
(だ、だめだ……、みんな、そうだった……! ナギサにつかまったら、もう誰も逆らえねぇ……っ!!)
満足に反撃してこなくなったアラトに飽きてしまったか。ままにパンツをはぎ取られたアラトは、全裸のまま、ついにナギサに担ぎ上げられてしまった。
勃起した性器を天井に向けてそりたたせ……、ナギサのバックブリーガーで、アラトの肉体は早くも異様な角度まで折りたたまれていく……。
(あの、化け物じみた以上な怪力に、みんな、負けちまってった……っ!)
ナギサは西山学園でも下級年を早い段階で蹂躙し、存在感を発揮していた。特に際立ったのはその怪力で、実際にリンゴを握りつぶしているのを見たこともある。
(アラトがっ……ぶっ壊されちまう……っ!!)
打撃戦に飽きたナギサが関節技やプロレス技を繰り出すのも、いつもの流れだ。ナギサにつかまったら、もうその圧倒的な力の前に壊されるしかない……。アキラは自分も含め、同期たちがこの悪魔に為すすべなく倒されていくのを目の当たりにしてきた。
「どうだぁ? 俺のパワーはよ? お前みたいな見せ筋野郎とはわけが違うだろ?」
ギシッ……ミシッ……!
「がぁぁ……あぁぁ……っ!!」
全ては、ナギサが己の怪力を自慢するためのショーでしかない。もはやナギサの怪力には抵抗もかなわず、アラトは悲鳴を上げることしかできなくなっていた。
「へっ、ビンビンじゃねぇか。なかなかエロくて甚振り甲斐があるぜ。なぁ、へっぽこアラトくん?」
「ぐぁぁぁ……がぁぁぁぁ……っ!!」
ビクッ! ビクッ!
アラトの肉体がアーチ状に折りたたまれて活き、腹筋が上に突き出ていく。生命の危機に瀕して刺激に敏感になり、そり立った性器は先走りをこぼし始めていた。
「さっさとギブしたらどうだ? ま、タイマンだし、放してやるかどうかはわかんねーけど」
ギシッ、ミシッ!
「なぁ、アラト? 同期で俺ほど強ぇ奴は知らねぇだろ? せっかくの喧嘩、たっぷり楽しもうぜぇ?」
「がぁぁ……ぶぁぁ……ぁぁ……」
「アラト……、ナギサ……やめ、ろぉっ!!」
アキラがキャンバスを這い、ナギサの足元ににじりよる。ナギサはわざとらしく大きな嘆息を吐き、その姿を見下した。
「……アキラぁ……、お前って、ホント恩知らずな奴だよなぁ? お前のことダチだと思ってるから、気を使ってやってんのによぉ?」
ドカッ
アキラはわざとらしく嘆息を吐くと、足元まではい寄ってきたアキラの頬を踏みにじる。
喧嘩に長けた二人の男を難なく牛耳り、思うがままに暴虐を果たし、それに対し一切の抵抗を許さないその有様は、……まぎれもなく、このリングを支配する圧倒的な強者の姿だった。
「俺ぁ、お前がコイツに手痛く負けたって聞いたから、最初の獲物をコイツにしてやったんだぜ?」
「ぐ、ぅぅ……っ! 頼んで、ねぇ……っ!」
普段は、アキラも含め学園の仲間には気のいいナギサだが、こと喧嘩においては暴走することもしばしば。
実際、屈辱的に頭を踏みにじられながらも、アキラは自分が「友人として」手加減されていることを痛感していた。それ故に、その気になったナギサに打つ手もなく……。
「ま、俺は別に二対一でもいいけどな? つーかそのほうが燃えるし」
もはや、ナギサにとって敵も味方もないのだろう。ただ、自分が暴れられて、喧嘩の相手を痛めつけられればばそれでいい。
「オラ! とっとと立ってかかって来いよ! じゃねぇと、アラトが俺にぶっ壊されちまうぜ~?」
「がぁっ!!」
折れ曲がる角度が人体の限界に近づき、アラトの身体が痙攣し始める……。ナギサはそこまで追い詰めると、ニヤつきながらアラトの身体を放り投げる。
キャンバスにて下腹部を晒して小刻みに震えているアラト、足元で徹底抗戦の意思で見上げてくるアキラ。
二人をそれぞれ見下して。ナギサはその二人の必死さをあざ笑うよう、挑発で中指をくいと振った。
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