過去作再録 「コウとアラト 2」
Added 2019-09-22 02:51:46 +0000 UTC「アラ、ト……っ!」
「……試合の時には、ちょっとムカついてたんだけどな……! だって、あんまりお前が譲らねぇもんだからよ……?」
「う、わ……っ!」
アラトの手が、コウのトランクスにかかった。抵抗するものの、疲弊した体がダメージを思い出して全く抵抗にならなかった。コウの顔が苦痛に歪んでいる間に、コウのトランクスを脱がせてそこらに捨ててしまう。
試合の格好が剥がれ、勃ち上がっている性器が露わになる。その先は汗と潤沢な先走りとですでに艶めいていた。コウは羞恥心から顔を隠そうとしたが、アラトに腕を掴まれ叶わなかった。
じっと見つめてくるアラトの瞳。激しい試合をこなす男の目、そして今は……。
そんな目に見据えられ、コウはたまらず目を逸らした。
「お前、やっぱすっげぇエロいな……」
「……お前、単純すぎんだよ……、つーか、ここは、そういうライトが……」
アラトは視線を逃がしたコウの顔をまっすぐ見つめ、胸、それから腹筋、試合の直後で張りあがった筋肉、そして汗で湿った皮膚に、アラトの少し皮の堅い指先が伝うように触れられていく。
コウも気を引き締めて会話に臨んだが、アラトに触れられるたびに、予期せぬ声と吐息がこぼれ始める。
「あっ……!あんま、さわ、んな……!」
「……お前も、とっくにそんな気分じゃねぇの?」
互いの汗で湿った前髪の先を触れ合わせ、耳元でささやくと、アラトは自身のトランクスも脱ぎ捨てた。
アラトの指先が体の表面を這うたびに、快楽に悶絶する。コウが細めた目をやれば、アラトのそれもまた、先端を天井に向けて勃起している。
試合とは違った意味合いで、自分にまたがるアラトの股、それから指先に至るまで、アラトの熱を感じる。
「ここ、すっげぇ反応してるけど? 試合中も俺に興奮してたとか?」
「ちがっ……! お、前も……、ぐっ! うぁ……!!」
せめてもの抵抗とアラトの肩を掴み、首を振るコウに、アラトは見せつけるようにコウの性器を指ではじく。コウがその衝撃に奥歯を噛むと、アラトはことさら面白そうに、コウのそれを玩具のように扱った。
先端を指でつついてみたり、手で覆ってみたり。透明な液で濡れていたそれを軽く扱かれる。
射精にはほど遠く、しかし敏感になった体の前にはいじらしく。そんな間隔でアラトに気まぐれに触れられるたび、コウは腰から指先をビクンと跳ねさせた。
欠片でも残る理性にしがみつこうと、ライトの直下で未だ高揚し続ける感情に呑みこまれまいと必死に奥歯を噛みつつ……、ちらと見た先にあった、アラトの勃起した性器を見つける。
荒れた息を吐き、奥歯を噛む。意を決したようにコウの手が伸びた。
同時に、アラトの顔が一瞬歪む。
「っ! うぁ……! コウ、お前……っ!?」
コウの手が、アラトの性器その先端を覆い隠す様に包み込んでいた。透明な液で粘着質な音を鳴らしながら、先端、それから筋の張った裏側までも覆い、指で掴み、扱き上げる。そのたびに、アラトは押し殺した声を漏らした。
ライトの下なのだから、基礎的な条件なら同じ筈だ。実際にアラトの顔は一気に余裕がなくなり、こちらへの責めが弱まるのを感じた。
いまだ自分の性器を握られたままながら、コウは前髪の影で頬を火照らせながら、薄く笑った。
「こ、コウ……、余計な真似すんな! 勝ったの、俺だろうが……! 俺が全部、進める、から……っぁ……!」
「……まだ、試合中、だろっ……!」
「んだと……っ? ……はっ……、……そういうことか、よっ!!
」
「っ!!?」
再び、アラトが手の動きを再開させる。
先ほど以上の速度と強さで刺激が襲ってきて、コウは腰をのけぞらせた。だが、手だけは離さない。アラトの肩を掴み、もう片手でアラトを責め続ける。
もう意地だった。任務の事も何もかも忘れた、同年代のこいつに好きなようにされたくないだけの意地。それでも、アラトは容赦なく、それを圧して欲望を叩き付けるかのように、力づくにコウを責め立てていく。
「……いいぜ、俺も漢だ。どんな喧嘩も受けて立ってやんぜ……。コキあいでも、完膚なきまでに負かしてやっからよ……!」
「ぐっ……そっ……!」
快楽に悶え、コウの指に震えが生じ、手に込められる力が弱まっていく。コウの火照った体や腕を押さえつけるようにして抑え込み、キャンバスに押し付ける。
せめてものプライドか、自分の性器を掴んだままのコウの手を払うことはせず、アラトは逆に挑発的に鼻を鳴らした。
「オラッ、もっと俺のも扱いてみろよ、ぜってぇお前の方が先に果てっからよ……?」
「……な、めんな……、がっ……、うぅ……うぁっ!!」
「へっ。どうしたよ、コウ。こっちも俺の圧勝か? もっと気持ちよくしてくれよ、なぁ?」
「うる、せぇ、よ……、あっ! ぐっ……!!
」
顔を寄せ合い、額を擦りつけながら、互いの性器を擦り合う。だが、体力的に余裕のあるアラトの優勢は目に見えて明らかだった。コウはやがてその刺激に全身を反応させ、足をのけぞらせて震わせていた
「へっ……!」
これ以上刺激すれば、コウは間もなく果ててしまうだろう。それを悟ってか、アラトはすこし嗜虐的な笑みを覗かせ、自分の性器にまとわりつくコウの手を、その手首を掴んで剥がした。
そして、コウの性器からも手をはなす。コウは荒れた息を吐き出し、キャンバスに仰向けになっていた。
「コウ、いいよな……? 挿れんぞ?」
「っ……!!」
だが、アラトが離れたわけではない。アラトのそびえたつ性器を目の当たりに、そしてこれから始まる行為を感じ、ぼやけた意識の裏でコウは目を見開いた。
「うぁ……、あぁぁ……っ!!!」
股の裏を鷲掴みにされ、持ち上げられる。コウの秘部がアラトにとって露わになり、そこに、ふと、ぴたりと湿った、だが熱い感触をコウは感じ取った。
コウの、いきりだった性器の先端の感触だ。コウが抗議の声を上げるまでもなく、コウの体内に、アラトは性器の先端をあてがい、挿入した。
「ぐっ……、うぅ……あぁぁっ!!!」
「ぐっ、コウっ……。締め付けすぎだっての……!」
自身の体内に、アラトが入り込んでくる。体の奥の芯までをいきなり貫かれるような感触に襲われ、腰にまで至る衝撃にコウの目が見開かれる。
体内を貫くアラトの性器が、熱く、脈動しているのを見ずとも感じられる。自分を貫き、その中でビクンと震える。アラトの性器が動きを見せるたび、感覚が鋭敏になっているコウは快楽の弾ける反応を見せた。
アラトの性器が挿入され、二人は図らずしてより体を密着させ、激しく息を吐き続けた。
「……へへっ、うらっ!」
「っ!!?」
挿入し、アラトはコウの背後から腕を回し、その体をコウの背から抱き寄せ、痛みを感じるほどにしっかりと腕で縛り上げる。
格闘の技ほどにしっかりと抑え込み、自身の性器で貫き、コウの体を完全に支配する。だからこそ、すぐに動くことはせず、アラトは下半身に力を込め、挿入した性器をビクンと弾けさせた。
それだけで、コウは声を漏らす。逃げ出すことも出来ず、ただ自分の意思一つで快楽に悶える。アラトは得も言えぬ感覚の余裕差に浸っていたが、やがてそれが損なわれることになる。
「……あ……っ、アラ、ト……!!」
「……ははっ、なんだよ、コウ。もしかしてキレてんのか~……?」
意識があるのかないのか、コウの頬を軽く叩き、いらずら気分で敗者への罰を進めていくアラトだった。
が、ふと、首だけで振り返る友人の顔を目の当たりに、けらけら冗談っぽく笑っていたアラトも、はっとして表情を改める。
「アラト、た、のむから……!!」
「っ……!?」
コウの目が、行為にいそしむアラトをしかと捕える。頬の紅潮したコウのおぼろげな表情に、アラトは言葉を失い、動揺した。
……これも、試合の一部だとすれば……。コウに流れを乗っ取られていることになる? 勝負に負けまいと奮闘していたはずが、いつの間にか、こちらの側が追い詰められていたというのか?
「…………!! くそっ……!」
「うぁっ!! あぁっ、ぐっ……!」
そうはさせるかと、アラトが腰を動かす。コウはその一突きごとに体を捻じらせ、快楽に身悶えた。
「……んだよ、それ、反則だろ……勝ったの俺だろっ!」
闘争心はそのまま下腹部に直結し、その逆もまた然りだった。アラトの中で追い詰められるような快楽が怒りに変わっていく。コウの表情に、余裕を失われた自分。その理由が理解できないまま、膨れ上がった苛立ちを、自分が今犯しているコウへとぶつけ続ける。
激しく腰を打ち付け、硬く勃起したアラトの性器がコウの最奥までに何度も捻じりこまれた。
コウの性器も何度も弾け、コウ自身の腹にぶつかった。貫かれる体内、性器の裏側から刺激されるような感触に透明の先走りも溢れかえる。
「なんか、知らねぇけど……! なんか知らねぇけど!! 余裕なくされんの、すげぇムカつくぜ……! コウ!」
「うぁっ、あ、あぁっ!!」
負けず嫌いが張り付いている性格からこそ、この不可解な興奮にしても納得できず、アラトは目の前の試合相手を敵視していた。自分は勝って、コウを犯している。
コウの首に手をかけ、もう片方で肩を押さえつける。コウの顔に髄と目を寄せ、アラトは歯を剥き、威嚇するように吠えた。
「オラッ、コウ、言ってみろよ!! 勝ったのはどっちだ? あぁ!?」
「あっ、ぐっ、あぁっ!!!」
アラトの動きがどんどん激しくなってくる。試合に勝って興奮しているのは分かる。だが、どうやらそれだけに何故アラトの意識が高ぶっているのか分からず、コウはされるがままにアラトに犯され続けていた。
「くそっ!!」
「っ!?」
ふとして、アラトがコウの腰を掴み、無理やりに足を絡ませて立たせた。アラトの性器に貫かれたままで腰が砕けかけているコウの下半身を支えさせるよう、ロープを掴ませ、アラトもコウの足を強く掴んだ。
そして、再びアラトの腰が打ち付けられる。ひたすら溢れかえる性欲を叩き付け、より最奥を犯し尽くすかのようなその激しい動作に、コウはひたすら、押し殺したような喘声を漏らし続けた。
(っ! ほかの奴らなら、体張った犯し合いだって負けねぇ、つーのに。やっぱ無駄にエロいんだよ……コウ……)
「くそっ! さっさとギブしろよ、ぶっ壊れちまうぞ、オラッ!」
「がっ……、はっ、ぐっ……!」
乱暴なりに、角度をつけたりして責め立てる。だが、同様にアラトもコウの熱い体内に性器を責められている感触を感じていた。激しい締め付けに身悶え、油断すればこちらの腰が砕けてしまいそうだった。先ほどまでの格闘では、こんな筈はなかったのに……!
「……ア、ラト……!」
「あぁ!? やっとギブする気になったのかよ? おっせぇなぁ!」
アラトの責めに体を揺らされたまま、ふとして、コウが言葉を漏らす。
やっと、負けを認めるか。そう思ってにやりと笑うアラトだったが、首だけでそっと振り向いていたコウ。ふと、快楽に歪んでいるコウのその口元に、不敵な笑みが浮かんだのを見つける。
押し寄せる快楽に悶えながら。アラトの苛立ちを読んだコウは、せめてもの反撃にと挑発を送った。
「へっ、まぁ、漢として強い俺に惚れちまうのは仕方ねぇよなぁ? 降参すんなら、勘弁してやっから……」
「……、はぁ、はぁ……アラト……お前の方が、余裕ねぇんじゃねぇの……?」
それを聞き、アラトはぽかんと口を開き、ぴたりと動きを止める。
その言葉を理解し始めた後、コウはわずかに後悔を覚えた。アラトの額に筋が走るのを感じたから。
「……テ、ンメェ……!! もう容赦しねぇからな! コウッ!!」
「……なっ……!?」
後から犯してくるアラト、その手が、コウの性器へと伸ばされる。
「っ!!?」
コウの性器をがっしりと掴むと、そのまま勢いよく扱き始める。粘着質な音がやまず、透明な滴がはじけるほどの速度。腫れあがることすら顧みないような熾烈な扱い方だった。
後ろから体内を犯され、そしてアラトの手で性器を激しく扱かれる。二重の刺激に、もとより鋭敏になったコウの頭は爆発しそうになった。
「うぁっ……、それ、や、め……、うぁあっ!!」
「コウ! どうだ!? さっさと出しちまえよ!!」
アラトに怒声のような声を向けられるも、コウは首を振ることしか出来なかった。ただでさえ重ねた快感で完全に勃起していた性器。それに乱暴な刺激が加味されて、すぐに限界は訪れた。
「うっ……、あぁ……、あああぁぁぁっ!!」
ビュルッ……ビュルルッ!!
コウの性器から、勢い良く白濁が噴出する。
吐き出したばかりで性器は乱暴に与えられた刺激により少し痙攣しており、それに合わせてコウの腰が小刻みに跳ねる。その度、糸を引く白濁がその先端からキャンバスへと滴った。
「……へっ、イっちまったか。……だけどなぁ……」
「いっ!!?」
白濁を吐き出したコウの性器。それでも、アラトは手を離さなかった。
出した直後でも未だ萎えないコウの性器を、また、先ほどと変わらない速度で激しく扱き上げていく。アラトの加減を忘れた責めに緩急はなく、コウは指先を跳ねさせ、悲鳴を上げた。
身を捻じらせて何とか脱出を図ろうとしたが、しっかりとアラトに足を掴まれて逃げ出せない。射精したばかりの性器への責め苦はあまりに痛み、そしてそれ以上の熾烈な快楽が降りかかり、それを享受することを強制される。
どこか妖艶に腰を捻り、弱々しくも逃げ出そうとしたコウの反応を悟って、アラトは鷲掴みにしていた足を引いてコウの背を自身へと寄せると、後を残すかのようにその首元に噛みついた。
同時に、はっとしたコウの口の隙間から甘い息がこぼれだす。今の状況では、そんなかすかな痛みや刺激でさえ、意識の根底まで刺してくるような致命傷となった。
「は……っ! がぁっ! うあぁぁぁっ!!」
「……はっ、出した直後にいじられるとキツイだろ! ライトも効いてるしな! このまま空っぽになっても責め続けてやっからな!」
コウの涙目の懇願の目を見ても、アラトは更にコウの首に噛みつき組み敷いて、ひたすら腰と手を速めるだけだった。
一瞬だけ重なった視線。自身を犯すその目は、相手を倒すと決めた試合の最中のそれと少し似ている気がする。
や、ヤバい……本気で……壊される……っ!
冷静などなく、今の発情したアラトに先ほどの言葉は失敗だったと確信し、コウはすかさず首をのけぞらせ、目を向けた。
「ア……、アラトっ! 悪かった……! 俺の負けで……、ぐっ、いいか、ら……っ! あっ……!!」
「今更おせぇよ! 徹底的にやってやっから覚悟しろや! コラッ!」
ヌチャ……白濁や汗に濡れた性器が激しく扱かれて、卑猥な音が絶えず、研ぎ澄まされた神経はそれにすら反応し続ける。
アラトの言う通り、射精直後だ。襲い掛かってくる快楽に手足はしびれ、アラトの動き一つで簡単に反応するようになる。それとは逆に、刺激される感覚自体は敏感になった。ライトを浴び続け、一度射精までした体は苦痛なほどにアラトを感じてならない。
背後からは、体内に入り込んだアラトの性器もはっきりと感じ取れる。熱の塊がより奥を突き上げ、アラトの形へと強引に広げてくる。
「……あっ……!」
「!? うぉっ!」
ついに、コウは立っていられなくなり、キャンバスに倒れこんだ。結合していたアラトの性器もコウの中から弾け出て、コウの汗ばんだ体に手を滑らせ、アラト自身もキャンバスに倒れこむ。
途端にコウは荒れた息を吐いた。体の奥底を蹂躙していたアラトの性器が抜け、性器への刺激も落ち着いた。あたかも息のできない水中から引き揚げられたかのような気分だった。
だが、それで終わる筈もなく。
「甘ぇっ!! たらたら休ませっかよ!」
「ぐぁっ……!!」
大した間もなく、再びアラトがコウへと襲い掛かる。獣のように肩を押さえつけ、体重をかける。再び、アラトの怒張が勢いよく挿入される。コウはキャンバスに爪を立て、その衝撃に奥歯を噛みしめた。
それから、射精したばかりの性器をひたすらに激しく刺激される。
……駄目だ、頭がおかしくなりそうだ。コウはしかしアラトのその過激な責めを受け止めるしかなく、アラトの動きに従い体を揺らし続けた。
「あ、アラト……っ、もう……、やめっ、壊れっ……!」
「コウっ……! んだよ、お前ん中、気持ちよすぎて……! くそっ!!」
動けば動くほど。感じるコウを眺めれば眺めているほど、自分も余裕を失っていく。コウの中を蹂躙しているはずが、返ってくる刺激に限界が近づいている気配さえ感じる。
アラトにとって、今更性行為に特別な感情が薄く、現状は試合の延長の意識が強いからこその、正体不明の悔しさだった。
「……くそっ!」
「んぁ……っ!」
アラトは歯噛みをして、コウの性器を責め上げる手をさらに早める。
「やめっ、やめろっ! アラト……、なんか、変……っ!」
ドビュッ!
ビュルルッ!!
アラトの手の中で、再びコウの性器が勢いよく弾けた。今度は白濁でなく、透明な液が性器から勢いよく噴きあがり、コウ自身の体に降り注ぐ。
快楽に身悶え、激しい息で脈動するコウの筋肉。それがより艶やかにライトの光を反射する。それを目の当たりに、アラトはコウを犯しつつ、頬に滴る汗をぬぐい、勝気な笑みを浮かべた。
「潮吹きだろ、前の試合の奴もやり続けてたら出してたぜ! けど、まだまだ……!」
「ああぁっ!!」
アラトはそれでも、扱くのを止めなかった。混濁するコウの意識の下、半ば強制的にライトの効能で何度も勃起する性器を、アラトはこれでもかと刺激し続ける。よもや疲弊すら許されず、コウはおぼろげになっていく意識でアラトの逞しい腕を掴み、ひたすらに体を震わせた
「うぁ……また、出っ……!」
……ビュルルルッ!!
そして、コウの性器から再び白濁が噴出した。二度目の射精は、天高く白濁が舞い、コウの体、アラトの胸元までを汚していく。
連続して扱き続けられた、二度にわたった射精。それに耐えきれなくなったコウは静かに意識を手放した。それに気づかないままで、アラトはコウの性器を責め続け、自身の腰の動きも早めていく。
刺激を続ければ、コウの性器は小刻みに震え、壊れた蛇口のように白濁を漏らし続けた。
「……っ! ……コウ、俺も……!」
アラトはようやくコウの性器から手をはなす、と、コウの中に打ち込まれている自身の性器の限界を感じ始める。精液に濡れた手でコウの手を握り、指を絡ませた。
自分たちの汗などで濡れたコウの寝顔は、それでも力なくアラトを受け入れており、アラトはコウの最奥を狙って自身の性器を打ち付ける。
「くっ。いく、ぞっ……! ぐっ!!」
大きなストロークでアラトが腰を打ち付けた、次の瞬間。アラトの白濁もコウの中に放たれた。
「はぁ、はぁ……!」
荒れた息を吐き、コウの中から己の性器を引き抜く。
アラトは天を仰ぐかのように首を逸らした後、意識を手放したコウの上に、疲れに身を任せて倒れこんだ。
汗、精液、様々に濡れた互いの体。コウの体は意識をなくしていても火照った体温を保っており、その引き締まった胸の上に頬を預ける形になる。
アラトは、その体温にささやかな心地よさを感じつつ、そのまま、今までの疲労感を思い出したように、静かに目を閉じた
●
体中が痛い。腰が痛い。下半身が痛い。
コウはガーゼの下の痣をいたわるようさすりながら、嘆息交じりに廊下を歩いていた。授業は休むことになった。保健室から暫く療養する許可を得て、寮へと戻る校内の道すがら。
そこで、どうしてこの顔を見つけてしまったか。曲がり角の先に見つけた人影に、コウは言葉を失った。
「よっ! コウ~♪」
「っ」
その声、そして姿に、思わず身構えてしまった。
アラトだった。笑顔で手を掲げ、声にいつも通りの気楽さを混じらせて。
「なんだよ、その顔。人がせっかくアイス買ってきてやったのに」
「……お前……」
「どうだった? 保健室のセンコーなんか言ってた?」
「…………」
顔を見せられたな。冗談で、しかも無意識のうちでも言いかけて、コウは慌てて言葉を止めた。アラトはきょとんとしてこちらを見つめている。
試合が終わってから初めての再会でそんなことを吐き捨てれば、いくら厚かましいコイツだとしても怒るか、傷つくに決まってる。
動かすこともつらいほどに体を痛めつけられたとしても……、そんな無神経な言葉を吐こうとした自分を、コウは首を振って否定した。
アラトは、ここで当たり前とされる試合、それを当たり前にこなしただけだ。自分だってそうしようとした。そりゃ、その試合に感情が混じらなかったといえば嘘になるが、それでも、仕方がないではないか。どうせ挑まなければならない試合なら、勝ちを目指すのは当たり前。
だが……それでもコウは重い嘆息を吐いた。いくら頭で理解しようとしても、試合から一日経ったばかり、体からダメージが抜けきる筈もないし、アラトを目の前にすれば体の芯がうずく気さえした。
……駄目だ。こいつの顔を見るのに耐えられない。仄暗い感情がこみあげてきて、図らずもアラトに何か不謹慎な言葉を吐いてしまいそうになる。
リングの上では一抹の恐怖さえ感じ、そして散々に犯された対戦相手だ。たとえ屈託ないいつも通りの笑みを浮かべていたとしても……。
「…………。悪い。俺、今調子悪いから……」
「んだよ、コウ。まだ動けねぇのか~?」
背を向けて寮に戻ろうとした、が、アラトのその小バカにした言葉に、カチンときた。コウは静かに拳を握る。
ゴッ。
「っ!!?」
振り返ると同時に、その腹に軽く一発撃ちこむ。試合中は無論、普段なら何でもないだろうが、痛みを思い出させるには十分だ。
「いっ……てぇぇぇええっ!!?」
「ほらな。お前も治ったわけじゃないだろ。早く自分の部屋に戻れよ」
「コウ、テメェっ……! 人がせっかく……」
腹の辺りを押えて悶絶したアラトだったが、すぐにコウを睨むのを止めて立ち上がると、どこかわざとらしい咳払いをした。
「ゴホン! ……まぁいいや、ちょっと座ろうぜ」
すると、アラトは近くのベンチに腰を下ろした。
明るい笑みを浮かべ、片手に握ったビニールを突き出す。意気揚々と手招きするアラトだったが、コウは静かに首を横に振った。
……駄目だ。やっぱり胸が痛くなる。もう、こいつとはもう元の関係には戻れねぇかも。いざとなれば、どうせ任務を優先しなければならないのだから、その方が都合がいいのかもしれないが。
「……悪いけど、俺、しんどいから……」
コウは小さく嘆息を吐いて、アラトに背を向けた。だが、アラトはそれでも食い下がった。立ち上がると、背を向けて行ってしまおうとするコウの肩を慌てて掴む。
「ちょ! ちょっとだけだって、お前の分のアイス溶けんぞ!」
「……いらない、放せよ」
「コウ、……やっぱ怒ってんのかよ」
「怒って……ない」
「じゃ、アイス食おうぜ?」
「…………」
さっさと部屋に戻りたいのに。いつまでも行かせてくれないアラトの顔を見て、次第に言い訳を考えることも億劫になる。
コウは密かに奥歯を噛み、苛立ちを覚えた。
いつもならたしなめて終わりのアラトの言葉。だが今ばかりは、そんなささやかな苛立ちも瞬く間に膨れ上がった。
……どうして、こいつはこんなにヘラヘラしてられるんだ……!
「っ!
しつこいぞ! いいから、暫く話しかけんなっ!」
コウは勢いよく振り返ると、表情を引きつらせ、感情のままにアラトの手を肩からはたき落した。
衝撃でアラトの手から握っていたビニールがはたき落され、中身であったソーダ味の棒アイスの袋が床を滑る。
コウは喉を唸らせ、アラトを強く睨み付けた。唐突なことに理解が追い付いていないのだろう。アラトは目を丸くして、コウの顔、それからはたき落された自身の手を見ていた。
そこで、コウはやっと我に返った。
「あ……」
ヤバい、ついにキレてしまった。二人だけだとは言え、空気が明らかに凍り付く
のを感じる。
「いや、俺は……!」
自分の浅はかさのあまり、コウは一歩後ずさった。怒りの拍子に不意を突いて飛び出た言葉。ともすれば負け惜しみみたいに聞こえたかもしれない。
「……悪い、じゃあな……」
分かりやすい拒絶を見せれば、アラトの目がどこか悲しいものになったのがよく分かった。それからは沈黙が続くにつれ居心地が悪くなる。さすがのアラトもそれ以上食い下がらなくなったのを見て、コウはそれだけ呟いて、足早に去ろうとした。
当たり前というか、アラトもそれ以上追ってくることはなかった。
「…………」
と、思ったのだが。
「…………。んの、野郎……」
小さな何かの呟きが聞こえた気がした、コウが目だけで振り返ろうとした、その時だった。
「…………テンメェェッ!!、コラァァアアッ!!
待てこの野郎ぉぉっ!!!」
「うわっ……うわぁっ!!」
コウの目に、猪突猛進といった様子でこちらに飛び込んでくるアラトが目に移り、コウは慌てて身を跳ねさせた。
その顔には一目見てわかりやすく、怒りがみなぎっている。なんなんだよ、しょげたんじゃないのか。試合の最中もさることながら、コイツは感情の色が変わりやすいし、いちいち濃すぎる……。
とにもかくにも。このままタックルを受ければマウントを取られる。襲撃者を目にして体が先に反応した。コウは反射的に身構えた。
「うわっ……!」
だが、ダメージの重たい体ではさほどうまくいかず、それは向こうも同じだったのだろう。コウはアラトもろとも床に背を向けて倒れこむ羽目になる。
衝撃のままに自分に仰向けに倒れこんできたアラトも、肘でも打ったのだろうかか、痛そうに体を丸めて抑えていた。
「いっっ~……」
がっしりした男の図体が自分の上に倒れかかってくる。コウはどうしていいかわからず、アラトの背中に手をあて、ひとまずはその体を起こそうとした。
(……コイツ、いつでも体温高いよな……)
それからほのかに、アラトの匂い。寮の部屋で一緒にゲームや勉強をしたりした時にも感じてきたものだ。そんななんでもないものでさえ、試合での出来事を揺り起こされるようだった。
コウは首を振ると、それらから意識を逸らし、背中から滑らせるようにアラトの肩を掴んだ。
「……なんだよ、アラト。お前、さっきから……」
ガバッ。
コウの体の上で呻いていたのも束の間、勢いよく起き上がると、アラトはそのままコウの胸
倉を掴んだ。
「っ……! アラト、お前……!」
「はぁ、はぁ……。お前……人がせっかく下手に出てやってんのに……!!」
顔を寄せ、ぎし、と歯をかんで睨んでくる。どうやら怒り心頭の様子だったが、コウはそれより周りの目が気になった仕方がなかった。
自分の立場上、というのもあるが、生徒同士を地下リングで戦わせるような教育施設だ。面倒を起こせばどんな目に遭うか知れたところではない。
例えば、今このタイミングで担任が通りがかったとすれば万事休すだ。教師の目には、昨日の試合の
因縁を昼の学園生活にまで持ち込む、校則違反の問題児二人に他ならない。
「お、落ち着けよ。こんなとこ、誰かに見られたら……!」
特に、その当事者が悶着を起こしたなんてことさら面倒な事態になりかねない。だがアラトはそんな心配など気にした様子もなく、コウの胸倉を手繰り寄せ、一際顔を迫らせた。
ごまかすようにでも聞こえたのだろうか。目と鼻の先に迫った機嫌を悪くしたらしいアラトにコウは眉を傾けつつも、周囲に人影はないか探し、真剣みを帯びた声を返す。
「アラト、お前、いい加減に……!」
「わ……」
だが。聞く耳を持たないかと思われたアラトが急に、怒りの雰囲気を解く。
感情をむき出しにしたかと思えば、次の瞬間には、どこか覇気を失っている。アラトは気まずそうに目を逸らした後、ゆっくりとコウの胸倉から手を離した。
「わ……、悪かったよ……」
「……え?」
そして、ばつが悪そうにそう呟く。コウは握りしめられたシャツの襟をほどきつつ、そのアラトの態度に呆気に取られていた。
「試合でやりすぎたから、悪かったって……! お前がくんの、ずっと待ってたんだぞ、コラ……」
そして、どこか投げやりに、だが申し訳なさそうに呟く。それを見て、寧ろ戸惑っているのは向こうの方だと気が付いた。
こんなアラトは、初めて見る。もともと感情の起伏が激しい性格だとは思っていたが、この学園の誰かに、まして試合の相手だった自分に、そういった態度をとる姿なんて初めて見る。
「試合した相手に、こんな事いいたくねぇけど……。その、なんつーか……。お前、だし……」
「……アラト……」
「……なのに……! 何が話しかけんなだよ! まさかこのまま俺と絶交とかする気じゃねぇだろうな! んなの、冗談でも絶対認めねぇぞ!!」
そういって、アラトに強引に肩を掴んで揺さぶられる。
確かに、試合を終え、気まずくなって、会話の機会さえ失われ、そのまま関係が終了する……。それも、わずかな可能性ながら抱いていたのは否めない。
アラトがそういってくれたから、アラトと友人でいられる。それを思うと、アラトを避けようとしていた先ほどとは一転、一方的にアラトを恐れ、避けようとしてきた自分が急に恥ずかしくなった。
「別に、そんなこといってねぇだろ……、それに、俺も……」
肩にかかった手をそれとなくはがし、コウは嘆息を吐き、そしてささやかに笑みを浮かべた。
こちらこそ、と謝るだけじゃない。ありがとう。とでも、言えたらよかったのだが。やはり自分は、アラトのように感情任せにはなれない。
「仕方ねぇだろ。それに、謝らない方が多分正解だ。次に試合組まれたら、気まずくなるし……」
「……怒ってねぇの?」
先ほど気楽に声をかけてきた時とは一転、いつものアラトに似つかわしくないよそよそしさで、しかしこちらの顔色をちらと窺ってくる。おそらく、最初の時はわざと気楽なふりをしていただけなのかもしれない。
此方の様子を覗き見てくるアラトのしぐさは、まるで花瓶でも割ってしまった犬のようだ。アラトの言葉、そしてそんな仕草を見ていれば、不思議と胸の内が落ち着いた気がして、コウは息を吐いた。
「……こっちも、悪かったな。試合の時も。それに、なんか……気を遣わせて」
「……コウっ!!」
「いっ……!」
軽く頭を下げる。……と、途端に乱暴に肩に腕を回された。無論のこと疲労困憊の体に痛みが突き走る。先ほどまでのしおらしさはどこに行ったのか。人懐っこい笑みを浮かべて快活に絡んでくるアラトに、コウは驚きつつも、頬をほころばせた。
「んだよ、あんまビビらせんなよ、コウ~!」
「お、おい! アラト!」
回された腕で背中を押され、そのまま、すぐそこのベンチに座らされる。アラトは喜々として、先ほど置いたアイスを手にとり、床に落ちていたビニールからアイスを取り出した。
ソーダ味のアイス。差し出されたそれをコウがじとりとみていると、アラトは勘繰ったようにもう片方のアイスをかざした。
「交換するか?」
「……いらね、食べさしだろ」
「んなの今更気にすんなよ。俺らリングの上であんなことしたじゃん」
「っ!?」
思わず首がねじれるほどの勢いで振り向く。だが、アラトはそんなコウをきょとんとした様子でを見つめていた。今のどこかに、そんな反応をする言葉があったか? とでも言いたげな顔だ。
まだ暫くは身を寄せるだろう、紛争学園。俺もそれくらい、割り切れたら……。コウは嘆息を吐いた。
「ほら、食えよ。お前の分」
「……サンキュ」
Comments
紛争学園シリーズじゃ難しいかもしれませんが、本格的な恋愛モノも描いてみたいですね~
yukibou
2020-10-30 08:15:46 +0000 UTC友人が殴りあって、掘られて、また、仲良くなる。意地らしいけど、このあと恋に落ちるのいいね。 できたら、腹殴りごっこからのエッチを読みたいよ。二人の恋愛もの
yshbs177
2020-10-30 05:26:41 +0000 UTC