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おやすみ兄妹ショートストーリー

こんにちは~!三上ミカです!


おやすみシリーズ実売50万部突破記念!


お祝いに「AQUADROPtracks2020Summer」に載せていた七夕ショートストーリーを1日限定無料公開にします~! (`・ω・´)


七夕のショートストーリーです。

(去年のものですが少しブラッシュラップしています)


※文字が小さくて読みづらい方向けに最後にテキスト版を置いてあります


特別無料公開のため、画像の保存はご遠慮ください。

また、文章や画像の転載を禁止します。



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ではではお楽しみくださいませ~!!




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メロンブックス様で記念フェアをやってくださっています!

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6/30まで

あと2日で終了です…!!

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ぜひぜひこの機会によろしくお願いします~!


その他の購入先一覧のリンクも貼っておきます。

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アニメについて http://aquadrop.chu.jp/?p=2260



アニメ記念のプレゼント企画や暑中見舞いも6/30〆切です。

詳しくは前の記事をご覧ください~!


※この記事がお気に召した方はぜひ「いいね」を押してもらえると励みになります!


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■以下、読みづらい方向けのテキスト版↓


※お兄ちゃんが大学進学後の話です



夜空を埋めるように、頭上で笹の葉やカラフルな短冊がひしめき合っている。

「わぁっ!きれーい!!」

浴衣姿の唯がカラカラと下駄を鳴らして会場の入り口まで走る。

「唯!こけるなよー!」

「もうっ、大丈夫だってばー!お兄ちゃんと霞さんも早くー!」

唯が振り返って僕と叔母の霞さんを呼ぶ。


「七夕祭り限定の御守りが良縁に効くって噂でね~!

でもお一人様でお祭りなんて流石の私も寂しいじゃない」

そう言う霞さんに連れられて、今日はわざわざ地元から離れた七夕祭りに来た。

祭りなんて、最後に唯と行ったのはいつだろう。

こういう関係になってから必要以上に気を遣ってしまって、一緒に遊びに出る機会も減っていた。

……その分、毎晩のように触れ合ってはいるのだけれど。



祭り会場の中心にある神社へ向かうと御守り目当てに長蛇の列が伸びていた。

「うそっ!?こんなに並ぶなんて知らなかったわよ!?」

「霞さん、列の進み遅いしこれは時間かかると思うよ」

「ぐぬぬ…唯ちゃ~ん、一緒に並ぶ?良縁ゲットしよ?」

仲間欲しさに唯を列に引き込もうとする霞さんを慌てて引きはがす。

「ゆ、唯にはそういうの早いだろっ!」

「うん。唯はいらないよ~、御守り」

ただの御守りとはいえ思わず焦ってしまった。唯の”いらない”の言葉に少しホッとしてしまう。

「そうよねぇ…仕方ないわ、おねーさんはここで並ぶから2人はお祭り遊んでらっしゃい」

霞さんはそう言うと財布から5千円札を取り出し渡してきた。

「いいよ、お金なら持ってきてるし――」

「ううん、イカ焼きあったら買ってきて。長期戦になりそうだから!」

「はいはい…」


神社の行列を離脱して屋台へ向かう。

その途中に来場者向けの短冊記入コーナーがあった。

「お兄ちゃん、お願いごと書こうよっ」

「そうだな、折角だし」

記入台の上で願いごとを書いていると唯が体を寄せて覗き込んできた。

「ええ~~、お兄ちゃんそれだと工事現場みたーい」

”健康第一”と書いた僕の短冊を見て笑いだす。

「いや、だって健康が一番だろ。母さんにも唯にも元気でいてほしいし」

「お兄ちゃんらしいね。ふふ」

「そういう唯は何て書いたんだよ」

いつまでも笑っている唯の短冊を仕返しに覗き込む。

「あ~~ダメっ!唯もたいしたことないからぁ」

短冊を隠そうとする唯の手をどけて、思わず息を飲んでしまった。


”ずっといっしょにいられますように”


恋人同士のありきたりなよくある願いごとの一つだ。

きっとこの会場にも同じ文言が沢山溢れているだろう。

それでも、その一文に胸がひどく締め付けられた。


3年前に唯が聞いてきた言葉が頭をよぎる。

『大人になったら一緒にいられなくなる?』



僕が唯を離さないから――

あの頃は簡単に言えたのに軽々しく口にできなくなったのは

少しずつ社会が、現実が見えてきたからだ。

就職してその先もずっと家に居続けられるとは限らない。

ましてやこの関係を隠し続けたままなんて……。


「お兄ちゃん?どうしたの?」

唯の言葉でハッとする。

心配そうな唯の頭を撫でて、もう一度ペンを取った。

「僕も、その願いごとにするよ」

短冊に『章・唯』と2人の名前を書き足す。

「お兄ちゃん、これ誰かに見られるかもしれないのに――」

「大丈夫だよ、ここなら知り合いもいないだろうし……ちゃんと叶えてほしいからさ」

僕がそう言うと唯は短冊を両手でにぎりしめ、祈るように目を閉じた。


なるべく高く見えにくい位置に短冊を結ぶ。

重なり合ったそれぞれの願いごとの中に、早速同じような文章を見つけて笑ってしまう。

きっとこの中なら、僕たちのこともうまく隠してくれるだろう。



「じゃあ霞さんのリクエスト通りイカ焼きでも買いに行こうか」

「唯、かき氷食べたいー!!」

人ごみの中ではぐれないように――もし霞さんに見られても

そう言い訳すればいいやと、唯の手を握り締める。


夜風が笹の葉と共に数えきれないほどの願いごとを揺らす。

ざあざあという音の中に僕たちの願いも当たり前の一枚として紛れていると思うと

少し心が晴れるような気がした。


唯の手の温かさを感じながら、あの一文を反芻する。

ずっと一緒にいる、離したくない――


ささやかでありきたりなこの願いが、どうか叶いますように……


(end)

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Comments

 髪をお団子にまとめた浴衣姿の唯ちゃんが凄く可愛いですね!短冊を潤んだ眼差しで見つめている表情が切なくも色っぽくて、後ろから短冊をのぞきこんでいるおにいちゃんの表情と相まってたまらないです!こうして二人が並んでいると、かなり身長差があって唯ちゃんの小ささを実感すると共に、実は2人の顔立ちが良く似ていて『血の繋がった兄妹』なんだと実感できてドキッとしますね!  兄と妹で想い合い、愛し合うという、世間からは許されない禁断の愛を紡ぐ2人の関係性が切なくてもどかしくなりますね…。夜になって2人きりの時間になると好きなだけ触れ合っていられるのに、知り合いに見られて関係性が露見する可能性を恐れて七夕などのイベントには顔を出せなくなっているし、人ごみで手をつなぐことさえためらってしまうのがもどかしい…。お兄ちゃんも唯ちゃんも、お母さんや叔母さんのことをとても大切に思っているのに、2人の禁断の愛はどうしてもその大切な家族を裏切ってしまう、だけどこの想いをなかったことには出来なくて…という切ない気持ちに胸がキュッとなりました。大人になってもずっと一緒に居る、絶対に離したりしない――そんな純粋な想いを実現する難しさを大人になるたびに実感して、だからこそその想いを短冊に込めて皆の願いの束にそれをひっそりと忍ばせる2人の切ない姿にキュンとしてしまいました!それと、良縁結びの話を聞いて思わず唯ちゃんに対する独占欲が出てしまうお兄ちゃんと、ふわりと縁結びが必要ないと否定してお兄ちゃんとの今の関係を選ぶ唯ちゃんの大人びた余裕にニマニマしてしまいました!この2人の切ない関係性がすごく大好きで、頑張って事実婚を成し遂げて欲しいです!

maja


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