冥煌獣メフィスを撃破し地球を救ったアストレアは、その正体を人々に明かした今もなお侵略者との戦いの日々を送っていた。
地球という環境に馴染むよう転身した人間の姿は、戦闘においても彼女のポテンシャルをより引き出しやすくしていた。
完全に転身を解除した姿よりも総合力では劣るが、身動きの軽さはこちらの姿に軍配が上がる。
「さて、と。ここは環境保護下の惑星よ。許可なく侵入することは許されないわ。私に叩きのめされたくなかったら今すぐ立ち去りなさい!」
お決まりの警告を告げながら、アストレアは敵の姿を観察する。これまでの敵とは違い、太陽系の外から地球へと侵略してきた『流醒獣』という存在が現れたことを管理委員から聞かされたのは数週間前のことだった。
そうして遂に地球へと降り立ったのは、グフィエラと名付けられた流醒獣。こうして直接目にするのは初めてだが、確かにこれまでの敵とは異質な姿に見える。
「ま、どんな奴が相手だろうと関係ないわ。今回はこっちから行くわよ!」
威勢のいい声と共に、アストレアは目にも止まらぬ速さでハイキックを繰り出す。しなやかな脚が敵の喉元を刺すように伸びた。
続いて放ったパンチも、重い音ともに敵の腹部を撃ち抜く。メフィスとの戦いから数ヶ月、アストレアは戦士としてその力をより洗練させていた。
「さあ、実力の違いは分かった? もう無駄な抵抗はやめたらどう」
力の漲る拳を向けながらそう告げる彼女の声色は自信に満ちていた。
一方、アストレアの攻撃に後ずさりしたグフィエラは、その大きな口から声の一つも漏らすことはなかった。
それよりも恐ろしいものが、その体内から蠢き現れたのだ。
グフィエラの口から放たれた“それ”は、弾丸のような速さでアストレアの身体へ飛んでいく。
「え……っ!?」
予想外の攻撃に反応もできないまま、アストレアはその異形な弾丸をその身に浴びた。
それは彼女の柔らかな肌を貫くことはせず、光沢を放つ銀色のボディへ、吸盤のようにぴったりと張り付いた。
「な、何よこれ!? 離れなさ……ぁ、ああぁんっ!?」
驚愕の声は、途中から瑞々しい悲鳴へと変わった。グフィエラの体内で飼われていた宇宙ヒルは、アストレアの全身からそのエナジーを吸い取り始めたのだ。
「やっ……! あぁ! う、嘘でしょ……これ、は……んんッ」
引き締まった身体をくねくねとよじらせても、ヒルの吸い付きから逃れることはできない。
じゅぷっ、じゅぷっ……と生々しい水音を立てながら、貪るようにアストレアの美しいエナジーを奪っていく。
「んっ、こんなのッ……すぐに、引き剥がして……」
これ以上は奪われまいと精神を集中させながら、アストレアは必死にヒルを引き剥がそうとする。しかし牙を食い込ませて肌へと密着したヒルは微動だにしなかった。
その隙を突くかのように、グフィエラが猛然と飛びかかった。ヒルに意識をも奪われていたアストレアは、その鋭い爪による切り裂きをまともに胸へと受けてしまう。
「きゃあああああぁぁ!?」
透き通るような悲鳴と同時に、パッと火花が飛び散る。グフィエラはその期を逃すことなく、続け様にアストレアの胸を引き裂いた。
「んああぁあぁぁ!!」
激痛にアストレアの顔が歪む。しかし責め苦はまだ終わらなかった。
グフィエラの攻撃により集中を乱されたアストレアの肉体からヒルは凄まじい勢いでエナジーを吸い取ったのだ。
「あぁ! あ、ぁああぁああぁ……」
アストレアは大きく背を仰け反らせて、その引き締まった身体をビクビクと震わせた。
彼女の上質なエナジーを堪能した宇宙ヒルは、その身体に張り付いたまま、ようやく活動を弱まらせる。
「んっ…… は…… ぁ、ぁあ、ん……」
大量のエナジーを奪われたアストレアは、膝から力が抜けるまま地面へと崩れ落ちた。
ドスゥン……と地鳴りのような音が響く。
膝をつき荒く息をする女神を見下すかのように、グフィエラは悠然と近付いてくる。
しかしアストレアの意志は、決して折れていなかった。
「ようやく満足したわね……。好きなだけ吸ってくれちゃって……」
呆れるような声でそう呟いたアストレアの腕にあるエナジーコアが鋭い光を放つ。そう、彼女の身体には三つのコアがあり、戦闘の中で地球のエナジーを充填していくのだ。
「こんなもので私の力を吸い尽くせると思ったら、大間違いよ!!」
これまでの死闘を経て、アストレアの身体に蓄えられるエナジーは、その総量も蓄積速度も大きく上昇していた。
数匹の宇宙ヒルで彼女を喰らおうなど、はなから無謀な戦法だったのだ。
『エクシーズ・キャノン!!』
三つのコアから集められたエナジーを胸から放つ彼女の必殺技。その青く美しい光が、邪悪な存在を焼いていく。
グフィエラはアストレアの膨大なエナジーを喰い切ることも出来ず、内側から破裂した。
「任務完了。この星は渡さないわよ」
爆発による熱と風を背中で受けながら、アストレアは勝ち誇るように言い放った。
こうして、今日も青い戦姫は侵略者の魔の手からこの地球を救ったのだった。
ひゅー
2022-01-31 16:08:16 +0000 UTCShime
2022-01-31 07:27:44 +0000 UTCfbX
2022-01-30 23:53:37 +0000 UTCひゅー
2022-01-30 23:15:54 +0000 UTCひゅー
2022-01-30 23:09:32 +0000 UTCひゅー
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2022-01-30 21:22:15 +0000 UTCferb
2022-01-30 15:08:40 +0000 UTCひゅー
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