ゴーン、ゴーン、ゴーン……
鐘の音が鳴り終わり、午前0時を告げる。
魔法は解けて、夢のような時間はおしまい。
お互い見つめ合ったまま、少しの間があって最初に口を開いたのは私だった。
「…明けたね」
「…メリークリスマス」
きっと、私を引き寄せようとして手を伸ばした司令官。
時計の音に遮られて、そのまま行き場を失い、宙ぶらりんのまま手を、バツが悪そうに戻そうとしている。
ありありと司令官の心情が伝わってきて、思わず吹き出してしまう。
同時に、とても愛おしく思えた。
言葉にしないまま、自分から身を寄せ、司令官の懐に潜り込む。
顔を埋めて、確かめるように名前を呼ぶ。
「司令官…」
ぽんっと頭に手を置かれた。
そのまま一定のリズムで、子供をあやすように優しく頭を撫でられる。
司令官の体の温もりを感じながら、ずっとこのままで、時が止まればいいのに。
………
…………
……………もう行かなきゃ
このまま何もかも無視して、司令官の腕の中にいたい。
その気持ちを、断ち切るようにブンブンブンと首を振り、顔を上げる。
「…シャワー浴びてくるね」
「……別によくないか、今日は」
少し呆気に取られたような、ハシゴを外された様な表情で司令官が言う。
きっと私と同じ、このまま一緒にいたいと思ってくれたのだろう。
「んー…」
逡巡するフリをする。
返答は決まっていた。けれどもせめて、この時間を大切にしたい気持ちを伝えたかった。
「ベトついたままだと気持ち悪いし」
上手く笑えただろうか。少しでも冗談ぽく聞こえてくれることを願いながら答えた。
「そっか」
少しだけ寂しそうな表情をしたものの、司令官はそれ以上は食い下がらなかった。
「司令官は先に寝てて良いよ」
「ん」
司令官は応えるなり、ぼすりと布団に顔を埋めた。
振り返って、部屋を後にするまで、笑顔はなんとか保てただろうか。
いつもの司令官なら、すぐに眠りに落ちるだろう。
私が帰ってくる頃には、深い寝息を立てているはず。
……そうでなくては、困る。
またここに戻って来られるのは、何時になるか。
それだけが気掛かりだった。
………
……………
はい、メリークリスマス!
SSは前回と同じ場面ですが、響ちゃん視点からのものになります。
せっかくのクリスマスという事で、響ちゃんにたっぷりどっぷりプレゼントをする元帥でした。
ちなみに、サンタ服は元帥が用意したものだったりします。
あと最低2回更新。次は誰描こう……ネタ浮かばん。
1ミリも知らないけど、ブルアカのキャラ可愛いの多くて描いてみたいのはある。
年明けたら姫始め描きたいですね。
ではでは、またー
樹里
2021-12-27 14:02:21 +0000 UTC