今回は、初の二次創作小説。
(第一話にはグロ要素があるので、R-18Gの区分にしている。)
ゼルダの伝説シリーズでは、時のオカリナで3つの世界線に分岐するわけだが、今作では、その中でも謎に包まれた「勇者敗北ルート」を書いてみたものとなる。
知っての通り『時のオカリナ』では、リンクが敗北した展開については一切の描写が無く、このルートでは“具体的に何が起きたのか?”が曖昧になっている。
・リンクはどのようにして敗北したのか?
・その後のゼルダ姫や六賢者たちは?
・ハイラルの民たちの反応は?
・ガノンドロフの具体的な行動は?
これらについて、私は幾つかの断片的な情報(ゲーム本編・ハイラルヒストリア・神々のトライフォースのあらすじ等)から、自分なりに考察・想像して書いてみる事にしてみたわけだ。
以下、私が描いた全てのタイトル絵と挿絵となる。
第一話のサブタイトルが「正史の始まり」なので「作者は敗北ルートが、ゼル伝の正史だと捉えているのか?」と思われるのは当然かもしれない。
これについて、私なりの考えを整理してみた。
〈そうだと言える理由〉
・初期に登場したゼルダシリーズは、全て敗北ルートである。つまり、敗北ルートがゼル伝の基礎となっているとも言える。
・現代においても、敗北ルートの作品が最も多い。
・「知恵のかりもの」のように、任天堂は最近の作品も敗北ルートで出している。しかし、その他のルートはここ数年は出ていない。
〈そうではないと言える理由〉
・時オカ本編では、敗北する展開は一切描かれていない。もし敗北ルートが正史だというのであれば、そのような扱いにはならないはずである。
・そもそも時オカの敗北ルートが、神々のトライフォースに続くというのは、後付けの設定である可能性がある。
・任天堂は、公式に「これが正史です」とは明言していない。
まとめ
敗北ルート=“正史である”とは、必ずしも言えない。
但し、敗北ルートは“ゼル伝シリーズにおける神話的体系の一柱”として、極めて重要な立ち位置であるのは間違いない。
正史は存在しないが、どれが最も正史っぽいか?と問われれば「あえて言うなら敗北ルート」だと言えなくはない。
無論、他のルートが正史だと解釈する事も可能である。
トワプリでは、時オカのリンクのなれの果てが登場しているので、トワプリルートこそが正史だと解釈することも可能。
風タクでは、時オカで倒したガノンドロフが復活した世界であり、時オカのメインだといえる大人編の世界でリングが頑張った世界の後なので、正史だと解釈することも可能。
ゼルダの伝説シリーズは、全てのルートが正史なのだ。
ブレスオブザワイルドでは、3つの世界線の伝承が融合していることから「時間軸の収束(統合)」説がある。これはつまり「全て正史です」と任天堂が言っているようなものなのだ。
これらを踏まえた上で、この小説では、敗北ルートこそが正史であるという“解釈”で書いているわけだ。ついでに、リンクが死亡する=正史と扱う事で、皮肉を込めているところもある。
小説を描くのは難しい。絵で説明したい私にとって、文字だけで全てを説明しなければならないというのは、難解なものであった。特に「地の文」で悩み、結局書けずにいる事が多かった。だからここ数年、私は構想だけにとどめ、執筆せずにいた。
しかし、ここ数年登場したAIは、その地の文といったものを、見事に代筆してくれる。それに事に気づいた私は、「これなら俺でも書けるじゃん…。ちょっと実験的に、ゼル伝敗北ルートの小説書いてみようぜ」と思って、書いてみたのが本作となる。
使用した主なAIは、ChatGPTやGrokとなる。以下、主な用途を整理してみた。
使用例1「地の文を埋めさせる」
漫画の脚本のように「台詞」「状況の説明」だけを書き、「これを小説として仕上げて下さい。」とAIに“地の文を埋めさせる”というやり方。
今作では、半分くらいのシーンは、この方法で執筆している。
使用例2「視点の変更を代筆させる」
実は最初は「三人称限定視点」(リンクは~した。彼はこう思った。)で本作を書いていたわけだが、途中で「一人称視点」(僕は~した。)に変更し、その書き直し作業をGrokに代行させてみた。
例えば第五話の、ラウル視点でガノンドロフ封印までの経緯を語るシーンでは、私が先に「神視点」で書いたものを、ラウルの一人称視点に変更する際、AIにやってもらったわけだ。
使用例3「推敲してもらう」
「このシーンをより良くするには、どうすれば良いと思いますか?」とAIに質問し、その分析結果から、自分が採用した内容で、推敲してもらう。
主に、以上のようなAIの使い方をした。その上で、細部を自分で調整するという書き方である。
当然ながら、AIによる仕上がりが気に入らず、結局は自分で大半を書き直すシーンもあった(例えば、第四話の騎士たちの視点、第五話のエピローグなどがそれに該当する)
時オカ本編と、出来る限り矛盾を出したくなかったので、今作にはオリジナルキャラクターはあまり出したくなかったわけだが、しかしどうしても必要だと判断して登場させたのが、ガノンドロフの幼馴染であるナバリアだ。
というのも、時のオカリナの終盤では、ガノンドロフ陣営で生き残っている存在は、ガノンドロフ本人と魔物しかおらず、ガノンドロフが勝利した後、彼は一人しかいない事になってしまう。
ガノンドロフがリンクに勝利した後も、引き続き彼に協力する存在がいてほしいし、いないのは不自然なのだ。
よく考えてみてほしい。ゲルドで育ったガノンドロフに“幼馴染”的な人が、いないわけがないのである。時オカでは、ガノンドロフ陣営の事は殆ど描写されない故に登場しないだけで、彼にはツインローバ以外にも沢山の知り合いや協力者、友人、味方がいなければ不自然なのだ。
孤独な存在だと解釈することも出来るが、しかし協力者も無しに、あれ程の行いを成し遂げられるだろうか?少なくとも、彼に協力するゲルド族は何人もいると考えるのが自然なのだ。
また、第四話に登場する騎士たちもオリジナルキャラクターだが、これは純粋に、時オカには固有名詞を持つ騎士のキャラがほぼ登場しないので、騎士側の目線を描くには、オリジナルキャラクターを出すしかなかったという理由となる。
Q:第一話のプロローグは、誰視点ですか?
A:分かりにくいかもしれませんが、ゼルダ視点です。でもサリアとも解釈出来るようにしています。このように曖昧なのは、彼女たちはハイラルの惨状について共通した認識を持っている、ということを表しています。
Q:第五話で光の賢者ラウルが語る出来事は、ダイジェスト的ですが、これを本格的に書いたりしないのですか?
A:実は途中までは書きました。しかし、途中で止めました。理由は以下の通りです。
1.活躍するキャラクターは、主に騎士団の人や、ハイラル王家の生き残り、ハイラルの民など、殆どがオリジナルキャラクターとなる。よって、ゼルダの伝説の二次創作というよりは、殆ど一次創作に近いものとなる。
2.長すぎる。エピローグで語られた内容をじっくり書くとなると、軽く10~20万文字以上は超えそうな勢い。ライトノベル1~3冊分くらいになりそうなボリューム。
3.そこまで頑張って書いたとしても、そもそも二次創作小説はあまり歓迎されておらず、pixiv意外の小説投稿サイトでは、殆ど投稿出来なくなっている。よって、「殆どオリジナルキャラクターの活躍なのに発表の場が限られている」というような状況に直面する。
もしも公式の任天堂が、ゼルダの伝説の二次創作小説を公認していたとするならば、話は変わるだろうけど、現状では苦労してゼルダの伝説の“20万文字以上の長編二次創作小説”を書くメリットは少ない。(だったら一次創作を書きたいと思う。)
主に以上の3つの理由となります。
もしも私がゼルダの伝説の二次創作小説をまた書くとしたら、それは敗北ルートではなく、別の題材・テーマ、Totkなど別作品に焦点を当てたものとなるでしょう。
今後(switch2などで)登場する3Dゼルダ新作は、どの時系列になるのか?について考えてみるとしよう。
●TotKで語られる封印戦争が失敗したルート
ラウルたちはガノンドロフを封印するのに失敗し、その後ガノンドロフはハイラルを支配したというタイムライン。それから数百年以上の長い期間が経過した世界。
●TotKのリンク敗北ルート
ガノンドロフはリンクに勝利。白竜となったゼルタ姫は、人間に戻る事もなく、マスターソードを頭部に刺したまま存在し続ける。
●スカイウォード〜時のオカリナのどこかで分岐した世界
・シーカー族が滅びていないタイムライン。
・統一戦争でハイラルが滅びたタイムラインなど。
●繋がっていない新規の世界。
ある意味、BotW・TotKがそうとも言えなくはない。いや、繋がっているさ。
●TotKよりも更にずっと遥か未来。
まさかのもっと未来。今度は、UFOが登場するのだろうか?
さて、どういうのが来るのだろうか。
これを書いている今現在、TotKが発売されて数年が経過している。任天堂はとっくに新作を開発しているのだろう。