雨夜燕はPの部屋で好きなだけセックスする
Added 2025-11-21 15:06:04 +0000 UTC雨夜燕は疲れていた。
燕が冬のHIFを制した、その何ヶ月も前──五月二十日、彼女は十八歳になっていた。
これには様々な意味があるが、ひとつに、労働において最も制約の少ない年齢になったということがある。
労働基準法においては、十五歳未満、十八歳未満、十八歳以上と三つに大別される中で労働時間をはじめとする様々な制約がある。
例えば十八歳未満の深夜業は原則禁止されているが、十八歳以上であれば三六協定の締結を前提として認可されている。
燕もアイドルとして活動するうえでそのような制約を受けづらい年齢になったわけだが、在学中──学園の監督下においては、いまだ未成年と同じ扱いを受けていた。
しかし今般卒業を控えて100プロのインターンを行う当たり、燕もいっぱしの大人と同じ環境で働くことになった。
とはいえ燕に不安はなかった。
体力には自信があるほうだし、その若さもあいまって二十四時間働けと言われたってこなせるだろう。
そう思っていた──が、現場は燕の想像の斜め上でキツかった。
拘束時間が長く、かつ待機時間も長い。
要するに、何もしていない時間が多すぎる。
これは撮影や収録ではありがちなことだ。監督やディレクターの意向、主役級のタレントたちの準備や段取り、あるいは天候不順等、原因は様々にある。
燕はインターンとして、つまり下積みのような立ち位置で現場に顔を出しているため、時間が空いてるなら控室に戻ってますね、とか、卒業公演の振りを確認しているので始まったら呼んでください、などと言えようはずもない。
ただまんじりと自分の出番を待つだけだ。
生来せっかちでスケジュールを詰め込むのが好きな燕にこれは堪えた。
以前、ファミリーレストランでアルバイトをしている後輩の藤田ことねが、『中途半端にヒマな時間が一番疲れるので、一日中薄っすら忙しいほうがラク』と言っていたが、なるほどこのことかと得心する。
時は二月──ゆったりと過ごした一月からの反動もあるだろう。
三月の卒業公演も控えた中で、燕の疲労やストレスはピークに達しつつあった。
*
その日も燕は疲労困憊の体を引きずって電車に揺られていた。
新宿から京王線で天川まで。特急ならば30分の距離だが意外と堪える。本数も少ない。
四月からはさすがに家を出て23区のどこかに住まいを移さねばやっていけなさそうだと痛感する。
時刻は22時を回りそうだ。
ここから家に帰るのも億劫で仕方ない。
天川で降りてしまって女子寮に転がり込むかと燕は思案する。クラスメイトの有村麻央や姫崎莉波なら歓迎してくれるだろう。
生徒会に現役で所属していた頃の燕からは出てこない発想だったが、学生最後の思い出としてこの程度のヤンチャはよかろうと思うことが多々ある。
「────」
天川駅に降り、スマホを取り出した燕は考える。
早く連絡しないと麻央も莉波も寝てしまうかもしれない。
しかしここで、プロデューサーに連絡するという選択肢もあることに燕は気づく。
冬のHIFを契機にプロデューサーと深間にはまった燕が、彼が一人暮らしをするマンションをたずねるのは初めてのことではない。
しかしこう、こんな風に気安く転がり込んでいいものなのだろうか。
そもそも泊まるだけならば麻央や莉波の部屋のほうがはるかに気が楽ということもある。
身支度を整えるアイテムは最低限持参しているが、最低限なのでそういう意味でも彼女たちの部屋はホスピタリティが高い。
しかし。
「────」
プロデューサーの部屋に泊まったら、たぶん、おそらく、間違いなく、『そういうこと』を致すことになる。
別に初めてのことではないので問題はない。
いや問題ないというか、逆に、今の燕は正直言って──ムラついていた。
この変にイラつくような、それが性衝動に直結しているような妙な感覚は初めてのことだった。
もちろん過去にも、したいと思ったことはある。相応の性欲はある。
とはいえ過去に経験したそれは、プロデューサーと話したり、触れたり、触れられたり、自然と気持ちが高ぶってくる中で醸成されるもので、今の燕が感じている、ある種暴力的な、自分を衝き動かすような感覚とは一線を画している。
「む……」
そういえばプロデューサーがヘトヘトになっているとき、やけに旺盛になることがあった。疲れているなら余計に体力を使おうとせずに一旦寝たらどうだろうかと毎度思っていたが、今はその気持ちがわかる。
一旦眠るとかそういうことではなく、このどろどろとした感じのまま、獣欲を果たしたい──そういう気持ちで体が充たされている。
燕は通話をかけようか迷ったが、既に眠っているかもしれないのでチャットを送ることにした。
10分くらい待って反応がなかったら有村に──いや、もうずいぶんな時間だ。大人しく家に帰ろう。
返事がなかったら、これはけっこうみじめな気持ちになりそうだ──とチャットを送ると、
『今駅ですか? 迎えに行きましょうか?』
物の数秒で返事が来た。
燕は『要らない』とだけ返事をして、ニヤニヤとしながらプロデューサーのマンションに向かった。
*
プロデューサーの暖かい部屋に迎え入れられ、じわっと体が温まる。
寒かったでしょう、とか、遅くまでお疲れ様です、とか、ねぎらいの言葉をもらいながら、燕はコートを預けた。
プロデューサーの気づかわし気な顔を見た瞬間、燕は胸がいっぱいになるのと同時に、今日の現場でディレクターに肩を叩かれたのは普通に気色悪かったなとか、夕食は自ずと酒の席になって、素面の自分があの雰囲気で食べるのは味がしないなんてもんじゃなかったなとか、一日分のストレスフルな記憶がフラッシュバックした。
察しの良いプロデューサーは燕の表情を見て、もう話を聞こうかという姿勢を見せてくれている。それだけでもう、燕は愚痴の半分くらいは言い終えた気持ちになった。
上着だけを脱いだ燕はその頭をプロデューサーの胸にあずける。
おそらくこのまま、雰囲気でそういう感じになると思う──が、燕は『いいや!』と心中でかぶりを振った。
今夜はちょっと、大胆に行きたい感じなのだ。それじゃあまずはシャワーに、とかそういう感じではないのだ。
「おい」
燕はプロデューサーの胸から頭を離すと、少し背伸びをしてプロデューサーの唇を奪った。
激しく舌を絡めながら、燕がソファのある方向にプロデューサーを押していく。
壁際のソファに辿り着くと、燕は唇を離した。燕とプロデューサーの唇の間に唾液の橋がかかり、蛍光灯に反射してぬらりと光っていた。
燕はドンとプロデューサーの胸を押してソファに座らせると、自らのブラウスの第一ボタンに手をかける。
「するぞ」
燕はブラウスを脱ぎながら、プロデューサーの膝にまたがる。
十二月からこちら、燕はプロデューサーと甘い蜜月を過ごしてきた。結果、おぼこいところはすっかりと鳴りを潜め、大胆な振る舞いができるようになっていた。
ブラウスを脱いでしまった燕は、鼻息を荒くしながらプロデューサーのスウェットに手をかける。
手早くパンツまで脱がしてしまうと、半勃ちのペニスが露出した。
燕はまだ柔らかさの残るペニスにちゅっとキスをすると、今度は自身のストッキングとショーツを脱いでいく。
ショーツは彼女のイメージカラーに近い藤紫色で、所々のシースルー生地が扇情的だった。
燕はまだ彼女の体温が残るショーツをペニスにかぶせる。
上目遣いにプロデューサーを見る燕の目が『好きだろう?』と言っていた。
燕がショーツで覆われたペニスをくにくにと弄り始める。
ナイロンのつるりとした生地越しに、燕の手の平の暖かさを感じ、プロデューサーの背筋にぞわぞわとした快感が走った。
ショーツの中でたちまち怒張したペニスを、燕がするすると巧みな指づかいでしごいていく。
しゅっ、しゅぅ♡ しゅっ、しゅっ♡ しゅるっ♡♡ しゅるっ♡♡
艶やかな生地に竿を撫でられ、柔らかいクロッチで丹念に亀頭を責められる。
快感に悶えるプロデューサーから思わず声が漏れると、燕は嬉しそうに微笑んだ。
燕は肉棒をしごきながら身を乗り出し、プロデューサーの耳たぶに歯を立てる。
そのまま舌を滑らせ、舌先を耳孔に伸ばしていく。
燕は空いている手でもう一方の耳を覆うと、ぐちゅぐちゅと唾液で水音を立てながら舌で舐め回す。
淫猥な水音が脳で直接響くような感覚に、プロデューサーが身震いする。
ショーツに包まれた肉棒は更に緊張を強め、ぎしぎしと軋むような強ばりを持つ。射精を秒読みしているような状態だった。
もう果てそうだとプロデューサーが情けなく喘ぐと、燕がゼロ距離で『いいぞ』と甘く囁く。
「いいぞ♡ 好きなときに出して♡
一番気持ち良い射精で金玉空っぽにして、ぐつぐつのザーメンでわたしのパンツぐちゃぐちゃにしていいんだぞ♡
出そうか?
たくさん出そうな♡
ほら、さーん、にーい、いーち……♡♡」
──どくっ♡♡ びゅるるるっ、びゅくっ♡♡ びゅ~っ、びゅびゅっ♡♡ びちゃっ♡♡ ぶちゅ……♡♡
燕の囁き声に合わせて、肉棒がたまらず精を吐き出した。
おびただしい量の精液が噴き出し、ショーツを濡らしていく。
小さなショーツで吸収しきれなかった精液が溢れ、こぼれ落ち、燕の手を汚した。
燕はこぼれたザーメンを器用にすくい上げて口元まで運ぶと、ずずっと啜っていく。
精液まみれのショーツを摘まんで外し、射精後の余韻で震えるペニスに舌を這わせる。
亀頭から竿の根本までを丁寧に舐め上げ、付着した精液や恥垢の類はもちろんすべて嚥下する。
お掃除フェラを終えると、燕はプロデューサーの頭を抱きしめ、その頬にキスをした。
「たくさん出たな~♡ えらいぞ~♡」
燕に嗜虐趣味があるわけではない。
彼女なりにプロデューサーに献身を示したいという気持ちはあって、それが燕の勝ち気な性格と噛み合うと、主導権を握りに行って責め立てるようなスタイルになる。
しかし先に触れたように奉仕精神はあるので、射精の後はいたずらに甘い。
燕はプロデューサーを褒め倒すと、軽く伸びをして立ち上がった。
カバンから飲みかけのペットボトルを取り出すと、喉を鳴らして一気に飲んでいく。
今や一番星となった初星のアイドルが、その肢体を惜しげもなく晒している様子に、あらためてプロデューサーの下っ腹が熱くなる。
引き締まったボディライン。美しい乳房に、尻から太ももにかけてのなだらかな曲線。
強張った陰毛に包まれた、その奥の秘所までもが丸見えだ。
プロデューサーの視線に気づいた燕が『どうした?』とでも言うように首をかしげ、微笑を向けてくる。
出会ったばかりの頃に舐めるような目で見るなと言われた記憶があるが、今では考えられない。
燕はプロデューサーの隣に腰を下ろすと、甘えるように体重を預ける。
「わたしの体が好きか?」
先ほどの視線のことだろう。もちろんだと答えると、燕はにんまりと笑う。
「そうだろう、そうだろう。
なかなか手間暇がかかっているからな。
もっと見てもいいぞ。
その代わり他の女は見るなよ」
これにもプロデューサーはもちろんと答えた。答えてから、もしも見たら、とたずねた。
「死んでもらう」
と燕は笑って、プロデューサーも笑った。
これもいつか覚えのあるやり取りだった。
「ん……でも本当は死ななくていい」
燕は落ち着いた声色で言った。
じゃあどうしますかとプロデューサーが聞くと、燕は腕を組んで考え込み──肩をすくめた。
「たぶん、何も。ただ、かなしいとは思うだろうが……」
燕の衒いのない瞳に射抜かれ、今度はプロデューサーからその唇を奪った。
もう俺はこの人から離れられはしないだろうと思いながら。
*
燕がプロデューサーの膝にまたがっている。いわゆる対面座位というやつだ。
先ほどまで萎えていたペニスは力を取り戻し、太い血管を浮かび上がらせ、たくましく天を衝いている。
亀頭が燕の腹を撫で、くすくすと笑う。
燕はプロデューサーのにおいを強く感じた。安心するにおいだ。タバコのにおいも。きつい香水のにおいもない。
プロデューサーのほうも、燕のにおいを味わっている。汗の混じった、甘い体臭だ。このにおいを嗅いでいるだけで、股間に血が集まってくる。
燕はまた一つキスをすると、体を浮かせて陰茎を秘所にあてがう。
カウパーに濡れた亀頭が、愛液にまみれた燕の膣口に接して、ぬちゃりと水音を立てた。
粘液同士が絡み合う。敏感な部分をなぞられて、燕は熱い吐息を漏らした。
腰を下ろす。
ずちゅっ♡♡ ずりゅりゅりゅりゅりゅ……♡♡
長大な肉棒が燕の中に侵入する。
処女を散らして以来、繰り返しこのペニスに女を貪られてきた。燕はディルドの類も持っていないので、彼女の雌の部分を堪能しているのは本当にプロデューサーのイチモツだけということになる。
「あっ♡♡ あぁっ♡♡ あぁぁ……うぁっ♡♡♡♡」
抵抗もなく、肉棒が滑るように膣奥へと向かう。その雄々しい形をしっかりと覚えているようだった。
ずじゅっ、ずりゅりゅりゅりゅ──ぶちゅんっ♡♡♡♡
「んおっ!♡♡♡♡」
亀頭が一番奥、子宮口付近を叩く。
燕は地響きのような振動を体に伝えられて、一際高い声をあげた。
ペニスが奥までおさまると、二人は肌を密着させて唇を重ねる。
腰回りに広がる甘い快感を味わいながら舌を絡めていると、燕は自然と腰が動きそうになった。
その欲求に抗えず、ねだるようにぐりぐりと尻を動かすと、プロデューサーもぐいっと腰を捻って燕の中を刺激する。
「うぅっ……あっ♡♡ んん……あぁ♡♡」
プロデューサーに責められると、燕はたちまち余裕をなくしてキスもできなくなる。
全身にふつふつと汗の粒が浮く。
背を反らして快感を受け止めると、燕の口の端から涎が垂れた。
「あっ♡♡ やっ、あっ、ううっ……はぁぁっ……♡♡」
燕はたまらず、しがみつくようにプロデューサーの頭を掻き抱く。
息を整えながら、燕がどうにか腰を上下し始める。
プロデューサーも燕の腰に合わせて力強く突き上げるように動く。
火照った燕の体から汗がはじけ、股間からは本気汁が溢れてプロデューサーの太ももにまとわりついた。
「んぢゅっ♡♡ んむっ♡♡ ちゅっ、ぢゅるっ♡♡ じゅるっ♡♡」
無我夢中でキスをする。
もはやお互いの顔を舐め回しているようなありさまだった。
「ふあっ♡♡ あ゛ッ♡♡ う゛ッ──♡♡」
燕が上下に動くたび、ペニスが膣壁をねっとりと掻き回す。
カリの高い形が痒いところを引っ掻くように押し当てられるたびに、燕は低い声をあげて唸った。
腰を下ろすときは燕の自重が加わって、プロデューサーから突かれるよりも更に重い刺激が伝わってくる。
必死で下半身に力をこめて堪えているが、少しでも油断すれば気をやってしまう。
「う゛ッ♡♡ あ゛ッ♡♡ う゛あ゛ッ♡♡ ま゛ッ……♡♡ てっ……♡♡ い゛ッ……!♡♡」
ぐぅと歯を食いしばって燕が堪える。
燕はぺしぺしとプロデューサーの胸を叩いて、ピストンを一旦中止させる。
一日分の疲労やストレスを溜め込んだ状態で突かれることの、なんと気持ち良いことか。
体の澱みが溶けていくようだった。
全身にまとわりついていた汗の名残りもこのうえなく鬱陶しかったが、そこから更にまぐわいで汗だくになっていくのは、なんというか、サウナで汗をかくような類の気持ち良さがある。
もっともっとプロデューサーとどろどろに、ぐちゃぐちゃになりたい。
「も、もう大丈夫……大丈夫だけどダメかもしれん……」
そう言って、燕がまた腰を上下に振り始めた。
今しがた呼吸を落ち着けたばかりだったが、すぐにまた体を痺れるような快感が支配していく。
もうちょっと頑張りたいとは思うものの、限界が迫っている。
「も、もうっ、だめっ♡♡ だめそうっ♡♡」
もはや堪えられまいと悟った燕が息も絶え絶えに告げると、プロデューサーがうなずく。
「い、いけるっ?♡♡ で、できればっ、一緒に……ん゛ッ♡♡」
プロデューサーが応じると、燕は安堵したようにその上半身に身を預けた。
ぐりぐりと肉棒を呑み込むように燕の尻が動く。プロデューサーもより深くに刺さるよう、ねっとりとした抽送をする。
「い、イクっ……♡♡ イキそう、イク……ぞ……んっ♡♡ だ、出してっ♡♡ い、イクっ♡ イクイクイクっ♡♡ あぁっ──♡♡♡♡」
燕がプロデューサーをきつく抱きしめ、その背中に爪を立てる。
びくびくと体を震わせると同時に、膣が収縮して肉棒を激しく締めつけた。
──どくっ♡♡ びゅっ、びゅるるるるっ♡♡ びゅぶっ♡ びゅ~っ♡♡ びゅるっ♡♡ ぶぼっ♡♡ びちゃちゃっ……ぶびゅっ♡♡
蠢動する膣にうながされ、蕩けるような快感に浸かりながらプロデューサーが射精する。
勢いよく流し込まれる精液とその熱さを感じて、燕がまた体を震わせる。脳内で何かがバチバチと弾け、じわっと全身から汗が噴き出すとともに、その体を多幸感が充たす。
「ん゛あ゛ッ♡♡ あ゛~ッ……ぎもちい……♡♡ はぁぁぁぁ……♡♡♡♡」
快感に打ち震える燕の、絞り出されるような声。
その目は蕩けて焦点を失い、鼻水が垂れ、口の端からは涎が一筋流れる。
ペニスの脈動は少しずつ収まり、精液もほとんどを注ぎ込んだかのように思えたが、燕の膣はまだザーメンが飲みたいとばかりに蠢いていた。
心地良い疲労感に、燕は息を長く吐き出した。
「ふぅ~……♡」
絶頂の波が少しずつ引くと、また燕はプロデューサーの唇に吸いついた。後戯というには過剰な、ねっとりとしたキス。
体の火照りを惜しむように、二人はキスを続けた。
*
しばらく触れ合っていた二人だったが、ぐぽ、と燕の膣から精液が逆流し、どちらともなく風呂に入ろうかという空気になった。
一緒に入ろうという燕にプロデューサーが狭いですよと苦笑すると、
「だからいいんだ」
と燕は笑った。
風呂でゆっくり今日の愚痴でも聞いてもらおうかと燕は思ったが、今となっては愚痴るほどのものでもないような気になっていた。あれほど苛立っていたというのに。
燕はプロデューサーの横顔を見ながら、大人になるということは、こうやって日々の重荷をどうにか軽くしていくんだろうか、なんてことを思った。
ふと、性愛でない部分のプロデューサーへの柔らかい感情で胸がいっぱいになった燕は、それを伝えようとして、口ごもる。
「なあ。また来ても──」
別れ際の会話みたいだと思いながら、また来てもいいかと言いかけた燕にかぶせるようにして、プロデューサーはいつでも来てくださいねと言った。
「おい、かぶせるんじゃない」
燕は満面の笑みでプロデューサーの背中に飛びつき、プロデューサーはたたらを踏んだ。
二人の夜は、もう少し続く。
(了)