剣士の夢(前)
Added 2022-12-05 15:00:00 +0000 UTC「573、574、575・・・」
俺は、月明かりの中、自宅兼道場である我が家で、黙々と竹刀を振る。
袴の下では、勃起が止まらない。
今行っているのは、その日の稽古終わりの日課としての素振り1000本だ。
試合感覚を忘れないようにとの父の教えで、素振りだけとはいえ、道着と防具をしっかりと着込んで行う為、汗だくだ。
そんな俺を見るものは誰もいない。
いや、一人・・・、正確には一つだけいる。
俺の右横にある、全裸の同級生の真っ白な石膏像だ。
普段は活発で明るい、クラスの中心人物であるサッカー部のエースストライカーである彼。
そんな彼の、噂ではまだ彼女がいたことすらないため、誰にも見せたことのないであろう勃起も忠実に再現されている。
サッカーのために発達した太い両足。
相手に当たり負けないようにと鍛えたであろう腹筋。
女子受けしそうなかっこいい顔と、流行りのサラサラマッシュヘアー。
そして、そう望めば、多くの女子を泣かせ、快感の底に叩き込めるであろう、カリの張った上剃り勃起ちんこ。
彼の全てを忠実に再現した真っ白な石膏像が、俺の素振りする真横に置かれている。
なぜそんなものがあるのか。
それは全て俺の夢のため。
俺の夢は、道場の再興。
俺が中学に入ったばかりの頃に父が亡くなり、高校に入学すると、母も亡くなった。
父が師範、母が師範代として守ってきた道場だが、その二人が亡くなった途端、門下生達は皆他に移ってしまった。
そんな道場を引き継いだ俺。
父と母の意思を継ぎ、道場を守り、再興するのが夢である。
昔みたいにたくさんの門下生を抱え、仲間と一緒に竹刀を振り、汗をかき、打ち合う。
そんな夢を抱き、俺は日夜稽古を続けている。
もちろん、こんな生活環境を心配した、高校の剣道部の顧問やら、近くの剣道場の師範やらが、自分の所に移らないかと声をかけてきたこともある。
だけど、俺が剣道を続ける理由は、この道場。
思い出の詰まった道場を守るために、稽古を続けているのである。
夢を叶えるため、俺は稽古を続ける以外の努力も頑張ったつもりだ。
学校の剣道部員達にうちに移籍しないかと声もかけたし、道場の名で大会にも参加した。
合同稽古という名目で、他の道場に行った時も勧誘をしたりもした。
だがやはり、道場に三段の俺しかいないのがネックとなり、なかなか上手くいかない。
それでも毎日素振りを続け、人形に防具を着せての打ち込み稽古を続けた。
そして、そんな生活が俺の性癖を歪めた。
仲間が欲しいとの思いがどんどん強くなり、一緒に汗を流してくれる仲間を求めるようになる。
自分の汗だけじゃなく、相手の男の汗の匂いも染み込んだ道場と防具。
きっと今と違う匂いになる。
仲間の匂いと俺の匂いはどう違うのだろうか。
そんなことを考え出す。
その思考が、俺のちんこを勃起させる。
勃起したちんこを見ると、仲間になら見られたいとし、見てみたいとも思うようになる。
仲間なのだから、全てを曝け出して当然だから。
当然それは逝き顔もだ。
どんな恥ずかしい姿でも見せて見られて、全てを共有する。
そんな仲間が欲しい。
さらには、普通なら彼女にしか見せないはずの腰を振る姿や、その肉棒の味、お尻の中の感触まで教え合うべきだろう。
それが、同じ釜の飯を食うということなのだから。
そんな願いを抱き、袴の中で勃起させながら、日々竹刀をふり続けた。
稽古の初めと終わりには、欠かさず道場にある神棚に礼を尽くし続けた。
そんなある日だった。
俺の頭に声が響いた。
『お前が我が道場のために竹刀を振り続けるというのなら、その望みを叶えるための力を与えよう。』
夢かと思った。
だが、それが真実であることは、次に学校に行った時に理解した。