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さとる
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剣士の夢(前)

「573、574、575・・・」


俺は、月明かりの中、自宅兼道場である我が家で、黙々と竹刀を振る。

袴の下では、勃起が止まらない。

今行っているのは、その日の稽古終わりの日課としての素振り1000本だ。

試合感覚を忘れないようにとの父の教えで、素振りだけとはいえ、道着と防具をしっかりと着込んで行う為、汗だくだ。

そんな俺を見るものは誰もいない。

いや、一人・・・、正確には一つだけいる。

俺の右横にある、全裸の同級生の真っ白な石膏像だ。

普段は活発で明るい、クラスの中心人物であるサッカー部のエースストライカーである彼。

そんな彼の、噂ではまだ彼女がいたことすらないため、誰にも見せたことのないであろう勃起も忠実に再現されている。

サッカーのために発達した太い両足。

相手に当たり負けないようにと鍛えたであろう腹筋。

女子受けしそうなかっこいい顔と、流行りのサラサラマッシュヘアー。

そして、そう望めば、多くの女子を泣かせ、快感の底に叩き込めるであろう、カリの張った上剃り勃起ちんこ。

彼の全てを忠実に再現した真っ白な石膏像が、俺の素振りする真横に置かれている。

なぜそんなものがあるのか。

それは全て俺の夢のため。

俺の夢は、道場の再興。

俺が中学に入ったばかりの頃に父が亡くなり、高校に入学すると、母も亡くなった。

父が師範、母が師範代として守ってきた道場だが、その二人が亡くなった途端、門下生達は皆他に移ってしまった。

そんな道場を引き継いだ俺。

父と母の意思を継ぎ、道場を守り、再興するのが夢である。

昔みたいにたくさんの門下生を抱え、仲間と一緒に竹刀を振り、汗をかき、打ち合う。

そんな夢を抱き、俺は日夜稽古を続けている。

もちろん、こんな生活環境を心配した、高校の剣道部の顧問やら、近くの剣道場の師範やらが、自分の所に移らないかと声をかけてきたこともある。

だけど、俺が剣道を続ける理由は、この道場。

思い出の詰まった道場を守るために、稽古を続けているのである。

夢を叶えるため、俺は稽古を続ける以外の努力も頑張ったつもりだ。

学校の剣道部員達にうちに移籍しないかと声もかけたし、道場の名で大会にも参加した。

合同稽古という名目で、他の道場に行った時も勧誘をしたりもした。

だがやはり、道場に三段の俺しかいないのがネックとなり、なかなか上手くいかない。

それでも毎日素振りを続け、人形に防具を着せての打ち込み稽古を続けた。

そして、そんな生活が俺の性癖を歪めた。

仲間が欲しいとの思いがどんどん強くなり、一緒に汗を流してくれる仲間を求めるようになる。

自分の汗だけじゃなく、相手の男の汗の匂いも染み込んだ道場と防具。

きっと今と違う匂いになる。

仲間の匂いと俺の匂いはどう違うのだろうか。

そんなことを考え出す。

その思考が、俺のちんこを勃起させる。

勃起したちんこを見ると、仲間になら見られたいとし、見てみたいとも思うようになる。

仲間なのだから、全てを曝け出して当然だから。

当然それは逝き顔もだ。

どんな恥ずかしい姿でも見せて見られて、全てを共有する。

そんな仲間が欲しい。

さらには、普通なら彼女にしか見せないはずの腰を振る姿や、その肉棒の味、お尻の中の感触まで教え合うべきだろう。

それが、同じ釜の飯を食うということなのだから。

そんな願いを抱き、袴の中で勃起させながら、日々竹刀をふり続けた。

稽古の初めと終わりには、欠かさず道場にある神棚に礼を尽くし続けた。

そんなある日だった。

俺の頭に声が響いた。


『お前が我が道場のために竹刀を振り続けるというのなら、その望みを叶えるための力を与えよう。』


夢かと思った。

だが、それが真実であることは、次に学校に行った時に理解した。



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